7回目の今回は、第2回でも取り上げたメッセージアプリに関する注目記事を紹介していきます。日本で拡大し続けるLINEとアジア圏におけるメッセージアプリの事業展開に着目しました。またトレンドとなりつつある「消える」メッセージアプリに関しても、前回に引き続き紹介していきます。

(ニュース収集期間は2014年6月2日から6月27日)

 

LINE

 

LINE、今秋にも東京で株式上場-海外展開の資金調達 (2014/6/4)

  • 市場関係者の間では、同社が規模のもっと大きな企業に買収されるか、あるいは資金調達のため株式上場するのではないかと注目されていた。
  • LINEが新規株式公開(IPO)を通じて調達しようとしている資金の規模は不透明だが、株式時価総額は1兆円(約98億ドル)になる可能性もある、と関係筋はみている。

 

Salesforce.comとLINEが提携、顧客行動履歴に応じたメッセージ配信 (2014/6/11)

  • 米Salesforce.comが企業向けに提供するCRM基盤ソフトと、LINEが企業の販促用に提供している「公式アカウント」の間でデータ連携が可能に。
  • この提携により企業が保有する顧客の属性や行動履歴といった顧客データに応じてLINEメッセージの送信が可能になるとのこと。
  • 米Salesforce.com社のリー・ホークスレイ氏は「顧客と企業の関係を深めるうえで、LINEのようなリアルタイムの通信手段は効果的だ」と述べた。

 

LINEがサービス3周年、ダウンロード数は10億件強 (2014/6/25)

  • 2012年11月に「LINE GAME」「LINE PLAY」をリリースして以来、2014年6月までの1年7カ月で9億件の累計ダウンロード数。
  • 最もダウンロード数が多いのはスタンプ機能を備えたカメラアプリ「LINE camera」で累計9000万ダウンロード以上。
 
 

海外メッセージアプリ

 

中南米・アジアで急成長するメッセンジャーアプリ「WeChat (2014/6/6)

  • 中南米諸国での「WeChat」のアクティブユーザーの伸びが1,000%を超えている国が多いとのこと
  • アジアでの成長も顕著で、フィリピンでは2,820%、インド1,774%、インドネシア1,094%、マレーシア1,332%と爆発的な増加をしている。
  • 「WeChat」は中国系メッセンジャーアプリであるが、中国の色を全く感じない「ローカライズされた広告」をテレビやビルボードで行っており認知度も急上昇している。

 

韓国カカオのトップ、ダウム統合や海外戦略を語る (2014/6/23)

  • 世界的マーケティング戦略ではなく、インドネシア、マレーシア、フィリピンの東南アジア3カ国など特定の地域に集中して展開していく。
  • 東南アジア地域ではインドネシアが同社の最大の市場で、1700万人の利用者がいるとのこと。

 

「Yo」というメッセージを送るだけのアプリ「Yo」–エンジェルファンディングで100万ドル (2014/6/20)

  • 製作者のOr Arbel氏は同アプリについて「われわれは、これをコンテキストベースのメッセージングと呼びたい。ユーザーは、話のコンテキスト(文脈)によって理解することになる」としている。
  • Moshe Hogeg氏主導のエンジェルファンディングで100万ドルを得ている。

 

(出典:Yo – It’s that simple)

 

 

「消える」メッセージアプリ

 

Apple、iMessageに自己消滅メッセージを追加 (2014/6/3)

  • 米国時間の6月2日、AppleはiOS8とメッセージングアプリの新機能などを発表した。
  • 写真、ビデオ、または音声メッセージを、カメラアイコンに指を置いて離すだけで送れるようになり、メッセージが数分後に消えるよう設定するSnapchatライクな機能を発表。

 

Facebook、「Snapchat」にひとひねり加えた新アプリ「Slingshot」で再挑戦 (2014/6/18)

  • 米Facebookは米国時間の6月17日に、Snapchatライクなアプリ「Slingshot」を発表。
  • 画像や動画を送信可能で、画像に落書きやテキストを追加して送信することができるが、受信側はそのままだとメッセージを見ることができず、自分も相手にメッセージを送信しなければならない。
  • 「Paper」に続く、Facebookの人工知能研究ラボが開発したアプリ。 

 

Snapchatが強化したグループ共有の新機能「Our Story」を発表、世界最大のEDMフェス『EDC』でデビュー (2014/6/19)

  • Snapchatは米国時間の6月17日に、新機能「Our Story」を発表。同一のイベント開催場所にいるユーザー同士で共有できる。
  • 位置情報サービスをオンにすることで、ユーザーがそのイベントに参加していることを把握するという。

 

 
(トレンドニュース担当:高萩 克也、矢野 悠貴、関根 健介、岡田 純一、若月 翼)

 


 

ピックアップ・ポイント

 

サービス提供開始から3周年を迎えた「LINE」の勢いが日本国内では未だに衰えていないが、インドネシアのようにメッセージアプリに明確なリーダーが存在しない国では「WeChat」や「Kakao Talk」などの各サービスがしのぎを削っているようです。

 

一方で多くのメッセージアプリには、よりプライベートな空間を演出する機能がみられるようになっています。その流れの一つが「Snapchat」のように、一定期間でそのメッセージが消えるアプリです。さらには、送信できるメッセージが“Yo”のみという究極のシンプルさを誇る「Yo」など、コミュニケーションの前提となるコンテクストが共有された関係でこそ楽しめるアプリが、人気を集めています。

 

 

コンサルタント紹介:矢野 悠貴(やの ゆうき) 

 

矢野悠貴プロフィール

エイベックスにてマーケティング、アーティストマネージャーを担当。現在は企業向けのソーシャルメディア活用支援を行う他、アーティストとソーシャルメディアの活用に関する記事執筆、講演等も実施。中目黒住民。昨年ホノルルマラソンを完走し次の目標はホノルルトライアスロン。

 

 

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