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企業ではできない斬新なシステムに衝撃を受けた
――― 『フリーゲーム夢現』、おもしろい自作ゲーム探しにいつも参考にさせてもらっています。管理人さんが初めて自作ゲームと出会ったのは、大学生の頃だと聞きましたが。
管理人 友人宅で遊んだ『THE QUEEN OF HEART』(渡辺製作所・'98年)という格闘対戦ゲームに衝撃を受けました。2vs2で協力して戦うシステムが斬新で、企業ではできないようなことを思い切ってやるなんて、個人製作のゲームはすごいなと衝撃を受けましたね。
――― 渡辺製作所さんというと、今のフランスパンさんですね。当時、とても話題になったゲームでした。
管理人 それをきっかけに自作ゲームに興味が湧いて調べたら、他にもいろいろおもしろいゲームがあるじゃないですか! それで、当時持っていた自分のホームページで紹介し始めたのがきっかけです。
▲フリーゲーム夢現は現在、登録制のフリーゲーム紹介サイト。もともとは管理人氏が厳選した自作ゲームのみを紹介するサイトだったが、'09年に現在のスタイルに移行している。
▲個人サイトとして自作ゲームを紹介していた頃のサイト跡地。自分でプレイしておもしろいと感じたゲームだけを紹介していた。
――― 当時はどんなゲームにハマっていたんですか?
管理人 同人ゲームから入ったので、『東方紅魔郷』(博麗神社・'02年)の体験版を遊んでいました。あと、自作ゲームで「本当におもしろいな」と思ったのが、『シルフェイド見聞録』(SmokingWOLF・'05年)です。自分がプレイしたときはまだ世間的にはメジャーじゃなくて、「なんでこんなにおもしろいゲームが有名じゃないんだ!」と記事を書いて紹介して、広めていったりしました。ちなみに、アドベンチャーゲームなんですけど、特に下ネタや小学生ノリのギャグが秀逸で、すっかりハマってしまって(笑)。
作者のやりたいことが
そのまま反映されるのが自作ゲームの魅力
管理人 他にも、『イストワール』(t-k、'03年)という自分の行動によって世界やストーリーが変わっていくRPGがあって、5~6回周回プレイするほどハマってました。
――― いろいろな自作ゲームをプレイしてきたんですね。そこまで自作ゲームにハマった理由を、自分ではどのように分析していますか?
管理人 企業が作るゲームはしがらみなどがあるのか分かりませんが、思い切ったことができていないように感じます。自作ゲームだと、制作者がやりたいことがそのまま反映されてゲームになる、それがプレイヤー側としても新鮮なんです。「これを求めてたんだ!」と思うことも多くて。
――― まさに遊びたかったゲームが遊べるというわけですね。
管理人 自作ゲームの場合、プレイヤーが作者と直接意見をやりとりしやすいのも魅力です。プレイ後、「ここをこうしたらおもしろいんじゃ」などと伝えると、いい部分は取り入れてもらえる。そして、どんどんゲームが良い形になっていくのはなんとも言えません。
友達に「人にウケる絵かどうか」を判断してもらう
――― さて、ここからは自作ゲーム紹介サイト『フリーゲーム夢現』の管理人としての視点で話を伺います。登録されるゲームのトレンドは、時代によって移り変わりがありますか?
管理人 昔はアクションやシューティング、格闘ゲームが多かったですね。最近はとにかくアドベンチャーが多く、かなり飽和状態になっていると感じます。理由はよく分からないんですが……。サイト利用者は10~20代がほとんどです。
▲『フリーゲーム夢現』のゲームレビューページ。作品紹介とゲーム画面が並ぶ。右上にはプレイヤーの付けた点数が。
▲プレイヤーの付けたコメントは、作品紹介の下にズラリとぶら下がる。総評を含めた6つの項目に5点満点で★を付け、コメントを書き込むことができる。
――― 評価が高くなりやすいジャンルはありますか?
