【恋するアイマスとアーツ】歌詞とアイドル「Dメロってなに?」
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【恋するアイマスとアーツ】歌詞とアイドル「Dメロってなに?」

2017-06-03 13:30
     一般にAメロだとかサビだとかと言った表現を耳にする機会は多いでしょうが、楽曲の構成を表現するときの言い回しに統一的なルールはありません。この辺は楽曲ごとにどの部分を指しているか伝わればいいという側面があり、曲によってはメロディの種類が多かったり少なかったりがあるので、厳密に一般論を述べるには足りないのですが、概ね不自由せずに会話が成立する程度には現代の楽曲の構成というのはパターンがあります。

     たとえば、『GOIN'!!!』では 「GOIN' GOIN' 止まらない」 で始まるサビのフレーズがまず頭に来てから、「重なるフレーズは愛コトバ」 で始まるAメロ、「Yes! 急上昇↑↑」 で始まるBメロ、そしてサビ、という構成になっています。 これを2番まで繰り返したあとに、「ひとりずつ抱いてた不安」で始まる、これまでのいずれとも違うメロディが登場します。 大サビとかDメロとか言われることが多い部分です。

     ただ、大サビというと最後に畳み掛けるサビと同じメロディの部分を指すことも多いので、区別をつけるためにここではDメロという呼称を採用します。 今回は、このDメロの部分に注目しようという話です。 ルサイズで3度めか4度めの登場になる最後のサビを聴かせる前のアクセントとしての役割がDメロにはあります。

     アニメのOPやゲームなどで見られるショートサイズの場合、1番までで曲を切り上げるように編集されるので、アクセントの必要自体が無く、Dメロの部分が含まれることはまずありません。しかし、このDメロの部分には最後のサビの味わいを強めたり、いっそガラリと変えてしまったりする効果すらあり、注目に値します。

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     アイマスにおいてそうしたDメロの効果を活用する作詞家に、ササキトモコがいます。 『アタシポンコツアンドロイド』『全力アイドル』などの代表作で知られ、なんらかの具体的なストーリーやシチュエーションを想起させるドラマ仕立ての楽 曲をポップな曲調で仕立てた作品を多く提供しています。そんなササキトモコがDメロに施すエモーショナルな仕掛けを、最新の楽曲である『キラッ!満開スマイル』を例に挙げて説明しましょう。






     おしのびで「君」と花見に訪れたアイドルの浮かれた様子が描かれるこの歌ですが、Dメロでは一転してアイドルの生き様が端的に語られます。「花はいつか散るけど  君の心を一瞬でも奪えたなら本望」というこのフレーズには、アイドルという在り様、いや人間という有限の生しか持ち得ない存在が不可避に直面する刹那的な側面が表れています。 しかしそこで終わらないのがアイドルの素晴らしさ。続くフレーズで 「いつか今日の春の日を  思い出す時 君の胸にパッと  サクラが咲きますように」とあるように、鮮烈に咲き誇ることで「君」の胸の中の思い出にいつまでも存在できることを祈るような思いが綴られます。

     昭和チックであるとしばしば言われる楽曲の中でそうした思いが歌われていることもあわせると、過ぎ去った時代へのノスタルジックな感情がそのまま自分自身もまた時代の中で過ぎ去っていくことをも想起させ、たとえ一瞬でも永遠を求めてアイドルとして輝こうとする気持ちをより強く感じさせます。ショートサイズでは浮かれ気分のお花見ソングだったはずが、Dメロまで聴くとそこまでのお花見デートの雰囲気すら刹那性を根底に秘めたものとして意味合いが添えられ、まさに散る花を愛でる花見というモチーフの美とリンクするわけです。

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    今回挙げたのは極端な事例ではあります。 しかしそうでなくてもDメロ、あるいは落ちサビの部分というのはフルサイズで聴くことで、つまり楽曲をしっかり最後まで全て味わおうとしたときに初めて登 場する部分です。そうした部分で楽曲のイメージの奥行きが露わになりやすいというのは同意していただきやすい話ではないでしょうか。楽曲のフィナーレ寸前に顔を覗かせるDメロのフレーズ。じっくり考えた上で楽曲全体を見渡すと、また少し違う風景が見えてくるかもしれません。(かくばる)





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