ビルドオーダーを使うことの意義
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ビルドオーダーを使うことの意義

2013-10-17 08:56
  • 2
以前、SC2で1ベースラッシュを練習する意義について書きましたが、そもそも「なぜビルドオーダーを使用するのか?」ということに焦点を絞って書こうと思いました。
というのも、最近とうほう☆ストラテジーという同人RTSを始めたのですが、そこでは長らくRTSらしいゲームデザインから離れていたらしく、それが原因かは不明ですがビルドオーダーやアーミーマイクロといったものが殆ど熟成されていませんでした。
なので、今回はとうストプレイヤーにはビルドオーダーを組むことの重要さを知ってもらう目的で、他RTS勢にはビルドオーダーの使い方を知ってもらう目的で読んでもらうといいかんじだと思います。

~読まなくていいまえがきおわり~



まず、単純なことですがビルドオーダーとはなにか?というものです。これは様々な攻略ブログで書かれているように、RTSにおける内政のレシピです。「どのタイミングで」「どんなユニットや建物を出すか」といったことが、ゲームによって様々なテンプレートで書かれています。例えば、スタークラフトは左側に人口を表記し、「この人口になったらこれをやりましょう」というスタイルが一般的です。後半は人口にブレがあるので、時間で表記することが多いです。


効率のいい内政が可能になる


とりあえずビルドオーダーの一例として、ぼくがしばらく使用していたザーグの対テラン用オーダーを載せます。

ZvT
15 - Hatchery
16 - Spawning Pool
5:20 double gas
@100gas speedling
6:00 - 3rd Hatchery
7:15 Evolution Chamber x2
7:30 OL scout
Start +1 Melee and Carapace
@100 gas - Lair
@50 gas - Baneling Nest
@100% Lair - Infestation Pit or Spire

では、このビルドオーダーを使用するとどのようなメリットがあるか?ということです。なぜ15hatcheryじゃなければならないのか、16hatcheryではだめなのか?5:20にガスを取る意味はなんなのか、もっと早く取り始めてはいけないのか?


答えは、「別に16hatcheryでもいい」です。もちろん、この後オーダー通りにこなすと綺麗に資源が回らなくて非効率ではあります。ビルドオーダーは、本来効率的に資源を使えるように作られているため、そこからズレたらその分資源が変な余り方をしてしまいます。しかし、重要なことろはそこではありません。
別に16サプライでハッチェリーを建築しても、それが原因で負けなければ全く問題がありません。むしろ、15ハッチェリーが原因で負けることすらあります。


重要なのは、「15ハッチェリーをしたから負けた」ということがはっきりわかるということです。もし、オーダーを組まずに、毎回感覚で適当にハッチェリーを建築していた場合、13サプライでいってしまうこともあれば、17サプライまで建築しないこともあるかもしれません。もし、悠長に17サプライまでハッチェリーを遅らせていたら、クイーンの出るタイミングが遅くなってしまうでしょう。ハッチェリーならまだしも、spawning poolが無ければザーグリングの生産すらできないので、spawning poolのタイミングがうっかり数十秒も遅れてしまえば、開幕のラッシュで死亡する可能性が大幅に高まります。

仮に、感覚でやっているせいでpoolの建築が遅れ、バンカーラッシュを食らって負けてしまったとして、果たして「poolが遅かったから負けた」という反省ができるでしょうか。仮に反省をしたとして、次から15hat 16poolが正確に行えるでしょうか。16hat 17poolになってしまっただけで10秒近くタイミングが遅れることもあります。ラッシュ相手にこれは致命的でしょう。もし14hat 15poolにした時、「ワーカー1体分の内政差がついている」ということに気づけるでしょうか。ぼくは不可能だと思います。


とうスト勢にも読んでもらいたいと書いた割にスタクラに例え過ぎたので、今度はとうストにたとえてみます。
これは、ぼくが使用している白の即セカンドオーダーです。

5/25 酒
0:50 農民2人移動開始
9/25 拠点 1:10 片方を特攻偵察
10/25 ヒロイン
10/25 @酒80 霊石(0人掘り)
10/25 @酒80 霊石(0人掘り)
2:00 農民を2nd酒に移動開始
21/25 下級
22/25 @セカンド完成(2:50) 防衛ユニット2体
22/60 上級 (3:10)
22/60 水兎
32/60 ヒロイン
34/60 @酒160(3:50) 霊石2つ解放
4:00 偵察
48/65 輝夜 4:30

これの最初の建築順番を人口表記なしで書くと、

酒酒拠点ヒロイン霊石霊石下級
となります。
しかし、この通りに、農民をオート生産にして行った場合、多くのケースで以下の人口タイミングになります。
5/25 酒
9/25 拠点
11/25 ヒロイン


なぜ、人口11でヒロインになってしまうかというと、原因は9/25の拠点タイミングにあります。
SC2と違い、とうストの人口が増えるタイミングは生産が完了してからです。つまり、表記上では9/25になっていても、拠点建築前に10体目の農民のオート生産が始まっているのです。これにより、拠点のタイミングが5秒ほど遅れます。たかが5秒とは言いますが、酒48のロスです。
そして、10体目の農民の生産が完了した後、酒がおよそ140ほどしか溜まっておらず、即座に11体目の農民の生産が開始されてしまいます。これをキャンセルせずに行った場合、ヒロインの生産がようやく始まるのが11/25というわけです。当初の予定より丸々15秒ほど遅れています。つまりヒロインが出るのも15秒遅く、最初の水兎も、防衛ユニットも、輝夜も15秒遅く、セカンドの建築完了も合わせて全てのユニット生産が20秒遅くなってしまうわけです。

