ここからは具体的な話をしていきたいと思います。
まず社内にソーシャルが必要な理由を考えてみましょう。これは社内ソーシャルだけの話ではなく会社で何かをする際には目的、理由が必要となるからです。特に社内SNSが長続きしない理由として目的、理由の明確化がされなかったケースが多いと思います。もちろんまず使ってみて見えてくるものも多いと思いますが、その後にきちんと目的、理由を明確化し、使い続けている会社は少ないのでしょうか。
ソーシャルが必要な理由を語る上ですごく参考になる動画があります。この動画は米Facebook社がSalesforce.comのWork.com(旧名称:Rypple)でどのように社内のソーシャル化を実現したかという内容です。
人々の労働観は変化します。弊社に入社する世代はソーシャルな職場を望んでいます
今の新入社員はほぼ全員がFacebookやTwitter、mixiといったソーシャルメディアを利用しています。入社前に既にソーシャルでの人と人との交流、コミュニケーションを体験しています。社内が縦割りでチームだけでしか会話、コミュニケーションのない職場に疑問を持つでしょう。なぜもっと別のチームやパートナー、顧客と交流を持たないのだろうという疑問を感じるでしょう。若者の多い職場であればあるほどソーシャルな環境が必要になります。
現代社会でビジネスをうまく進めるには顧客 同僚 友人 たちとのつながりが大切です
もちろん既存の社員もソーシャルの可能性を感じ、プライベートではソーシャルメディアを利用しはじめています。ソーシャルの可能性を感じている社員も多いのです。
IT企業にはサーバだけでなく”人”が存在します。その両方を正しく機能させなくてはなりません
IT企業以外でも人は大切です。人を中心とした経営にするためにソーシャルな職場環境が必要なのではないでしょうか。
四半期や半年に一度の評価では不十分でしょう。従業員同士で互いの評価をしてもらいます。それも年に一度ではなく日常的にです。皆楽しんでやってますよ
ソーシャル時代の評価は今までの評価制度と全く異なり、日常的に楽しく行うことができるのです。(Facebook社の具体的な事例は次回説明します)
人間同士がどう関わるかですべてが変わってくるのです。上だけでなく全方位の助けあいが評価されます
ソーシャル時代の評価制度では上司だけではなく全方位の助け合いが評価されるので、今までのように上司の目だけ気にするのではなく、同僚のことを気遣い、褒めあうことにより、人々が力を合わせ、人を大切にする会社が実現できるのです。
これからの職場はソーシャルであるべきです。ソーシャルであることで人間関係が築かれ、人々が力を合わせて働けるようになるのです
社内にソーシャルが必要な理由のヒントになりましたでしょうか。
次回は具体的にFacebook社がWork.comをどのように利用してリアルタイムフィードバックを実現しているのかについて説明します。
Facebook社の評価システムについては拙著「ゲームの力が会社を変える-ゲーミフィケーションを仕事に活かす」でも詳しく説明しています。
by 岡村 健右(おかむらけんすけ)