結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2025年6月24日 Vol.691
はじめに
おはようございます。
今週もオムニバス形式でお届けします。
Web連載の新シーズン「生成AIと学ぶ」のこと。「亡くなった人が語るAI動画」に思ったこと。Midjourneyの動画生成とOmni Reference機能によるキャラクタの一貫性を保つ試み。談話室での対話。そして「AIには○○ができない」という言い方への違和感などをお話しします。
さらに、自作PDF管理ツールshelf.privateをバージョンアップした話題もあります。古びた設計の自作ツールが生成AIのClaude Codeのおかげで若返りました。生成AIと一緒に実装していて、思わず「楽しい」と何度も口にしてしまうような日々でしたよ!
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Web連載の新シーズン「生成AIと学ぶ」の話。
Web連載「数学ガールの秘密ノート」の新シーズンが始まりました!
シーズン46となる今シーズンは「生成AIと学ぶ」がテーマです。
中学生のユーリが「AIを使ってみたい!」と言い出しました。でも、チャット相手になったAIはうまく答えてくれません。いったい、どーして?
エピソード1「答えてくれないAI(前編)」では、AIへの《質問の仕方》について考えます。
「生成AI」の進化は「学ぶこと」や「教えること」や「伝えること」にどのように関わっていくのでしょうか。ぜひ、お読みください!
◆第451回 生成AIと学ぶ:答えてくれないAI(前編)
https://link.hyuki.net/girlnote451/
なお、結城のWeb連載は毎週金曜日に更新され、最新回は一週間無料で読めます。
以下の「お知らせメール」にご登録いただくと、更新のお知らせが届きますので、読み逃しがありません。登録無料です。現在は639名の方がご登録くださっています。
◆お知らせメール:新シーズン「生成AIと学ぶ」開始!
https://mathgirls.hyuki.net/p/ai
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『数学ガール/リーマン予想』の話。
先週『数学ガール/リーマン予想』の再校ゲラを編集部に戻しました。これで原稿は結城の手から離れたことになります。あとは出版社さんにおまかせして、2025年8月の刊行を待つばかり。
まだの方はぜひご予約くださいね。みなさんの応援を感謝します!
◆数学ガール/リーマン予想
https://www.hyuki.com/girl/riemann/
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進捗管理ツールの話。
結城メルマガVol.687で「初校ゲラ読みツール」を生成AIのGeminiに作ってもらったお話をしました。
◆初校ゲラ読みツールの話(結城メルマガVol.687)
https://link.hyuki.net/mm687
今回は「再校ゲラ読みツール」を作りました。Geminiが作ったページをベースにしてデザインをちょっと見やすくして、起動時に画面の左から「シュッ」と登場するアニメーションを入れてみました。実際にコードを書いたのはClaude Codeです。
「そんなアニメを入れても機能は変わらないだろう」と思うかもしれませんが、違うんですよ。「さあ、ゲラ読むぞ」となったときに進捗状況がシュッと提示されで、気分が盛り上がるんです。
再校ゲラを読む作業を始めるとき、結城はコマンドラインで「gi」と「make view」というコマンドを打ちます。giは『数学ガール/リーマン予想』の作業をするディレクトリに移動するコマンドで、make viewはゲラ読みをするコマンドです。すると読むべきPDFが表示されると同時に、この「再校ゲラ読みツール」が別のウインドウに開かれて進捗状況が「シュッ」と出てくる。これはなかなか気分のいいものです。
ちなみに、再校ゲラは見開きのPDFでやってきます。ですから、書籍のページ番号とPDFのページ番号にはズレがあります。そこで、再校ゲラ読みツールではそのズレを自動的に変換して表示するようにしてあります。
そんな計算は、書籍の2ページがPDF1ページに対応するので「だいたい半分」と考えれば済むのですけれど、こうやって自動的に変換してもらうと、ちょっとした手間が省けます。そして、詰めて作業しているときにはその「ちょっとした手間」を省くことが意外に効いてくるんですよね。
どんな改善を行ったかは以下をごらんください。最後の方に「再校ゲラ読みツール」そのものを置いてあるgistへのリンクもあります。
◆『数学ガール/リーマン予想』再校ゲラ読み進捗管理ページの改善 by Claude - 結城浩のメモ
https://memo.hyuki.com/20250615175828/
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それでは、今週の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
目次
- 結城浩の談話室
- Midjourneyで動画生成+Omni Referenceでキャラの一貫性
- AIを使って、亡くなった人が語る動画を作ることについて
- Claude Codeで自作のPDF管理ツールshelf.privateに検索機能を実装しました
- 「AIには○○ができない」という主張について
結城浩の談話室
「談話室」は、ビデオをオフにしたZoomを使い、結城と参加者さんが二人で一時間自由に音声のみでおしゃべりするネット企画です。毎週土曜日に行っています。
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2025年6月21日の「結城浩の談話室」では、30代のクリスチャン男性とお話ししました。
この方は現在休職中で、このタイミングでできることを進めつつ、次の仕事へ向かおうとなさっているようです。
自己アピールのこと、ずっと進めている音楽活動のこと、教える仕事のこと、そして結婚のことなど、さまざまな話題でおしゃべりできました。
結城の方にもたくさんの発見があり、感謝でした!
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「談話室」への参加には予約が必要です。7月末までは予約が埋まっており、8月分の申し込みが今週中に行われる予定です。関心がある方は、無料ニュースレター「談話室通信」にご登録ください。アナウンスは最初にここに流れます。
◆結城浩の談話室通信(談話室の連絡をする無料ニュースレター、送信頻度はひと月に一回程度)
https://chatroom.substack.com/