ユーザーブロマガは2021年10月7日(予定)をもちましてサービスを終了します

【思い出】ルールの外側を見る視野を教えてくれた友達の話
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【思い出】ルールの外側を見る視野を教えてくれた友達の話

2021-01-24 22:56
  • 4

 皆さんこんばんは。今日は思い出話です。


 漫画賞に応募するにあたって今までの経験から使えるものを探しているときに昔の友達に驚かされたエピソードを思い出してなぜか書きたくなりました。


 賞のルールとにらめっこしながらどんな構成が刺さるか、他の参加者はどういうパターンで来るか…戦略を考えていた時の話です。

 そういう考え方がぼくの中に浸透する決定打になったエピソードを話させてください。


 全体的に「ぼくって普通の人より有能なんですよ」って感じの嫌味ったらしい内容になるので不快にさせてしまうかもしれませんが、最終的に無能だったことが発覚して終わるので耐えて読んでもらいたいです。

 それでも当時のぼくと同じ気持ちを味わってもらいたいので、結論は後回しにして時系列順にダラダラと書くことにしました。





・就活セミナー


 その出来事が起こったのは、ぼくとその友達が二人で就活セミナーに参加していた時でした。

 そのセミナーはコミュニケーションや面接での自己PR、履歴書作成などの基本的なスキルの習得を目指すもので、月に何度かずつ講習会が開かれる長いスパンのセミナーでした。

 当時はぼくも友達も就活に対するやる気は相当低くて、遊戯王をすることしか考えていませんでした。そんな中でとりあえずなんかやってる感を周囲や家族に醸し出すために共謀してそのセミナーに参加したのです。





・ぼくと友達

 その友達はオタクでキモくてクズという点以外はほとんどぼくとは正反対の性質を持つ人間でした。

 でもオタクでキモくてクズだったしお互いちょっと変わってて面白いやつだったので、気は合っていました。珍しい左利き仲間でもありました。


 ぼくが頑固で我が強くてクソ真面目で創作が好きということは皆さんもご存知かと思いますが、その彼は空気を読んで集団に溶け込むのが得意でクソ不真面目で流行コンテンツを追いかけるミーハー系のオタクでした。


 彼曰くその時々の流行っているアニメばかり追いかけるのは、世のエロ絵師たちも同じ動きをするからだそうです。

 知らないアニメのエロ同人より知ってるアニメのエロ同人のほうがより抜けるから、エロ同人の質が高いジャンルにハマりに行く…という感じですね。


 ぼくは流行りものが大嫌いの逆張りオタクで、彼は流行ったソシャゲで周りより強くなってコミュニティ内でいいポジションを維持することに喜びを感じているオタクでした。


 聞いた話じゃ都会っ子で幼少期が引っ越し続きで、すでに出来上がったコミュニティの中に放り出される経験が何度もあったことで周りをよく見る能力が高くなったようです。


 いじめられないように空気を読みつつ、クラスの第一グループの2~4番目くらい…リーダー格でも弄られ役でもないポジションに収まってのらりくらりと生きていく…というのが彼のスキルでありスタイルだったんだと思います。


 一方ぼくは小汚い田舎育ちな上に協調性が皆無なので、お互いに「こいつ面白すぎだろ…」みたいな感じで珍獣として楽しんでたかもしれません。


 大学に入りたての頃、学科で尖って孤立してたぼくに気を遣った陽キャが「○○くん(ぼく)と仲良くなろう会」という地獄みたいなたこ焼きパーティーを開いて連行されたことがあり、主役のぼくが「飽きたから帰る」と言い放って途中で突然帰宅して陽キャを絶句させた…というクソみたいな人格破綻エピソードがあるのですが、彼はこの話が大好きだったみたいで何回話しても笑っていました。ぼくも地獄に引きずり込んできた陽キャを地獄に落とせて気持ちよかったので大好きです。


 ちょっと脱線してしまいましたがぼくと友達の間柄はこんな感じです。

 正反対の性質を持つクズの気持ち悪いオタク同士、ということですね。






・その日やっていた講習


 そして、友達の言葉でぼくの価値観が変わった日がやってきます。

 その日のセミナーでは経済ミニゲームのようなことをやっていました。


 就活やコミュニケーション系のセミナーでありがちな、小学校でやるようなゲームで講習の本質を体感するみたいなコーナーです。


 やったゲームの内容はこんな感じです。

・参加者は複数のグループに分けられる
・グループごとに紙とハサミと定規と糊を使ってパーツAとパーツBを張り合わせた図形を工作する
・完成品を講師に渡すとひとつにつき1ポイント(仮に)が貰える

