「東京ソーシャルシフトの会」というコミュニティについて(はじめに)
「東京ソーシャルシフトの会」は、書籍「ソーシャルシフト」や「BE ソーシャル」の想いに共感した有志が集うコミュニティとして、2012年10月に発足しました。「自分が所属する会社を、社員にも顧客にも愛される組織に変革すること」「チームで力をあわせ、変革するためのノウハウを体系化すること」「志ある企業を応援し、人々の幸せを創造すること」を目指し、現在では500名以上の方々にご参加いただいています。さまざまな業界・職種、そして年代の方々にご参加いただき、非常に刺激的なコミュニティになっているかと思います。
「東京ソーシャルシフトの会」Facebookグループ
https://www.facebook.com/groups/tokyo.social.shift/
※Facebookの非公開グループです。ご希望の方は、申請いただければ随時承認させていただいております。
先日アップしたイベントレポート記事「みんなで決めよう!会のミッション・ビジョン・コアバリュー」に続いて今回ご紹介させていただくのは、弊社ループス斉藤の講演がメインコンテンツとなったイベントレポートです。昨年10月の発足以来、懇親会や忘年会、そして様々なイベント企画を経て現在に至っているのですが、東京ソーシャルシフトの会の皆さんの中でも実は「斉藤さんの『BEソーシャル!』の講演をじっくりと聴いたことがない!」という方も多く、質問タイムも十分にとる形で企画させていただきました。
その時の様子を「東京ソーシャルシフトの会」Tech班の近藤さんがまとめてくれたので、 in the looopにも寄稿記事として掲載させていただきます。(近藤さん、遅くなってしまってすみません!)
なお、弊社ループスCEO斉藤の講演スライドに関しては、slideshareにもアップされております。あわせてご覧いただけますと幸いです。
寄稿者:「東京ソーシャルシフトの会」Tech班 近藤 寛 氏
仕事で「ソーシャルメディア活用促進」を担当した際、斉藤徹氏の著書に出会い、感銘を受ける。「ソーシャルシフト」「BEソーシャル!」の体現をしていきたいと考え、facebookグループ「ソーシャルシフトの会」や「東京ソーシャルシフトの会」に参加し、日々刺激を受けている。
出身は宮城県石巻市。遠方からの被災地支援について模索中。
コミュニティメンバー限定70名の定員があっという間に満席に
「東京ソーシャルシフトの会」の参加者は500名を超えました!ループス斉藤さん著「ソーシャルシフト」や「BE ソーシャル」に感銘を覚え、ソーシャルシフトを体現していきたいという想いを持つ、熱い方々が集まっています。
昨年11月22日の「BEソーシャル!」出版記念イベント以降、斉藤さんは様々な場所で講演されていますが、「東京ソーシャルシフトの会メンバーは聴いたことあるの?」「セミナーは聴いたけど、質問はしたことないよなぁ」といった意見があり、「斉藤さんに講演していただいて、質問もできる機会があれば面白いよね!」という発想から、斉藤さんに打診したところ、快諾いただき、開催に至りました。
会場は、いつもご提供いただいている1stホールディングス(株)さん。武市さん、いつも本当にありがとうございます!70名限定の募集で、平日月曜日の開催でしたが、おかげさまで事前登録は完売!キャンセル待ちまで出ました。
そして、素晴らしい企画には嬉しいサプライズが生まれるんですね。米国・シリコンバレーを拠点に、グローバル企業の製品開発、ビジネス・マーケティング戦略の立案実施・調査分析などを事業展開されている大柴ひさみさんが来日中とのことで、急遽イベントに参加&斉藤さんとの対談も引き受けていただけるという幸運に恵まれました。対談の様子は後ほどご紹介します。
また今回は、企画・運営チームでソーシャルメディアの活用を積極的に行いました。前回に引き続き、「東京ソーシャルシフトの会」の公式Twitterアカウントのほか、Ustream配信、PR用の動画制作、facebookでのハッシュタグ活用といった、新たな取り組みにもチャレンジしました。高いスキルを持った方々が集まるコミュニティだからこそできる活動ですね!
