2012年11月15日発行 第0724号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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                       http://www.inose.gr.jp/mailmag/

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         本日11月15日(木)22時~24時
      東浩紀×猪瀬直樹緊急対談!(ニコニコ生放送)

       「どうなる!? 首都・東京」       
 
       http://live.nicovideo.jp/watch/lv115147992

 東京都の石原慎太郎知事の辞職願提出を受けた都議会は10月31日、臨時会を
開き、知事の辞職に全会一致で同意。

 石原氏は同日付で辞職。歴代2位となる在職日数4941日で石原都政は幕を閉
じました。
 
 テレビを中心としたマスメディアは、「相乗り」「独自候補の擁立」などの
東京都知事選の政局を大きく取り上げています。

 しかし、その中で「東京の未来」に焦点が当てられる時間は多くありません。
 
 いま、「東京」を考えることは「日本」を占うことかもしれない。
東京は一体どこへ向かうのか? 東京が作り上げたもの、足りないものは何か?
 
 知事職務代理者となった筆頭副知事の猪瀬直樹氏が、番組に登場。
株式会社ゲンロン代表で哲学者の東浩紀氏と共に、「首都・東京の未来」につ
いて考えます。(HPより)

       http://live.nicovideo.jp/watch/lv115147992 

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   「石原新党」や「尖閣諸島購入問題」、「東京電力とのバトル」、
   「オリンピック招致」、「災後社会のネットワークづくり」など、
  東京都のマネジメントに絡む出来事をネタに、問題解決力を磨く考え方、
   行動の仕方、強いメンタルの保ち方などをわかりやすく説く!

        「その日までが勝負」と「その日のみの勝負」
        改革とは具体的な数字を示すこと
        決断は見切り発車で
        ツイッターがつないだ奇跡の絆
        日本人に足りない言語技術力

 など、世の中の最前線で闘ってきた著者ならではのメッセージが満載。
 ヒット作『決断する力』に続く、臨場感あふれるビジネススキル読本
           
    
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    東京の地下鉄は2つの事業体によって運営されている。
    そのためとんでもない不便を強いられているのは
          利用者なのである……
    
      改革のためには通勤苦の現状をよしとする
        既得権益者との戦いが必要であり、
    利用者自身もいまどんな不合理にさらされているか、
         よく知らなければならない

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 本日11月15日木曜日、インタビュー動画「細野政調会長に迫る 首都圏の電
 源確保に」をアップしました!
 http://ch.nicovideo.jp/channel/inosenaoki (猪瀬直樹TV)

                *

 メールマガジンでは、猪瀬直樹TVで配信したインタビュー動画をテキスト
化してお届けします。

 本日のテーマは、「『書評の甲子園』ビブリオバトル」です。
 文末に優勝した上智大学・鷹野宣章さんのプレゼン動画へのリンクも。

 ひとの心を打つプレゼンはどうすればできるのか。
 ぜひ日々の仕事の参考にしてください。

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ニコニコ動画 猪瀬直樹チャンネル
一問一答「第9回 『書評の甲子園』ビブリオバトル」

――10月21日、日曜日に「ビブリオバトル首都決戦2012」が東京・秋葉原で開
  かれました。

■猪瀬□ 「ビブリオ」とはラテン語で「本」のことです。「ビブリオバトル」
     は立命館大学の谷口准教授が考案した「書評合戦」で、東京都など
が主催しています。大学生や大学院生が本を読んでその面白さを5分間でプレ
ゼンする。ただ「面白かった」だけではなく、あらすじやその本がどういう位
置づけなのかのポイントも、わかりやすく言えなきゃならない。いまの若者は
本を読んではいるけれど、読んだら終わりになってしまっていると思います。
人に話してみたくなることが大事。人に話す、人に伝えることで会話が成り立
っていくからです。

――「甲子園」のように予選を通過してくるわけですね。

■猪瀬□ 今年は全国の100くらいの大学から予選を通過して、決勝にやっ
     てきました。予選参加が524人、首都決戦の出場権を32人が得て
準決勝に臨みました。

――ポスターがなかなかいいですね。

■猪瀬□ これは、ユニクロのロゴを作った、佐藤可士和さんのデザインです。
     2010年から始めて3回目になります。来年、再来年とどんどん大き
な大会になっていってほしいですね。

――なぜこういう大会を開くことになったのですか?