→制限時間内にたくさん完成品を講師に納品して、一番多くポイントを得たグループの勝ち


 細かいところは覚えていないのですが、ハサミと定規の数がグループの人数より少なかったりグループごとに与えられている道具の種類が違ったり…という感じで全員が横並びで作業しようとすると不便になるようなルールだったと思います。

 このゲームが何かというと、要は経済活動をデフォルメしたものです。

 商品を生産し、販売して対価を得る。対価をたくさん得られるように仲間と協力したり工夫を凝らしたりする。という会社の営みを簡単なゲームにしたものを通して、コミュニケーションの取り方や自分で考えて行動することの大切さを学ぼう…というコンセプトですね。



 皆さんも「自分が見ず知らずの人たちとこのゲームをやることになったらどんな風に行動するかなぁ…」と想像してみてください。いくらか臨場感を感じられると思います。





・ぼくと友達がやったこと


 先にも言いましたが、ぼくは相当なクソ真面目です。しかも空気が読めなくて、学校のクラスにいるやつで例えたら一人で張り切って周りに引かれてる学級委員みたいな感じです。

 ぼくはこういうルールを与えられると張り切りまくってエンジン全開になってしまうようです。


 そして創作をずっとやっていたせいか変なアイディアを考えるのが好きで、人より創意工夫が得意だと思います。

 このゲームが経済活動をモチーフにしているということと、ルールに書かれていないことをやったら失格とは言われていないことに気が付いて、「ちょっと凄いことやってやろうじゃないの」とイキりたい欲に火がつきました。

 ちょうどカイジを読んでたころだったかもしれません。限定ジャンケン編みたいなテンションでした。


 そんなわけで意識高いモードになったぼくはデカい声で意気揚々とグループの仲間に指示を飛ばし、こういう時黙って突っ立ってるタイプの人たちに「君はこれをやる係ね!」と役割を振り分けてすぐに行動させました。

 少し経つと作業体制が出来上がって安定的にペリカを集められる状態になったので別のグループにいた例の友達のところに行き状況を教え合うと、ぼくのグループと友達のグループでは与えられた道具や数が違っていて、

・ハサミが多くパーツAを一度にたくさん作れるグループ
・定規が多くパーツBを一度にたくさん作れるグループ
・糊が多く一度にたくさんふたつのパーツを貼り合わせられるグループ

 みたいな感じに分かれているようでした。(ここ記憶があいまいなので厳密にそうだったかわかりませんが、間違いなくこういうコンセプトでした)


 友達も外道YPでぼく以上にメタ読みに長けていたので、これはグループ間でペリカを渡してパーツを買ったり共同で作ってペリカを分けたりするのが「答え」だなということに気付いていました。


 じゃあお互いのグループで協力し合おうぜということになり、それぞれ持ち場に帰ってメンバーに「隣のグループと合併したいんだけど…」と説明して、双方合意の上でふたつのグループを合併させたのです。



 そのまま作業を続行しては意味がないので、与えられた道具を持ち場ごとに再分配して、パーツAをひたすら作り続けるセクション、パーツBをひたすら作り続けるセクション、合体させるセクション、講師に納品してペリカを持ってくる人、さばき切れないパーツを残りひとつのグループに売れないか交渉しに行く人…みたいな感じで本物の会社っぽく分業を進めていって、ぼくは工作の単純作業を手伝いながら各セクションを見て指示を出したりする現場監督的な立ち位置をやりました。

 友達が何をしていたのかは思い出せないのですが、ぼくの補佐役みたいな感じで一緒に現場を回していたか納品や交渉など外回りの仕事をしていたと思います。

 工作の作業専門ではなかったはず。ぼくは友達が細かい作業が大嫌いでコミュニケーション能力が高いことを知っていたから、たぶん工作は任せていないでしょう…



 そんな感じで指示出しのぼくと補佐役の友達が中心になって合併グループはなかなかいい感じにペリカを稼げました。

 残りひとつのグループにも取引や合併を持ち掛けたのですが、先に2体1の構図を作られて敵対心が湧いてしまったのか断られてしまいました。


 ペリカはたくさん稼げて孤立してしまったチームにも当然勝利したし、自分で考えた分業体制を指示出ししてメンバーを動かしたりと活躍もできたのでぼくは結構満足しました。


 自分で言うのもなんですが間違いなくMVPでした。

 要は意識高い系の仕切りたがりなんですよね…




・友達の意図


 そんなえらいハリキリボーイと化したぼくに対して友達はその陰に隠れたナンバー2という役割に徹してくれたのですが、それは優しさや気遣いではありません。確かめてないけど絶対にそう。

 ヤツは自分が矢面に立つことやヘイトを集めること、損をすることが大嫌いで、なるべく楽をして優位に立ちたいという考えの持ち主です。


 ぼくの補佐をすれば自分で考えて行動する必要はなく、他の参加者にウザい仕切り屋と思われることもなく、そんなに大変な仕事も回ってこないし、MVPの補佐役なので第二位の功労者になれるのです。