さて、前置きが長くなりましたが、斉藤さんもお忙しい中、5分ほど遅れて会場に到着され、いよいよ「BEソーシャル!」講演の始まりです。
「企業よ、誠実たれ。」あなたの会社は自社利益を優先してませんか?
ソーシャルシフトとは、ソーシャルメディアがビジネスのパラダイムシフトを誘起している中、生活者が力を持ち、企業を選別する時代に変わってきているということ。こうしたソーシャルメディア時代にビジネスはどうあるべきか?企業は生活者だけでなく、社員にも、誠実に対応する「BE SOCIAL」が求められるようになります。では、「企業が誠実になる」とはどういうことなのでしょうか?ここで、スカンジナビア航空の事例が紹介されます。
まだソーシャルメディアが生まれていない1981年、スカンジナビア航空再建のため、39才の若さでCEOとなったヤン・カールソン氏は、「真実の瞬間」=「お客様と社員が接触する瞬間」こそが重要だとしました。
1人の従業員が顧客と接する機会は「年間、旅客1,000万人×接触5回×15秒」。
その瞬間こそ顧客の脳裏にブランドの印象が刻みつけられる最も大切な時であり、スカンジナビア航空が “最良の選択だった”と納得いただかなくてはいけない、としたのです。
この後、スカンジナビア航空が顧客にサプライズサービスを提供した実例が挙げられました。こうした素晴らしい顧客体験が実施されることで、口コミによって世間に知られることとなり、スカンジナビア航空は見事経営再建を成し遂げたのです。
ソーシャルメディア時代は、顧客に自社ブランドを素晴らしいものだと感じていただき、満足いただくことで、その喜びや使用感は、友人を通じて、波紋のように世界中に広がっていく。逆に、顧客を失望させるとそのクチコミは信じられないスピードと規模で広がり、たちまち大きな痛手となってしまう。
ここで、自分の身に置き換えて考えました。果たして、自分はサービス提供側の立場として、満足いただけるものを提供しているだろうか?参加者のみなさんも、同じように考えながら、講演を聴いていたと思います。
良い事例があれば、悪い事例もあります。ここでは、自社利益を優先した価格設定が炎上を招いたNetflixと、ある社員が不衛生な動画を公開したことによりブランドが崩壊しかけたドミノピザの例が紹介されました。
Netflixのケースを米国で実際に見ておられた大柴さんから、「Netflixはもともと、延滞料を支払うのが嫌だというユーザー視点からスタートして成功したのに、この事件はユーザー視点から外れたもので、世間からはまったく支持されなかった」とコメントがありました。現地の生の声が聴ける機会はそうそうないので、とても貴重なご意見でした。
また、ドミノピザのように「社員が悪事を働き、ブランドを傷つけたりする」ことは、一体どうしたら防げるんでしょうか。いやいや、「防ぐ」という言い方は違いますね。斉藤さんは「中央統制のマネジメントは崩壊する」とし、規律や教育で企業を守るのではなく、社員に価値観を共有し、会社が好き、楽しいと感じてもらえることが重要だと説明します。MVC(ミッション・ビジョン・コアバリュー)の「C(コアバリュー)」のことですね。
社員、顧客、パートナーとの絆による価値の創造
次に、衝撃的な調査データが紹介されました。
な、な、なんと!?大規模・中規模企業では「4人に1人は仕事に参加していない」という結果が…。
自分も「働きアリの法則」というのは知っていますが、実際の調査データで同様の結果が出るとは…驚きです。「実際は違いますが、自社(ループス・コミュニケーションズ)は15人。もしこれが当てはまるとなると死活問題ですよ。」と斉藤さん。また、積極的に仕事に参加する人もたった14%と、非常に低いですよね。しかし、この「積極的に仕事に参加する」人が増えれば、その企業はとても大きく伸びていく可能性が高い企業になり得ます。では、そうするために、経営はどうあるべきなのでしょう?
