2012年10月11日発行 第0719号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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      ■□■ 『新報道2001』(フジテレビ) ■□■     
              生出演!
 
        10月14日(日)7:30-8:55
   
 首都・東京の大動脈である首都高の改修など含めいま求められる公共事業の
 かたち、どうすれば復興予算を適切に使うことができるのか、原発政策など
 について語ります。

  出演者:細野豪志(民主党政調会長)、甘利明(自民党政調会長)、
     猪瀬直樹(作家・東京都副知事)など


  http://www.fujitv.co.jp/b_hp/shin2001/index.html


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                猪瀬直樹氏は、
      子爵夫人の日記に残された謎を解き明かしながら、
           アメリカが日本に仕掛けた
     対日占領政策の大きな構図を浮かび上がらせていく。
    それによって、現代の日本と占領期の日本との間に漂う
        霧のような薄闇を払っていくのである。

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 9月1日、新装開店した猪瀬直樹公式ホームページ(http://www.inose.gr.jp/
には「作家の部屋」と「副知事の部屋」の二つの入口があります。

 両方の側面を持つ猪瀬ならではの構造で、少しホームページを覗いていただ
ければ猪瀬直樹という人間の「面白さ」が伝わるはずです。
 さらに猪瀬直樹TV(ニコニコ動画・猪瀬直樹チャンネル)、語録など、新
しいコンテンツも追加。

 ツイッター、フェイスブック、ブログとも連携し、ホームページを始点に幅
広い分野におよぶ猪瀬の活動を網羅することができます。
 是非、ご覧ください。
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 メールマガジンでは、ニコニコ動画・猪瀬直樹チャンネル掲載のインタビュ
ー動画をテキスト化してお届けします。

 本日のテーマは、第5回「『災後社会』を生きる」。

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ニコニコ動画 猪瀬直樹チャンネル
一問一答「第5回 『災後社会』を生きる」

――猪瀬さんは、東日本大震災後の社会を「災後社会」とおっしゃっていて、
  戦後社会と比較されて文明論を展開されていますね。

■猪瀬□ アメリカは2001年の9.11の事件で、とくにニューヨークの人々はか
     なりショックを受けました。日本は2011年3月11日に震災を受けた
わけで、奇妙なことにぴったり10年と半年後なんですね。それはともかく、こ
の震災をどう受け止めるかは、戦後日本の非常に大きな歴史的な課題だと僕は
思っているんです。

 僕は戦争に負けた1945年から2011年までを「戦後社会」とカッコでくくって、
終わらせたらといいと思うんですね。そして、震災後を「災後社会」と呼ぶ。

 どこが違うかというと、震災まではたぶん日本は冷戦構造にあって、冷戦崩
壊後も基本的にはディズニーランドのような社会だったといえると思う。アメ
リカ兵が門番にいるけれどそれは見ないふりをして……ディズニーランドのよ
うなある意味、本当の部分をかくしたなかでの繁栄だった。それで生活水準は
上がって、悲しいこともあるが、それなりの人生を楽しんでいたという物語の
中にいたんだと思う。

「戦後社会」は戦争は想定外だったんですね。だから、ディズニーランドとい
えるのです。ところが、1000年に一度という、マグニチュード9.0というす
ごい地震で、戦争と同じようなことが起きるということがわかった。

――「戦後社会」と「災後社会」はどう違うのでしょう。

■猪瀬□ 「戦後社会」はあなたまかせでよかったんです。

 しかし「災後社会は」は、「自助」「公助」「共助」といいますが、自分の
責任を含めて公の責任を含めて、みんなで助け合うことを含めて、新しく構築
する社会を目指さなければいけないのではないかと思います。

――日本は歴史的に毎年のように、自然災害に見舞われています。

■猪瀬□ 1000年に一度の大震災は1000年に一度だけれども、今年も奈良でも、
     和歌山や九州でも洪水にあっています。日本は自然災害の中で生き
抜いてきた。そういう中でさまざまな文化をつくってきたという自覚を改めて
もつことが「災後社会」といえると僕は思います。

 たとえば、無常感も含めて、桜の花が散るというような環境の要素や、雨が
たくさん降って洪水になるが、雨が降って稲穂が垂れるといったようなよさも
あるわけです。

 これからは、日本列島の2000年来のそういう記憶と個人の記憶が我われの中
で息を吹き返しながら、どういう社会をつくったらいいかを考え直すというこ
とになる思います。

――日本は明治維新で国民を主体とする、国民による国家をアジアで初めてつ
  くったわけですけれども、それも戦後、ディズニーランド化して忘れてい
て、気付けば竹島や尖閣諸島の問題が起きていると。そういう方面からも日本
人の生き方を考え直さなければならないということでしょうか。

■猪瀬□ 北海道から沖縄まで、気候風土は違うけれどもひとつの国民国家な
     わけです。そういうことで尖閣諸島を購入しようと、石原都知事が
ワシントンで明らかにしました。

