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韓国・中国が牽引するアジアのアプリ市場、規模の大きい欧米。モバイル&グローバル・ビジネス、進出するならどこ?
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韓国・中国が牽引するアジアのアプリ市場、規模の大きい欧米。モバイル&グローバル・ビジネス、進出するならどこ?

2012-11-19 09:30
     

    近年、急速にグローバル化の速度を早めているインターネットビジネス。

     

    AppStore や Google Play、Facebookアプリセンターなど、グローバルに展開するプラットフォーマーが提供するマーケットプレイスの存在がその発展を後押ししています。

     

    今回は、スマートフォンアプリのグローバル展開支援サービス「CLOUDIA GLocalizer」の提供を開始したCRIミドルウェア、及び同社セミナー講師の方々から資料・データ提供を受け、スマートフォンアプリの海外展開に関するマーケティング情報やノウハウをお伝えしていきたいと思います。

     

     

    モバイル市場を、グローバルで展開する必要性

    前述の通り、CRI-MWが提供する「CLOUDIA GLocalizer」はスマートフォンアプリのグローバル展開支援サービスです。主にゲームのミドルウェア提供をビジネスドメインとする同社がこのようなサービスを開発した背景を、デロイトトーマツコンサルティング パートナー八子知礼氏のスライドを借りながら整理してみたいと思います。

     

    デロイトトーマツ コンサルティング株式会社
    パートナー 八子 知礼

     

    通信・メディア・ハイテク業界を中心としたマネジメントコンサルタント。
    専門領域は新規事業戦略、顧客接点やチャネルの改革を含むバリューチェーン再編。戦略立案だけでなく現場貼り付きの業務改革にも定評あり。最近のもっぱらの興味はクラウドコンピューティングがモバイルソリューションによって加速されること。

    日経ITPro配下で「八子・モバイルクラウド研究所」を連載中。

     

    デバイスは、デスクトップからモバイルへ

    Deloitte Tohmatsu Consulting 八子知礼

     

    まずはモバイルデバイスの急速な普及が挙げられます。

     

    RBC Capital Markets のデータでは、2011年3月時点でのモバイル端末が約51億台あったとのことです。それが2011年末には60億台に達し、2012年末には70億台に達する見通しとのことこれは世界の人口に匹敵する数です

     

    一方、デスクトップPCの台数は13億台弱で2011年から現在までほぼ横ばい。単純にグローバルなアプリビジネスを考えた場合、デスクトップに比べて圧倒的に普及台数が多く、市場の拡大が見込まれるモバイル端末を中心に考えることはごく自然なことのように思われます。

     

    これほど普及が急速であるのは、モバイルデバイスの中心である携帯電話が情報端末であるPCや、娯楽である据え置き型ゲーム機と違い「生活必需品」であるためだと言えます。

     

    Deloitte Tohmatsu Consulting 八子知礼

    市場の成長性においても、モバイルビジネスはPCよりも高い成長性を見せています。 

     

     

    スマートフォンの普及

     ただし、モバイル端末といってもインターネットの機能がない携帯電話や、メールの閲覧に特化した端末などが存在します。

     

    そんな中で、アプリビジネスの大前提となるのは当然スマートフォンです。

     

    Deloitte Tohmatsu Consulting 八子知礼

     

    市場調査会社 シードプランニング の予測によれば、全世界でのスマートフォン普及台数は2012年末で約13万台程度、全体の21%程度との見込みです。これが2016年になると約3倍近い37億台。携帯電話の約半数がスマートフォンになるだろうとのことです。

     

    当然、国によって普及スピードは変わってくるのでしょう。まずはスマートフォンが順調に普及しつつある先進国での展開が優先され、市場の拡大と共に全世界での同時展開を目指す方向にこの5年くらいで急速に変化していくことになるのだと思います。

     

     

     FLURRYの調査によれば、成人男性に対するスマートフォン普及率が最も高いのはシンガポール、次いで香港、スウェーデン、オーストラリア、USとなっています。

     

    同調査における日本でのスマートフォン普及率は約2,200万台。日本の成人人口が2010年時点で約1億人くらいなので普及率は20%強という感じです。

     

    FLURRYのこの数字は国内で2012年2月にD2Cが行った郵送調査の結果ともほぼ一致します。

     

     

    講演で八子氏も繰り返し述べていましたが、日本はスマートフォンの普及においては後進国であり、これがスマートフォンビジネスを展開するのであればグローバルでなければならない理由の一つとなっているそうです。

     

    とは言え、成長率で見れば日本のアプリ市場も急速に伸びているとのことですので、日本と海外、同時立ち上げという選択肢が現実的ではないでしょうか。

     

    Top Fastest Growing Countries in Terms Of Revenue In The Apple App Store for iPhone

     

    国ごとに異なる市場特性

     ここまで、アプリビジネスを展開するにあたって「モバイルかつグローバル」を志向する必然性についての数字を見てきました。

     

    続いては、各国市場の特性や動向について、同じく八子知礼氏のスライドを中心にまとめてみたいと思います。

     

