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  • 【第443-448号】岩上安身のIWJ特報!電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり!岩上安身による『「空洞化」と「属国化」 ~日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授インタビュー前編(1/2)

    2019-12-02 18:20
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    経済と企業の動き、そして企業のグローバル化が、国家の関係まで変える膨大なデータを読み解きながら日本経済凋落の真因を炙り出す――大著『「空洞化」と「属国化」――日本経済グローバル化の顛末』の著者坂本雅子・名古屋経済大学名誉教授、IWJ初登場!


    岩上安身(以下、岩上)「皆さんこんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。参院選の公示日まであと1ヵ月を切りました。つまり、約1ヵ月後には『答え』が出ているということです(※1)。

     『衆参ダブルはない』と、新聞が一斉に報じました。この一斉リークは油断させるための作戦ではないかと疑う野党の指導者もいます。しかし、参院だけの選挙ということは、それだけで圧勝できるという自信が与党にあるということ。

     たくさんの争点があります。IWJは、改憲の問題を絶対にゆるがせにできない問題として、ずっと追い続けておりますけれども、経済問題もこれまた大きな争点です。中でもアベノミクスの是非は語られるべきではないか。アベノミクスで金融緩和をやりましたが、これが果たして成功したと言えるのか、と(※2)。

     さらに、ここへきて、野党の対抗軸の中から一部、ほとんどアベノミクスと同じような主張、すなわち、いくらでも国債を増発して財政出動して大丈夫なんだ、破綻しないんだと。デフォルトもハイパーインフレも起こらないと、そんな左派のアベノミクスとも言うべき主張も出てきました(※3)。しかしながら、果たしてそれは本当なんでしょうか。金融政策に囚われている点で、共通してはいないでしょうか。

     本日ゲストとしてお越しいただいたのは、まさにそうした金融政策偏重姿勢、つまり、右派も左派も共に陥ってしまっている、金融政策だけ論じるのが経済政策だと考えるような観点がいかに誤りであるか、何年もかけて書き上げられた著書『「空洞化」と「属国化」――日本経済グローバル化の顛末』を通じて明らかにされたお方。名古屋経済大学名誉教授・坂本雅子先生です。坂本先生、初めまして。よろしくお願いします」

     
  • 【第436-442号】岩上安身のIWJ特報!元朝日新聞記者・植村隆氏へ誹謗中傷した櫻井よしこ氏らを訴えた名誉毀損裁判一審の「悪夢のような判決」!岩上安身による原告 植村隆氏、小野寺信勝弁護士インタビュー

    2019-10-01 22:50
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     2018年11月9日、札幌地裁において、元朝日新聞記者の植村隆氏(※1)を「捏造記者」だと誹謗中傷した「自称ジャーナリスト」櫻井よしこ氏(※2)その他出版社に対しての名誉棄損裁判判決が下された(※3)。三年半以上の日々を費やし、櫻井氏の「植村捏造説」の論拠が確実に崩されてきたにもかかわらず、裁判所は原告の植村氏の請求を棄却した。

     「悪夢のような判決」という感想を漏らした植村氏の胸中はどのようなものだったろうか。

     植村隆氏は、朝日新聞記者時代の1991年、第二次世界大戦時の慰安婦問題について記事を執筆した(※4)。韓国人元慰安婦が同国の韓国挺身隊問題対策協議会に慰安婦として初めて証言した録音テープを元にしたもので、第一報を8月、本人に直接取材した記事と第一報の誤りの訂正記事を12月に発表している。

     記事が出た当初から、現代朝鮮問題の研究家である西岡力(つとむ)氏(※5)から「事実誤認」との批判を受けていたが、西岡氏が2014年の『週刊文春』の取材に答えて「捏造記事と言っても過言ではない」と発言し、本人のみならず家族や職場にまで及ぶバッシングが激化するに至って、植村氏は名誉棄損の訴訟を起こした。

