そんなプログラミングを勉強したいというメンバーが集った変わったシェアハウスが東京都世田谷区の豪徳寺にあります。その名も「PGHouse 豪徳寺」。先日もフジテレビの知りたがりやNHKのめざせ!会社の星などのテレビでも「プログラミングが学べるシェアハウス」として紹介され注目を集めています。
そんなPGハウス 豪徳寺にお邪魔して、入居者の方に入居の目的や普段のシェアハウスの様子などを伺ってきました。
今後プログラミングを勉強したいという人はどうやって勉強する環境をつくればいいのかを参考にしてみてください。
PGHouse 豪徳寺とは
PGHouse 豪徳寺は2012年5月にオープンしたプログラミングを勉強したい人が集まったシェアハウスです。小田急小田原線の豪徳寺駅から徒歩5分のところにあります。
現在の入居者は12名で、約8割以上はもともとエンジニアでプログラミングのスキルを上げたいと思って入居したメンバーが集まっています。一部のメンバーはこれからプログラミングを学びたいという目的を持って入居しています。
このシェアハウスはシェアハウスのアイデアを投稿するColish(コリッシュ)で入居者を募ったものです。2011年10月に初めてコンセプトが投稿され、このコンセプトに賛同した人同士で懇親会などを開く中で最終的な入居者が決まりました。
お話を伺った人
今回は入居者のうちお二方にお話を伺いました。金城氏はもともとはプログラミング経験がなくPGHouse 豪徳寺に入居してから勉強を始め、増井氏はもともとエンジニアとして仕事をしています。
金城 辰一郎氏
沖縄出身の25歳。大学卒業後、WEB広告代理店に入社し、ソーシャルマーケティング事業を牽引するフロントマンとして活躍。現在はソーシャルを活用したプランニングを各種クライアントへ行なう傍ら、近い将来の起業を前提に共同経営者となるパートナーを探しつつWEBサービスの開発を進めている。
増井 広樹氏
EdTechを運営するキラメックス株式会社のエンジニア。以前は他のシェアハウスに入居。
新卒で入社した楽天株式会社では、 webアプリケーションエンジニアとして楽天IDプラットフォームを開発する部署に所属。その後、キラメックス株式会社にてITスクール Tech Academyやクーポンチケット販売モール KAUPONなどの開発に携わる。
先日放送されたNHKのめざせ!会社の星ではシェアハウス特集の中で紹介される。
インタビュー
ここからはインタビューをお届けします。
ーまずお二人がPGHouse 豪徳寺に入居された理由を教えてください
金城:
自分でWebサービスを作ってみたいと思ったのがきっかけです。自分でWebサービスを作るにはプログラミングのスキルが必要で、勉強する時に最適な環境だと考えた結果がPGHouse 豪徳寺でした。起業を準備するにあたってエンジニアを探すこともしていますが、その前に自分でプログラミングについて把握したいと考えました。
増井:
前職である程度のプログラミングスキルは身についていましたが、ちょうど一年前くらいに自分でプロダクトを作る中でまだまだスキルが足りない、プログラミングの知識を広くつけたいと思ったのがきっかけです。そのために、仕事とは関係のないオフの時間を勉強にあてたいと思っていたところ、たまたまPGHouse 豪徳寺を見つけたので入居を決めました。
ー普段はどのようにプログラミングを勉強しているのですか?
金城:
今は定期的に初心者向けのプログラミング勉強会を開催しています。私のようなプログラミング未経験者に入居人のエンジニアから教えてもらうというもので、JavaScript勉強会などを開催しています。
また、外部の人を呼んでシェアハウスの中で勉強会を開くということもしています。そのようなときは入居者の以外の人も呼んで勉強会に参加してもらうこともあります。
増井:
あとは各自自分の仕事があったりするので個々に勉強していることが多いです。
ただそんなときでも、気軽にプログラミングについて聞けるという環境が大事だと思います。自分だけで悩んでも解決できないときも、まわりの人に聞けばすぐに解決できることも多いです。前のシェアハウスではプログラミングをやるような人が他にいなかったので、1人で勉強するだけでした。
ー実際にシェアハウス中でリリースしたサービスはあるのでしょうか?
