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語り処_2023.03.03
2023-03-03 20:55330pt1. ひとことオピニオン
現れよ!憂国の志士たち
小沢一郎政治塾の令和5年冬季集中講義の塾長講義で私の政治理念と政治家としての基本的な考えを少しまとめて話しました。 この塾は 政治家育成だけを目的としたものではなく、 21世紀の日本に対する熱い思いを秘め、「構想力」「説得力」「人間力」「胆力」を鍛えたリーダーたちをなんとしても輩出しいきたいという強い気持ちからスタートしたものです。 私は日本の歴史において、次世代の日本に先鞭をつける大きな変革を成し遂げたリーダーが3人にいると思っています。それは、大化の改新を行った天智天皇と、中世の 政治秩序や権威を破壊し時代を 近世へと動かした織田信長、そして明治維新の原動力となった 薩摩藩 家老の小松帯刀です。
翻って現在、これほど混沌とし閉塞状況に陥っているにもかかわらず、日本をなんとか立て直そうという志をも持ったリーダーたちが現れる兆しが全くありません。今の日本のエリートたちは自分のちっぽけな地位や幸せや金儲けに走って満足してしまい、明治の志士たちが抱いた日本国への危機感や日本を立て直そうという志が皆目ありません。
でも、老子に 「 国家昏乱 、 有忠臣 」 という言葉があるように、国家が今のように乱れてくれば、日本のエリートたちのなかからも、必ずや国を思い大志を抱いた人物が出現すると期待しています。 同時に何事も諦めてしまったらそこで終わってしまうので、他人に期待するだけではなく、私も長年の思いを決して諦めず、いずれ現れるであろう志士たちと手を組み、なんとしても、政権交代という具体的な形をつくって、日本の土俵をつくり直していきたいと思っています。これを掛け声だけに終わらせず、必ずやり遂げる決意でいます。
2.季節の話題
18歳は成人? 少年?
少し前の話になりますが、今年の成人式をどうするか各自治体は相当頭を悩ませました。 そもそも 、成人の日は以前は1月15日で、これは武士の 「元服の儀」に由来しています。それがいつの間にか、ハッピーマンデーとして1月第二月曜日になってしまいました。しかも、 昨年民法が改正され18歳で選挙権もあり、契約も自分の意思でできるようになりましたが、飲酒や喫煙、ギャンブル解禁は20歳です。 刑事事件についても引き続き少年法が適用され、18歳は成人なのか少年なのか何とも中途半端です。 時代の変遷とともに変わっていかなければならないことはたくさんあるので、僕は変わることを否定しませんが、変えるなら中途半端にではなく徹底して変えたほうがよいと思います。同時に僕は決して復古主義者ではありませんが、昭和天皇の誕生日をみどりの日としたり、紀元節を建国記念の日などとするのは考えものだと思います。日本の過去に闇雲に蓋をするのではなく、ときには日本の伝統文化をきちんと振り返り、今のある地点を確認する作業も必要です。そのためにも、暦の謂れはある程度大事にしていったほうがいいように思います。
3.Q&A
少子化問題の解決策
岸田首相は「 異次元の少子化対策」などといいますが、 本気で日本の少子化を憂いているとは思えません。木原官房副長官のコメントに代表されるように、現政権はあまりにも政治をなめており、国民をバカにしています。このままにしておけば、本当に日本は沈没してしまうのではないでしょうか。 少子化対策ではまず、雇用問題を是正する必要があります。以前は非正規雇用は10%程度でしたが、この40年間で3倍以上も増えました。正社員と非正規雇用者との間では生涯年収で1億円以上の差があると言われます。50歳男性の未婚率は正社員で2割、非正規雇用者では6割にも達し、これが少子化率を高めていると言えます。正規雇用と非正規雇用との賃金格差をなくし、非正規雇用者に対しても正社員と同等の社会保険や福利厚生を受ける権利を付与すべきです。同時に、法整備を行い全従業員に対する非正規雇用者の割合は各企業で10%以内に抑えるべきです。また終身雇用制についても、日本の縦社会構造を考えると、一部を欧米のように能力主義にしながら終身雇用制を基本にしたほうが従業員、会社ともに安定するのではないでしょうか。
子ども手当は所得制限なしで全ての子どもを対象に支給すべきです。 児童扶養手当も、 未婚のひとり親だろうが全ての子どもに支給し、加えて給付金の さらなる拡充も必要です。ひとり親に対する長期の育児休暇も法整備していかなくてはなりません。要は子どもを産み育てるためのさまざまな選択肢を整えていくべきなのです。