    主要エリア別ゲーム業界市場規模

    Number Of Free Downloads To Hit Top 25 Per Category

    スマートフォンアプリの中でも、他のカテゴリに比べて圧倒的に人気なのは現在のところゲームです。続いてエンタメ、ソーシャルという流れで、これは無料アプリ・有料アプリ変わりません。

     

     

    Deloitte Tohmatsu Consulting 八子知礼

     

    各国ゲーム市場の規模と成長率を見てみましょう。Euro Monitorのデータによると北米が223億ドル規模と最大、次いで西欧215億ドル、日本98億ドルです。アジア、南米、東欧なども成長率は高いものの規模としてはまだまだのようです。ただし、Asia Pacificにおける図中青のグラフ、Digital Gamingの割合は高く、注目に値するでしょう。

     

     

    Deloitte Tohmatsu Consulting 八子知礼

     

    アジアのDigital Gamingを牽引するのは韓国、中国です。CAGR(年平均成長率)も各国110%〜140%と高いのですが、規模でいうとまだまだ韓国・中国には遠く及ばないという状況です。

     

     

    アプリケーションをダウンロードしない理由

    Deloitte Tohmatsu Consulting 八子知礼

     もう一つ興味深いデータがあったのでご紹介します。

     

    上図は各国の「アプリケーションを利用しない理由」を表したグラフです。「使っている携帯電話ではダウンロードできない」割合が多いメキシコ・アルゼンチン。「アプリを使うと毎月のデータ利用上限を超える」国のデータ通信は従量課金制やプリペイド制なのでしょう。海外展開では最初にデバイスとクレジットカードの普及率が注目されますが、国民性やネットワーク環境、インフラ環境なども把握しておきたいものです。

     

     

    グローバル展開における課題

     

    八子氏の提唱する「フルスケール」というコンセプト 

    このような背景を踏まえ八子氏が提唱し、CRI-MWが支援する「フルスケール」というコンセプトがあります。これはひとつのビジネスを、国やプロダクトを超えた規模の最大化を目指した設計で進めようというものです。

     

    「フルスケール」はグローバル戦略に加え、組織、マネジメント、ITインフラを基盤として推進するものですが、これを可能にしたのがグローバルなマーケットプレイスであり、モバイル・デバイスの普及であり、クラウドというスケールアウトが容易なコンピューティングリソースであると思います。

     

     

    有名な事例としては、LINEは中東で火がつきました。Sony Digital Network Applications の写真アプリもグローバル展開したところ当初は予想外にイタリア、スペインで支持を得たそうです。

     

    Asians Have Different Preference In Social Networks

     テクノロジーの進化により、アプリを海外で配布することはずっと簡単になりました。ただし、難しいのは適切なマーケティングに基づいたローカライズ、そして継続的なプロモーション活動とチューニングです。国によって文化も違えばニーズも、マーケティング・チャネルも違います。

     

     

     

    上のグラフから、各国でアプリの言語に対するこだわりのようなものが見て取れます。緑色の部分が「言語が母国語じゃなくてもいいよ」という人の割合なのですが、北米はその部分がほとんど存在しません。英語で書かれていないアプリは全く売れないそうなのです。

     

    CLOUDIA GLocalizer」というソリューション

    冒頭紹介させていただいた「CLOUDIA GLocalizer」は、スマートフォンアプリのグローバル展開支援サービスです。展開するエリアの現地法人との提携により、プロモーションからパブリシティ、アドプランニング、プロモーション、ソーシャルメディア運用などを一括で行うサービスだそうです。

     

     

    CLOUDIA Glocalizer の主な特長

    ● コンテンツ市場調査のプロが競合分析
    ● アプリの特性を理解した上でのグローカライズ/ 翻訳サービス
    ● 北米大学40 校以上の現役学生のモニター/ コンテンツ紹介
    ● ゲーム/ アニメ/ 映画の北米展開ノウハウが詰まった独自サポート
    ● SNS、イベント、大学等を活用した独自のマーケティングプロモーション
    ● アプリ販売後も継続した英語カスタマーサポートが可能
    ● 問合わせ、サポートは、日本語/ 英語どちらでも対応可能

     

    「CLOUDIA Glocalizer」サービス詳細を見る >>

     

     

    限定10社で展開エリアのマーケティングリサーチを無料で行なっているようです。納期は約2週間程度とのこと。ご興味ある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

     

    資料提供元

    本記事はCRIミドルウェア、及び同社セミナー登壇者の方々からの資料・データ提供を受け作成しました。金銭の授受はありません。 

     

    このようなイベント・セミナー・調査データ記事化のご要望がございましたら、itl@looops.net 直人までご相談ください。公開内容は、「読者にとって学びがあること」を条件とさせていただいております。単なる新製品や新サービスのプレスリリース等は取材をお断りさせていただくことがございますので、予めご了承いただけますようお願いいたします。 

     


    by 許 直人
    RSSブログ情報:http://media.looops.net/naoto/2012/11/19/cloudia-glocalizer/
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