これまでは、統制型マネジメント(アルゴリズム100%の科学的管理法)で生産性の向上が企業利益の原則でしたが、これは創造性を減退させてしまいます。これからは、社員が価値観を共有し、社員に権限を委譲し、「個」のレベルで顧客に応対する、「アルゴリズム型業務30%、ヒューリスティック型業務70%」に転換していくことが必要だと斉藤さんは説きます。
「IBM CEO Study 2012 ~ CEOに意識変革が起きている」でも、経営者にそうした意識が芽生えてきていることが紹介され、高業績企業の経営トップは (1)顧客 (2)社員 (3)取引先 との関係性を深め「つながりによる優位性の構築」を目指していることがわかったとのこと。
それを斉藤さんは「ソーシャル・エンタープライズ」という言葉を用いて、以下のようにまとめています。
【ソーシャル・エンタープライズ、三つの基軸】
1.価値観の共有を通じて、社員に権限を委譲する → 社員との絆
2.「個」のレベルで、顧客に応対する → 顧客との絆
3.パートナーシップによって、イノベーションを増幅する → パートナーとの絆
上記の理解をより深めるため、ホールフーズ・マーケットとザッポス、ITC、eチョーパルの事例紹介の映像が流れました。
続いて斉藤さんの講演は、企業の経営が今後どういった方針に向かうべきかを訴えていきます。
「利益、拡大至上主義」から「持続可能な企業経営」へ。
最大規模企業の平均寿命はなんと「40年弱」。1970年の『フォーチュン500』に掲載されていた企業のうち、1/3が13年後には消滅していたとのこと。
「利益至上主義」という言葉を聞いて、ふと考えました。ここからは、ちょっと個人的な見解を述べさせてください。筆者はIT・エレクトロニクス業界で働いています。この業界に身を投じた直後、「リーマン・ショック」という世界経済が瀕死に陥る経済危機が発生しました。「リーマン・ショック」前は、当業界は好景気でした。各社の関心事は、「環境問題」「温暖化対策」。京都議定書問題やCO2削減に対する課題を解決することがトレンドでした。
しかし、ショック後に起こった株安・円高は、各企業を環境問題どころではない状況に陥らせ、大規模リストラや事業再編に大きく転換していきました。そして、2011年3月11日の東日本大震災の発生。原発事故による電力問題やタイの洪水等、2012年は「六重苦」といわれた年でした。それらの結果、報道で取り上げられている通り、現状では日本のIT・エレクトロニクス業界は、これまで経験したことのない状況に陥ってしまいました。
この状況を良くしよう、日本のIT・エレクトロニクス業界をもう一度よみがえらせようと頑張っていますが、ここは一つ、反省すべきところは反省しておくべきだと思うんです。現状がどうしてこうなったのかを反省して、「ソーシャルシフト」を実現できるように実践していくべきなんじゃないかと思っています。松下幸之助の経営精神と同じことだと思うんですよね。
ですので、筆者は斉藤さんの著書を拝読し、感銘を覚え、「この思想と考え方をぜひ広めていきたい」と思い、このコミュニティに参加させていただいています。
永続性はインサイド・アウトから
個人的な見解で、大きく話がそれました。斉藤さんは、日本企業には長寿企業が多いことを挙げています。「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」が100年、200年も続く長寿企業を多く生み出している、と。
日本企業は長寿企業が多いのですが、「滅私奉公」という悪しき慣習があります。斉藤さんは、日本企業特有の社会問題である「過労死」について取り上げました。中国ではブルーカラーの過労死が存在しますが、日本以外の先進国のおけるホワイトカラーの過労死は存在しません。2011年の過労死の労災申請は898件にものぼり、「KAROSHI」は世界の辞書にも記載される言葉になっています。
3月20日に開催された「東京ソーシャルシフトの会」のイベントで上映された映画「happy – しあわせを探すあなたへ」でも、過労死が取り上げられていました。「滅私奉公」によるおもてなしは、日本的経営の最大の欠点であり、今までの利益・株主至上主義という外側からの経営モデルから、インサイドアウトで永続性のある経営へシフトしていくことが必要だといいます。以下、斉藤さんの講演資料を見ていただくとよくわかります。
