• 久々に放送しました

    2015-04-05 00:58

    少し前からですが、ニコ生放送を再開しました。

    ちょくちょくスマートホンでは放送していたのですが、パソコンではおそらく1年振りかそれ以上の期間が空いていたと思います。

    もともと過疎放送だったのが、更に過疎放送となりました。

    ですので、今放送に来ると、まったりとアニソンが聴ける特典付きです。よければ遊びに来てください。

    小説は設定を思い出したら続きを書こうかなと思っています。

    co1995766 コミュIDです。


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  • ゴースとらいあんぐる 3話「そして、彼女はそんなことをのたまった」

    2014-03-14 22:051
    坂崎家の朝食は和食である。食卓を両親と子供が挟むようにして囲むのが、この家のルールであった。
    「あふ……」
    俺は味噌汁を手にしながら欠伸をかみ締めた。寝不足のせいで目がしょぼしょぼしている。それをみた母が、
    「和也、あんたパソコンで夜更かししちゃ、ダメって言ったでしょう」
    「そうだぞ、あれは勉強に使うために買ったんだからな」
    厳格な父も威厳たっぷりと言った。
    「いや、パソコンで遊んでたんじゃないよ」
    「じゃあ、何してたの?お兄ちゃん」
    「………………」
    美樹の言葉に俺は黙り込んだ。そして、ちらりと上を見る。そこには幽霊少女り瀬川日向がぷかぷかと浮いている。坂崎家の朝食を見て「わー、おいしそー」などとのたまっている。
    美樹にも日向の姿は見えなかったが、やはり両親にも見えていないらしい。
    もちろん、寝不足の原因はコイツだった。幽霊であるところの日向には睡眠欲求というものが存在していないらしく、一晩中話しかけられていたのだ。
    初めは懐かしさもあってた俺も付き合っていたのだが、いよいよ眠たくなってからも日向は一向に話しを止めなかったのだ。しかも、大半はどうでもいい話だった。
    「いや、勉強をしていたんだよ」
    「あら、そうだったの、珍しいわね」
    のんびりやの母がおっとりと言った。嘘を吐くのは心苦しいが、他にどう言えばいいのかもわからないので仕方が無かった。
    「ごちそうさま、じゃあ行って来るよ」
    これ以上突っ込まれてもマズイので俺は早々に朝食を終え、鞄を手に取り学校に向かうことにした。
    今日は見事な快晴で本来なら気分のいい朝なのだろうが、寝不足の目に太陽の光が染みて、俺は顔をしかめた。
    ちなみに、俺が通う高校、開南高校は住宅地の真ん中にあり徒歩10分という最高の立地条件だった。さらに言うと妹が通っている中学も隣にある、開南中学校だ。
    それほど早くも遅くも無く家を出たせいで、それほど学生の姿は多いというわけではなかったが、俺はハラハラしていた。
    その原因は俺の上に浮かびながらついてくる日向のせいであった。もし、誰かに姿を見られるかと思うと気が気ではない。
    「お兄ちゃん、待ってよ!」
    後ろから美樹が追いついてくる。
    「置いていくなんてひどくない?」
    「悪かったよ」
    いつもは一緒に通学していたのだが、やはり俺は日向のせいでいつもとは違う精神状態のようだ。というか、幽霊に憑かれて平静でいられる高校生は漫画かアニメのキャラクターだけだ。
    「やあ、2人ともおはよう」
    角まで来たところで現れたのは、俺と日向の同級生にして幼馴染の少年、青井涼だった。
    俺よりも頭ひとつ大きなすらっとした体格にすっと通った鼻筋に、名前の通りの涼しげな目に少し茶色がかった短めの髪。
    青井涼は所謂イケメンという部類の人間である。高校ではクラスは違うが俺は、クラスの女子が何故、涼のような格好いい人間が、野生児のような俺とつるんでいるのが、不思議でならないと話しているのを聞いてしまって、地味にショックを受けたことがあった。
    ま、涼自身には怨みも含むところも無いし、親友だし、何よりも涼はいい奴なのだ。
    「よっ、おは、よっ…!?」
    涼に返事をしようとして俺は目を剥いた。
    日向が涼の眼前でぱたぱたと両手を振っているのだ。無論、涼はそれには気付いていない。涼に日向が見えないのは、彼女自身が言っていたことだ。
    「どうしたんだい?和也」
    俺を心配してくれている涼の顔は俺には見えなかった。何故なら間に日向がいたからだ。
    「兄はちょっと寝不足なんですよ、青井先輩」
    美樹が少し頬を染めながら言った。妹はちょっと涼に憧れているところがあるのだ。涼よお前になら俺は妹を任せられる……。しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。
    「ははは、そうなんだよ、ほら早く学校に行こうぜ」
    俺は急いで歩き始めた。2人が慌てて着いて来るのがわかった。しかも日向は涼の目の前に浮かんだまま着いて来ている。
    全てが見えてしまっている俺にはシュール過ぎる光景だ。一刻も早く学校に行かないと日向に怒鳴りそうになってしまうので、俺はとにかく急いで歩き続けた。

