• ホシの子 ヨルの子 双子の夜

    2020-05-22 17:55
    「ホシの子 ヨルの子 双子の夜(よ)」

    ホシの子♀…銀色の星。内向的で控えめな性格。
          ヨルとは双子。ヨルを「兄さん」と呼ぶ。


    ヨルの子♂…金色の夜。外交的で積極的な性格。
          ホシとは双子。ホシを「姉さん」と呼ぶ。


    <役表>

    ホシ♀:
    ヨル♂:

    <URL>
    https://ch.nicovideo.jp/itoshikimetu/blomaga/ar1903083#-


    ※10~20分の劇です
    ※多少のセリフ変更・アドリブOKです
    ※雰囲気は宮沢賢治の「双子の星」や「星めぐりの歌」的な感じです。伝われ。
    ※間にある「~*~*~*~*~*~」は別の日を表してます。伝われ。
    ******************************************

    ホシ「ホシ降るところにヒカリは生まれる―。」

    ヨル「ヨルを巡るホシの為に、ホシに生きる君の為に」

    ~*~*~*~*~*~

    ヨル「姉さん、もうすぐ僕たちの出番ですよ。今夜はどうしますか?」

    ホシ「今夜はスーパームーンです。兄さんの月が映える為に、私の星達は控えめに光らせて、数も少なく、辺りに散りばめます。」

    ヨル「じゃあ僕は雲を無くして、空の濃度を高くして、月はうんと大きく、うんと光らせます。」

    ホシ「流石は兄さん。今夜の夜は特に綺麗になりそうですね。」

    ~*~*~*~*~*~

    ホシ「兄さん、今夜は流星群です。どうしましょうか。」

    ヨル「それは勿論、姉さんの星々が映える為に、空の濃度をうんと低く、雲が一切ない空にして、月も小さく、控えめに。おぼろ月にします。」

    ホシ「いいえ、いいえ。兄さん。月は、どうか月は大きく光らせてください。そうしないと、私の星達がただただビカビカと煩くなってしまい、折角の流星群が台無しになってしまいます。兄さんの月が、私の星達を映えさせるのです。」

    ヨル「流石は姉さん。今夜の星は特に綺麗になりそうですね。」

    ~*~*~*~*~*~

    ホシM「私は、ヨル兄さんを尊敬している。」

    ホシM「私は兄さんのように月や、夜空の濃淡(のうたん)、雲の量を、沢山の自然を操れない。」

    ホシM「私なんて、ただ夜にしか現れない、小さく乏しい星々をチラチラと光らせるしか能のない出来損ないに過ぎない…。」

    ホシ「…私なんて」

    ヨル「姉さん?」

    ホシ「! 兄さん。どうしたんですか?」

    ヨル「今夜の月の元気が無いんだ。どうしたらいいかなぁ。」

    ホシ「嗚呼…それでは、私の星達の光を少し弱めましょう。
       そうしたら、きっと太陽の光が月の方へ向くでしょうから。」

    ヨル「なるほど、そっか!ありがとう、姉さん!」

    (ホシに笑顔で手を振りながら元の場へと戻るヨル。その後ろ姿に静かに手を振り、ポツリと呟くホシ)

    ホシ「やっぱり、兄さんにはかなわないや。」

    ホシ「はぁ…。」

    ~*~*~*~*~*~

    ヨルM「僕は、ホシ姉さんを尊敬している。」

    ヨルM「僕は姉さんのようなキラキラときらびやかに光り、素敵で綺麗な、大小さまざまな幾千もの星々を一斉には操れない。」

    ヨルM「僕なんて、ただ朝や昼でも出来るようなことを、夜の間だけの短い世界を支配するしか、能のない出来損ないに過ぎない…。」

    ヨル「…僕なんて」

    ホシ「兄さん?」

    ヨル「! 姉さん。どうしたんですか?」

    ホシ「すみません…どうにか星達を煌(きら)めかせたいのですが…どうも、上手く光らなくて…」

    ヨル「嗚呼!ごめんなさい。僕、ずっと雲の厚みを厚くしたままでした。
       今、雲を全て退けるから…。そうしたら、きっとうんと星々が煌めきますよ。」

    ホシ「なるほど、そうですね!ありがとう、兄さん!」

    (ヨルに笑顔で手を振りながら元の場へと戻るホシ。その後ろ姿に静かに手を振り、ポツリと呟くヨル)

    ヨル「やっぱり、姉さんにはかなわないや。」

    ヨル「はぁ…。」

    ~*~*~*~*~*~

    ホシ「はぁ…。」

    ヨル「姉さん…どうかしましたか?」

    ホシ「え?…」

    ヨル「僕が作った夜空を見上げて、溜め息をついているので…なにか、ありましたか?」

    ホシ「いえ。…今夜の月は、特別に綺麗なもので…つい、溜め息が出てしまって。」

    ヨル「そうなのですか?それは良かった!」

    ホシ「はい。本当に…綺麗です。私の星達が要らなくなるくらい…」

    ヨル「そんなことはありません!姉さんの星があってこそ、僕の月が安心して――」

    ホシ「いいえ、いいえ。そんなことはありません。」

    ヨル「姉さん…」

    ホシ「今…こうやって天(そら)に浮かんでは、私たちが綺麗に着飾った夜空は、
       地上から見上げている小さな人間達から見ると…建物や車・街頭の灯りで、大半の星の光がかき消され、月しか見えていないそうなのです…。」

    ヨル「そんな…!可哀そうに。折角姉さんが作った星達が見えないだなんて…。」

    ホシ「…すみません。兄さんをがっかりさせるつもりは…」

    ヨル「…姉さん?」

    ホシ「本当に…ごめんなさい…」

    ~*~*~*~*~*~

    ヨル「姉さん。今日も僕たちの時間が来ましたよ。今夜はどんな…」

    ヨル「…?」

    ヨル「おかしい…今夜の夜空には星が一つも無い。」

    ヨル「姉さん…姉さんは何処(どこ)へ行ったんだ?」

    ヨル「姉さん!何処にいるんですか!?姉さん!!」



    ホシ「…綺麗。本当に…綺麗。」

    ホシ「雲一つも無い濃紺(のうこん)の夜空に、金色(こんじき)の満月がポツリと浮かんでいる…。質素(しっそ)ながらも大変趣(おもむ)きのあるこの風景…これが、地上の人間が見えている夜の姿なのですね…。
       …やはり、星がない方が…私がいない方が、夜が映えますね。そう。やっぱり、私は…要らない方が…」

    ホシ「…?」

    ホシ「あら?…どうしたのでしょうか。段々ながらも、雲の量が多くなってきているような…」

    ホシ「嗚呼、折角の満月が厚い雲によって覆われていく…どうして?」

    ホシ「…!」

    ホシ「雨…?いいえ、いいえ。違う。これは…霰(あられ)。雹(ひょう)。」

    ホシ「夜空が一切見えない曇天(どんてん)になり、所々小さな雷が降っている…?これは、」

    ヨル「 姉さん。 」

    ホシ「! 兄さん!」

    ヨル「どうして どうしていつものように星を架けてくれないんだ。」

    ホシ「兄さん…この雷雨(らいう)は」

    ヨル「どうしてそんなに 自分を卑下(ひげ)するんだ!」

    (ヨルが叫ぶのと同時に 彼の目の前に雷鳴と共に一つの閃光が走った)

    ホシ「きゃあっ…!」

    ヨル「姉さん。僕は今、怒っています。それはもうとても、とても…っ!」

    ホシ「兄さん…」

    ヨル「僕はもう悲しくて、かなしくて…怒っています。」

    ホシ「…ごめんなさい。私の所為でこんな、こんな…ごめんなs」

    ヨル「違う…違うよ、姉さん!」

    (ホシの手をぎゅ、と強くも温かく握りしめるヨル)

    ホシ「…ぇ?」

    ヨル「僕は、ホシ姉さんが好きなんだ。姉さんが作る、星が大好きなんだ。僕はいつも楽しみにしてるんだよ?姉さんしかできない、きらびやかな星々を間近で見れる事を…とても楽しみにしているんだよ!」

    ホシ「兄さん…。」

    ヨル「僕は、姉さんのようなキラキラときらびやかに光って、素敵で綺麗な、大小さまざまな幾千もの星々を、一斉には操れない。
       僕なんて、ただ朝や昼でも出来るようなことを、夜の間だけの短い世界を支配するしか、能のない出来損ないに過ぎない…。」

    ホシ「そんな…そんなこと、ないですっ!」

    (ヨルをぎゅ、と強くも温かく抱きしめるホシ)

    ヨル「え…?」

    ホシ「私も、ヨル兄さんが好きです。兄さんが作る、夜空が大好きなんです。
       私もいつも楽しみにしているんですよ。兄さんにしかできない、幻想的な夜の世界を間近で見れる事を…。」

    ヨル「姉さん…。」

    ホシ「私は、兄さんのように月や、夜空の濃淡(のうたん)、雲の量を、沢山の自然を操れない。
       私なんて、ただ夜にしか現れない、小さく乏しい星々をチラチラと光らせるしか能のない出来損ないに過ぎない…。」

    ヨル「…そっか。ハハ、そうか。そうなんだ!」

    ホシ「? 兄さん?」

    ヨル「姉さん。僕たちは、二人で一つなんだ。」

    ホシ「二人で、一つ?」

    ヨル「うん。夜空を作る僕と、星を作る姉さんが合わさって、やっと一つの“夜”になれるんだよ。」

    ホシ「夜…。」

    ヨル「夜に星なんて要らない、なんて無い。夜に月なんて要らない、なんて無いんだよ。
       星が無いと、夜じゃない。月が無いと、夜じゃないんだよ。」

    ホシ「私が必要なのは…夜空であって、ヨルもまた、私を必要と、していたのですね…。」

    ヨル「分かってくれた?姉さん。」

    ホシ「兄さん…!ごめんなさい…。私、ずっと…今まで、」

    ヨル「良いんだ…良いんだよ。僕ももっと早く、姉さんに気持ちをちゃんと伝えるべきだったんだ。ごめんね、姉さん…」

    ホシM「私たちは、互いに抱きしめて、暫く、静かに泣いていました。」

    ヨル「…さぁ。いつまでも空を隠すのは勿体ないや。早く素敵な夜を、地上の人間達に見せないと!」

    ホシ「はい、兄さん。…でも、
       地上の人間達は、私の星が…見えてないのですよ?」

    ヨル「いいえ。それは違います。それは夜でも明るい都会の中だけの話です。
       明かりの無い自然の山や村の空では、ちゃんと姉さんの、素敵な星達は見えているんです。ちゃんと届いているんです。だから…もっと、自信を持って下さい!」

    ホシ「兄さん…!はい!」

    ホシM「私は、目一杯(めいいっぱい)星達を広大な夜空に散りばめて、夜を飾りました。
        気が付けば空は、いつの間にか曇天(どんてん)が晴れ、月も星々も互いに煌々(こうこう)と煌(きら)めく星月夜(ほしづきよ)になっていました。」

