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記事 3件
  • 語り処_2021.12.11

    2021-12-11 19:20  
    330pt
      1. ひとことオピニオン
    リーダーの明快な主張こそが、国民の気持ちを惹きつける
    今般の衆院選で立憲民主党は大敗してしまいました。今回の敗因を考えるとき、何の政策が足りなかったのかとか、どの点が国民の心を動かさなかったのかというような細かなことを言うのは、木を見て森を見ないようなものだ。そんなことではなく、全体として立憲民主党という存在が、国民の心に刺さらなかったということだ。なぜなら、それは政権をとったときの明快な主張がなかったからだ。立憲民主党の一番の課題は、はっきりと明快な結論を国民に発信できないことだ。それは党内に対しても同じだ。大所帯になれば、何事に関しても賛否両論あるのは当たり前で、だからこそリーダーが責任を持って決断し、発信することが重要なのだ。
    立憲民主党は新体制になったが泉新代表に必要なのは党内のあちこちに気を使うのではなく、自分が思うことをズバッと言い、かつ実行することだ。今回、泉新執行部は女性を半数入れ、全体的に若返りも図った人事なのだろうが、国民からすれば安心して政権を任せる、というような雰囲気にはなかなかならないような気がする。その証拠に立憲民主党が新体制となり執行部も新顔になったにも関わらず、直後のある世論調査では11月と比較して4ポイントも支持率が落ち、維新にも負けている。国民は泉新執行部が政権を担ったら、その体制で自分たちのために何ができるのか、本当にやれるのかと考える。それが、国民の目というものだ。「ジェンダー平等」もいいが、私は「人間はみな平等である」という根本の考えを徹底することが重要だと思う。そうした目線でリーダーは、自らの責任において最強と思う布陣を適材適所に配置してこそ、本当の意味での平等であり、また国民の支持を得ることになるのではないだろうか。

    2.季節の話題
    野党共闘の原点を確認し、三度目の政権交代へ
    今回の選挙結果には忸怩たる思いがある。自分の選挙を顧みて、政権交代に向かって私が果たしてきた役目や言動が、国民の皆さんになかなか伝わらなかったと反省している。特に触れ合いの場が少なかったのが、こうした屈辱的な結果を招いた最大の要因であると思っている。今後は、機会あるたびに今まで以上に国民の皆さんにアピールできるような行動をしていきたい。今回の私の選挙の結果については、いましばらく国のために働けという天の啓示と受け止め、来年も三度目の政権交代を目指して頑張っていこうと思っている。
    全体としての衆院選の総括としては、野党共闘の姿があやふやだったことがある。ひとつは連合の問題で、支持団体という立場以上に踏み込んできた結果、連合自身がいま一番困っているのではないか。このまま参院選に突入したら、民間労組と官公労が分かれて別々に戦うことになってしまう。
    そしてもう一つは共産党だ。共産党は今回相当踏み込んできたと思う。しかし、私から見ればまだ一歩足りない。野党連合政権つくろうと思っているのなら、その大義のために更に踏み込んだ自己犠牲を払うことを厭わないという覚悟が必要だ。これはどの政党も同じで、みんな最後は自分が可愛くなってしまう。それでは野党の統一体はできない。また、共産党もここまで踏み出してしまったので、さぁどうしようとたぶん悩んでいると思う。そういうときにこそ、きちんと手を差し伸べ、手を携えて行こうと呼びかけるのが野党第一党の努めでで、立憲民主党にそれができないようでは、野党をまとめる立場にあるとはいえない。私が言っているのは、共産党と共闘するか、いや連合のいうとおりにするのかと、そんな些末な話ではない。そのためには、自分たちも多少の犠牲を払っても協力しなければいけないと各党が腹をくくることだ。それが本当の野党共闘の精神だと私はう。
    3質問への回答
    議会制民主主義、政党政治の危機と小選挙区制度
    政党政治が危うい、議会制民主主義が機能しなくなっていると言われる最大の原因は、野党第一党の立憲民主党がしっかりしていないからだ。自公政権の腐敗や堕落がこれだけひどいのに、それにとって代わる野党がいないことが政権交代を阻んでいる。そしてそれが、国民の議会制民主主義に対する不信につながる恐れがあり、これが一番怖い。
    一党独裁ではなく適宜政権交代を起こし議会制民主主義を機能させていけば、政治に緊張と政策の大転換をはかることでき、政治が主権者国民に報いていくことができる。ところが、戦後日本は自民党を中心とした政権が半世紀以上続いた。近代民主主義国家で一党がずっとその国の中心に居続けるというのはどう考えても異常で、これではとても日本は民主主義国家だとは言えない。
    そういう観点から、私は政権交代を可能にするための制度として、ただひたすら小選挙区制度を実現しました。制度は人間が作るものだから、どんな制度でも欠陥はある。私は小選挙区制度がベストだと、そんな事を言っているのではない。しかし、政権交代が起こりやすくし、国民に主権者意識と民主主義を根づかせるためには、やはり小選挙区制度が必要で、事実2009年には画期的な結果が出た。
    民主主義における選挙を考えたとき、よく「選挙目当て」「選挙しか眼中にない」というような言葉が使われ、代表制民主主義の基本を理解していないメディアの多くが、選挙を考えることがまるで悪い事のように書き立てる。そんなことだから、日本に民主主義が育たないのだ。主権者たる国民が、主権を実行する最大の機会は選挙だ。逆に言えば、政党や政治家は選挙を前にして国民の気持ちを汲み取るにはどうすれば良いかと考えるのは当たり前のことだ。野党は常に政権をとることを目指して戦うべきです。このようにして、ときに紅組が勝ち、今度は白組が勝つ。そうした政権交代が起きる緊張感こそが議会の質を高め、議会制民主主義を機能させ、結果として国民に利益をもたらす。そのためには、小選挙区制度という枠組みの中で、政党は政権を取ることを考え、個々の候補者は国民のために働くという高い志を持ち、そして国民は自らの手で政権を決めるために選挙に行く。こうしたシンプルな行動を当たり前に行えば、政党政治も議会制民主主義もきちんと機能していくはずだと私は思う。