    学校そばで美樹と別れ、俺と涼は学校へと入っていく、2年生の2人は4階建ての校舎の2年生フロアーの3階へと向かう。
    階段を3階分上りきり、俺は右に涼は左にわかれる。階段を真ん中に左右に5クラスづつあって、俺と日向は3組で涼は8組だった。
    それまで涼にまとわりついていた日向だが、意外にも別れると俺と共に3組の教室に入ってきた。
    「あー!お花が飾ってあるよ!カズ」
    真ん中の席に花瓶があるのを見て日向はうれしそうに叫んだ。
    こいつ、こんなに能天気で、バカだったっけ? それとも幽霊になると知能が落ちるのだろうか? 俺は窓際最後尾の自分の席にカバンをかけ、椅子に腰を降ろして、額を手で押さえた。
    ふよふよ、と空中を漂い近づいてくる日向に小声で言った。
    「お前の席だろ、お前に供えられているんだよ」
    教室にはもう半分くらいクラスメートが集まってきている。万が一にも聞かれるわけにはいかないのだ。
    「あっ、そっかーあたし、死んでたっけ、あははー」
    我慢…我慢だ坂崎和也、ここでキレたら俺は変人のレッテルを貼られてしまう。俺は深呼吸をしてなんとか叫びたいのを堪えた。
    「それよりも、カズ……昨日の相談覚えているよね?」
    成仏するためのお願いというヤツの事だろう。確か学校で言うと言っていたっけか。
    「後にしよう、飯の時間になったら中庭に行くから」
    「えー、長いよ、今でいいでしょ」
    「カンベンしてください日向様。お願いです」
    「うわっ、超卑屈だ……!仕方ないなあ」
    「頼む、それまでどっかで暇つぶししてくれ」
    じゃないと俺の神経が持たない。
    日向はぷくっと頬を膨らませて、
    「わかった、涼の所に行って来るわ」
    と、壁を突き抜けて8組の方へ向かっていった。俺は日向が壁を通り抜けることが出来るのを知らなかったので、驚いて椅子から落ちそうになった。ガタンっと教室の後ろでした大きな音にクラスメート達が何事かと振り返ったが、俺がすまんと手を上げると、みな思い思いの用に戻っていった。
    別に俺がクラスで浮いているとか相手にされていないとかではない、クラスメイト達は日向のことがあったので未だに俺に気を使っていてくれるのだ。それほど俺と涼と日向の仲の良さは有名だったから。
    きっと涼も自分のクラスでは俺と同じような扱いを受けているだろう。
    「取り敢えず、昼休みか………」
    朝の授業の準備をしながら、俺は一人ごちた。

    「すまん、もう一度言ってくれ」
    昼休み、中庭のベンチで弁当を食べながら俺は目の前の幽霊に聞き返した。
    まわりには同じように昼ごはんを食べている生徒たちがかなりいたが、幸いなことに俺のいるベンチの近くにはそれほど人がいなかったので声は日向にしか聞こえないはずだ。
    麗らかな初夏の昼下がりに、日向は幽霊らしく青白い顔で宙に浮いている。
    「耳悪いのあんた」
    「いや、意味がわからんかっただけだ」
    「だから、言ってるでしょ」
    日向はぐっと両の手を握り締めて、力強く言った。
     
