結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年8月4日 Vol.175
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
* * *
新刊の話。
『暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス』の刊行は、 アマゾンなどで予告されていた8月15日よりも遅くなりそうです。 しかし、8月中に刊行されることはほぼまちがいありません。 現在はゲラの再校読みがほぼ終わったところで、 もう少しで結城の手から完全に離れます。 暫定版として公開されていたカバー画像も、 近日中には新しいものに変わっていくはずです。
多くの方からメールで電子書籍に関する問い合わせがありました。 『暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス』 の電子書籍版も刊行を予定していますが、 いつになるかは未定です。 電子書籍に関してアナウンスできる情報が入手できしだい、 Web日記やTwitterで公開したいと思います。
また、恒例のイベントとして、 無料サイン本プレゼント募集も予定しています。 こちらのほうもStay tuned!
それにしても、多くの方が結城の「暗号本」に関心を持ってくださっています。 これは、ほんとうにありがたいことです。 本を書くのはある意味孤独な作業ですけれど、 その作業を継続できるのはいうまでもなく読者さんが存在するから。
読者さんが期待してくださる。
読者さんが待っていてくださる。
そのことは著者にとって活動の大きな原動力となっているのです。
* * *
夏休みの法則について。
中学・高校時代。夏休みの初めに「宿題は最初の数日で終わらせて、 あとの夏休みはずっと好きなことをやって過ごそう」と思わなかった人はいない。 ……と想像しています。
そしてまた、夏休みの最後になって、 「どうしてもっと早く宿題をすませておかなかったんだろう」 と思ったことのない人もいない。 ……と想像しています。
もちろん、結城自身もこの二つにぴったりあてはまります。
文章を書いているとどうしても「〆切」というものと戦う必要があります。 そして〆切に対する思考は夏休みの宿題と同じパターンに陥りがち。 つまり、「〆切よりもずっと早めに文章を書き終えてしまい、 〆切直前には念のための読み返しをするくらいの状態でいよう」 と考えます。 そして、実際には〆切直前に泣きながらがんばるはめになってしまいますね。
さすがに文章を書いて生活しているので、 このような自分の状態を良しとはしておらず、 自分なりの対策を立てています。
ひとつは「〆切を自分のほうから設定する」ということ。 自分から設定する〆切は、 相手から提示されるであろう〆切よりも前の日時に設定します。 このようにすると自分なりに切迫感が出るため、 〆切前に少しでも進めようという原動力になるのです。
もうひとつは「どうせやらなければならない機械的作業を先に進める」ということ。 たとえば、原稿ファイルの下準備や、参照する資料のクリッピングなどです。 〆切直前になって頭をフル回転させたとしても、 使える時間は限られています。 そのときに、機械的にできる作業のために時間が取られるのは非常に惜しい。 たとえ〆切直前で必死にがんばることになるにせよ、 機械的作業はすでにすませた状態からがんばれるように準備しておくのです。
また、機械的作業を先に進めることには、 原稿が破綻するのを防ぐ効果があります。 どういうことかというと、〆切直前になって 「しまった、あの資料が必要になった!」とか、 「まずい、現在の私の環境では実行テストができないじゃないか!」 のような、致命的な事態が〆切直前に発覚しないようにするのです。
あなたは、〆切への対策を何かやっていますか。
* * *
さて、それでは今週の結城メルマガを始めましょう。 どうぞごゆっくりお読みください!
目次
- はじめに
- わざとゆっくり書く - 文章を書く心がけ
- 落ち込んだときの対処法 - 仕事の心がけ
- 夫婦円満の秘訣ほか - Q&A
- おわりに
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。