先日サイボウズの青野社長の発表されていたメッセージがソーシャルにおいてもとても重要なことだったので、本日はそれを引用しながらエンタープライズソーシャルを始めるにあたって是非実践してほしい4つのことについてお話します。


 

1.多様な働き方は、オープンな文化があってこそ

多様な働き方をするのに必須になるのは「公明正大」の文化です。「公の場で明るみに出ても、正しいと大きな声で言えること」

 

 


ソーシャルで最も重要なことは、社員が正しいことを発言出来るオープンな環境があること。そして、社員たちが「規範」をもとに自発的に正しい行動をとることができれば、ソーシャルのもつダイナミズムを最大限に活かすことができます。多くの企業は、過剰なルール設定がソーシャルの持つ本質的な個人の自立性や多様な価値観を奪い取るものだと理解しています。ただ、最低限の常識やルールの共有は必要です。

 

その際、あらかじめ社員が規範やルールに合意しているのが「良きソーシャル」と考えるのか、信頼ベースで、わざわざ合意せずとも信頼を維持できるのが「良きソーシャル」だと考えるのか、それについての判断は企業によってそれぞれです。ただ、多くの企業は「不信ベース」 ではなく 「信頼ベース」 でのコラボレーションを支援したいと考えています。なぜならコミュニケーションは、常に既に信頼ベースで始まっているからです。そうした意味で、多くの企業は新しいメディアを使う際の、あくまでガイドラインを作成して規範を浸透させています。 http://www.allthingsic.com/smpolicy/ 

 

 

 

2.「議論から逃げるな!」求められる「説明責任」と「質問責任」

「自立と議論の文化」です。 気になることは質問しなければならない。担当者は説明しなくてはならない。また社員には、「議論から逃げるな」と言っています。これは「説明責任・質問責任」という考え方です。会社の中で違和感があった場合は、質問しなければならない。



良き議論が生まれるためには良い文化が必要です。逆に良き文化がない企業には、良きコミュニケーションは生まれません。それは依存的な組織に属する依存的な個人には原理として身動きが取れないというのと同義です。多様な人たちのコミュニケーションのプラットフォームになるのがエンタープライズソーシャルであれば、議論を交わす人々の受け皿になるのは「社会」です。そうした文化・社風・雰囲気・空気を作っていくことが重要です。

 

しかし残念ながらこれはITだけでは解決しません。故に「私たちの会社を変えていこう」というソーシャルシフトを会社全体でひとつになって起こしていくことが重要となります。既に世界中の企業がエンタープライズソーシャルを取り入れ、その中で真剣な議論を繰り広げています。必要なのは責任をもって向き合っていくことです。

 

 

 

3.まずリーダーが実行する

リーダーが率先して実行しないと、皆ついていきません。「率先垂範」の文化を大事に。



面白い人たちが面白い仕事をしている場所には、自然に人が集まってきます。「面白いことをやってるのは何処ぞの人ぞ」そういうところからFacebookにせよmixiにせよ始まっているはずです。人を感染させることが出来るすごい人と共に “ソーシャル” という面白いコラボレーションを社内に広めていきましょう。

そしてやるとなったらリーダーが率先して実行すること。もし伝統的なヒエラルキーを持つ企業であれば、これは最も重要なポイントとなるでしょう。展開は「ボトムアップの要求をトップダウンで」が理想的です。あなたの幹部が幸福でなく、あなたのユーザーが幸福でなければ、あなたのソーシャルメディアの努力は失敗してしまいます。


ソーシャルを始める際に是非やって試して頂きたいのが、以下のようなローンチビデオを作成して社員食堂や会議室など至る所で発信すること。毎日社員にアピールすることでソーシャルがパブリックなコミュニケーション手段であるということの「空気」を創出していきましょう。http://www.scoop.it/t/intranet-launch-videos-and-teasers


 

4.「ルール」は「目的」への共感とセットで伝える

ルールもいいですが大事なのは目的です。「ルールより目的」の文化を大事にしています。



 

非常に重要な論点です。しかし日本では目的よりルールが重視される傾向が強いです。なぜならそれは合意困難な目的よりも、一部のユーザーからなる”情報漏えい”のような誰もが合意できるような事故が、動因のフックになるからです。これを乗り越えるためには組織に非常に強い意志が求められます。ソーシャルシフトに重要なのは主体と統制のバランスです。

 

 

 

まとめ

エンタープライズソーシャルを成功させるためには、多様な人たちの声を受け入れられる「受け皿」を作ること。そのためには特定の部門だけではなく、いろいろな人たちの協力が不可欠です。コミュニケーションは常に既に流れています。社会もソーシャルも終わりなきベータ版。その意味で一般的な期間限定的なプロジェクトとは異なり、永遠に続いていくものと捉えてください。


最後にマイクロソフトが社内ソーシャルをどのように展開してきたか、マイクロソフトのミスターソーシャルと呼ばれるChris Slempのブログがありますので是非ご覧ください。(英文ですが・・)

http://www.microsoft.com/enterprise/it-trends/social-enterprise/articles/Making-Microsoft-Social-Part-1.aspx



by 前田 直彦
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