RTSにおいて20秒でできることと聞かれればいくらでも出てくるでしょう。オーダー無しでやっているとこのようなズレが生まれる危険があります。


ここで当然の疑問が湧き上がる人がいると思います。
「じゃあちゃんとキャンセルして生産すればいいんじゃないの?」
ええ、全くその通りです。結果的にこのオーダーと同じようになればそういった遅れは生まれません。ということで、内政面以外の面でのメリットを書きます。というよりそっちの方が重要です。

反省、改善しやすい

ビルドオーダーはひとつの定石であると同時に、ひとつのプレイの指針となります。

上記で、キャンセルして生産すれば特に遅れは出ないと書きましたが、毎回やるでしょうか。いえ、最序盤の組み立ては毎回できているかもしれません。しかし、セカンドが完成してから生産施設を追加するタイミングや、アップグレードを行うタイミングはいつも同じでしょうか。毎試合30秒ぐらい前後していたりするのではないでしょうか。30秒も遅かったら資源配分は滅茶苦茶、アドリブでちがう建物を追加するため毎試合軍構成が違っている、ということが多くあると思います。


このような状態になった時に浮上する最も大きな問題は、「何が原因で負けたのか分からない」ということです。ぱっと見、どうやら軍の相性で負けているらしい、というところまではわかるでしょう。しかし、次の試合でそれを改善することができるでしょうか?今度は相手の軍のアンチ構成にすればいいのでしょうか?同じ相手でもないのに、その構成にする理由はなんでしょうか?偵察をするのならいつごろがいいのでしょうか。また、それを毎試合行えるでしょうか。なぜ、前の試合と今回の試合で相手の軍量が違ったのでしょうか。こちらは同じユニット数だったのに。


これらの疑問が、ビルドオーダーによって解決します。オーダーには基本的に偵察タイミングが表記されています。例えば、ぼくのオーダーは4分偵察によって相手の軍構成や建物の大部分を知ることができ、輝夜生産後の資源配分を柔軟に変更していくことができます。つまり、「オーダー通りにできてさえいれば」、4分偵察によってその後のラッシュを防衛することができるということです。

もし、このオーダーを完璧にこなし、対応も完璧にした上で負けるようなら、オーダー側に原因があります。そして、負ける原因の多くはオーダーではなく、自分の側です。建物追加のタイミングが遅かったり、偵察に行ってなかったり、ユニット生産を怠っていたり、ということです。

このビルドオーダー最大のメリットは、「4分まで毎試合全く同じことができる」ということです。4分まで毎試合全く同じことができれば、絶対に4分以内に負けることはありません。ビルドオーダーはラッシュ対策も含んでいるので、毎回同じことをしていれば、毎回同じようにディフェンスすることができます。極限まで突き詰められたビルドオーダーはあらゆるラッシュに対処可能なように作られています。つまり、そのオーダーを完璧にこなせば、毎試合同じラッシュをされれば、毎試合勝つことができるということです。


ラッシュという表現だと序盤しか役に立たないように感じるかもしれません。
では、6分まで完璧にビルドオーダーの通りにできるようになったらどうでしょう。
6分までのあらゆるラッシュ対策が組み込まれたオーダーを、完璧にこなすことができれば、6分までのラッシュは一切喰らいません。では、8分はどうでしょう?いよいよもってオーダーは複雑さを増してきますが、完璧にこなすことができれば、当然8分までに負けることはないでしょう。

そして、15分、20分という超長期的スパンで完璧にビルドオーダーを組み立てることができるのがプロゲーマー、というわけです。彼らのオーダーの中に想定されたあらゆるラッシュは、何度やっても彼らに通用することはありません。そして、1度オーダーの欠陥を突かれた後は、そのオーダーに若干の修正を施すことで、次からは確実に対策するようになるでしょう。


オーダー無しでプレイするということは、自分がいつ、何をやっているのかわからずにプレイするということです。試合を重ねるうちに、「あ、またこの流れか」と感じることはないでしょうか。その時、勝てたり、勝てなかったりしないでしょうか。なぜ勝てたのか、なぜ負けたのか、それらの試合内容がどう違ったのか知りたくはないでしょうか。そういった時にビルドオーダーをこなしていれば、オーダーのどの部分で勝てていたか、負けていたかがわかる、というわけです。



極論を言ってしまえば、ビルドオーダー無しに反省、改善はありえないと思っています。と、言うよりも、毎試合試合内容が違うのに、一体どの部分を反省しようと言うのでしょうか。少なくとも4分までは同じことができていれば4分以降の展開を気にしていればいいのに、4分までにやっていることがバラバラだったら、毎試合差が付く部分が分からなくなるのではないでしょうか。「この戦闘で負けたから」、なぜその戦闘で負けたのでしょうか。内政差か、マイクロ差か。マイクロ差ならなぜマイクロできなかったのか、内政差ならいつそれをチェックすべきだったのか。そういった事を毎回感覚的にこなし、毎試合平均して綺麗にできるような抜群のセンスを持ったプレイヤーなんて、世界単位で数えても殆どいないと思います。




「なかなかうまくならない」という人、まだまだできていないことがものすごく沢山あります。ぼくも見つけては修正、見つけては修正の日々です。とうストに至ってはオーダーそのものが欠陥だらけの自作品なので、まずオーダーから見なおさなければならないことも多々あります。ビルドオーダーはそういった「できていないこと」を浮き彫りにしてくれるツールです。まずは1分まで、毎試合同じように組み立てられるようにオーダーを組んでみてはどうでしょうか。
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記事読みました。RTSのブログ少ないので助かりました。
65ヶ月前
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RTSは一度もプレイしたことがありませんが、isaminさんの文章が上手なので、
知らないワードばかりでも読めてしまいました。
別ジャンルでも通用しそうな要素もあり、興味深かったです。
39ヶ月前
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