これをソーシャル・エンタープライズに置き換えてみると…
「ブランド哲学」とは、「ミッション」「ビジョン」「コアバリュー」を明確にすること。
「社員協働メカニズム」とは、「統制の力」ではなく「透明の力」で社員の自律的な行動を促すこと。そのためには、報酬などがベースとなる衛生要因から、フロー体験や企業愛などの動機づけ要因までの社員協働のピラミッドを形成すること。
「ビジネスモデル」とは、ミッションと社会の課題に基づき、社会との共通価値を設定し、コアバリュー・外的環境・顧客ニーズから、個性的なビジネスモデルを策定すること。
「顧客経験価値」とは、商品の質、価格などの機能価値から驚きの顧客体験などの情緒価値までの顧客経験価値を自社商品や社員が体現すること。
「事業成果」とは、経営は回り続けるコマの如く、下記のプロセスを循環させながら、バランスよく、オープン化してビジネスを進めていくこと。
この後、ソーシャルシフトの経営を実践されている(株)カスミ様の事例についても少しだけご紹介いただきました。
カスミ・小濵会長は、スーパーマーケット業界が衰退していく危機感を持ち、これまでの統制型マネジメントに限界を感じていた時、斉藤さんの著書「ソーシャルシフト」と出会い、それをきっかけにしてソーシャルシフトの経営を実践していらっしゃいます。具体的には、インサイドアウトの組織体制を構築するため、未来委員会を設置したり、ソーシャルシフトモデル店舗を募集したり、本部側のサポート体制「ソーシャルシフト・コミッティー」を組織したりと、具体的な活動に取り組んでおられるようです。また、Facebookページ「カスミfanページ」や従業委員同士のFacebook活用方法などについてもご紹介いただきました。
小濵会長は、なぜソーシャルシフトするのか?という問いに、「100年続くカスミの礎を築くため」と答えます。また、「従業員に愛され、お客様に愛されるカスミとなる」とおっしゃるそうです。まさに「三方よし」を目指されているんだなと思います。
その後、エンディングの映像が流れ、斉藤さんの素晴らしい講演は終了。質問コーナーに入ります。キャスターの佐藤温子さんの進行で、事前に募集された質問からピックアップして進んでいきます。
まずは「斉藤さんから見て、自らがソーシャルシフトを先導していく役割の方々に必要なスキルにはどのようなものがあるか?」という質問が。斉藤さんは「1.オープンリーダーシップ、奉仕しながら導く力」「2.新しいことなので抵抗勢力も出てくるでしょうが、それにあらがい導き続ける強い精神力」この2つが重要と答えました。
続いて、「社員同士のコミュニケーションを活発化させる手段として社内SNSがありますが、多くの社員が参加し有益なものとするためのポイントはありますか?」という質問。これに対して斉藤さんは、ツールの問題ではなく、自分自身の気持ちと意見を出す勇気と、そしてそれらを出しやすい環境を作ることがよいとのこと。例として、ITリテラシーの低い現場における「リアルFacebook」(意見を紙で貼り出して、それに「いいね!」をつける)などを紹介していただきました。小さなコミュニティで成功体験を共有し、それを社内で拡大していくことも有効だとのことです。
他にも
Q.派遣社員やパートなども含めた様々な部署に、どのように「MVC(ミッション・ビジョン・コアバリュー)」をシェアしていけばいいのか?
A.マニュアルはコアバリュー(価値観)にはならない。みんなでコアバリューを決められるような環境ができるとよい。
Q.ソーシャルシフトを国や地方自治体の運営にどう活かしていけばいいのか
A.国民を『お客様』として対応することが大事
Q.組織の中で、どうソーシャルシフトを体現していけばいいかわからない
A.まずは自分の一番身近なところから実践していくのが良い
Q.新しい髪型はいかがですか?
→???
というような形で、時間の短い中、多くの質問に答えていただきました。ちなみにキャスターの佐藤さんは、今回のイベントが始まる15分前にこの質問コーナーの司会進行を依頼されたにもかかわらず、快く引き受けてくださいました。ありがとうございます!