■猪瀬□ 都庁に勤める若い役人の2人に1人が1か月に1冊も本を読んでい
     ないし、新聞も取っていないというデータがあります。若い人にで
きるだけ本を読んでもらって、それを人に話してもらいたいということで始め
ました。オタクはネットでいろいろな情報を得て知識が豊富ですが、それをア
ウトプットしない。ネット上ではするけれども、声に出してアウトプットしま
せんね。

 都庁の役人は納税者に政策の説明責任があるのに、上手く説明できない。い
いことをしているのに説明能力がないからたたかれる。それは、最後に結論を
いうからです。新聞には見出しに結論があって、なぜならばと記事で中身を説
明するでしょ。それが全然できていない。これからの時代、国際的にも人材が
必要なのに、プレゼンができないとやっていけません。これからどんどん広げ
ていきたいと思っています。

――特に若い人が、話し方、プレゼンの仕方を覚えることは、これからの日本
  にとっても大切なことですね。

■猪瀬□ 政治家は選挙で選ばれますが、投票する国民力、いわゆる民度を底
     上げしていかなければならないと思います。日本人は世界的に見て、
読み・書き・そろばんの力が優れています。だから労働水準は高いし、高校ま
では世界で引けをとらない。でも、大学になるとガクッと落ちるんですね。本
は読まないし、3年生で就職活動が始まってそのまま社会に出てしまう。これ
では困るので、できるだけ本を読んでほしい。電子書籍はあるが、結局は紙が
いいです。

――猪瀬さんは昨年『言葉の力』という本を出されました。

■猪瀬□ 中公新書ラクレから出しましたが、東京都のホームページにも10
     0ページにわたってどういうことを言葉の技術として学ぶかという
ことが載っていますから、無料で読めます。わたしたちには言葉の技術と、感
動を呼ぶ言葉の両方が必要です。

――日本の作家の歴史には『文章読本』がありますがその系譜につながると思
  います。『言葉の力』には、国際的に通用する人間になるために、話すこ
  とを含めての新しい形が示されていると思います。

■猪瀬□ 日本では説明する技術を教えていませんね。欧米では言語技術の習
     得とともに、秩序だって説明する技術を教えています。たとえば見
ていない人にも分かるように状況を説明するのは、技術と表現力が必要。日本
では感想を言わせてそれでおしまいです。

 日本人は短歌や和歌などの短い表現力をもっています。それと言語技術があ
ればいいわけです。新聞記事などは5W1Hで書かれていて、そういう技術で
書かれたツイッターからも確かな情報が生まれます。

 こういうことの集大成が、「ビブリオバトル」です。

――弁論大会や「青年の主張」などは面白くありませんね。

■猪瀬□ 道徳的なことばかりいっているから面白くないので、本からどうや
     って引用できるかを知っていれば面白くなります。シェークスピア
にはこう書いてあったとか源氏物語にはこうだというのが入ると面白い。だか
ら、本を読んで何かが分かって、それからはそれを、自分の言葉として使う。
そうすればいい。人が読んだ本の話を聞くと、本は300ページくらいですか
ら、300ページ分聞いていることになります。

――今回の「ビブリオバトル」のチャンピオンが紹介した『「いき」の構造』
  は、わたしも読んでみたくなりました。

■猪瀬□ 『「いき」の構造』は昭和初期に書かれた九鬼周造の本です。チャ
     ンピオンの大学生は「フーテンの寅さん」の美意識をからめて、日
本人の中に「いき」という意識がどうやって生まれたのかをプレゼンしました。

「ビブリオバトル」が全国の大学で行われると、日本の若者が変わっていくと
思います。若者を非難してばかりではしょうがない。こうやって、道筋を示し
ていけばいいのだと思っています。「ビブリオバトル首都決戦2012」はYouTube(※)
で観られます。ぜひ、現場の雰囲気を観てほしいと思います。


(※)https://www.youtube.com/watch?v=Ryt-M_nAwS4&feature=plcp
   ビブリオバトル首都決戦2012 優勝者 鷹野 宣章さん(上智大学)
   チャンプ本 『「いき」の構造』九鬼周造/藤田正勝著