     さらに同年、櫻井よしこ氏は『週刊新潮』に植村氏の記事は「韓国女子挺身隊と慰安婦を結びつけ日本が強制連行したと報じた。挺身隊と慰安婦は無関係」「妻が韓国人でありその母親が慰安婦問題で日本に訴訟を起こした遺族会の幹部である。植村氏の記事は意図的な虚偽報道」などと主張、植村氏への批判を強めたため、植村氏は札幌地裁にやはり名誉棄損の訴えを起こした。

     バッシングの根拠は荒唐無稽で不当なものだった。にもかかわらず、植村氏はこのバッシングによって職を失い家族を傷つけられた。意を決して植村氏は訴訟を起こしたが、しかし敗訴という結果に。

     そもそもなぜ20年以上前の1991年の記事が誹謗中傷の俎上に上がったのか。植村氏が朝日新聞記者であったこと、韓国人の家族がいること、90年代の終わりから巻き起こった「河野談話」に反発するかのような歴史認識見直しの運動。それらはこのバッシングと無関係と言えるだろうか。

     またこの結果は、司法が正常に機能しているかどうか、疑問を抱かせるものではなかったか。

     きな臭さが漂う中の意図的な誹謗中傷、不可解な判決。「私は捏造記者ではない!」と叫ぶ植村氏の闘いは続く。不当判決を受けた直後の植村氏の無念と消えない闘志を岩上安身が聞くインタビュー第1弾!

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    ▲元朝日新聞記者・植村隆氏(IWJ撮影) https://bit.ly/2ZhmOyO


    (※1)元朝日新聞記者の植村隆氏:
     植村隆氏は朝日新聞記者だった1991年8月、韓国人元「慰安婦」金学順(キム・ハクスン)さんの告発を報じる記事を書いた。2014年以降、この植村氏が書いた記事を「捏造」と決めつけるバッシングが横行し始める。同年3月、植村氏は朝日新聞を退職。2018年9月には『週刊金曜日』発行人兼代表取締役社長に就任した。
     なお、IWJ代表・岩上安身は、2015年に2回にわたって植村氏にインタビューを行っている。
    参照:
    ・植村隆発行人、「憲法を守る!『週刊金曜日』を守る!」『週刊金曜日』2018年9月28日【URL】https://bit.ly/2Mle5rL
    ・【IWJ】「捏造記者」という捏造 「不当なバッシングには屈しない 」~ 岩上安身による元朝日新聞記者・植村隆氏インタビュー 2015.1.10【URL】https://bit.ly/2MqRb2i
    ・【IWJ】「櫻井よしこさんは、私の記事を読んでいないのでは? 間違った事実を元に『捏造』と言われても困る」──元朝日新聞記者・植村隆氏に岩上安身が2度目のインタビュー 2015.2.20【URL】https://bit.ly/2YxBfBB

    (※2)「自称ジャーナリスト」櫻井よしこ氏:
     「ジャーナリスト」を自称する櫻井よしこ氏は、植村氏が報じた元慰安婦に関する記事を「捏造」と繰り返し誹謗中傷した。櫻井氏は、こうした慰安婦報道の否定などから、「歴史修正主義者」として知られている。
     櫻井氏は、「草の根改憲運動」を進める日本会議の会長である田久保忠衛(ただえ)氏や前会長の三好達(とおる)氏と共に「美しい日本の憲法を作る国民の会」共同代表をつとめており、憲法改正推進の旗振り役でもある。2016年5月3日(憲法記念日)開催の日本会議系の集会で登壇した際は、2011年3月11日の東日本大震災で「助けることのできる命が助からなかった」元凶は現行憲法にあるなどと述べ、憲法に緊急事態条項を盛り込むことが必要だと訴えた。
     緊急事態条項の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた永井幸寿弁護士は、IWJの取材に応じ、こうした櫻井氏の無根拠な主張を手厳しく批判している。
    参照:
    ・【IWJ】櫻井よしこ氏は、なぜ司法に「特別扱い」されたか? 改憲運動を草の根で推進する「日本会議の広告塔」だからではないか!? 11.9 植村隆氏裁判札幌地裁判決後の報告集会でIWJ代表・岩上安身が緊急事態条項の加憲に警鐘を鳴らす! 2018.11.9【URL】https://bit.ly/312qhS7
    ・【IWJ】「私は歴史修正主義者ではないし日本会議とは何の関係もない」!? 植村隆氏による名誉毀損裁判の判決を受け、櫻井よしこ氏が日本外国特派員協会での記者会見で弁明連発!墓穴掘りまくり!! 2018.11.16【URL】https://bit.ly/2OqcALv
    ・【IWJ】「3.11では助けることのできる命が助からなかった」――自称「ジャーナリスト」の櫻井よしこ氏が事実無根のデタラメで改憲による「緊急事態条項創設」を煽動! 日本会議系集会で~根拠なきプロパガンダに永井幸寿弁護士が徹底反論!(前編) 2016.5.3【URL】https://bit.ly/2NHXUCr