    ~*~*~*~*~*~

    ヨル「姉さん、今夜も僕たちの時間が来ましたね。どうしましょうか。」

    ホシ「そうですね…今夜は、地上の人間達に、先日のお詫びを込めて、流星群を流します。」

    ヨル「じゃあ、雲は一切切らした方が良いですね。月の光もやや落とした方が…」

    ホシ「いいえ、いいえ。それはダメです。兄さんの月も、私の星達に負けないくらい、うんと光らせてください。」

    ヨル「でも、そうしたら…」

    ホシ「私、前にも言いましたよね。兄さんの月が、私の星達を映えさせるのですから。」

    ヨル「…流石は姉さん。今夜の空もまた、特別綺麗になりそうですね。」

    ~*~*~*~*~*~

    ホシ「ホシ降るところにヒカリは生まれる―。」

    ヨル「ヨルを巡るホシの為に、ホシに生きる君の為に」

    ******************************************

    お疲れ様です。作者です。
     今回は、最近ハマっているアイコンメーカー「Picrew(ピクルー)」の星灯れぬ氏の「ホシの子メーカー」と「ヨルの子メーカー」で作ったアイコンから衝動的に作ったのがこれだよ!星灯れぬサンすんませんっした!衝動が抑えられなかったんです!すんまっせんっしたあああぁぁぁぁぁぁ!!(スライディング土下座
     いや俺のホシの子とヨルの子もうちょい素直になれやあああ(#^ω^)苛々すんじゃあああ何でそんな相手の気持ちを勝手に自己完結で済ますんやああああ(#^ω^)もっと互いに意見を公開・交換しようぜえええええ視方変わるぜええええええ(#^ω^)ビキビキ
     何でそんな事が出来ないのかって?アイコン見てみろよ互いに目ぇ開けてねぇからだよ←
     もし演じて頂けるのであれば、後日タイムシフトで拝聴しに行くかもしれませんししないのかもしれない。ご自由にどうぞ^ω^ノシ
    ありがとうございました。作者でした。
    《追記》
    この度、声劇グループ内だけではありますが、社長が直々に編集し、ボイスドラマ化なりました…✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌<ウッヒョオオオオア!!!!
    どうしてこうなった!\(^o^)/どうしてこうなった!これはもう生涯通して自慢できる出来事ですだよ!社長!本当にありがとうございます!!ホシとヨルを演じて頂いた演者様お二方にも多大なる感謝を!(五体投地

    《参考資料(?)》
    ・アイコンメーカーサイト「Picrew」
    ・星灯れぬ氏「ホシの子メーカー」「ヨルの子メーカー」


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  • かくして闇鍋になった経緯

    2019-10-15 21:33
    「かくして闇鍋になった経緯」

    <キャラ説明>
    ※参考までにどうぞ
    http://mogura45.sakura.ne.jp/o/sikoku/other1.htm#東北
    宮城♂…自他共に認める東北のリーダー。伊達男(良い意味で)。
        (※"伊達男"は元は良い意味なんです。宮城では良い意味で使われているそうです。)
        でも実は他者の目を気にする、微妙に小心者のチキン。
        ハキハキ喋ってハキハキ訛る←

    青森♂…身内(東北、北海道)には明るく陽気で照れ屋さん。
        時々頑固。やや甘えんぼっぽい、子供っぽい面がある。
        でも他人(東北、北海道以外)に対しては無口になる超絶人見知り。

    岩手♂…寡黙で思慮深くて真面目。いざというときは頼れる東北の裏番長()。
        低めな声でボソボソと喋る。意見する時は低い声でハッキリ喋る。

    秋田♀…基本身内では明るく亭楽的。でも気分の浮き沈みが激しい。
        ハイテンションになったと思えば
    急に悲観的ネガティブになったりする。
        明るいアホの子イメージ。あくまでもイメージ。事実じゃない。イメージだから。


    山形♀…家庭的で優しい女の子。理想のお嫁さん。可愛い。
        慎ましく、謙虚で控えめ。抑え目な声。おしん。

    福島♂…お人好しでのんびりしてる。だけど生真面目過ぎて朴念仁。
        しっかりもので勤勉、優等生タイプ。優しくてイケメン。

    <役表・セリフ数>
    宮城♂・122個:
    青森♂・70個:
    岩手♂・70個:
    秋田♀・74個:
    山形♀・74個:
    福島♂・64個:

    <URL>
    https://ch.nicovideo.jp/itoshikimetu/blomaga/ar1782466#-

    ~はじめに前提に~
    こちらの漫画(http://mogura45.sakura.ne.jp/o/top.htm 2016年正月漫画の20P目)
    前日譚自分勝手に妄想した会話噺です。

    ※劇時間40分くらいの劇です。多分。
    ※多少のセリフ変更・アドリブOKです。特に方言や訛りが違う箇所が多々あります
    作者は東北出身ですが『東北出身だけどこうは言わない』『○○ではこう言う』という所があればドンドン自分なりに直しちゃってくださいお願いします!
    ※東北出身ではない人は雰囲気とかニュアンスでなんちゃって訛りしちゃってください!
    とにかく楽しんでいただけたらこれ幸い。
    ******************************************
    ~12月 宮城県内~

    山形「【ノック音】失礼しま…てなんだ。まだ誰もいねぇのか。」
               (何でこんな)
    山形「しっかし宮城、なしてこんたちゃんとした会議室に呼んだべか。(喋る)
       いつもなら大体岩手の家さ集まっで、皆でお茶っこ飲みながらくっちゃべるのになぁ。
       …何かあったんだべか。」

    青森「あれ、山形?」

    山形「青森!」
          (早いね)
    青森「来んのはぇなー。山形も宮城に呼ばれたのが?」
        (うん)
    山形「んだ。昨日宮城から話したいことがあるって電話で言われで。」
       (そうだよね)          (だけど)
    青森「だからな。おらも同じだ。だども何を話すのかは皆集まっでがら話す言われて…」
        (そうそう   私も)
    山形「んだんだ。おらも。」
                     (お前たち)
    福島「【ノック音】ん?山形。青森。おめがた先に来てたんだな。」

    青森「福島!来たが。後来てねのは秋田と岩手か。」
                  (こっちに来るよ)
    福島「んや、あとすれば秋田らがこさける。」
        (そっかー)
    山形「んだかー。」

    秋田「【足早なノック音】宮城ー!遅くなってわり…ってあら?」

    青森「お、噂さすれば秋田」

    山形「と、秋田に首根っこさ掴まれでる岩手。」
            (着いただろ)            
    岩手「秋田。もう着いたすけ。いい加減手ぇ放してけれ。苦しい。」
          (貴方)
    山形「岩手ーおめまたずーっと本読んでたんだべ?」

    岩手「・・・。」
        (そうなのよ)           (のろのろ~)
    秋田「んだぁーがらして。いづまでもぐじらぐじら~っと本読んでたからよー。
                         (ここまで)
       コレは絶対遅刻する思ってな?おらがこっちゃまで引きずってやったんだぁ。」

    岩手「んな遅刻しねぇよ。」
                    (だから)
    秋田「いんやどーだかなぁー。んでなもんだがらオラがわざわざ岩手ん所さ行って、
       一緒にここまで来たんだ!いんやぁーおもでがったぁー。」
       (だったら)
    青森「そっだらオラさ呼べば良がったのに。本州1の巨体引っ張るにゃ骨折れるべ?」

    秋田「いんやぁそったら青森さ申し訳ねは。」

    岩手「引きずる前提か。おらを歩かす選択さねぇのか。」

    宮城「お、皆集まってんな。」

    秋田「宮城!」

    福島「皆を会議室に集まらす程の話って何だ?」

    宮城「まあまあ、まんずおめがた席さ着いてお茶っこでも飲んでけれ。おらは…よっと」

    山形「?ホワイトボード?」

    青森「何さ始まるのや?」

    宮城「えー…コホン。まずおめがたに1つ言わなきゃならねぇ事がある。」

    岩手「言わなきゃならねぇ?」

    秋田「まさか…宮城、東北から抜げるのか!?」

    山形福島青森岩手「ええッ!?」

    宮城「違ぇよ!!」

    岩手「宮城…おめ…」

    山形「東北6県内じゃ比較的雪が積もらなかったり、
       政令指定都市の仙台がある東北1の都会だからっで…」

    福島「宮城…遂に東北さ辞めんのか…」

    青森「行き先はちゃんとあんのか?この先1人でもちゃんとやってげるのか?」
                                   (茶化すな)
    宮城「だから違ぇって!!おらは今までもこれからも東北だって!!おだづな秋田!」

    秋田「え、東北から抜けねのか?」

    宮城「ゴホン!おめがた、今12月だべ?」

    青森「んだな。」

    宮城「もう来月には正月だべ。」

    福島「んだな。」

    宮城「毎年正月に、日本全国の47都道府県さ招待して新年会やってるべ?」

    山形「んだな。」

    宮城「…来年の正月新年会の幹事、おらがやろうと思うんだ。」

    岩手「んだか…えっ」

    青森岩手秋田山形福島「ええええーーーッ!?」
                                    けいい
    宮城タイトルコール「“四国四兄弟”作品声劇『かくして闇鍋になった経緯』」

    山形「つ、遂に新年会の幹事を!宮城が!」

    青森「いや東北内だと絶対に宮城が幹事をやるなって思でだけんども!」
           (何で)
    福島「でも、なして来年の新年会の幹事を?」
               だんとう
    宮城「今年の冬は比較的暖冬だからな。寒い地方の人でも暖冬の東北なら来れる思ったんだ。」
       (そっかー)
    秋田「んだかぁー。確かに去年さ比べれば雪そんな積もっでねぇし、比較的気温も高いもんな。」
                        こうき
    山形「そう思えば東北さ呼べるうってつけな好機かもな。」
      (だろ?)
    宮城「だべ?そこでおめがだに頼みあんだ。」

    福島「頼み?」

    宮城「…頼む!新年会のイベントの手伝いをして欲しいんだ!」

    青森岩手秋田山形福島「!!」
                                 (だけど)
    宮城「おらだけじゃなんにもアイデア浮かばねし、何も動けね…だども、
       おめがたが…おめがたと一緒にやれば、きっと新年会が成功出来る気がする…いんや、成功出来んだ!!だから…!」

    山形「今更してなぁに言っとんの宮城。なぁ?」

    (皆の方に顔を向ける山形)