――そのために寄付を募ろうと提案されたのは、猪瀬さんでしたね。

■猪瀬□ 石原知事の発言を受けて、都庁でインタビューを受けたときに寄付
     を募るといいました。その日のNHKニュースでちょっと流れたん
だけど、ネットで広がったんです。静かに広がっていった。僕はその情熱は何
なのだろうなと思った。国民国家の再認識の始まりじゃないかと思いましたね。

百人一首に「契りきな  かたみに袖を  しぼりつつ  末の松山  波越さじとは」
という歌がありましてね。これは、清少納言のお父さんが詠んだ歌です。今の
宮城県多賀城市あたりのことらしいんです。津波がどんどん松林を超えてくる
けれど、末の松山は越えなかったよね、それなのに私たちはね……と男女関係
を歌った歌なんですが、そういう文化があって、尚かつ、それは北海道から沖
縄まで含めた我われの文化であるのです。そういう国民の意識がよみがえって
きたんじゃないでしょうか。

「災後社会」は、ひとりひとりがきちんと自分の役割をはたすことだと思いま
す。戦後の「ディズニーランド」のような社会の中で我われはちょっと何かを
忘れていたんじゃないでしょうか。そういうことを震災で改めて思いました。

――東日本大震災の被災地の復興は進んでいません。

■猪瀬□ 大震災を糧にして復興するには、被災地の皆さんだけの力ではでき
     ないし、なんらかの形でみんなが助けるというか、被災地の皆さん
といっしょに生きる気持をもたなければなりません。それはまだできていない
かもしれませんね。

 日本には官僚の縦割り機構があって、復興の政策を遅らせてしまっています。
それをなんとか変えていかなければなりません。もう一年半もたってしまいま
したが、今からでも遅くありません。なにもできていないんじゃないかという
反省をこめて、「戦後社会」から「災後社会」への移行、そして、「災後社会」
ではひとりひとりの役割をはたすということを考える必要があると思います。
                                  

                                 (了)


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 「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp


猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■出演情報

・10月14日(日)7:30~8:55 フジテレビ『新報道2001』に生出演します。
 首都・東京の大動脈である首都高の改修など含めいま求められる公共事業の
 かたち、どうすれば復興予算を適切に使うことができるのか、原発政策など
 について語ります。

■掲載情報

・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号。
 「東電、東京都との会合で東電病院売却を表明 子会社のリストラなど具体
 的なアクションプランを示すべき」はこちら。
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20121009/326163/

・10月10日発行『THE 21』11月号の巻頭インタビュー「『想定外』を『想定内』
 にするメンタルコントロール術」に「『自己責任時代』の“平常心”の保ち
 方」が掲載されました。

・10月5日発行『潮』11月号、連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」
 第6回に工藤 啓氏との対談「若者の雇用を守るニート支援の最前線」が掲
 載されました。

・9月26日発行『一個人』11月号に、連載エッセイ「解決する力」の第14回が
 掲載されました。テーマは「2度目の東京オリンピックに向けてーーロンド
 ンを走りながら成熟した都市・東京を考える」。

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 1983年に世界文化社から刊行され、文春文庫になり、『猪瀬直樹著作集』に
入り、ロングセラーとして版を重ね昨年6月に中公文庫に収録された作品です。

 巻末には勝間和代さんとの特別対談「日米開戦に見る日本人の『決める力』」
が収録されました。

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      天皇崩御そして代替わり。その時何が起こるのか。
  天皇という日本独自のシステムを〈元号〉を突破口に徹底考証。
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「天皇は実在するが、また同時に人びとの意識の底にとり憑いた幻想のひとつ
でもある。曲がりくねった鏡張りの回廊を歩くときに歪んだ自分の姿が無数に
映るばかりで天皇の影は見当たらない」(「あとがき」より)

 巻末には作家・批評家の東浩紀氏との特別対談「今、ここにある皇室の危機」
が収録されました。

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      □■『言葉の力――「作家の視点」で国をつくる 』■□
            (中公新書 税込777円)

「東京都副知事で作家の言葉論。ツイッターで文章力を鍛えるには口語体では
なく文章語で書くことだと説く。読書は『10ページ読書』を勧める。それだけ
で頭の中に検索のキーワードができ上がると言う。また、小泉純一郎は<俳句
のように凝縮した1行の力強さがある>が、菅直人は<ページに言葉が埋まっ
ているだけ>といった分析等も興味深い」(読売新聞 8月14日付)

                *

     作家として、東京都副知事として進める「言語力再生」。
 サッカー界にも導入された「言語技術」やツイッターやフェイスブックなど
のソーシャル・ネットワークのほか、三島や太宰の文体にいたるまで、グロー
バル時代に不可欠なコミュニケーション力の目的・手段を独自の視点で解説。
 
  第一部 「言語技術とは何か」
  第二部 「霞が関文学、永田町文学を解体せよ」
  第三部 「未来型読書論」

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                □■『突破する力』■□
          (青春出版社 税込800円)

              7刷出来!  

  道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、
      さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、
     自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする
          本気の仕事&生き方論。
  
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