「東京ソーシャルシフトの会」のこれまでとこれから
今回が「東京ソーシャルシフトの会」のイベントへの初参加という方も多く、前回のファシリテーター、アニキこと高橋克己さんから「東京ソーシャルシフトの会」の生い立ちとこれまでの経緯、また「東京ソーシャルシフトの会」のMVC(ミッション・ビジョン・コアバリュー)策定進捗状況や企画・運営チームの紹介がありました。
その最後に、高橋さんが考える「東京ソーシャルシフトの会」のポリシーが発表されました。特に決まっているわけではありませんが、事前に相談したところ誰にも反対されなかったので、思い切って発表しちゃったんだそうです(笑)
・すべてボランティアによる非営利の運営です
・ミッションコントローラは原則不在です
・ガイドラインに沿った運営をします
・オンラインとオフラインで繋がります
・まず自分たちが楽しみます
まさに「志に人が集い、共感で人が動く」ですね!異議なし!!
続いて、ループス加藤さんから今後の予定について。月イチイベント次回開催は「オープンマイク型」で開催!自分が解決したいと思っている課題や、皆に知ってもらいたいことをプレゼンし、そのプレゼンに対して皆がアイディアを持ち寄り、意見をまとめ、発表するという形式です。
そして懇親会前に恒例の全体集合写真!大柴ひさみさんのターコイズブルーが目立ってる!
米サンフランシスコから来日中の大柴ひさみ氏が緊急登壇
その後、米国からちょうど帰国されていた大柴ひさみさんにも登壇いただき、懇親会の場で斉藤さんとの特別対談が催されました!斉藤さんの講演を受けて、大柴さんは以下のようなお話をしてくださいました。
大柴ひさみ(Hisami Ohshiba)
創設者/JaMパートナー(Founder/Managing Member)
サンフランシスコ・シリコンバレーを拠点に、グローバル企業の製品開発、ビジネス・マーケティング戦略の立案実施・調査分析などのサービスを提供。
女性広告営業のパイオニアとして16年間日本の広告代理店電通ヤングアンドルビカムに在籍。1995年の退社まで外資系企業の担当営業として、日本市場でのマーケティング活動に貢献し、担当クライアントを日本市場のNO1のポジションに導いた。
1995年米国移住。米国大手広告代理店 McCann-Erickson San Francisco、他の企業を経て1998年JaM Japan Marketingを設立。クロスカルチャーなナレッジを基に、マーケター&消費者という両面から、時代を先取りする視点は、業界を超えて高い評価を受けている。執筆&講演活動も活発に行い「リアルな米国マーケティング・コミュニケーションのInsight(洞察)」は、他では得られないユニークな情報源として好評を博している。
時間の8割を顧客のために使いなさい(ザッポス社)
ザッポス社は、今年新しい記録を作りました。それは、ひとりのカスタマーサポート担当者が、電話で顧客と10時間話をしたことです。顧客は、ザッポス社のサービスについて問い合わせをしたのですが、地域問題やいろいろな悩みを話していたら、10時間も対話していたようです。
ザッポス社はカスタマーサポート担当者に『時間の八割を顧客のために使いなさい、あと二割は会社のために』というそうです。ソーシャライズするためには、ミッションやコアバリューも必要だけど、一番大事なのはザッポス社のような企業の遺伝子が次代につながっていくことだと思います。
幸せな人しか採用しないサウスウエスト航空のDNA
また、サウスウエスト航空は幸せな人しか採用しない企業ですが、それも遺伝子の一つ。幸せな人は、お客様が幸せになるための基準がわかるし、幸せになっていただくための行動をとることができます。自由に動くことは自己責任を持って対応することでもあります。そのためには、相手を尊敬することが大事です。社員が社長を尊敬する、顧客を尊敬する、お互いが尊敬し合うことが、私たちが生きている時代のビジネスになっていくのだと思います。
ザッポス社やサウスウエスト航空が提供する「偶有性」
「偶有性」という言葉があって、それは「定番+新規性」を備えたものと解釈できます。ザッポス社やサウスウエスト航空は、顧客の喜びを第一に考え、通常のサービスにサプライズを提供することも忘れないでいることが素晴らしいと思う。
「民主主義=参加すること」子どもでも明確に回答するアメリカ
『民主主義』とはなんですか?日本人に問うとなかなか答えられないんですよね。しかしアメリカでは、子どもでも明確に回答します。それは「参加すること」ですと。
歴史的に見ても、様々な人種で国家が成り立っているアメリカでは、民主主義に対する考え方は血肉になっていて、お上や経営者に頼るという精神ではなく、参加することが大事だと考えています。文化でも民族でもない。何はともあれ、憲法に戻ったらみんな平等。だから自ら参加するんです。日本の投票率が低いとか、若者の政治への参加意識が低いという問題は、そうした精神の違いが起因しているのではないでしょうか。
現地で感じたソーシャルシフトのお話や、遠く離れていても日本のことを考えている大柴さんのお話に、懇親会中にも関わらず、参加された皆さんはすごく集中して話を聴いていました。とても貴重なお話を聞かせていただいた大柴さん、ありがとうございました!