    宮城「え…?」

    福島「宮城から頼まれなぐても、おらの方がら率先して手伝わせてけれと頼んでただ。」

    岩手「助け合うのは当然の事だんべ。」

    青森「おらたちは6人合わせての“東北家族”だがらな!」

    秋田「んだんだ!」

    宮城「おめぇら…!ありがとう、ありがとう!」

    青森「で宮城、具体的に何さ手伝えばいんだ?」

    宮城「じゃあまずは、来年の新年会の出し物をバンバン出してけれ!
       このホワイトボードに書いてくがら、皆じゃんじゃん色んな案出してけれな!」

    青森岩手秋田山形福島「・・・・・・・・」

    宮城「なしておめがた急に黙った!?10秒前の発言ばどこさ行った!!」

    福島「いやだって…もし自分が出した案が採用でもされたりしたら…」

    山形「責任…負えるかどうか不安だすけ…」

    秋田「あとプレッシャーとかが…あ、想像しただけでキリキリと胃痛が…」

    青森「全国から45人の人達をおもてししなきゃなんねぇべ?おらには無理だ!」

    宮城「なしてじゃあぁぁぁぁぁ!!」

    岩手「おめぇがだよ…これ以上宮城を困らすでねぇ。」

    宮城「岩手!」

    岩手「新年、日本全国の都道府県を地元東北でおもてなしをして新年会を成功させる…確かにそれはプレッシャーは凄まじいと思う。けんども、それは幹事さ務める宮城も同じだ。いんや、宮城はおらたち以上にプレッシャーと責任を負っでんだ。その負担を少しでも軽くさせようってのが、今おらたちが出来る役目でねが?」

    宮城「岩手ぇ…!」

    青森「おらたちの役目…」
                                      (怠け者・愚か者)
    秋田「確かにな。宮城さ幹事立てでおらたちだけ逃げるなんてとんでもねぇ“ほじなし”だな。」

    山形「宮城もしゃげねがった。弱音なんざ吐いちまって…」

    宮城「いんやいんだ。おめがたが新年会の案を出しちくれたらそれで…」

    山形「いやそれはちょっと」

    宮城「なんでだぎゃ!?」

    秋田「宮城!?その訛りさ違ぇよ!?」
              (いいかな)
    福島「あのや、ちょといんべか?」

    青森「福島?」
                  (ないでしょ)
    福島「一発目で正解案さ出る訳ねぇすけ。こうゆうのは、最初っから全国の皆様に対してのおもてなしをーでねぐて、まんずは“自分達だけでやるならこうゆうのがやりてぇ”っていう、小さなもんからポツポツ出したら良いんでねが?」

    山形「些細なことでもが?」

    福島「んだ。話ばそっがらだ。」

    青森「そ、そったら案さ出せそうだな…。」

    秋田「はいはーい!」

    宮城「お、なんだ秋田!待っでな、今ホワイトボードさ整えっからよ…」
          (雪合戦をしたい)
    秋田「おら、雪合戦さしてぇ!」

    宮城山形福島「雪合戦?」

    青森岩手「ええー…('A`)」

    秋田「んだ!去年の九州がたが鬼ごっこしたろ?そんな感じで身体さ動かした雪合戦さしてぇ!                               (あんまりないから)
       中部ばまだしも、九州とかの西日本の皆とかは沢山の雪さ触っだ事あんまねぇすけ、
       皆に東北の雪さ体験させでぇなー思って!」
        (そうかぁ?)                   (好きじゃない)
    青森「んだかー?雪なんさ邪魔なだけで全然喜ばねぇし、好きぐね。」
                   (あるだろ)
    岩手「雪なんかよりももっと他にあんべさ。」

    宮城「いんや、秋田の言ってることは正しいべ。そりゃあ、北東北の豪雪地帯から見たら雪はただうっとおしいだけかもしんねぇ。けんども、その雪見たさでわざわざ冬の東北に来る観光客がいるぐれぇ、雪ってのは珍しいもんなんだ。」

    秋田「んだべ?トーナメント方式にして、雪に慣れてねぇ地方には多少のハンデさ付けで、
       見事優勝した地方には東北の名産品特産品を贈呈!てのはどうだ?」

    山形「それ面白そうだな!」

    宮城「んだな。それはアリかもしんねぇ。」
        (いや)
    福島「…んね。それはどうだべ。」

    宮城「福島?」

    福島「おらたちは雪に慣れてっから、それ相応の服装装備が出来るけんども、雪に耐性がねぇ九州や女子たちらが多い近畿がたらはどうだべか?いくらハンデさ付けたとしても、ちゃんと対等に戦えんのか?」

    秋田「んだがら服装の格好ばしっかり事前に説明して装備すればきっと…」

    福島「それに…きっと皆、慣れない寒い環境に長時間ずっといたら…
       …酷く風邪を引いちまうかもしんねぇ。」

    秋田山形宮城青森岩手「!!」

    山形「そ、それはいけねぇな…」

    青森「確かにおらたちでも毎年、多少の風邪ば引いちまうけんども、短時間で治しちまうもんな。」

    岩手「わざわざ寒い東北さ来させて風邪引かすなんて、そんた事出来ねぇ…」
                        (すっごく)
    宮城「んだな…すまねぇ秋田。雪合戦の案さしったげ良いけんども、皆の体調面を優先させてけr…」

    秋田「おらの…おらの身勝手でワガママな行動のせいで…皆がたが風邪を引いて…お、おらはなんて事をぉぉぉ…((( ;д;)))」

    青森「秋田あぁぁぁ!!」
       (あ、しまった!)
    山形「あいーさいっ!また秋田さ鬱モードなった!」
                       (くれ)
    宮城「秋田!勝手に鬱モードさ入んねぇでけろ!?まだ雪合戦さ決まっでねぇがら!」

    福島「ほら秋田!岩手のどんぶくの中さ入っでええがら!」

    岩手「え」

    青森「んだ!岩手の中さ入って落ち着け!な?」

    岩手「ちょ、人の上着の背中さ強引勝手に空げんな!首っこ苦しい!」
        (うるさい)
    山形「せわしね岩手!少しの辛抱だ!」

    秋田「おらの…おらがこの世さ存在しでるせぇでえぇぇぇ。゜(゜´д`゜)゜。」

    宮城「…えー岩手が秋田をあやして落ち着くまでの間。他に何か案さある人ー。」

    山形「はい!」

    宮城「はい山形!」
             
    山形「カラオケ大会はどうすべ?皆で盛り上がれっし、各県の民謡とか知れる良い機会でねぇか?」

    宮城「ふむ…。待ってな、今それさホワイトボードに書くから。カラオケ…っと。
       おらたち東北の魅力を伝えるだけでねぐて、各県の魅力を引き出して全国に教えるって事か?」
                          いちめん
    山形「んだすな。他県同士が互いに知らねがった一面さ知れる、良い機会になったらなーと。」

    宮城「成程なぁ。他県の魅力や一面を知る…その発想は面白ぇな。」

    青森「は、はい!」

    宮城「お、青森!何だ?」

    青森「べ、ベタかもしんねけども…ビンゴ大会、とか。」

    宮城「おーホントにベタだな。ビ・ン・ゴ・大・会…と。」

    青森「んで、一番最初から当たった人に東北の各県の名産品や特産品を順々にプレゼントすっとか…どうすべか。」

    福島「地元の特産品か…それ秋田も言ってたな。」

    青森「んだす。」

    宮城「ウーン 地元の特産品や名産品…」

    山形「んでも、いくらなんでもシンプルすぎねぇか?何かもうひとひねり欲しいところだな。」

    青森「それはおらも思った。だども良いの思い付がねぐて…。」

    宮城「福島は?何か案あるか?」
          (僕)
    福島「え、おらすか?」
                   (言ってないだろ)
    宮城「んだ。さっきから意見しか言ってねぇすけ、何か案さ出せ。」

    福島「そだすなー…ちゃんとした形にばなってねぇども、なにか料理さ振る舞いてぇな。」

    宮城「料理?」

    福島「んだ。秋田みてぇに身体さ動かすイベントも良いかもしんねども、
                       (温かい)          (まったりする)
       おらはどっちかって言うと、こう…ぬぐい料理さ箸つついてねまりてぇだ。」
                             (あるなぁ)
    宮城「んだか…グルメ、と。いんやぁ色々な考え方があるすなぁ。」

    青森「岩手は?何かあるか?」

    岩手「おらは特にねぇ。」
                                 (公平)
    山形「んな事言わずに何か出せって。おめだけ何も出さねなんてフェアじゃねぇべ?」

    岩手「んだそれは…えぇー…」

    (岩手は背中にしょってる秋田を一瞥する
    小声気味に何かボソボソと呟いている秋田)

    秋田「雪の合戦が出来ねなら…せめて…東北の雪さ使ったイベントが出来たら…
       おらはそっで満足するだ…」

    岩手「…あー…んだ。雪だ。」

    山形「雪?」

    青森「雪合戦は厳しいてさっき言ったべさ。」
       (そうじゃなくて)
    岩手「んでねぐて、合戦以外の用途で使う雪のイベントがあればな。」

    福島「雪合戦以外の雪の使い方ぁ?」

    岩手「(小声で囁くように)すまねぇな。秋田」

    宮城「うーん…雪さ使うイベントかぁ。」
       (そんなの無いでしょ)
    山形「そったのねぇすべ。」
       (それじゃあ)
    青森「したっけ雪投げとかか?」

    岩手「雪投げ」
                      いわゆる
    宮城「説明しよう!"雪投げ"というのは所謂"雪かき"の事で、
       雪が多く降り積もる地域ではやらなくてはならない重要な作業なのである!」
         (いきなり)
    青森「い、いぎなし何言っとんのや宮城!?」

    宮城「んにゃ、皆に一応雪投げが何なのか説明しねぇと分からねぇと思って…
       一瞬誰かがおらの身体さ降りてきた。」

    山形「誰?」

    福島「雪投げか…したっけ大きい広場さ借りて、地方チーム対抗で、
       制限時間内にどのチームさ沢山雪投げれたかって感じか?」


    岩手「雪投げてくれんなら、家の雪さ投げて欲しな。したら一石二鳥だ。」

    青森「んじゃあ1チームさ1軒の家を早く雪投げれたか…とか?」
       (いや)
    山形「んや、したらおらたち東北チーム最下位確定だべさ…。」

    宮城「え、なして?」

    秋田「おらたちは短時間で力を一気に開放しねぇで、体力を温存する為に長時間で黙々と雪かきすっからな…        (勝てないよ)
       タイムアタック勝負だと勝ださらねぇよ…」

    山形「あ、秋田。」

    青森「復活したのや」

    岩手「はよおらの背中さ出てけ。重い。」
        (嫌だ)
    秋田「やんた。もうちょっとこさ居てぇ。」
       (そうだな)
    福島「んだすな…秋田の言うとおりだべ。」
       (そうかー)
    宮城「んだすかー…中々面白いと思ったのになぁ。雪投げ…と。」