    「私、涼が好きだから、告白してこの身を捧げたいのよ!!」

    どうやって? 俺が思ったのはただその一つだった。しかし、この言葉こそ俺の災難の幕開けとなるのである。

    おかげで俺はこの日の弁当の味を覚えていない。



  • ゴースとらいあんぐる 2話「そして俺は幽霊にとり憑かれた」

    2014-03-07 20:36
    「どうしたの!? お兄ちゃん!!」
    バタンッ! と慌てた感じで部屋のドアを開けて入ってきたのは、妹の美樹だった。俺にはあまりよく似てないと言われる髪の長い、兄の俺から見ても可愛らしい3つ年下の妹である。
    「あぅあぅあぅ……」
    ベットから転がり落ちていた俺は頭の上を指差して口をぱくぱくさせた。そこにはきょとんと首を傾げる日向が空中にぷかぷかと浮いていたのだが、
    「何? 虫か何かでもいるの?」
    美樹は怪訝そうな顔をしてそう言った。まさかー
    「お前、見えないのか? そこに日向がいるんだよ……!」
    俺は必死に日向を指差し、美樹に叫んだ。俺の指の先では日向が「えへへー」と、暢気に照れ笑いなんぞしていた。
    「お兄ちゃん…」
    「何だ、その顔は」
    「そりゃ、私だって悲しいし、寂しいよ」美樹の俺を見る目は可哀想な人を見る目そのものだった。「でも、やっぱりヒナちゃんは死んだんだよ」
    美樹は何も間違っていない。そりゃ、そうだ2人そろって葬式にだって出たのだから。いやでも…。
    「ほら、そこ!そこに浮いてるだろ!!」
    「あんまり、思いつめないでねお兄ちゃん」
    兄を思いやる言葉を言って美樹は部屋を出て行った。足音と隣の部屋のドアが閉まる音が聞こえた。
    俺は部屋に1人残された。いや、1人じゃない。
    「ミキちゃん、可愛くなったねー」
    日向がいた。
    「おい」
    「何よ、カズ」
    「お前、日向なんだよな」
    「それ以外の何だって言うのよ、あんた目が悪くなったの?それとも頭がおかしくなった?」
    いらっとくるこの物言いは間違いなく日向だった。遠慮なくずげずけと何でも言うのは日向の長所であり短所でもあった。
    「いや、おかしいのはお前だ。お前なんでここにいるんだよ……。ほら、その、お前死んじゃったじゃないか」
    最後の方は流石に言いごもった。事実でもまだ三日しかたっていないのだ。俺の中では日向の死はまだ全く整理が着いていないのだ。
    「そりゃ、幽霊だもの」
    本人があっさり言うとこれほど胡散臭い言葉は無い、と俺は実感した。だが、宙に浮いているし美樹には見えなかったようだし、幽霊の要素は満点だ。
    「そうか、幽霊か…」俺はベットに腰を降ろした「まあ、それはもういいや、でも、どうして俺の所に?」
    日向に怨まれる事をした記憶は無かった。絶対の自信があるわけではないが、幽霊になって化けて出るほどの事を彼女にした事はなかったはずだ。
    「別にあんたの所にすぐ来たわけじゃないわ、最初はお父さんとお母さんの所にいったけど2人とも私が見えなかった」
    そう言った日向の表情に微かな翳りが見えた。
    「涼の家にも行ったわ」
    「涼の家?」
    日向が頷く。
    「でも、涼も私に気付かなかった。それから町の中を色々飛び回ったけど、誰も私の事は気付かなかった」
    「で、行くところがなくっなって俺の所に来たってわけか」
    「うん、もう行ける所はカズのとこくらいしか残ってなかったから、でも良かったよ。カズには私が見えて」
    日向はニコッと笑った。でも、俺はどこかいらいらとした怒りのようなものを感じていた。真っ先に自分の所に来て欲しかった訳じゃない。だけど、涼よりも後回しにされたのは…。
    いや待て、そんなことよりも、大事な事があった。
