@あまなつさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
編集部注 : 本記事は、ソーシャルテレビラボ発起人である 境 治氏によって10月24日投稿に執筆されたもの です。
今日飛び込んできたニュース。ビデオリサーチ社が驚くべきリリースを発表した。
ビデオリサーチ Twitter上の指標整備に着手
な、な、なんと!
ちょいとだけ引用させてもらっちゃうと・・・
最初の取り組みとして、「1分あたりのツイート件数」とその「前四週平均」を番組別に算出し、番組全体を量的に捉える指標として研究を開始します。 この指標により、日々放送されているテレビ番組がTwitter上でどれだけ話題となったのかを網羅的に簡単に確認でき、過去の放送や他番組あるいは同ジャンルの番組と比較することが可能となります。
つまり、視聴率と一緒に番組ごとのツイート数を調査していく準備をしていますよ、ということ。なんて画期的な!
何に驚いているか、わかるかしら?
そもそもビデオリサーチ社が何をする会社か、知っているかな?・・・そう、視聴率を調べる会社だ。
1953年に日本でテレビ放送がはじまった。もちろんその段階では視聴率という概念はなかった。だってテレビがある家庭がほとんどなかったのだから。その後、ぐいぐいテレビは普及した。1962年には、テレビの普及率は80%近くになった。たった10年で8割。すごいね!そしてその年にビデオリサーチ社が設立され、視聴率調査が始まった。
以来、テレビは視聴率と戦い、味方につけ、抗い、憤り、それでも従ってきた。高い視聴率は制作者に自信をもたらし、会社としての局の収入を上げる。そしてその逆も起こる。そんな数値になっていった。視聴率はあてになるの?そんな風に疑問を呈する人もいる。視聴率ばかり追いかけていいのか。そんな批判をぶちまける人もいる。どんなに疑問を持ち、批判しても、視聴率は堂々とテレビの唯一の物差しであり続けた。テレビというメディアは面白いことに、100%広告収入で運営する。だから視聴率をとらないわけにはいかないのだ。NHKをのぞいては。
2000年代に入り、視聴率は増えないことが見えてきた。その上、日本の産業が全体的にも右肩下がりになるのもわかってきた。広告費は減少するしかない。高度成長を支え、GDPとともに反映してきた広告業界とテレビ局はうなだれた。
視聴率とは別の指標が必要になってきた。ちょうどいいタイミングでやって来たのがソーシャルメディアだった。視聴率はなくならないし、なくす必要もないが、それとは別の指標を持つことは、うなだれるしかなかったテレビ局に別の可能性をもたらすかもしれない。その可能性の中身はまだまったく見えないのだが。
ビデオリサーチ社がツイート数を指標として調査し発表する。そのことの意味は大きい。これが別の機関だと、弱い。ああ、そういう見方もあるんだってね、最近。よくわからないけど。それでおしまい。
でもビデオリサーチ社が出すのなら、視聴率とは別のこのツイート数、これはどう受けとめればいいのかな?そんな空気が形成される。ツイート数の方も、数を見て、何らか解釈をしたくなってくる。だって視聴率の横に別の物差しの数値が入っているんだもん。
その上、ツイートの分析は、ツイート数だけではない。いろんな見方が出来る。ツイート数だけだと、視聴率に比例するんだね、で終わりかねない。あとアニメって基本的に多いよね、というオマケぐらいはつけられる。
でも視聴率の推移とツイート数の推移を見る。そんな分析から何かが見えるかもしれない。
あるいは、ツイートがどう広がっていったかで情報のリーチ力、拡散力を見出すこともできるのだろう。
さらには、ぼくたちがロンドンオリンピックでやってみたように、テキストマイニングでもっと込み入ったことも言えるのかもしれない。
例えば、ある新番組のツイートを感情分析することで、その番組がどう受けとめられているかがわかる。それが次回の番組づくりに生かせるかもしれないし、番組のプロモーションの参考にできるかもしれない。スポンサー企業からすると、その番組に提供する意義が見えてくるかもしれないのだ。
視聴率だけで番組を捉えていた頃より、番組の見方に幅が出来、その価値を高める議論ができるのではないだろうか。だとしたら、テレビは視聴率一辺倒だった時代から、次のステージへ向かっていくのだと言える。
面白いじゃん!
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著者紹介
境 治 ( @sakaiosamu )
コピーライター→映像製作会社ロボット→広告代理店ビデオプロモーション。メディアとコンテンツの未来を切り拓くのがミッションです。だから、何だってかんだって相談オッケー!
socialtv-lab ">by ソーシャルテレビラボ
イン・ザ・ループ(in the looop)は、ループス・コミュニケーションズが提供するメディアです。ソーシャルメディアによる人々のつながりを前提としたビジネスの「今」をお届けします。
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