    山形「でもホワイトボードさ書くんだな。」

    宮城「いんや…これらをいっぺんにまとめたイベントとか、なんとして出来ねがなって。」

    青森秋田岩手山形福島「はぁ?」

    岩手「宮城…それはいくらなんでも…」

    秋田「無理な話だべ。んなバラバラなイベントを1つにまとめるなんて…なぁ。」

    山形「んだんだ。この中からどれか1個にしてけろ。」

    宮城「んでも、折角皆が出してくれた案だ。1つさ上げてそれ以外全部捨てるなんて出来ねぇ。
       おらは皆の気持ちを尊重して全部実現させてぇんだ。」

    福島「宮城…。」

    青森「気持ちは分からねぇでもねぇ。んでも…」

    秋田「雪合戦」

    山形「カラオケ大会」

    青森「ビンゴ大会」

    福島「料理を振る舞う」

    岩手「雪投げ」

    宮城「これらを全部1つにさせて実現出来るイベント…」

    「はぁー…。」

    宮城M「そこからが長かった。それこそああでもねぇ、こうでもねぇと三日三晩話し合った。
        案が固まりつつなったと思ったら、今度は具体的な内容で頓挫して最初に戻る。
        正直、何回も幹事を降りようかと考えた。でも皆の前で口にはしなかった。一度決めたら全力でやり遂げる…それが東北魂。東北6県のリーダー"宮城県"のプライドってもんだ!
        でも、そんなプライドがおら含む皆を、次第に疲弊させていった…。」

    山形「つ、疲れた…」

    青森「眠みぃ…」

    岩手「頭が働かねぇ…」

    福島「集中力さ切れてきた…」

    秋田「おらたち…一体何を話し合ってんだべか…」

    宮城「ハァ…んだな。
       おめ達、一旦初心さ戻って確認すっぺ。」

    青森「初心?」

    宮城「まんずは、秋田」

    秋田「ひゃい…( 。∀゜)」

    山形「もう呂律さ回ってねぇな…」

    宮城「秋田は雪合戦さ言ってたけんども、これは…」

    秋田「あ、それさなんども、別に合戦でねくて良いんだ。」
         (そうなの)
    宮城「あ、んだの?」

    秋田「んだ。雪を使ったイベントなら何でも良いんだ。

    福島
    「て事は…」

    青森「岩手と似てるな。」

    岩手「ギク」

    宮城「んだな。岩手、おめぇあの時"合戦以外の用途で使う雪のイベントがあれば"って言ったな。」

    岩手「…。」

    宮城「それなんだけども…秋田の案と一緒にしていいか?」

    岩手「え」

    秋田「え、岩手そんな事言っでたの?」

    山形「んだ。秋田さ落ちこんでた時に。」
             (あらまぁ)
    秋田「んだのぉー?あんやぁー岩手もおらと一緒の考えだったんだなぁ(*´∀`)」

    岩手「…あー…うん。んだ。秋田と一緒の考えだっただ。」

    宮城「いんやぁーそんな偶然ってあるんだなぁ。
       岩手の雪投げと秋田の雪合戦さ消して、雪を使ったイベント…っと。」

    岩手「ほっ」

    秋田「岩手ぇーおめぇ本っ当におらの事が好きなんだなぁ(*>∀<)このこのぉ」

    岩手「それは無ぇ」

    秋田「えー?」ニヤニヤ

    宮城「よし、これで少しは縛りが軽くなったな。」
         (それじゃあ)
    山形「あ、したっけおらも…」

    宮城「ん?何だ山形」

    山形「あの…おらも、別にカラオケに縛らなくても良んだ。」

    宮城「というと?」

    山形「あの時宮城さ言った"各県の魅力を引き出して全国に教える"、"他県の魅力や一面を知りたい"が言いたかったんだ。」

    宮城「んだったのか…」

    青森「お…おらも…そんな感じだ」

    宮城「青森」

    青森「ビンゴに限った事でねぇんだ。全国の地元の特産品や名産品を、みんな互いに紹介しあったり出来たらなって…おも…って…Zzz」

    宮城「青森?青森-?」

    福島「寝ちまったな」

    宮城「そっか…うん。だんだん縛りさ無くなって考えやすくなってきたな。」

    福島「何とか案が固まりそうだか?」

    宮城「ああ。これなら何とか実現出来そうだ!」

    岩手「本当か?」

    山形「何かいい案を思い付いたんだか?」

    宮城「んだ!」

    秋田「宮城が初めて提案を出すな!断る訳ねぇべ!」

    福島「それは一体なんだ?」

    青森「Zzzz…」

    宮城「闇鍋なんてどうだ!?」

    岩手秋田山形福島「・・・やみなべ?」

    青森「Z」

    宮城「"温かい料理を振る舞う"、"全国の地元の特産品"、"他県の魅力を全国に伝える"…それらを闇鍋なら実現出来るだ!」

    岩手「待て、雪はどうした?」

    宮城「それならおらにいい案さある…秋田!」

    秋田「ファッ?!」

    宮城「おめぇに大役さ任すべ…秋田県だからこそ出来る技だ。」

    秋田「お、おらだからこそ…?」

    宮城「よーし、だんだん具体的な計画が頭ん中さ固まってきたな…フフフ」

    山形「宮城…急にやる気になったな。」

    岩手「三日三晩会議が続てんだ。頭がハイになってんだべ。」

    福島「青森ー起きろー。」

    青森「Zzz…(˘ω˘)」

    宮城「ヨシ!今からおめがたに具体的な指示を出す。皆、やってくれるな!?」

    山形「い、言われたからには全力でやるだ!」

    福島「よしっ!任せてけろ!」

    秋田「あーもうどうにでもなれー!(∩´∀`)∩どんど来いだー!!」

    岩手「青森。いい加減起きれ。この長かった会議もそろそろ終わるぞ。」

    青森「ふぁい…?」



    ~宮城県のとある公園広場~

    宮城M「そして、数日後の新年会の当日 宮城県にある公園広場にて…」

    福島「宮城!おはよう」

    青森「お、幹事ば来たな。」

    岩手「おはよう。宮城」

    宮城「みんな、おはよう。そっちの雪投げは終わりそうだな。
       皆はもう集まったか?」

    福島「いんや、まだ山形さ来てねぇ。」

    宮城「んだかー…秋田は?」

    青森「あっちでまだ作業してる。」

    宮城「あ、そういや岩手。例の物さ出来上がったか?」

    岩手「ああ。気合さ入れてこしらえた特注品だ…こんなもんだが、良いべか?」

    宮城「…岩手。確かにおらは"鍋や具材さ置く為の大きいテーブルを作ってくれ"と頼んだ。」

    岩手「んだ。」

    宮城「これぐらいの大きさなら一定人数で鍋さ囲って闇鍋が出来る。
       作りもしっかりしてて頑丈そうだ。」

    岩手「んだ。」

    宮城「だども…この座卓テーブル…製作費いくらした?」

    岩手「それは大丈夫だ。こっちさ負担すっから。」

    宮城「岩手の伝統工芸品の家具ってシャレにならねぇレベルの破格だったよな!?
       それを6つもこしらえたのか!?このテーブル見るからに高価だべ!?」

    岩手プライスレスだ。
        (うるさいよ!)
    宮城「うっしゃがます!」

    福島「宮城ー。待機場所の雪投げさ終わった。あと何さすればいい?」

    宮城「お、ありがとなぁ。投げた雪は何処さ行った?」

    青森「秋田のかまくら作りさ使った。」

    宮城「んだか…ちょっくら秋田の様子さ見てくる。
       山形さ来たら全体の流れの最終確認すっから。」

    福島「分がった。」
      (それじゃあ)
    青森「へば、もちょっと雪投げとくか。」

    岩手「んや大丈夫だべ。こんだけ広ければそんな転ぶ人なんていねぇよ。」



    宮城「秋田ーかまくら作りの進捗はどう…だ……(;゜д゜)???」

    秋田「あ、宮城おはよう!こっちは今しがた丁度全部出来上がった!」

    宮城「秋田…これは…」
                          (それじゃあ)
    秋田「宮城ぃ~この公園一日しか借りてねぇべ?そいだばダメだぁ。

    宮城「秋田、コレ…何だ?」

    秋田「イグルー」

    宮城「は?」

    秋田「イグルー」

    宮城「…イグルーって、あれだよな?北極圏にあるドーム状の…ピングーに出てくるあれ」

    秋田「んだ。おら、実は前から一度イグルーさ作ってみたかったんだぁ。
       かまくらなんてどうせみんな見飽きてるべ?んだからちょこーっと趣向を凝らしてみた。」

    宮城「なしてイグルーさ作った!?おらは"かまくら本場の横手かまくらを作ってくれ"って頼んだんだ!!」

    秋田「だから本物のかまくらは作るのに時間が掛かるんだって!かまくら作りを甘く見ちゃいけねぇよ?
       いいか?かまくらってのは、一日で出来るもんでねぇ。数日間かけて作るもんなんだ。まず最初に雪を高く積んで踏み固めて、次に数日経過させて更に固めてから、最後に入口の穴さ掘り空けるんだ。その工程がどれだけ時間と手間が掛かるか…

    宮城「いやこのイグルーも作るのに絶対数日掛かるべ!?1日でどうやって作っただ!?
       皆も絶対疑問に思うべ!『え?何でイグルー?』って!『そこはかまくらだろ』って!」

    秋田「いんやぁ大丈夫だべ。かまくらもイグルーも似たようなもんだって。」

    宮城「それはそれでその発言は失礼だ!!」

    山形「宮城、秋田、おはよう。」

    秋田「山形!」

    宮城「来たか!どうだ?頼んどいた例の物さちゃんと出来たか?」

    山形「んだ。ちゃあんと仕上がっただ。だども…コレさ夜なべでこしらえたもんだから、寝坊しちまったんだ。」
                      さんかくきん
    秋田「わぁ…皆おそろいの作業着と白の三角巾!あったかくて動きやすそうだな!」

    山形「遅刻しちまって申し訳ねぇな。」

    宮城「いんやいんだ!ちゃんと作ってくれただけでもう、おらはそれで満足だ…感激だ!」

    山形「そ、そんな半泣きするほどか…?」

    宮城「グスッ…よし、皆集めて全工程の最終確認さするべ!」

    ~公園の入り口付近にて~

    秋田「全員作業着にお着替え完了ー!(`・ω・´)ゞ」

    山形「皆、寸法は大丈夫だか?」

    福島「うん、大丈夫だ。問題ねぇ。」

    青森「岩手岩手、おらかっけぇ?男前に見えるか?」

    岩手「はいはい。かっけぇかっけぇ。」

    宮城「皆いいかー?工程の最終確認さするべ。
       まず、この綺麗に除雪した休憩所に皆を待機させる。その時にこの数台のストーブさ点けてガンガンに焚いてけれな。」

    山形「分がった。」

    宮城「その時におらは、皆が持ってきてくれた鍋の材料をその場に出して、リストにしてチェックする。」

    福島「はい」

    宮城「はい福島」

    福島「なしてそんた事すんだ?」

    宮城「保存が必要か否か、冷やしちゃいけねぇ食材があるかを確認するためだ。冷やす必要がある生鮮物は雪さ埋めて、それ以外は雪から遠避ける作業を皆でやって欲しい。」

    福島「分かった。」

    秋田「あ、はい!」

    宮城「はい秋田。」

    秋田「イグルー…かまくら作ってる時に思ってたんだが、なして41都道府県1つでねぐて、
       6つに分けたんだ?」

    宮城「いい質問だ秋田。41個の食材を1つの鍋さぶち込んだら混沌カオスMIX確定。絶対美味いわけがねぇ。まぁ闇鍋だから仕方ねぇけんども、せめて成功した美味しい鍋が出来たらいいべ?んだがら、成功確率を上げる為に6つに分けたんだ。」