    「お前、俺の所に来てどうしようって言うんだ?」
    こいつの用件は何だ?
    俺は祈祷師ではないから幽霊に来られても、してやれることなんてないんだが…。
    「えー!? 助けてよ!! 幼馴染でしょ!」
    「いやいやいや、見えるってだけじゃねーか、出来ることなんかないぞ!」
    「むー」
    むくれた日向が頬を膨らませる。さっきから生前と同じく表情がコロコロと変わる。そのせいだろうか、俺は幽霊の日向に対して驚きも恐怖も薄れてきていった。
    何よりもこの三日間、沈んでいた気持ちが軽くなっていくのを感じていた。
    「そうよ、こんな時こそ文明の利器よ!!」
    日向はビシッ!っと、俺の机を指差した。そこには高校に入学した時に両親から入学祝に買ってもらったノートパソコンが置いてあった。
    俺は机に座り、ノートパソコンを開くと電源を入れた。
    「ねぇ、エロ画像とか保存してる?」
    「少し黙っていろ、幽霊娘」
    「ふん、ムッツリスケベのくせに、この童貞、ド変態、三白眼のくされ外道」
    「…………」
    1言えば10返してくる少女、それが日向だった。俺はそれをとてもとても痛感し、思い出し、これ以上何も言われないように、パソコンが立ち上がるまで黙っていることにした。
    しばらくして、パソコンが立ち上がりホームページの検索サイトを立ち上げる。
    「えーっと」
    『幽霊 悪霊 お払い』と、入力。
    「ちょっと…!」
    日向の抗議の声を無視してクリック。下の方へスクロールしていくと1つの寺院が出てきた。お払いをしてくれるとの触れ込みだった。そこをクリックする。
    「た…高い!!」
    俺の第一声はそれだった。鑑定とお払いを合わせるとかなりの額だった。お払いだけも出来たが、その値段も高校生でバイトもしていないような俺には、はばかれる値段だった。
    俺はジト目で睨んでいる日向を見た。
    その額と幽霊の日向を天秤にかける。
    「ないない」
    俺は電源を落とし、ノートパソコンを閉じる。
    「あんた、何調べているのよ、言うに事欠いて、悪霊とは何よ!」
    「人に迷惑をかける霊を人は悪霊って言うんだよ」
    「いつ迷惑かけたのよ、さっきここに着たばかりじゃない」
    「着たばかりなのに、かなりの迷惑をかけられている気がするんだが」
    「全く、少しは力になってよ」
    「力になるって、何をすればいいんだよ」
    至極最もな意見に日向はうーん、と考え込んで言った。
    「あたしが成仏できるようにとか?」
    「いや、そんな金ないんだが」
    「お払いじゃないくて!! あたしの願いを叶えて、気持ちよく天国に行けるようにするとか」
    天国に行くつもりとは何てずうずうしい女だと俺は思ったが、口にすると今度は呪われそうなのでやめておいた。
    「お前の願いってなんだよ」
    「え?」
    日向の青白い顔が少し赤らんだ様に見えた。何だ? こいつは何を考えているんだろう。
    「それはーそのー」
    何でもずばずばと言う日向らしくない逡巡だった。怪しい…。
    「明日、学校で言うわ!」
    「着いてくる気か!?」
    俺意外には見えないらしいが、この世の人間全てに試した訳ではなかろう。もし、俺の近くに幼馴染の幽霊が憑いていると噂でもたったら…!
    「有無は言わせないわよ、絶対に着いていくからね」
    俺はこいつを殴れないものだろうかと、ブンブンと腕を振った。しかし、その拳は日向のからだをすり抜けるだけだった。
    言動も行動も幽霊らしくないのに、こういうところだけは幽霊らしかった。
    理不尽な…。やっぱりこいつは悪霊じゃないだろうか…。
    俺はふふん、と胸をはる日向を前に頭を抱えた。

    こうして俺は今日、幽霊にとり憑かれた。