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  • 語り処_2021.02.27

    2021-02-27 21:30  
    330pt
    ●オピニオン 菅首相の長男正剛氏が関与した総務省接待問題をはじめ、安倍前首相の森友・加計問題や桜を見る会の問題、森前東京五輪組織委員会会長の辞任問題。これらはみんな、権力を濫用して政治を私物化し、自分の個人的な利益を得るという点において共通しています。代議制民主主義では、政権党の政治家には一定期間、絶大な権力が与えられますが、それは国民の命と暮らしを守るためにあたえられているものです。ところが、いまあげた3人の元・前・現首相の一連の行為には、国民のためにという気持ちがひとかけらも感じられません。そこに、安倍首相誕生以来今日に至るまでの政治腐敗、国民不在という、日本の根本的な問題が潜んでいます。人類の歴史は全て、政治の腐敗と国民の無関心によって、国と国民の生活が破壊されていったことを示しています。日本がその轍を踏まないためにも、次の総選挙では自民党より少しでも「ましな政党」を選び、ぜひとも国民の手によって政権交代を成し遂げてもらいたいと思います。
    ●Q&A ウソ答弁をなくす国会改革  7年8カ月続いた安倍政権により、国会は国権の最高機関という名目とは裏腹に、ウソと隠蔽にまみれた、政権のやりたい放題の場と化してしまいました。国会で安直にウソをつけない土俵をつくる。まともな国会議論は、まずそこから始まります。そのためには、国会で少数派の野党でも行使できる予備的調査の権能を強化する必要があるのではないかと私は考えています。具体的には官公庁に対して資料提出等の強制力を持たせることです。そうすれば、議員や官僚がシラッとした顔でウソ答弁を繰り返したり、文書を隠蔽・改竄することも減るのではないでしょうか。また、国会論戦をより実りあるものにするためには、政府委員に頼った答弁は禁止すべきです。今では有名無実となってしまったクエッションタイムの復活も必要です。小選挙区制による総選挙が実施されてから四半世紀、国会開設を謳った自由民権運動からやがて150年を迎えようとしています。世界の政治状況も大きく変わろうとしており、民主主義や議会政治に対する不信が増している中で、日本も国会の在り方を改めて考える時が来ているのではないでしょうか。
    ●近況報告 東日本大震災から10年経ちますが、地理的に日本列島は自然災害が多く、南海トラフト地震をはじめいつ何が起きてもおかしくありません。そういう意味で、東日本大震災の復興というだけでなく、日本全体として公共工事を見直して、人命を第一に考えた災害に強い街づくりをしていかないといけないと思います。また、リスクマネジメントの観点からも、東京一極集中は是正すべきであり、これからの日本のエネルギー政策や産業の育成といったことも考え併せながら、地方都市を活性化させていくことが政治の大きな使命だと思います。

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  • 語り処_2021.01.01

    2021-01-01 00:55  
    330pt
    今回は12月配信分を1月1日に配信します(1月分は1月末を予定)。 オピニオンでは2020年の一年間を振り返るとともに、2021年の抱負を述べました。安倍政権のむちゃくちゃな政治を引き継ぐ菅政権の凋落は目を覆うばかりですが、一方で野党第一党への期待も盛り上がりません。人数的には2009年に政権交代を果たしたときと同じ体制ができあがったのですから、あとは国民の胸にずしんと届く明確で強いアピールが必要です。そのポイントは、新自由主義により溶解した社会を立て直すために、自民党にできない真に国民のための政策を財政規律にとらわれず力強く打ち出すこと。そして共産党との共闘を明確にすることです。 一方 Q&A では、政治家が持つべき資質について考えを述べました。そのポイント諦は近代社会の基本原理である自由と平等のバランスを常に意識して政治を行うということです。そのためには、どちらかだけに偏するのではなく、常に思考の柔軟性とフレキシビリティ、包容力とバランス感覚、そして決断力をもって、「自由」と「平等」という二つの文字を見比べながら、その塩梅を見計らい、民の姿を見て政治を行うことです。 季節の話題では、今年の漢字として「夢」をあげました。直近の過去2回、アメリカの大統領選で民主党大統領が誕生した年は、いずれも日本でも政権交代が起きています。そのジンクスからいけば、今年は必ず政権交代が実現できるはずです。何としても三度目の政権交代を実現するという長年の夢を正夢にする、そんな思いから選びました。


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