管理人 RPGやアドベンチャーゲームが高い印象ですね。好んでプレイする人が多いこともあって、投票数も増えやすいです。といっても、作品数が多いジャンルなので、ゲームを公開してから早目に投票がないと埋もれてしまうケースも見かけます。
――― 逆に低くなりやすいジャンルはあるんでしょうか。
管理人 『フリーゲーム夢現』でプレイヤーさんがゲームを評価する際は、「シナリオ」「グラフィック」「サウンド」「システム」「オリジナリティ」「総評」の6項目で点数を付けます。そのせいで、「シナリオ」の印象が弱いシューティングやアクションの点数が低くなりがちのようです。
――― 評価システム的に、カバーしきれない部分が出てしまったんでしょうね。
管理人 自分が好きなジャンルだけに悔しいですね。そこは今後の課題として考えています。ただ、このジャンルならではのメリットもあって、新作の登場ペースが遅いせいで、ひとつの作品が長時間ジャンル一覧に露出し続けるんです。そのジャンルが好きな人には、長くアピールできると思います。
――― ゲーム紹介サイトへ登録する際、遊んでくれる人を増やすコツがあれば教えてください。
管理人 1番重要なのは、“グラフィック”ですね。人間、視覚から入るじゃないですか。絵を見て第1印象で選んで、文章はほとんど読んでいない人が多いようです。個人的には絵があまりうまくなくても内容が良いゲームにたくさん出会っているんですけど、全員がそういう考えというわけではなくて。
――― 可能な範囲で、ゲーム画面などのグラフィックに力を入れたほうがいいと。
管理人 そうですね。できればサイトへの登録前に、友達なんかに「人にウケる絵かどうか」を判断してもらった方がいいと思います。複数ある場合は、どれが1番いいか聞いてみたり。
――― どれが1番か、決める必要があるんですか?
管理人 サイトにもよりますが、『フリーゲーム夢現』では1番最初に登録されたゲーム画面(画像)が新着ゲームとしてトップページに表示されたり、イメージ検索で使われたりと、圧倒的に露出が多くなります。1つ目の画面だけを見て、ゲームを判断する人がほとんどなわけです。
▲『フリーゲーム夢現』でゲーム選びの選択肢のひとつとして提供している「イメージ検索」。登録ゲームの画面が1枚ずつ表示され、カタログをめくる感覚で選ぶことができる。
――― なるほど。最初に登録する画像は慎重に選んだ方がよさそうです。
管理人 次に大事なのは、紹介文でしょうか。25文字程度のゲーム概要を書く欄があるのですが、この文章も露出が多いんです。さっき言ったゲーム画面の下に表示されるので、新着などいろいろなところに表示されます。書き方としては、どういうゲームなのかを端的に書くといいんじゃないでしょうか。
――― たとえば、「10分で遊べるお手軽シューティングゲーム」といった感じですか。
管理人 見ただけでゲームの内容がすっと伝わるのが理想ですね。たまに、そこにあらすじを書いちゃったりする人がいるんですよ。25文字で書くの大変なのに(笑)。
うちの妹が“ゲーム実況”好きでよく見ている
――― 「ニコニコ自作ゲームフェス3」についてはご存知ですか?
管理人 新しい自作ゲームのイベントが始まるのはとてもいいと思っています。「ニコニコ自作ゲームフェス3」が行われることで、もっと自作ゲームと言うジャンルが盛り上がってくれればうれしいですね。
――― 動画サイトで自作ゲームを大きく取り上げることで、新しいプレイヤー層を取り込んで盛り上げたいというのも、運営側の狙いだそうです。
管理人 うちの妹が“ゲーム実況”が好きで、よく見ているんです。「ホラーゲームはひとりだと怖くてできないから、実況動画を見ている」と言うんですね。確かに、新しい層が興味を持っていると思います。
――― 最後になりましたが、これから『フリーゲーム夢現』をどのようなサイトにしたいですか?
管理人 以前は「フリーゲーム大賞」というイベントをやっていたんです。その年のおもしろかったゲームを決めていたんですが、時間が取れるようになったらまた再開したいですね。
――― ちなみに、サイトはいつまで続ける予定でしょう。
管理人 やめる予定はまったくありません。死ぬまで続けます!