 まさにヤツの生き方にピッタリとあてはまる理想的な立ち位置といえるでしょう。


 それに対してぼくは目立つのも仕切るのもたくさん仕事をするのもウザいと思われるのも大好きなので、お互いに損はなく気持ちよくなれました。


 彼とはいろんなことをやりましたが、この時が一番お互いの性質が噛み合ってたと思います。




・そういうとこだぞ


 ぼくがいかにウザい自己陶酔型の仕切りたがり野郎かと言うことはもう嫌と言うほどわかってもらえたかと思います。

 当時のぼくは得意な謎ゲームをやることになって、とにかく活躍してやるぞ!という気持ちでいっぱいだったわけです。


 ぼくはそれがあのゲームの攻略法、求められていることだと思っていたのですが、今になって思えばあのゲームに正解や優秀さという概念はないんです。


 そもそもあれは就活セミナーの一環なので、大事なのは実体験の中からどんな学びを得るかということだと思います。


 失敗したって別によくて、たとえば自分から積極的に動けなくて指示待ちになってしまったという結果だったとしても、それで自分にそういう弱点があるということに気付ければ自己分析になります。

 それが履歴書や面接の練習をする時に「私は自分から行動するのは苦手ですが、そのことに気が付いてからは少しずつ改善しようと思い、友達との食事会を自分で企画して声をかけるなど積極的に動くことに慣れようとしています」という感じの自己PRに繋がれば大成功なわけです。


 疑似的な会社での労働と協力をやる中で自分の性質や仲間とのコミュニケーションについて学びを得られれば、成績というのはどうでもいいんです。


 それなのにぼくというやつと来たら…

 もう活躍することしか頭になかったわけです。ちなみにこのゲームを通して「やっぱりぼくは優秀だな!周りの人間と違って賢いし行動力もあるぜ!」としか感じてなかったので何も学びを得ていません。






・ゲームが終わって


 そうしてぼくたちのチームが優秀な成績を残してゲームは終わり、ちょっと休憩してから最後に一人ずつ感想を言うコーナーになりました。


 順番が回る中で孤立を選んだ残りひとつのグループのリーダー格だった参加者が「結果は良くなかったけど最後まで合併せず自分たちだけで頑張れたからよかった」という感じのことを言っていて、ぼくはクソカスなので内心で(結果が悪くても頑張ったからいいなんてのは頑張り方を考えられないヤツの発想だぜーッ!!カーッカッカッカ!!)と思っていました。

 本当にただ勝っただけでこのゲームから何も学んでいない…




・問題の一言


 いよいよこの自称有能マンのイキったしたり顔が崩れ去る瞬間がやってきます。


 雑談&感想タイムに友達と二人で上手くいったなと話していた時に、友達は「今日は間違いなくお前が一番輝いてたよ」と珍しく褒めてきました。

 ぼくも彼の的確な補佐があったことや彼がぼくに従う人になってくれたおかげで周りも同調して指示が通りやすくなったこと、そしてそれを意図的にやっていたこともわかっていたので、そのあたりのことを褒め返したと思います。たぶん。


 そんなわけでぼくは主役になれてめちゃくちゃ気持ちよくなっていました。


 ところが雑談の中で友達がふとこんなことを言ったのです。




「でもさー、せっかくなら全員でグルになって、講師が持ってるペリカ全部吐き出させてゲーム破綻させたら面白かったよな~」





 ぼくはこれを聞いた瞬間自分が愚か者だったことに気が付いて、今までのイキりが恥ずかしくて仕方なくなりました。


 ぼくは結局のところルールの中で一番になろうとして走り回っていただけで、そのルールの中に閉じ込めるもの(この場合は講師)の存在に気付いていなかったのです。


 本当に賢くて有能な人間なら、ルールの中で敵対したグループを叩きのめすことじゃなくルールそのものを破壊することをしなければいけなかった…


 所詮ぼくは誰かに使われる労働力として優秀なだけで、本当に社会で活躍できるのはこの友達のようにルールの外側まで見て出し抜くことを考えられる人間なんだ…と心を打ち砕かれました。



 彼もぼくも大人を困らせるのが大好きな人間で、ぼくだってゲーム中にそのことを思いついていたらノリノリでゲーム自体を破綻させに行ったはずでした。

 そのことを説明していれば孤立を選んだグループも絶対に協力してくれたはずです。


 絶対にそっちのほうが面白いに決まっていたし、やりたかった…


 いや、それ気付いてたんなら言ってくれよ!!!