 

                                (了)


                *


 「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp


猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■掲載情報

・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号。
 「ガラガラの送電網をいかして福島支援策に 東電経営改革本部との定期会
 合で改革求め、本気度を問う」はこちら。
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20121112/330220/

・11月12日発行『歴史人』12月号に、インタビュー「石原都知事の『購入宣言』
 と野田首相の『国有化』の真相」が掲載されました。

・11月5日発行『潮』12月号、連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」
 第7回にピースオブケイク代表取締役CEO・編集者の加藤貞顕氏との対談
 が掲載されました。加藤さんは130万部を超えるベストセラー『もし高校
 野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」(岩
 崎夏海著 ダイヤモンド社)を手掛けた編集者です。

・10月26日発行『一個人』12月号に、連載エッセイ「解決する力」の第15回が
 掲載されました。テーマは「“港”がもたらすものについて 気仙沼で育っ
 た少年がロンドンで宝石デザイナーになった」。

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    大震災後、東京都を陣頭指揮する副知事の思考と行動20カ条

        首都直下型地震への取り組みとは何か
    
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           「いざ」というとき、立ち止まるな!
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 ソーシャルネットワークを使った情報収集・発信・即断即決→事後承認、
 見えない恐怖を可視化する、先を見通してリスクの芽を摘む、昨日を基準
 に今日を生きない……。大震災後、東京都を陣頭指揮するリーダーが、
 首都直下型地震対策として自ら実践しているノウハウを、ビジネスマン
 向けにアレンジして紹介!   
    
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          □■『東條英機 処刑の日 』■□
       〔アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」〕
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                猪瀬直樹氏は、
      子爵夫人の日記に残された謎を解き明かしながら、
           アメリカが日本に仕掛けた
     対日占領政策の大きな構図を浮かび上がらせていく。
    それによって、現代の日本と占領期の日本との間に漂う
        霧のような薄闇を払っていくのである。

                      梯久美子(「解説」より)

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          □■『昭和16年夏の敗戦』 □■
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 1983年に世界文化社から刊行され、文春文庫になり、『猪瀬直樹著作集』に
入り、ロングセラーとして版を重ね昨年6月に中公文庫に収録された作品です。

 巻末には勝間和代さんとの特別対談「日米開戦に見る日本人の『決める力』」
が収録されました。

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               □■『天皇の影法師』■□

          (中公文庫 税込700円)
 
      天皇崩御そして代替わり。その時何が起こるのか。
  天皇という日本独自のシステムを〈元号〉を突破口に徹底考証。
         処女作が待望の復刊です。   
 
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「天皇は実在するが、また同時に人びとの意識の底にとり憑いた幻想のひとつ
でもある。曲がりくねった鏡張りの回廊を歩くときに歪んだ自分の姿が無数に
映るばかりで天皇の影は見当たらない」(「あとがき」より)

 巻末には作家・批評家の東浩紀氏との特別対談「今、ここにある皇室の危機」
が収録されました。

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              大増刷出来!

      □■『言葉の力――「作家の視点」で国をつくる 』■□
            (中公新書 税込777円)

「東京都副知事で作家の言葉論。ツイッターで文章力を鍛えるには口語体では
なく文章語で書くことだと説く。読書は『10ページ読書』を勧める。それだけ
で頭の中に検索のキーワードができ上がると言う。また、小泉純一郎は<俳句
のように凝縮した1行の力強さがある>が、菅直人は<ページに言葉が埋まっ
ているだけ>といった分析等も興味深い」(読売新聞 8月14日付)

                *

     作家として、東京都副知事として進める「言語力再生」。
 サッカー界にも導入された「言語技術」やツイッターやフェイスブックなど
のソーシャル・ネットワークのほか、三島や太宰の文体にいたるまで、グロー
バル時代に不可欠なコミュニケーション力の目的・手段を独自の視点で解説。
 
  第一部 「言語技術とは何か」
  第二部 「霞が関文学、永田町文学を解体せよ」
  第三部 「未来型読書論」

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                □■『突破する力』■□
          (青春出版社 税込800円)

              7刷出来!  

  道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、
      さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、
     自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする
          本気の仕事&生き方論。
  
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