    岩手「はい」

    宮城「はい岩手」

    岩手「"6つ"って事はつまり、おらたちは1個の…かまくら?に1人入るって事か?」

    宮城「んだ。それについてはこれから話すさけ。
       で、食材リストのチェックさ終わったら次の段階、“組み分け”だ。」

    青森岩手秋田山形福島「組み分け?」

    宮城「皆には、この旗さ持ってかまくr…いやイグルー?かま…もうかまくらでいいべ。かまくらの入り口の前で待機しててけろ。
       はい青森。岩手はこれ。秋田の旗。んで山形。最後に福島。」

    青森「1~7位?」

    岩手「8~14位」

    秋田「22~28位…何の数字だ?」

    山形「29~35位。福島は?」

    福島「36~41位」

    宮城「おらは15~21位の旗を持つ。これはそれぞれのグループを示す為の旗だ。
       そして闇鍋は、それぞれのグループを担当するおめがたが作るんだ。」

    青森「おらがッ?!」

    岩手福島「闇鍋を」

    秋田山形「作る」

    宮城「んだ。前もって料理の腕を上げといてけろって連絡したべ?この為だ。
       おらの所でも芋煮会さすっからな。ある程度は料理出来る。

    秋田「まぁ…おらたちは昔っから料理さ作るのは女の仕事だがら、

    山形「さしずめ問題はねぇけんども…福島は?」

    福島「宮城さ言われた通りに、料理の練習して、まずまぁ腕は上げた。」

    秋田「岩手は?おめぇ手先不器用だべ?」

    岩手「何とかして頑張る。しかねぇべ。」

    秋田「ここさ来てまさかの根性論」

    青森「みみみみ宮城、宮城。そそそそれって、かかかかかまくらの中さ東北人…おおおおおおら1人になるって事だか?事なんだか????」

    宮城「あー…うん。実はそうなんだぁ青森…」
       (嫌だ)
    青森「やんた!おら降りる!!」

    岩手秋田宮城山形福島「青森!?」

    青森「おらは降りる!んな北海道や東北の皆と一緒さいれねぇ、見ず知らずの東北以外の県らと一緒の空間に居なきゃなんねぇんてやんただ!!ぜってぇ失敗するに決まってらぁい!!」

    宮城「青森ぃー!そりゃねぇべー!」
               (頑固)
    福島「今更になって“じょっぱり”発動すんな青森!」

    山形「仕方ねぇべ。青森は北海道やおらたち東北じゃねぇと安心出来ねぇ、超絶人見知り県民なんだがら…。」

    秋田「青森、逆に考えるんだ!これは人見知りを治せるチャンスだって!」

    青森「やんた!!」

    岩手「青森。」

    青森「いくら岩手でも絶対耳っこ貸さねぇがらな!おらの意志ば固ぇんだ!!」

    岩手「もしかしたらこの組み分けの順位次第で、おめぇのグループの中に北海道が入る可能性があるかもしんねぇよ。」

    青森「…え」

    岩手「んだよな?宮城。」

    宮城「あ、ああ。」

    福島「そういえば…その順位ってどうやって決めんだ?」

    秋田「確かに。一体何の順位だ?あいうえお順?」

    山形「面積?人口?経済力だか?」

    宮城「それはだな…【小声で何かボショボショと皆に耳打ちする】」

    青森岩手秋田山形福島「えぇえええ!?(;゜д゜)」

    福島「そんな事で順位さ決めるのか…?」

    宮城「んだ!斬新だべ?」

    山形「確かに、誰も予測さ出来ねぇけんどもよぉ…」

    秋田「結果が出ねぇと誰とグループなるか最後まで分かんねぇドキドキ感…あんやぁー面白そうだな!

    宮城「一体何の順位で決まるのか?
       気になった人は是非!2016年の正月漫画を読んでけれな!」

    福島「何の宣伝だ」

    秋田「誰に言っとんのや?」

    山形「まぁた誰かが降りてきたか?」

    宮城「降りてきた。」

    岩手「…だ、そうだ。青森。」

    青森「で…でもそったら!必ずしも北海道がおらのグループに来るわけでもねぇし!」

    岩手「これ以上文句垂れんなら今後、おらの膝枕っこさ青森に貸してやんねぇよ。」

    青森「…頑張る。」

    秋田「大人しくなった!」

    山形「あの“じょっぱり”な青森が大人しくなった!」

    福島「鶴の一声ならぬ岩手の一言だな。」

    宮城「すまねぇな岩手、丸く収めてくれて。」
       (いいんだ)
    岩手「いんた。」

    宮城「よし…じゃあこのグループ旗を、各々のかまくらの入り口前に差して、と…。」

    山形「あ、もうすぐ新年会が始まる時間だな。」

    秋田「あとは皆が到着するのを待つだけだ!」

    福島「いよいよ本番か…」

    岩手「皆、やり忘れた事とかねぇな?」

    山形「大丈夫だ!」

    宮城「関東とかの都道府県に前もって招待状を配り終えた

    青森「待機場所の除雪はガリッとやった!」

    福島「ストーブや鍋の準備も全部出来てる!」

    秋田「グループ分のかまくらも出来上がった!」

    宮城「秋田、おめぇは新年会終わったら反省会な。」

    秋田「えっ」

    ( 間 )

    宮城M「つい勢いで新年会の幹事さやったけども…それもこれも、色んな提案を出してくれたり、会場の準備をしてくれた、全員のおかげだ。
        あの時、“東北の雪を使った”かまくらの中で、"全国の地元で採れる特産品"を食材として"他県の魅力を全国に伝え"ながらも、鍋という"温かい料理をおらたちが振る舞って"、
        他県同士がお互いに知らなかった一面を知れる為のイベントは
    …闇鍋だ!って一瞬にして閃いたんだ。
        皆がいねがったら実現出来ねがったじゃ…。皆、本当にありがとな…」

    岩手M「会議の時ばどうなると不安だったさけ、さすがは宮城…東北のリーダーは伊達じゃねぇ。宮城が動いてくれねがったら誰も動かなかっただ…。今のおらたちが出来る事は、リーダーに迷惑かけねぇで手伝いに精を出す事だな。」

    秋田M「遂におらたち東北が主役の新年会が始まる…!かまくらの出来は上々!闇鍋だって、どんなカオスな食材さ来ても、安全に安心して美味しく料理してみせるだ!」

    山形M「夜なべしてこしらえた作業着…皆あったかいって言ってくれて安心しただ…。鍋は一体どんな食材が来るか分かんねぇけんども…背に腹は代えられねぇ。全力でやってみせるだ!」

    福島M「この新年会が成功したら、きっと幹事の宮城を手伝ったおら達が今後、幹事になる心配はねぇ筈だ…。その為にも、この新年会…おら達が率先して手伝って美味い闇鍋を作り上げて、新年会を完璧に成功させねぇと!」

    青森M「お、おおおおらが全国の皆さんに、鍋を…あ、想像しただけで…緊張ば通り越して…魂出て行っちまいそうだ~……ハッ!?し、しっかりしろ!気をしっかり持つんだ青森!せめて、せめておらがドジ踏んで失敗して、皆の足さ引っ張らねぇようにしねぇと…!!」

    宮城「・・・き」

    岩手「?」

    秋田「き?」

    福島「宮城?」

    宮城
    「緊張で胃が痛い!ぐはっ」

    青森岩手秋田山形福島「宮城ィ!」

    ~Fin. 2016年正月漫画21に続く~

    ******************************************
    お疲れ様です。作者です。
     今回はもぐら様のサイト『四国四兄弟』の2016年の正月漫画の東北家族の前日譚(21ページの回想シーン)を自分勝手に妄想した噺です。もぐら様申さ訳ねぇした!だども楽しく書かせて頂ぎましたー!
     この漫画は東北人の自分にとっては神回!面白い!大好きです!なのでもう即、衝動的に声劇台本にしたい!でも何を劇に起こそうか!そうだこの1コマシーンを自分勝手に妄想しちゃえー!としたのがこの台本ですあああすみませんすみません調子こきましたホントすみませんすみませんあああああ
     漫画の伏線を何気なく程なく貼ってたりしてます。この後東北家族は無事新年会を成功出来たのか?気になる人は是非読んでください!すっごく面白いです!漫画『うちのトコでは』もまた大変大変面白いです!皆読んで!地元を愛してー!
     自分東北人ですが全く訛れない方言コンプレックス抱えてる東北民なので、地元なのに1から訛りの勉強しました。いや正確には中学時代に一時的に訛ってたんですがそれっきりだったんで、父親や隣県の知人らから訛りの言い方を教えて貰ったり貰えなかったりしました。なのでかなーり訛り方言が怪しいです。訛りの修正・指摘待ってます(切実に)。
     そんで秋田…なしてイグルーさこしらえた?趣向変えたかったんか?そこがホントに謎。
    P.S宮城の『なんでだぎゃ!?』は、中部東海方面(愛知県とか)の『なんで!?』と言う意味だそうです。

     もし演じて頂けるのであれば、後日タイムシフトで拝聴しに行くかもしれませんししないのかもしれない。ご自由にどうぞ^ω^ノシ
    ありがとうございました。作者でした。

    ☆スペシャルサンクス☆
    ・親父
    ・青森県弘前市在住の知人
    ・岩手県盛岡市在住の知人
    ******************************************

    ~おまけ 漫画20Pと21Pを勝手にセリフ化してみた~

    宮城「緊張で胃が痛い!ぐはっ」

    青森岩手秋田山形福島「宮城ィ!」

    岩手「新年会が始まった瞬間クライマックス!」

    福島「宮城宮城 しっかりしてけろ!」

    山形「ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!」

    秋田「大丈夫だ宮城!緊張で吐血なんてよくあることだがふっ」

    青森「よくあっちゃ駄目だ!」

    宮城「やっぱり新年会の幹事立候補しなけりゃよかった…
       暖冬のハズが天気悪いし、新年会一月半ばにすんじゃねがった。
       でも大阪がやって、愛知がやって、福岡がやって、
       この流れで最後まで『幹事やってない地域』に残るのも嫌で…」

    岩手「気持ちは分かる!でも宮城一月頭は初売りで忙しいでねぇか」

    宮城「皆…後は任せた…がくっ」

    青森岩手秋田山形福島「宮城ィー!」

    山形「きっと大丈夫だ!新年会闇鍋するって皆で三日三晩話し合ったでねぇか!」

    青森「ごめんおら三日三晩続いて判断能力落ちてた!」

    福島「全員そうだったけど今更それを言っちゃいけねぇ!」

  • 文豪談話~岩手文豪~

    2018-04-11 19:09

    「文豪談話~岩手文豪~」


    宮沢賢治(みやざわ けんじ)♂…童話作家。詩人。笑顔が特徴的で、人が良く明るく朗らか。
          だが何を考えているのか読めず ブラックな面がある。
          人の為、人を想い仁義を尽くすタイプ。
          石川とは同じ中学の後輩。

    石川啄木(いしかわ たくぼく)♂…歌人。プライドの高い俺様タイプ。
          女好きのサボリ魔で傲慢不遜。真面目系クズ。
          宮沢とは同じ中学の先輩。


    <役表>

    宮沢賢治♂:
    石川啄木♂:

    <URL>
    http://ch.nicovideo.jp/itoshikimetu/blomaga/ar1466864#-


    ※30~40分の劇です
    ※多少のセリフ変更・アドリブOK
    ※必要SE【紙の音】&【紙をめくる音】用意出来るようでしたらお願いします。
    ※社会の歴史の授業・小学生レベルの下ネタアリ。苦手な方はご遠慮下さい。
    ※一応♂ですが、性別不問です。♀でも楽しんで下さい!

