データ元は、ニールセン社 提供によるインターネット利用動向調査「Neilsen Netview」サービス。対象は「一般家庭および職場のPCユーザー」としている。
12月は、各ソーシャルメディアのサービス拡充や、選挙やクリスマスへのソーシャルメディア活用頻度増加など、ユーザーがソーシャルメディアを利用する切っ掛けとなるようなイベントが数多く実施された。これらの要素がどのような結果になっているのか、さっそく全体概要から見ていきたい。
訪問者数では、前月同様Facebookが1,692万人と、他のサービスを引き離しトップを維持。続いて、Twitter 1,278万人(前月比 100.5%)、mixi 492万人(前月比 97.8%)、Google+ 386万人 (前月比 98.6%)、Linkedin 27万人 (前月比 110.4%)の順となっていた。リーチ※に関しては、Facebookが28.0%と国内インターネット利用者の約3割が利用していることが確認される。(※インターネット利用人口を母数とした利用者の割合)一方、平均訪問時間では、125分と mixi が依然として長時間利用されており、ヘビーユーザーに利用されているメディアであることが伺える。同指標における前月比では、Twitterが120%と他メディアと比較すると大幅な増加となっていた。年末による余暇時間の増加や、衆議院総選挙や紅白歌合戦の際に、Twitter公式イベントページを解説し、リアルイベントとの連携を積極的に実施したことなどが要因の一つと考えられる。Twitterはテレビ視聴率測定の1指標として注目を集めているが
、今後もテレビ放送番組との連携が強まっていく中で、生活者にどのような利用シーンが広まっていくのか大変興味深い。
なお、本調査におけるTwitterの訪問者数には専用クライアント(TweetDeck, Hootsuite等)のアクセスは含まれていないため、実際のTwitterユーザー数はもう少し多いはずだ。
また、このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数であり、以下の点に注意する必要がある。
- フィーチャーフォンやスマートフォンからの訪問者数を含んでいない。
- 非会員の訪問、すなわち各SNSトップページへの訪問者やオープンなページ(Facebookページ、mixiページ)への訪問者を含んでいる。したがってアクティブ会員数とは一致しない。
- PCはWindows PCのみであり、MACやタブレットPCなどは含まない。
- 視聴率測定しているのは家庭と職場のみであり、学校やネットカフェなどからのインターネット利用は含まれていない。
次に、これら5サービスの訪問者数を時系列推移で表すと次のようになる。
前月との比較では、Facebook(99.8%)、Twitter(100.5%)、mixi(97.8%)、Google+(98.6%)、Linkedin(110.4%)と、Linkedin以外のメディアでは、ほぼ同数値となっている。各メディアともに、PCベースでの利用者数という視点では、変化がなかったことが伺える。
次に、ページビューと訪問時間の時系列推移を見てみよう。
ページビュー・訪問時間共にFacebookが他のサービスを大きく引き離している。前月比では、Facebook、mixi、Twitterがそれぞれ増加傾向となっている。ページビューではmixi、訪問時間ではTwitterの増加がそれぞれ目立つ結果となっていた。
次に、5サービスの訪問者の重複状況をチェックしてみよう。
この表は、たとえばmixiユーザーの54.9%はTwitterを、67.2%はFacebookを、15.4%はGoogle+を1.3%はLinkedinを利用しているということを表している。Facebookの平均重複利用率が71.8%、他のサービスと比較すると、Facebookを併用している利用者の割合は非常に高いことが分かる。
最後に、各サービスの訪問者属性を見てみよう。
mixiは、5サービス中最も女性の割合(45%)が高く、かつ、30代までのユーザー層が53%との結果から、他のサービスよりも、年齢層が若く、かつ女性ユーザーの割合が高いサービスとなっている。なお、mixiからはアクティブ会員の属性が発表(mixi 2012年度 第2四半期及 決算説明会 資料 p29)されており、比較すると、女性および若年層の割合が更に高い。この差異は、mixi発表資料には携帯・スマートフォンのみで利用しているユーザーが含まれているためと推測される。一方、Facebook及びTwitterとの比較では、男女比率はほぼ同一であるものの、20代以下に利用されている割合はFacebook19%、Twitter24%とTwitterユーザーの方が20代以下の若年層の割合が若干高い。Google+、Linkedinともに現時点では男性ユーザーに偏りがある。Linkedinに関しては、30代の割合が高く、40代の割合が低い結果となっているが、前月の結果から考察すると、一時的な可能性も高く、長期的な視点での把握が必要である。
職業分布及び世帯年収分布では、5サービスともに、訪問者の約6割がビジネスパーソンとなっていた。また、mixiでは主婦、Twitterでは学生の割合が高いなどサービスにより特徴が現れているところが面白い。世帯年収に関しては、Linkedin以外のサービスがほぼ同傾向の構成となっている。一方、Linkedinについては、86%がビジネスパーソンとなっており、世帯年収分布では700万以上のユーザーが46%と、高所得者・ビジネスパーソンの割合が非常に高いサービスとなっている。
年末は、余暇時間の増加に合わせるように、イベント開催時に、企業によるソーシャルメディア活用頻度が増えたことで、生活者のソーシャルメディア利用時間が増加する結果となっていた。一方で、利用者数の増加という点では変化が見受けられず、あくまでも既存利用者の利用増加に留まっていたことが推測される。ただ、この結果はあくまでもPCベースの調査から導かれた結果であることを注意されたい。
最後に、2012年12月に発表されたソーシャルメディア関連のニュースを抜粋し、掲載させて頂く。
■ 2012年12月 ソーシャルメディア関連記事
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Twitter、ツイートで2012年を振り返る–最多リツイートは米大統領の選挙勝利宣言
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Facebook、「Collections」機能を拡張–小売パートナーも増加
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[2012年12月クリスマス特集!!]話題のソーシャルメディアキャンペーン事例 今週のまとめ!《ケンタッキー、パナソニック、大丸・松坂屋など8選》
今年はFacebookと連携した「mixi Xmas 2012」、大丸・松坂屋とO2O施策も
フジテレビとミクシィ、「ソーシャルテレビ」企画を来年1月に実施
本調査に関連する過去データは「ソーシャルメディア視聴率」からどうぞ。
記事執筆) 関根 健介
■ インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」に関して
インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」は、日本のウェブサイトの利用状況を毎週、毎月ウェブサイトごとにユニーク・オーディエンス(当該期間に1回以上、ウェブサイトを訪問/視聴したとされる、同一人物の重複を除いた推計利用個人数)などのデータとして契約顧客向けにニールセン株式会社がレポートを提供しているものです。 詳細は ニールセン株式会社 お問い合わせ窓口まで。
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">by 関根 健介