――― それは頼もしいです。本日はありがとうございました。
(インタビュー・市川美穂)
【インタビュー記事一覧】
・【ならむら「英語圏で出したいというアクションを起こせば機会は増える」(代表作:『GR3』『LA-MULANA』『薔薇と椿』)
・なりた「商業に応用できるアイデアや可能性を同人ゲームで探っていた」(代表作:『MELTY BLOOD』)
・cutlass「これからのノベルゲーム文化を自分が背負わないで誰が背負うんだ!」(代表作:『NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~』)
・海原海豚(黄昏フロンティア)「自作ゲーム制作にはブッ飛んだ愛が必要」(代表作:『東方萃夢想』『ひぐらしデイブレイク』)
・奥井晶久「ニコニコはゲームとユーザーの接点を作ってくれる」(代表作:『ワンナイト人狼』)
・支倉凍砂「目標はハリウッドで映画化でした」(代表作:『狼と香辛料』『ワールドエンドエコノミカ』)
・竜騎士07「ニコニコ自作ゲームフェスはいい“試練の場”になる!」 (代表作:『ひぐらしのなく頃に』)
・オガワコウサク「それはもう、祁答院が作るゲームが面白いからですよね」(代表作:『コープスパーティー』)
・ZUN「『東方Project』は自分のライフワークみたいなものになっている」(代表作:『東方』シリーズ)
・SmokingWOLF「2Dゲームでできることはほぼなんでもできてしまうんですよ」(代表作:『シルフェイド見聞録』)
・【後編】泉和良「自作ゲームは一生自分の体から離れないものになった」(代表作:『自給自足』『エレGY』)
・【前編】泉和良「自作ゲームしかなくなっちゃったんですよ」(代表作:『自給自足』『エレGY』)
・八百谷真「ゲーム作りは欲求不満放出の場」(代表作:『囚人へのペル・エム・フル』)
・飯田和敏「自分が面白いと思うゲームを作るのが一番!」(代表作:『アクアノートの休日』)
フリーゲームだから、個人制作だからとクオリティは容赦されている部分はあるよね。まぁ、ゲームの面白さとは関係ない部分でもあるが。企業は見栄え良くしないと、投資してもらえんからな。ディベロッパー専門でやってる会社のゲームはそれに近いから面白いと感じるのかも知れない。逆に利益のみ追求した最近のスマホゲーがつまらないのも同じ理屈かな?つまりは
シルフェイド見聞録の続きはよ
評論家気取りの連中は何がいいたいのかわからねえ
そもそも無料と有料でできる事に必ず差が生じるのだから比べること事態おかしい
そして>>13の言ってるオワコンて何を基準に言ってるのかわからん。大体のフリーゲームを作ってる人は趣味で作ってるわけだし、ゲーム製作で飯を食いたい人が有料に流れているだけで、それはフリーゲームが廃れているということにはならない
まぁ 面白いゲームもいっぱいあるしね。
悠遠物語の続きはよ
パトルの軍事博物館は趣味全開で面白かったなぁ
終戦の詔勅(玉音放送)が音声資料として聞けたりとか
何気にすごいんじゃないだろうか
キャラ絵がうまいって うらやましいな…
昔はよく利用したな
>>18
利点がないとは言い切れないでしょう。これは趣味の世界の話でもありますから、「利点=金」という方程式だけではありませんよ。ゲームをプレイする側と同じ感覚で作っている人も大勢いらっしゃると想像します。例えばよく使われる「RPGツクール」というものは、そもそもそれ自体がゲームです。専門的なプログラミングの知識がなくても自分の考えたゲームを制作できる(もちろん本格的に作る場合はそれなりに難しいですが)というゲームで、今では容量や自由度の高さからPC版が圧倒的に使われていますが、僕が小学生~中学生あたりの時代にSFCやPSでRPGツクールが発売されて、僕自身も夢中になった思い出があります。そのとき損得勘定なんか微塵もないんですよね。ただただ作るのが楽しいという気持ちだけです。作ったからといってもせいぜい友達にプレイしてもらう程度、でもそれで「面白かった」と言ってくれたらそれだけで感慨無量なんです。一般的なゲームをする場合も、それを「クリアしてEDを見た」「何百時間やりこんで最強のデータを作った」からといって別に金銭的にはなんの得もないですよね。でも「楽しい時間を過ごせた」ということが「利点」なんですよ。人生の利点はお金だけじゃない、つまりはそういうことです。
青鬼とか
体験版は目をつぶるとして最近流し状態のフリームより良質なのだけ揃えてる印象
仕方ないことだけどこの手のサイトのランキングは何故かかなり偏った結果が出てしまっている印象。自作ゲームフェスは実際にプレイして賞を決めているので、マイナーから有名なゲームまでいろいろあるけど、夢現のフリーゲーム大賞はレビュアーからの投票なので、知名度のあるゲーム=良いゲームという感じになってしまっている。ま、そういうもんなんだけど。
私の気に入ったゲームが大体マイナーなゲームだから気になってしまう。