懇親会では、斉藤さんの講演や大柴さんのお話&対談を受けて、和気あいあいと意見交換が行われました。登壇者と直接話せる機会、しかもこんなに近くで話ができる場を持てるなんて、とても幸せなことです。
今回も、斉藤さんのMacBook Airからなぜか映像が出なかったり、斉藤さんの講演時間が押して、講演中にタイムスケジュールを(3回ほど)組み直したり、途中買い出しに行ったものの、セキュリティで中に戻れなくなった人がいたり…企画・運営チームではドタバタといろいろなことが起こりましたが、無事にイベントを終了することができました。
斉藤さん、大柴さんをはじめ、企画・運営チームの皆さん、そしてご参加いただいた皆さん、ご協力いただき本当にありがとうございました!
今後も月1回を目安に、様々な形でイベントを企画予定です。皆さん、可能な時にぜひ参加してくださいね。
「東京ソーシャルシフトの会」Facebookグループ
https://www.facebook.com/groups/tokyo.social.shift/
※Facebookの非公開グループです。ご希望の方は、申請いただければ随時承認させていただいております。
<Special Thanks>(敬称略)
講演:斉藤 徹
特別ゲスト:大柴 ひさみ
会場提供:1stホールディングス株式会社
会場提供者・写真撮影:武市 昌広
司会・企画推進:石本 雄士
キャスター:佐藤 温子
動画撮影:土井 鉄庸
受付・事務:小林 千早都、福田 祐子、カイト チカ、遠藤 紀子
ツイート実況:天池 知子
レポート記事作成:近藤 寛
「言うは易し、行うは難し」のソーシャルシフト(編集後記)
「ソーシャルシフトを実現する」…言葉で言うのは簡単ですが、その道のりは決して平坦ではないということを改めて実感する機会になりました。企業のあらゆる顧客接点がソーシャルメディア上に染み出していく現在では、価値観やビジョンを皆が共有し、指示を待つのでなく自律的に動けるようになることが不可欠です。そのためには「哲学の浸透」「権限の委譲」「ノウハウや情報の共有」はどれも非常に大切なものになってきますし、一朝一夕にできるものではありません。
特に理念や哲学は、どうしても一人ひとりの理解が違ってしまいがち。もちろん、細かい枝葉としては違っていても良いのですが、根幹となる幹の部分はしっかりと言語化し、皆にとって納得感がある形で共有していくことが重要でしょう。一人ひとりが決断力やセルフ・リーダーシップを持つことも含めて、焦らずじっくりと進めていくのが良さそうです。東京ソーシャルシフトの会としても、自分が所属するループスとしても、個人のこれからのキャリアとしても、しっかりと意識していきたいと思います。
最後に、改めて。素晴らしいイベントレポート記事を寄稿いただいた近藤さん、そして「東京ソーシャルシフトの会」の皆さん、ありがとうございました!
…それにしても、大柴ひさみさんのパワフルなトーク、本当にすごかった!圧倒されました(笑)ひさみさん、また来日の際はぜひ「東京ソーシャルシフトの会」に顔を出してください!
記事執筆) 加藤 たけし http://www.facebook.com/takeshi.kato1204
加藤 たけし
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