増井:
シェアハウス内でチームを組んでサービスを作っています。例えばこのフェイスブックエストというFacebookアプリはシェアハウス内のメンバーが作ったアプリです。
他にも、相手の誕生日に写真と寄せ書きをするFacebookアプリなども作ってFacebookアプリコンテストに応募したりもしました。
他はサービスについては各チームごとに進めている状況です。
ー金城さんはプログラミングを学習して良かったことはありますか?
金城:
たくさんあります。
プログラミングを学ぶことで、今までマーケティングの支援がメインだったところから、Webサイトのリニューアルのような仕事にも携われるようになりました。
具体的には、あるサービスのローンチに携わっています。最初は自分の得意なソーシャルメディアの運用などだけを支援する予定だったのですが、気が付けばサービスを作るために必要な外注先となる制作会社を自分で見つけてきて、制作会社とサイト運営者とをつなげながら指示を出すようなことをしています。このような仕事ができるようになったのも、プログラミングの知識がある程度ついてきたからだです。
この仕事だけでなく、プログラミングを学んでいなければ関われなかったと思う仕事が多々あります。
得意な分野を深掘りすることも大事ですが、プログラミングのように自分の知らなかった知識を学ぶことで仕事としての市場価値も高まるのではないかと実感しています。最初はソーシャルメディアまわりの支援をしていて、それがサイト制作というもっと深い形でつながるということは、まさに点と点がつながった感覚ですね。
ー増井さんは入居してからプログラミングのスキルは上がりましたか?
増井:
スキルはやっぱり上がりましたね。
入居者の人と勉強する中で改めて一から勉強することができたので実際に今の仕事にも生かせています。
他にも、ハッカソンに参加したりしてゼロからサービスを作れる機会が増えたことも大きいです。今までは仕事以外にそういった機会がなかったのですが、サービスを作る課程で自分のスキルが上がっていることを実感できています。
また、シェアハウスで勉強していることは今の仕事と畑ちがいのことが多いので、仕事だけでは学べない知識が付いています。後になってじわじわと効いてくるんじゃないかと思っています。
ー最後にお二人から見てこれからプログラミングを学習したい人にどんなアドバイスをしたいですか?
金城:
自分の経験を振り返ると、まずは自分でものを作ってしまうのが良いと思います。その作りながら調べていくことで確実に自分の身になることを体験しました。ですので、本だけや言語だけの学習では覚えるのが大変でした。
最初に作るものはモックだったり、ぎりぎりプログラムが走っているものでも何でもいいので小さいものから始めることが大切です。最初はコピペだけでもいので作った経験があると、次に自分で作るときも知識が引き出せる状態になっていました。
また、どうしてもわからないことはこのシェアハウスのように他の人に聞ける環境があるとすぐに解決できると思います。
増井:
まず何を作りたいのかを決めてから学習するのがいいと思います。例えば、お問い合わせのフォームを作るとか、メール送信のシステムが作りたいですといったことです。目的を明確にした上で、どうやってそれを作っていけばいいかを細かく分析したほうが最短距離で走ることができます。
作っていく時は、実際に作れる人を探してきて、その人にアドバイスを求めるのが一番早いと思っています。ただし、進める上で重要なのは完全に頼りっきりではなく、自分で作るという心がけを持つことが大切です。そうすることで、自分で検索して解決することもできるようになっていきます。
他の仕事でも言えると思うのですが、とにかく自分で調べる癖を最初につけた方がいいですね。
インタビューは以上です。
インタビューの中にあったように、これからプログラミングを学びたいという方はプログラミングを教えてもらうエンジニアとのつながりをつくることから始めてみてはいかがでしょうか?
[元記事] プログラミングを勉強したい人が集まるシェアハウスとは
by EdTech [エドテック]