    (※3)櫻井よしこ氏その他出版社に対しての名誉棄損裁判判決が下された:
     植村隆氏が朝日新聞記者時代の1991年8月に執筆した元従軍慰安婦に関する記事をめぐり、櫻井よしこ氏によって「捏造」と決めつけられ名誉を毀損されたとして、植村氏が櫻井氏、新潮社、ワック、ダイヤモンド社に損害賠償などを求めた訴訟で、不当にも、札幌地裁(岡山忠広裁判長)は2018年11月9日、植村氏の請求をすべて棄却した。
     植村氏は判決後の報告記者会見で、以下のように訴えた。
     「悪夢のような判決。言論で勝って、法廷で負けてしまった。櫻井さんは本人尋問で間違いを認め、訂正を出した。この法廷と今日の判決がどうつながるのか?
     北海道新聞のOB記者でソウル特派員だった喜多義憲さんは、私が書いた記事の3日後に金学順(キム・ハクスン)さんに直接取材されて、キムさんが『挺身隊だった』と言っていることも確認して記事を書かれている。当時私は喜多さんと全く面識なく、喜多さんも私の記事を見てなかった。
     当時を知っている他社の記者が、『捏造であるとか虚偽であるとか、そのものが理解を超えた、言いがかりのように感じました』と証言した。利害関係のない人物の証言が判決に一切評価されていない。ジャーナリストの皆さん、これは悪夢ではないですか。正義が法廷で実現されていないんです。
     そして、判決要旨に『ハンギョレ新聞以外の報道にも養父または義父が営利目的で金学順氏を慰安婦にしたことを示唆するものがある』とあるが、裁判長、ふざけるな。ハンギョレ新聞を読んだのか? ハンギョレ新聞には、『養父または義父が営利目的で金学順氏を慰安婦にしたことを示唆するもの』など、出ていません。
     こんな判決を許したら明日は他のジャーナリストが同じ犠牲を受けるんですよ。それは、皆さんかもしれません。歴史の事実に向き合おうとするジャーナリストに対する不当な攻撃なんです。私は徹底的に戦います。ありがとうございました」
    参照:
    ・【IWJ】【速報】櫻井よしこ氏のずさんな取材を司法が追認!? 植村隆氏の名誉を毀損したが「捏造」と信じたのは仕方なかった!? 「言論で勝って裁判で負けた、悪夢のような判決」! 2018.11.9【URL】https://bit.ly/2AWJHOk

    (※4)第二次世界大戦時の慰安婦問題について記事を執筆した:
     1991年8月11日付朝日新聞(大阪本社版)に掲載された植村隆氏の記事のリード文は、次の通りである。
     「【ソウル10日=植村隆】日中戦争や第二次世界大戦の際、『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、『韓国挺身隊問題対策協議会』が聞き取り調査を始めた。(中略)体験をひた隠しにしてきた彼女らの思い口が、戦後半世紀近くたって、やっと開き始めた」
    参照:
    ・植村隆『真実――私は「捏造記者」ではない』岩波書店、2016年【URL】https://amzn.to/2KeEX9X