    ******************************************

    ~ポランの広場~

    宮沢「…ふぅ。えぇと?
       地図によると、ここが 岩手県盛岡市中ノ橋通(なかのはしどおり)…『もりおか啄木・賢治青春館』…あぁ看板もあるね。ココだココだ。
       しかしまぁ、随分と立派な建物にこさえたもんだなぁ。」

    石川「【遠くから】―――みやざわー……」

    宮沢「確かこの建物は、明治43年に竣工(しゅんこう)した銀行を保存活用して、
       おれや“先輩”の青春時代を紹介しているんだよな。」

    石川「【だんだん近づいて】―――宮沢ー…」

    宮沢「他にも期間限定で様々な催し物を開催していて、今の時期は確k」

    石川「【前の台詞に被せるように】宮沢賢治ぃいいいいいいいいい!!」

    宮沢「うわああああああああああ!?
       あ、あああ貴方は石川啄木先輩!?何でココに!?」

    石川「金貸せやああああああああ!!」

    宮沢「ええええええええええええ!?」

    石川「いぃーいからとっととはよ金貸せやああああああああ!!」

    宮沢「え、えぇぇー…どのくらいですか?」

    石川「10円。(サラッ)」

    宮沢「え゛!そんなに!?」

    石川「ん?なんなら15円でもいいんだぞ?」

    宮沢「値上げした!?そして何で上から目線!!」

    石川「あ?なんだよ。学校のOBの先輩に向かってそんな口きくのかテメェは!」

    宮沢「あぁー…もう、分かりましたよ。…ハイ」

    石川「ッサンッキュー!!さすがは岩手有数の資産家坊ちゃんだぜぇ!!」

    宮沢「そ、その言い方はやめて下さいよ…ただでさえコンプレックスなんですから…。」

    石川「【口笛】やっぱ持つべき者は金持ってる後輩だなぁ!
       …で、お前は何やってんだ?わざわざ現世に降りて来てまで。」

    宮沢「その台詞、そっくりそのまま先輩にお返ししたいのですが…まぁいいや。
       地元の岩手を観光したくて、天国の神様にお願いしたんです。」

    石川「へぇー」

    宮澤「で、先輩は?」

    石川「あ?お前から金借りたくて降りてきただけだけど?」

    宮澤「…それだけ?」

    石川「それだけ。」

    宮澤「神様に許可は?」

    石川「何でそんな面倒な事しなきゃなんねぇんだよ。」

    宮澤「ぇー…;´д`)あ、だったら
       せっかくですから先輩も一緒に見て回りましょうよ!」

    石川「は…はあぁッ?!何で俺も!?」

    宮沢「1人で見るよりも2人で見て回る方が楽しいですし、無断言えども折角現世に降りてきたんですから、勿体無いじゃないですか!
       さぁさぁ!早く建物に入りましょう!」

    石川「ちょっ おい!そんな服強く引っ張んなって!宮沢!!」

    ~*~*~*~*~*~

    ~総会室~

    石川「…ここは何だ?やけにだだっ広いっつーか、壁に何か掛かってるっつーか。」

    宮沢「ここ2階展示ホールでは、期間限定で様々な催し物を開催していんです!
       今は第74回企画展『あなた啄木派?賢治派?』を期間限定でやっているんですよ!」

    石川「( ゚д゚)…は?」

    宮沢「えーっと資料によると…
       なんでも、おれや石川先輩に関するエピソードを挙げていたり、青春館に来たお客さんからアンケートを取ってそれを紐解いたり、様々な作家さん方が来てトーク会をしているみたいですね。」

    石川「はぁー…そんな企画が出来る程にまで有名になったんだなぁ。俺達。」

    宮沢「ですねぇ。おれなんて生きていた時はほぼ無名でしたから…
       今では岩手を代表する文豪ですって。何か照れますねw」

    石川「ま、俺の場合は生きていた時から そ こ そ こ 名の知れた歌人(かじん)だったからなぁ。
       無名のままおっ死んだテメェなんかと一緒にすんなってーの。」

    宮沢「あ、あははは…(;^∀^)
       あ、アレ見てください!ホールの真ん中に置いてあるテーブルで、
       宮沢賢治派か石川啄木派かを投票出来るみたいですよ!見てみましょうよ」

    石川「お、マジか!【テーブルに駆け寄る】
       どれどれぇ?俺様の人気っぷりを拝見してやろうk………」

    宮沢「えーとこれは…アンケートの投票率…
       啄木:賢治=1:3…。
       おれ、先輩の3.3倍…みたいですね。」

    石川「…。何 で こ ん な に も 差 が 出 た ! ? 
       (#゚д゚)おい!!何だこの数字!!どーなってんだよコレ!!」

    宮沢「わぁースゴいですねぇ…。おれ、こんなに人気あったんですか。」

    石川「おかしいだろ!!何で生前から有名だった俺様が!
       生前じゃあ無名で朴訥(ぼくとつ)の地味な後輩に負けてんだよ!!
       うわ納得いかねー!全ッ然納得いかねぇー!!」

    宮沢「朴訥って…。先輩、そんな目でおれの事見てたんですか。;・ω・)
       あー…多分、先輩の生前からの癖だった“アレ”が原因なのでは?」

    石川「は?アレ?アレってなんだよ。」

    宮沢「えーと。
       石川啄木の世間様のイメージでは、
       『懸命に働き生きながらも、病に苦しみ夭折(ようせつ)した薄幸(はっこう)の偉人(いじん)。天才歌人』なんですが…。
       実の本人はどうしようもない浪費癖のある借金魔という“たかり魔”で、
       思うようにお金が稼げず、常に貧困生活に苦しんでいた とか言われてますけど、
       それまるっきり自分のせいなんですよね?自業自得って言うやつですよね?」

    石川「だああああああああ!!テメェそれ言っちまうのかよおいいいいい!!」

    宮沢「元々そんなに高い給料でもないのに、
       無理して給料を前借りしたと思ったら即豪遊したり無駄買いしたり、
       高い料理食べて生活したから貧乏に拍車が掛かってしまったんでしょうに……」

    石川「あー!ぅるっせぇー!!なんだよ!偉人が借金しちゃダメなのかよ!たかり魔で悪ぃのかよ!」

    宮沢「そ、そこまで言ってませんが…;
       というか先輩、さっきやたらおれにお金をせびって来たのって、もしかして生前からのクセですか?」

    石川「あぁそうだよ。生前の時は、金田一(きんだいち)君…俺の親友から、よく俺に金をくれた…じゃなくて、金を貸してくれたんだよなぁ。
       てか待て。さっきから読んでるその紙束は何だ?どっから出してきた!?」

    宮沢「あぁこの資料ですか?岩手の観光する為に事前に色々と調べて来ました。
       先輩の情報もありますよ。他にもー…」

    石川「いや読まんでいい!読まんでいいから!」

    宮沢「石川先輩は様々な人からお金を貸してたんですが、金田一さんも含めまして全63人からお金を借り、結果借金の合計金額は…平成の金額に直しますと、およそ1400まんえん…。
       【ドン引きの声で】……先輩。」

    石川「おいやめろそんな目で俺を見るな!賢治!
       何でそんな細かい人数とか金額が判明してんだよ!?」

    宮沢「先輩自身が生前に借用書とかをキチンと記録して残していたからです。
       ですからこれは自分の首を絞めているようなものでは…」

    石川「(#`;皿;)畜生!今だけ自分の真面目な性格が憎い!!」

    宮沢「この事が世に公表した後は先輩の評価は急激に下がり、『借金魔』とか『金にだらしない男』とか『社会的に無能力な男』など色々disられるようn――」

    石川「【前のセリフに被せるように】いや待て待て待てちょっと待て!!
       その当時、明治30年代じゃ借金をしている奴は珍しくなかったんだ!
       だから『石川啄木=借金魔のクズ男』というレッテルを貼るのは少し語弊があるんじゃないか!?」

    宮沢「確かにそうかもしれませんね。ですが…
       これでも、同じことを言えますか?」

    石川「な、何だその懐(ふところ)から出した本は…。」

    宮沢「この本の題名、何て読むか分かりますか?」

    石川「『石川啄木・ローマ字日記』? ローマ字…ローマ字って…。
       …え、いや。まさか!そんな!!」

    宮沢「はい。石川先輩が1909年の4月7日から6日16日までの間をローマ字で書いた日記です。」

    石川「なんっでその日記が今ここにあるんだよ!俺死ぬ時に節子に燃やせって頼んだのに!!」

    宮沢「奥さんの節子さん曰く『愛着から燃やす事ができませんでした』らしいですよ?
       良い奥さんじゃないですか。」

    石川「最悪だよ!!」

    宮沢「この日記 少々拝見したんですが…。あの、なんというか…凄いですね。色々と。
       エロい事とか師匠さんの愚痴とか借金の事とか娼婦の事とかエロい事とか」