 自分では最高のパフォーマンスだと思っていたものが、一瞬で後悔に変わりました。



 講師も他の参加者たちもぼくが一番活躍した人だと思っていて、感想の中で「○○さん(ぼく)が指示を出してくれたおかげで…」という感じに褒めてくれたりもしました。


 でもぼくだけがぼくはただのピエロで本当に有能なのは隣で楽な仕事をしながらぼくに同調することで密かに場を仕切っていた男なんだということに気付いているわけです。


 しかもそいつだけがルールの檻の外側まで見えていたわけで、本当にこいつには敵わねえと心底感服しました。


 ぼくが感想を言う番が回ってきて、ぼくはやっぱりそのことが頭から離れず「全員でグルになって全部のペリカを吐き出させたら面白かったね、って言われて、自分の視野が狭かったことに気付きました」としか言えませんでした。

 講師やセミナー運営の大人たちは「そ、そうだね。広い視野を持つことも大切だね」みたいなことしか言わず全然ぼくのように感心していなくて、むしろ「やられなくてよかった…」くらいの内心だったかもしれません。それがもしやってたら最高に困らせられたことの証明だったのも悔しかったです。


 ぼくが何かをする際にルールの外側を意識したりするようになったのはこの時以来です。





・そんな二人だけど


 当時のぼくは、ぼくのクソ真面目さと優秀さ、こいつの視野の広さとコミュニケーション能力があれば何でもできそうだなという気がしていました。

 ただ実際のところぼくらは何もしていなくて、


 ぼくは確かに優秀だけど頑固で神経質で空気が読めないので実際の会社では誰もついてこないし優秀さを発揮することはありません。

 友達も本気を出せば世の中で活躍できるような視野こそ持っていますが、本質は不真面目なキョロ充で自分が頑張ることを嫌い、苦労してでも叶えたい夢や信念みたいなものとは縁遠いタイプです。

 たぶんのらりくらりと生きて、あまり嫌な思いをせずに会社でいいポジションに就ければいいという感じだと思います。


 そんなわけで普通の人とは違う別方向のすごさを持っていたぼくたちも所詮クズでキモい落ちこぼれのオタクで、世の中に羽ばたくことはなかったというわけです。


 ぼくはそんな気質のせいで会社で自分を出したら終わるので、何も主張せずロボットになって働くしかありません。


 友達のほうはどうしているかわかりません。もしかしたらどこかで大活躍しているかもしれないし、普通の会社員になって苦痛も味気もない生き方をしているかもしれません。


 そう、絶縁しているのです。



 何を隠そうかつてのぼくが一時期荒れに荒れていた時期の敵対者がこの男なのです。

 こいつは風俗でTRPG動画が好きと言ってきた嬢に自分の友達がニコ動のTRPG界隈でちょっと名の知れた存在だということを自慢し、黙っていればいいのにぼくの頑張りにタダ乗りしていいカッコしてきたことを嬉々として報告してきたのです。


 最高の相棒みたいな雰囲気出してた割にそんなことで絶縁すんのかよ…




 この辺は創作やってるやつとやらないやつのわかりあえない差みたいなもので、

 ぼくにとっては死ぬほど苦労しながらやってきたことをバカにされた気分だったし、向こうからしたら別に損害を与えたわけでもバカにしたわけでもないのに突然ブチギレられたと感じたと思います。

 それ以外にもお互いに相手の一番されたらウザい煽りみたいなのをやり合っていた時期だったので、もしかしたら相手を下に見たい虚栄心同士の果てしないバトルの一側面だったのかもしれません。

 元から真逆の価値観だったわけだし、どのみちあの時期が潮時だったと思うよ…



 というわけで今日の話、憎いやつのめちゃくちゃ面白いエピソードなのに今まで話したくても意地があって話せなかったのですが、活動的にひとつの区切りを迎えたので逆に話してみようかなと思いました。

 別に許してはないですし、たぶん勝手に過去のことをブログで事細かに晒したので向こうも万が一知ればキレると思いますがそんなことは関係ないです。


 そんなわけで、今日の話はいかがでしたか?

 ぼくはとても面白い話だと思っているので、皆さんにも楽しんでもらえていればいいなぁと思います。



広告
×
社会主義的な意味では投稿者は優れた人材だな。
資本主義では友人の方。
でも、民主主義的には最後まで自分たちのチームだけでやった人たちが優秀といえる。
3ヶ月前
×
マルチの勧誘でよくあるパターン
3ヶ月前
×
羨ましいくらい面白いエピソードだと思います。
つまらない人間にはこんな面白い生き方をすることも、している人と出会うこともありませんので。
何も学んでいないと言いながらしっかり教訓を得ている所とか、何かを成し遂げる人はやはり違うなと。
3ヶ月前
×
最初から最後まで面白い話ですね。
3ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。