教育に関しては高校生までを義務教育とし完全無償化にするとともに、先生の待遇も改善して公教育の質的向上を図るべきだというのが私の持論です。教育は国家の礎ですから、大学も無償化していくべきでしょう。 戦後の個人主義の中で日本でも大家族を否定する風潮が主流ですが、ドイツでは 「多世代の家 」が考案され、 幅広い世代の人たちが相互に助け合いながら生活していく というモデルもあります。日本では昔からこうしたことは当たり前だったのですから、3世代同居や4世代同居の復活もそろそろ考えてもよいのではないでしょうか。 その場合、昔の住まいとは違うプライバシーを考えた多世代交流型の新しい3世帯住宅や4世帯住宅を研究することも必要です。また、多世代同居では中心になる女性が どうしても外に働きにいけず、専業主婦をしていく場合も考えられますので、 その時は本来の仕事をして得られる給与の代わりとして、月額10万円程度の手当を出すというのもひとつの方法だと思います。
最期にもう一つ重要なのは、国土の有効利用です。日本は狭い国土なのに何でも東京一極集中で、国土の利用効率が非常に悪いといえます。必要ならば政府機能や首都を移転するなど大胆な改革を行う中で、地方分権を推進していき、 日本全土を合理的かつ有効的に活用し、どこに住んでも雇用があり、同じサービスが受けられるようにしていくことも必要です。
このように考えていくと、現在の自民党政権が築き上げてきた格差を是正し、歪な社会構造を変えていくこと、そのこと自体がそのまま少子化対策に になるのです 。 少子化対策の基本はまず自民党政権を変えることだと思います。
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語り処_2022.02.27
2022-02-27 20:20330pt1. ひとことオピニオン
世界は「秩序なき時代」に入った
今回のことを目にして、人類はこういう歴史をまた繰り返すのかと暗澹たる気持ちになると同時に、本当にやったのかという驚きの気持ちも隠せません。 戦争はまだ起きたばかりで現在進行形のため今後どうなるか余談は許しませんが私は少し長い目でみれば、これはロシアにとって、決してよいことではないと思います。今回のことが容認されるなら、「武力」をもってして何をやっても構わないということになってしまいます。 背景にどういう理由があろうとも、国際ルールを無視して軍事行動により他国の主権を侵害することがまかり通るのであれば、歴史の針を逆回転させていくことになります。 プーチン大統領は今回のことを、クリミア併合のときから画策していたのだと思います。国際社会は ウクライナの領土とされているクリミア半島がロシアに侵略されるのを阻止できず事実上容認してきました。そうしたある種の宥和政策が今回の戦争を招いたともいえます。 プーチン大統領は演説の中で「ロシアは核保有国の一つだ。われわれに攻撃を加えれば不幸な結果となるのは明らかだ」という趣旨のことも言っています。本来なら自由民主主義陣営は「そんなことしたら、こちらも徹底して戦う」と毅然とした態度を示すべきなのです。 しかし、その代表格である米国が何も言えない弱腰なわけですから、ロシアはますます増長してプーチン大統領はやりたい放題になるのは当たり前です。人類の歴史は平和なときよりも戦時のほうが長く、常に殺し合いの連続でした。 世界は第二次世界大戦を終え、双方に大きな犠牲が出たことで、いい加減にこうした不毛な争いに終止符を打とうということで国際連合を発足させたはずです。ですから、私は日本が国際社会に復帰し国連に加盟したときから一貫して、国連の機能を強化しなければいけないと言ってきました。 今回のように 安全保障理事会 常任理事国のうちの一国が当事者になった場合、国連は完全に機能不全となってしまいます。こういうときは国連総会で決議し、それを尊重して国連として行動を起こしていくべきだというのが私の主張です。 その中には、経済封鎖だけでなく、国連軍による派兵も当然含まれます。そういう連帯を図っていかないと、武力に勝るものはないと各国が武装独立に走り、世界は武力競争になっていくのは目に見えています。 今回の最大の問題点は、自由民主主義陣営のリーダーである米国が弱腰だということです。こういう横暴に対しては、リーダーを中心にみんなが結束して阻止しなければいけないのです。そのための民主主義であり、国連であり、国際的連帯のはずです。 現在ではまだ不確定要素が非常に多くありますが、秩序なき道義なき時代に歴史は後戻りしてしまったといえます。大変な時代に突入したことは間違いありません。
2.季節の話題