    石川「何故エロを強調する!?そんなにエロの事は書いてねぇ筈だろ!お前ちゃんとその日記読んだのか!?…いや読まなくて良いけども!!」

    宮沢「まずそもそもの話、何でわざわざ読みにくいローマ字で日記を書いたんですか?
       当時ローマ字使う人なんてそうそういませんでしたよね?」

    石川「何でってそりゃあ…俺は妻を愛しているんだよ!」

    宮沢「は」

    石川「愛しているからこそ、その日記を妻に読ませたくなかったんだ!
       だからあえて何て書いてあるのか分かりづらいローマ字で書いたんだよ。」

    宮沢「うーん成る程。愛ゆえの手段であった、という事ですか?」

    石川「他にも色々理由もあるんだが、まぁそういう事だな。」

    宮沢「ふーん…。では先輩の死後、節子さんが活字にしてこのように本として世に出されるようになったのも許すと?」

    石川「まあ、節子には北海道にいた時は色々苦労させてしまったからなー。
       その報復・復讐としては妥当の行動d………は?( ゚д゚)」

    宮沢「まぁ正直な話羨ましいですよ!こんなにも堂々とエロの事を公衆の面前に提示をしているのですから!」

    石川「いや俺が好きで公開した訳じゃないからな?
       俺が隠れて書いてた秘密の日記が勝手に世に晒されたんだからな?」

    宮沢「おれなんて頑張っても春画(しゅんが)しかコレクト出来なくて…。
       おれも『自然の草木を描くように堂々とエロを描きたかった』ですよ!」

    石川「お前は一体何を言っているんだ!?(;゚д゚)」

    宮沢「え?何をって…何がですか?」

    石川「いやお前、妻子(さいし)がいて春画集めとか…流石の俺でも出来ねぇよ」

    宮沢「えっ?」

    石川「えっ?あれ宮沢、お前結婚」

    宮沢「してないです。」

    石川「…あ、結婚しなかったのか?」

    宮沢「いえ、しなかったと言いますか…。それ以前に、女性との交流は無いです。」

    石川「…え、どうゆうこと?
       つまり…ど、童貞?」

    宮沢「え?あ、はい。」

    石川「…女と一回も、寝たことねぇの?」

    宮沢「まったく無いですね。」

    石川「…女、苦手だったのか?」

    宮沢「いや苦手というか、嫌いなんです。」

    石川「…え、ちょ。マジで誰とも付き合った事ねぇの?」

    宮沢「はい。おれ、37歳で死ぬまで童貞だったんです。」

    石川「…ぁーーー…。」
    石川「【心の声 小声で】ヤベェ…コイツ、色々とヤベェ!!キャラクターが濃いとかそうゆう事じゃねぇ!
       クソ童貞だ!リアル魔法使いだよ!いや最早(もはや)もう聖人君子(せいじんくんし)の域!!
       …ん、待てよ?俺、こんな童貞野郎に人気投票で完敗したって事なのか!?し、至極(しごく)屈辱的な敗北じゃねぇかぁ…!!」

    宮沢 「あ、この企画結構面白そうですよ?『お二方はビール派?サイダー派?』とか、『桜の好き嫌い』とか…実際にあった史実を元に、おれ達はこんな人物だったという事を紹介してるみたいですね。」

    石川「へ、へぇー…。」
    石川「【心の声 小声で】くっそぉ…何か、何かコイツに勝てる事はねぇのかよ!」

    宮沢「せっかくですから、色々見て回ってみましょうよ。先輩の事色々と知れる良い機会ですし。」

    石川「そ、そうだな…。」
    石川「【心の声 小声で】そうか、ここの展示室に宮沢の弱みとか弱点が提示しるかもしれねぇ…探してみるか!」

    ~*~*~*~*~*~

    宮沢「まず最初は、『ビール派?サイダー派?』ですって。先輩はどちら派ですか?」

    石川「ビール!」

    宮沢「お、おぉ…即答ですね。」

    石川「ビールだな!俺は酒が好きなんだが、ビールは特に好きだ!
       北原白秋君と一緒に呑んだ黒ビールの味は忘れられねぇなぁ…」

    宮沢「へぇー。そんな事があったんですか。」

    石川「中学3年の時には既にビール呑んでたからな。」

    宮沢「えっ!?;」

    石川「あと煙草も。」

    宮沢「ちょっちょっと先輩!!;」

    石川「…なんだよ?」

    宮沢「現代ではお酒やタバコは20歳になってからなんですよ!?
       何サラッとアウト発言してるんですか!!」

    石川「は?俺からすれば何言ってんだって話だよ。
       俺が生きていた時代じゃ未成年の飲酒・喫煙禁止が無かったからな。
       宮沢だって高校の時ダチと一緒に酒飲んでたらしいじゃねぇか。」

    宮沢「たっ確かにそうですけども!当時の高校の年齢というは今の大学生の年齢でありますから、一応セーフであって…その…ゴニョゴニョ」

    石川「ハイハイそうゆうことにしとこうか。で?お前はどっちなんだ?」

    宮沢「そりゃあやっぱり、サイダーですよ。」

    石川「へぇ、サイダーねぇ…。」

    宮沢「おれ、実は結構酒豪のザルなんですよ。なので自分にとって“酒”というのはコミュニケーションの一環で、
       仕方なく飲んでいた感じなんです。」

    石川「んーまぁな。酒を勧められたら断らないで飲み干すのが当時の礼儀だったしな。」

    宮沢「現代の社会では、飲酒に関した嫌がらせや迷惑な行為を指す“アルコールハラスメント”略してアルハラと言うのが社会的トラブルになっているみたいですよ。」

    石川「はぁ?嫌がらせぇ?
       んなの根性のねぇ下戸い奴が悪いんだろが。甘ぇんだよ、考えが!」

    宮沢「それに比べて“三ツ矢サイダー”は良いですよー?当時では出たばかりのハイカラなものでしたし!」

    石川「お前、見かけによらず新しいもの好きなんだな…俺もそうだけど。」

    宮沢「ちなみに、花巻にある“やぶ屋”の天ぷらそばと三ツ矢サイダーをセットでいただくってのがおれ流です!
       花巻農学校で教師をしていた時によく食べていました。」

    石川「あ、俺も一回やぶ屋に行って食った事あるわ。今じゃ“賢治セット”とか言われてる名物メニューになってたぞ。」

    宮沢「え、ホントですか!?」

    石川「そばとサイダーの味が合わなかったけどな。」

    宮沢「それは個人の意見・感想ですよね!?当時はその組み合わせがハイカラだったのです!味が合う合わないは関係ないんです!!」

    石川「でも当時の天そばっていうと千円前後したんだろ?で、サイダーがおよそ千五百円…
       貧乏だった俺はおろか、庶民には到底手が届かねぇ高級品じゃねぇかよ。」

    宮沢「あ、それを一回の食事で2セット食べてました。」

    石川「この高給取りがぁ!!大食い野郎ぉ!!」

    ~*~*~*~*~*~

    宮沢「次は『桜は好き?嫌い?』です。うーん…桜ねぇ…。」

    石川「好きも嫌いもなにも!よく花見に行くぐらい好きだよ!
       俺が東京にいた頃はしょっちゅう金田一を引き連れて桜を見に言ってたしな!」

    宮沢「ふーん」

    石川「盛岡で最初に咲く石割桜(いしわれざくら)も好きだったなぁ…。石割桜を見て歌を詠んだりしたしな。今もまだあるかな?」

    宮沢「あ、ココに来る時途中見ましたよ。今は盛岡地方裁判所の中にありますけど。」

    石川「マジか!帰り際に見に行こっと!」

    宮沢「うー…ん。桜…桜ねぇ…。」

    石川「え…まさか宮沢、桜嫌いなのか?」

    宮沢「いえ、嫌いという訳じゃないのですが…その…。桜って聞くと、幽霊とか、呪いとか、負のイメージがどうしてもあって…。」

    石川「お前…ふっる臭い頭してんのな。」

    宮沢「せ、先輩程じゃないですよ!」

    ~*~*~*~*~*~

    石川「次ー。『りんごは好き?嫌い?』だってよ。宮沢、お前h」

    宮沢「【食い気味】リンゴは大好きです!!」

    石川「お、おぉ…今日一番の高いテンションだな。」

    宮沢「【熱弁】リンゴはやっぱりそのまま丸かじりに限りますよねー!あ、でもストーブの上でじっくり焼いた焼きリンゴも良いですよね!甘みが立ちますから!それもまた良し!
       リンゴの他にもトマトも好きなんですよ!トマトも丸かじりに限ります!トマトは栄養価が高くて美味しくて良い野菜です!酸味が強いからって砂糖を付けて食べるなんてそんなの邪道です!塩でいただくのが一番です!!」

    石川「わ、分かった分かった…お前のリンゴに対する愛情は十分こっちに伝わったから。
       あー…リンゴねぇ…リンゴ、は…うん。」

    宮沢「え…まさか先輩、リンゴ嫌いなんですか?」

    石川「んにゃ、嫌いっつー訳じゃないんだが…その…。」

    宮沢「?」

    石川「…俺さ、北海道で小学校の代用教員してた時があるんだよ。」

    宮沢「へぇー。地元の渋民(しぶたみ)の小学校だけじゃなかったのですね。それが?」

    石川「その時の同僚の三歳年下の『橘智恵子(たちばな ちえこ)』って人を思い出すんだよ…ま、結局は俺の一方的な片思いで終わったんだけどな。」

    宮沢「…女の人、ですか。」

    石川「智恵子を詠んだ歌を一握の砂に数多く残したからなぁ。
       ふッ…俺は、“恋多い奴”だったんだよ…。」

    宮沢「…やっぱり、先輩とおれとじゃ意見合わないですね。」

    石川「なんでよ!?」

    宮沢「女の人に関する話は、ちょっと…。」

    石川「お前どんだけ童貞こじらせてんだよ!!」

    ~*~*~*~*~*~

    石川「…とまぁ。他にも色々な好き嫌いテーマがあったんだが…。」

    宮沢「とても尺には収まりきれなかったので他のテーマは割愛しましたが、どれも大変興味深かったですね。」

    石川「何の尺だよ。で、今は青春館に来たお客さんから取ったアンケートをまとめた結果用紙を見てるんだが…。」

    宮沢「宮沢賢治の好きな所は?というアンケートで、一位が“作品の世界観・表現”。二位が“作品の言葉・オノマトペの響き”。三位が性格。」

    石川「石川啄木の好きな所は?では、一位が性格。二位がルックス。三位に短歌の表現力…。」

    宮沢「え、えへへ…生きていた時はなかなか理解してくれる人がいなかったから、死後こうやって評価が高まってくれたのは…正直、凄く嬉しい話ですよね…」

    石川「なんでだよ」

    宮沢「え?」

    石川「何でなんだよ」

    宮沢「…先輩?」

    石川「何で俺だけ短歌作品じゃなくて俺自身プライベートが上位なんだよ!作品で勝負しろよ!作品で評価してくれよ!俺のことネタにしすぎだろぉがあぁー!!」

    宮沢「せ、先輩落ち着いて下さい!いくら現世の人から姿が見えないからって、声が聞こえないからって、広場でそんな暴れたらダメですよ!!」

    石川「畜生おおおおお!!やはり俺は宮沢には勝てないってことなのか!宮沢には到底及ばないのか!俺と宮沢じゃあ雲泥の差があるって事なのかあぁぁぁ!!」

    宮沢「石川先輩!自信を持って下さい!」

    石川「今の俺にどう自信持てば良いんだよ!!」

    宮沢「おれは!中学の頃に先輩の短歌を知ったんです!石川先輩に影響を受けて短歌の創作を始めたんです!」

    石川「それがなんだよ!」

    宮沢「おれがあの時、先輩の短歌と出会わなければおれは文学に興味を示さず、ただの岩手の片田舎にいるしがない教師で生涯を終えて、文豪と呼ばれる事はなかったかもしれません!」

    石川「………。」

    宮沢「おれだけじゃないです!おれの親友の保坂君や河本君、小菅(こすげ)君も!皆貴方の短歌を読んで、素晴らしいと賞賛して、先輩のこと尊敬したんですよ!?」

    石川「ほ、本当か…?」

    宮沢「はい!
       【小声で】保坂君達に石川先輩は実はこうゆう人間だったって事を言えないけど!」

    宮沢「投票数がなんですか!人気がなんですか!こうゆうのは少数精鋭(しょうすうせいえい)と言うんです!量より質で勝負ですよ!!」

    石川「宮沢…。」

    宮沢「先輩…。」

    石川「宮沢ぁ…!」

    宮沢「先輩…!!」

    石川「ガッ」

    宮沢「えっ」

    【宮沢の胸ぐらを掴む石川】

    石川「そーゆー言葉を吐ける奴ぁー!!自分に自信持ってる奴しか言えねぇんだよおぉーッ!!」

    宮沢「うわあぁぁぁ!む、胸ぐら掴んで揺すらないで下さい!怖い怖い怖い!!
       お、おれだって何でこんなに有名になったのか知らないんです!分からないんです!
       だから決して自信持ってる訳じゃ…!!」

    石川「…は?なんだお前知らねーの?お前が文豪になった訳。」

    宮沢「は、はぃ…すみません、その手離して下さいませんか…苦しい…」

    石川「ふん…。まぁ知る訳ねぇかもな。お前が死んだ後、“あの手帳”がああいう形で世に広まっちまったんだからな…。」

    宮沢「【軽くむせる】…はい?」

    石川「【心の声 小声で】フッ…丁度良い。散々あれだけ俺様を侮辱し、屈辱的な思いをさせたんだ…。いいぜぇ、こっからは俺の反撃開始といこうじゃねぇかぁ…!」

    ~*~*~*~*~*~

    【懐から黒い革手帳を取り出す石川】

    石川「おい宮沢。コレに見覚えがあるだろ?」

    宮沢「え?…それは!
       何で先輩がおれの仕事用の黒手帳を持っているんですか!?返してください!!」

    石川「おっと安心しろ、これは複製モンだ。お前の本物の手帳じゃねぇよ。」

    宮沢「なんだ、ふくせい・・・複製?」

    石川「ああ。岩手県盛岡市材木町(ざいもくちょう)にある骨董店『光原社(こうげんしゃ)』で2,500円で売っていた複製手帳『雨ニモマケズノート』だ。」

    宮沢「何で…?何でおれの手帳が!?誰にも見せた事なかったのに!!」

    石川「まぁまず落ち着けって。この手帳が後に、お前を有名文豪にしたようなもんだからな。」

    宮沢「…は?」

    石川「お前が死んでから約半年後の事だった。賢治を偲ぶ会の開催中に遺品の鞄の中に入っていたこの手帳を、遺族が偶然に発見したんだ。」

    宮沢「そ、そうなのですか…。
       まぁ、人間死んだら隠していた色んな物が世にさらけ出てしまうものですからね。おれの春画とか。
       つまりその手帳を何者かがなんやかんやで商品化して、おれの存在が世に知れ渡ったんですね?」

    石川「んー…半分正解で、半分間違ってるって感じだな。」

    宮沢「え?」

    石川「まぁそんな憶測をするな。今からその過程を順々に追って説明してやるから。
       この、地元岩手の渋民と、北海道函館で小学校教師を勤めていたこの俺様が!直々にな!」

    宮沢「【小声で】教師と言っても“代用”教師だったじゃないですか…。」

    石川「聞こえてんぞ賢治。
       で、遺族が見つけたこの『雨ニモマケズ』。この詩が世間に出るようになったのは、日本が軍国主義の時代だった。
       大政翼賛会(たいせいよくさんかい)という、戦争に向けて遂行するために集結した公事結社(こうじけっしゃ)があったんだが~…まぁそこは割愛させていただく。難しいから。
       その大政翼賛会が昭和17年に出した朗読詩集『常盤樹(ときわぎ)』に、初めて『雨ニモマケズ』が掲載されたんだ。」

    宮沢「何で…政府がわざわざ俺の詩を選んで載せたんですか?」

    石川「“欲しがりません勝つまでは”、“贅沢は敵だ”という風潮の中、賢治のその献身的で慎ましき生き方が、
       “戦時にあるべき日本人の生き方”として広まっていったんだ。兵士達も『雨ニモマケズ戦って行くぞ…!』ってな感じで戦争に立ち向かって行ったわけだ。」

    宮沢「・・・・・。」

    石川「ま、結局日本は負けで終わってしまったんだが、終戦後の昭和22年に、
       今度は国語の教科書に雨ニモマケズが載るようになったんだ。」

    宮沢「…えっ!?」

    石川「戦争をしていた時は献身・慎ましくも懸命に生きていくイメージだったのが、終戦後には窮乏(きゅうぼう)に耐えて生きるイメージに変わっていったんだ。
       戦争で負けてしまっても雨ニモマケズ…な精神で 敗戦後の日本人の気持ちを代弁するような形になったんだな。
       まぁ、その時GHQに『さすがに玄米四合は多い』と指摘を受けて、四合から三合に変更して載ったみたいだがな。」

    宮沢「…ホールの真ん中にあるテーブルに、付箋紙の一言コメントに書かれていた
       『小学生の時によく雨ニモマケズを音読していた』とか『国語の教科書に宮沢賢治の生涯とか理想が載ってたのを思い出した』
       とかあったのは、そうゆう事だったのですね。合点がいきました。
       今この現代の国語の教科書でも、ずっとおれの詩や童話が載っているんですね。」

    石川「そこから宮沢賢治=偉人という定着が着いて、お前が文豪と呼ばれるようになったんだ。理解したか?」

    宮沢「はい。説明ありがとうございました先輩。…なんでそんなに詳しいんですか。」

    石川「まぁー俺生前、北海道とか東京で新聞記者やってたし?
       遊軍(ゆうぐん)記者とかやってたし?記事の校正係とかやってたし?社会評論みたいなのもやってたし?
       当時の事件とか政府の動きはタイムラインでキャッチするのは義務みたいなもんだったし?
       しかも大逆事件をキッカケに社会主義について色々研究してたしぃー?」

    宮沢「えー…と。つまり?」

    石川「地元の後輩の歴史を隅々まで調べ尽くしておくのが、先輩の役目ってもんだろうが!!(キリッ」

    宮沢「分からないという事が分かりました。
       つまりおれは、時代を上手くコントロールして文豪になってしまったんですかね。
       いや…むしろ、時の権力に利用されたと言ったほうが良いのかな。」

    石川「…何でそんなしょげてんのか分かんねぇが、とりあえず元気出せよ。
       ホラ、1階にある喫茶店で何か飲もうぜ。俺がこの金でおごってやっからよ。な?」

    宮沢「…先輩そのお金、さっきおれから巻き上げたお金ですよね…。」

    ~*~*~*~*~*~

    ~喫茶「あこがれ」~

    宮沢「…ふぅ。」

    石川「たいぶ落ち着いたか?」

    宮沢「はい。このコーヒー美味しいですね。」

    石川「岩手の工芸品“南部鉄器(なんぶてっき)”で淹れたんだってよ。」

    宮沢「へぇ…って先輩。店の人と話したんですか?」

    石川「はぁ?当たり前だろ。話し出来ないと注文出来ないだろが。」

    宮沢「いやいやいや!ヤバいじゃないですか!
       何しれっと現世に姿を現してんですか!マズイですよ!!」

    石川「『石河啄木のそっくりさんですか?熱心なファンなんですねぇ』って笑いながら言われたがな。」

    宮沢「あー…。」

    石川「ちょっとは調子戻ったみたいじゃねぇか。」

    宮沢「えっ…」

    石川「俺さ、さっきお前が俺に言ってくれた言葉を思い返して考えてたんだけどよ。
       良かったじゃねぇか。形はどうであれ、生前から努力していたお前の考えや理想を、少しでも世の中に広まって伝わることが出来たんだ。
       しかも、お前の理想を少しでも叶えようと受け入れて、実現してくれた人々も沢山いるんだぞ。」

    宮沢「先輩に言った、言葉?」

    石川「『おれがあの時先輩の短歌と出会わなければ、文豪と呼ばれる事はなかったかもしれません』『貴方の短歌を読んで影響を受けて、皆先輩のことを尊敬していた』って。
       …ありがとな。俺の事をそんな風に思って尊敬してくれて。」

    宮沢「先輩…いいえ、おれなんて、そんな。」

    石川「しかし…お前のその保坂とか河本って奴らに一回会って話してみてぇな。
       おい宮沢、今度その3人に会わせてやってくれよ。短歌の事、俺が色々教えてやるからよ!」

    宮沢「エ゛ッ!?いや、それは、そのー…;」

    石川「あ?先輩の要望を応えるのが後輩だろが!俺様の誘いを断るってのか!?」

    宮沢「え、えっと、そのぉ…う゛~ん…」

    石川「チッ…やっぱ俺はコイツの事が嫌いだあ!
       宮沢ぁー!いつか絶対にお前に文学的に勝って俺が上だって事を証明してやっからな!
       首洗って待っとけよ畜生めがバァーカァァァ!!」

    宮沢「せ、先輩!?そんな典型的な捨て台詞吐きながら出て行かないで下さい!!
       ちょ、ちょっと待って下さいってばぁー!!」

    ******************************************

    お疲れ様です。作者です。
     今回は岩手を代表とする文豪2人に関するあれやこれを書きました。
    ほとんど史実です。実際に花巻の「宮沢賢治記念館」「やぶ屋花巻総本店」、渋民の「石川啄木記念館」、盛岡市の「もりおか啄木・賢治青春館」へ行って企画展を見てきました。大変参考になり面白かったです。お蕎麦大変美味しかったです。お蕎麦とサイダーの組み合わせ合わなかったd
     皆さんも人に見られたら困る物・データがありましたらし っ か り と 自分の手で 確 実 に抹消しましょう。じゃないと啄木みたいな末路を辿るかもしれませんよw(^言^)
     文豪を知っている同士でしたら『あぁあのネタねw』と軽く笑ってくださったら幸いです。
    文豪を知らない人でしたらこれを機に文豪について調べてみては?

     もし演じて頂けるのであれば、後日タイムシフトで拝聴しに行くかもしれませんししないのかもしれない。ご自由にどうぞ^ω^ノシ
    ありがとうございました。作者でした。

    《参考資料》
    ・岩波文庫 翻訳:桑原武夫『石川啄木ローマ字日記』
    ・新日本出版社 著:池田功『啄木日記を読む』
    ・日本地域社会研究所 著:佐藤龍一『石川啄木と宮沢賢治の人間学』
    ・大修館書店 著:米田利昭『賢治と啄木』
    ・新潮社 新潮日本文学アルバム『宮沢賢治』
    ・新潮社 新潮日本文学アルバム『石川啄木』