小松 帯刀のお墓をつくり直したい
260年以上続いた幕藩体制に終止符を打ち、1871年(明治4年)7月に「廃藩置県」が発令されて昨年で150年になりました岩手県に関しては1872年1月に「盛岡県」から「岩手県」に名前が変わったため、今年が「岩手県」誕生150周年となります。 日本は黒船の来航により開国し、早急に近代国家の体制をつくらねばなりませんでした。そのため明治政府は日本という国を一つにまとめるため廃藩置県を行い中央集権化急ぎました。 このとき初めて、日本に中央集権国家が生まれたと言われます。しかし、実は明治を遡ること1200年以上前の645年に、 日本は初めて統一政権・律令国家をつくっています。大化の改新です もちろん近代国家か否かという違いはありますが、ある意味でそれをまたやり直したのが明治維新です。この明治維新絵でたいへんな活躍をしたのが小松 帯刀です。 彼は明治維新直後に36歳の若さでて病死したため、同じ薩摩出身の西郷隆盛や大久保利通のほうが有名ですが、薩長同盟や大政奉還などの幕末政局を事実上動かした中心人物です。 その早すぎる死で維新後の活躍が果たせなかったことを惜しみ、「幻の宰相」とさえ呼ばれていると地元出身の人に聞いたことがあります。 僕は彼がいなかったら明治維新は実現できなかったのではないかとさえ思っています。 大久保利通、坂本龍馬、西郷隆盛、木戸 孝允、 井上馨や伊藤博文 ・・・。とにかく、明治維新で活躍する人々を育て、それらの人たちをつなげていったのが 小松 帯刀です。 その小松 帯刀の墓参りに以前行ってきました。 明治の廃仏毀釈で小松家の菩提寺は廃寺となり跡地の一角に 小松家歴代の墓が集められ所狭しと並べられています。その中のひとつに 小松 帯刀の墓もあるのですが、 あれだけの功績を残した人にしてはあまりにも寂しい。 からもし地元の人も望んでくれて、僕に少し時間的余裕ができたら、ぜひ 小松 帯刀の功績に相応しい お墓につくり直したいと思っています。
3.Q&A ウクライナ戦争と台湾有事
今回のプーチン大統領のふるまい、そしてそれに対する国際社会の反応を習近平国家主席は冷静に観察していると思います。 プーチン大統領の一線を越えた行動に対して欧米が何もできないとなれば、台湾のためにも米国が戦うことはありえないでしょう。また、日本の尖閣や沖縄についても同様だと思います。そういう 米国の本心を見透かしたら、中国もそう遠からぬうちに、ロシアと同じようなことをしてくる可能性があると私はみます。 現在の中国は多くの内政問題を抱え、経済的にも不動産バブルが弾け、国民に不満が高まっています。そういうなかで、2期10年までとされていた国家主席の任期制限を撤廃し、不文律の「68歳定年」も無視して3期目を目指す習近平国家主席にとって、対外問題に国民の目をそらすことは大きなメリットがあります。私は習近平国家主席が決断するのも、そう遠くないような気がします。 その場合、沖縄には米軍が駐留していますし、中国も当面は日本を直接的には刺激したくないので、日本を牽制する意味で台湾の金門島などの離れ小島に目をつけてくるのではないでしょうか。 中国は尖閣諸島を台湾の一部と規定しており、台湾有事がそのまま尖閣有事、さらには沖縄有事へと発展してくる可能性があります。ずばり中国が尖閣を実効支配したらどうなるか。日本は相当困難な立場に追いやられると思います。 そのとき、日本の世論はどうなるのでしょうか。「日本は平和主義だから、憲法9条があるから勘弁してください」と白旗をあげることになるのか、それとも民族派の意識が強くなるのか。日本人の心の中には反中思想が根強くあり、私はどちらかというとそれが歪んだナショナリズムに高まっていくのではないかと危惧しています。 今回のウクライナ問題では、日本国民はまだ直接一撃を食らっていないのでボーッとしていますが、尖閣有事で覚醒すると、今度は一転してパニック状態になってしまう可能性もあります。 いずれにしろ米国は当てにならないのですから、日本政府の責任は重大です。しかし、今の岸田政権では頭の中が真っ白になって何もできないでしょう。おそらく、全て容認して「尖閣諸島を差し上げます」ということになってしまうのではないでしょうか。その体でいくと、沖縄も、九州も差し上げます。ロシアが攻めてくれば北海道は差し上げますという話にもなりかねません。 こういう乱世になると、中国だけでなく北朝鮮も何かしてくる可能性があります。中国、北朝鮮、ロシアと、日本周辺はきな臭い状況がしばらく続くのではないでしょうか。
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