    (※5)西岡力(つとむ)氏:1956年生まれ。国際基督教大学卒。筑波大学大学院修士課程修了。2000年より東京基督教大学教授。『現代コリア』(現代コリア研究所発行)編集長。「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」会長。
     西岡氏は植村隆氏による元慰安婦に関する記事に対して、1992年より書籍や雑誌で批判を繰り返し、1998年以降は、記事を「悪質な捏造」といって執拗に攻撃した。『週刊文春』2014年2月6日号では、植村氏の記事を「名乗り出た女性は親に身売りされて慰安婦になったと訴状に書き、韓国紙の取材にもそう答えている。捏造(ねつぞう)記事と言っても過言ではありません」などとコメントした。
     他方、植村氏は2015年1月、名誉を傷つけられたとして、西岡氏と文藝春秋社に損害賠償を求め東京地裁に提訴した。この裁判で西岡氏は、『週刊文春』に掲載されたコメントの重要部分に「記憶違い」や「間違い」があることを認めた。植村氏の記事を「捏造」呼ばわりしていた西岡氏の方こそ、事実を「捏造」していたことが明らかになった。
     にもかかわらず、東京地裁(原克也裁判長)は2019年6月26日、植村氏の請求を棄却した。
    参照:
    ・言論テレビ【URL】http://bit.ly/2WtjMpt 
    ・週刊金曜日「『朝日』元記者・植村隆裁判で西岡力氏が自らの「捏造」認める」2018年9月26日【URL】https://bit.ly/2xCoIyi
    ・朝日新聞「文春などへの賠償請求棄却 元朝日記者の慰安婦報道訴訟」2019年6月26日【URL】https://bit.ly/2X1k0Up


    20年以上も前の植村氏の従軍慰安婦問題の記事をネタに、『捏造記者だ』と激しいバッシングを繰り広げた西岡力氏と櫻井よしこ氏を名誉棄損で提訴。不当判決を受けて植村氏の今の心境は?


    岩上安身(以下、岩上)「皆さん、こんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。私はまだ雪の降っていない札幌にいます。東京から来ると十二分に寒いけれども、地元の方は非常に暖かいとおっしゃいます。

     皆さん、私の心臓のことを大変心配していただきましてありがとうございます。本当にご心配をかけて申し訳ありません。このズボンの下に三重にタイツを穿いて超防寒体制でおりますので、大丈夫です(笑)。

     昨日、ジャーナリスト櫻井よしこ氏への名誉毀損裁判判決が下されました。当然のことながら、元・朝日新聞記者、そして現『週刊金曜日』発行人の原告・植村隆さんが勝つと思っていたのですが、まさかの不当判決で、裁判所は原告の植村さんの請求を棄却してしまいました。本当に何という裁判長でしょうね。『悪夢のような判決』『言論で勝って法廷で負けてしまった』というのが、原告である植村さんの言葉です。

     本日は植村さんと札幌訴訟弁護団事務局長小野寺信勝弁護士のお二人に来ていただきまして、この不当判決について、これまでの裁判の流れについて、お話をうかがいます。植村さん、小野寺さん、よろしくお願いします」

    植村隆氏、小野寺信勝氏(以下、敬称略)「よろしくお願いします」

    岩上「植村さん、お久しぶりです。植村さんには東京でも札幌でもインタビューしているんですよね(※6)。

     昨日(2018年11月9日)の判決報告集会(※7)の時に、『普通は敗訴の時には、本当にお通夜のように暗くなっちゃうんだけれども、みんなこんなに元気じゃないか。やる気満々じゃないか』とおっしゃいました。そして本当にたくさんの人が詰めかけて、『素晴らしい人に支えられているんだな』と感動しました。私も裁判を抱えているものですから、少しうらやましいと思いました(笑)。

     皆さんが『植村さんがとても明るくなった』とおっしゃっていました。私も3年前のことを思い出すと、本当に植村さんは暗かったので、『あの時とは別人だな。おおらかだな。フレンドリーだな』という印象を受けました。やはり皆さんに支えられてきた3年間があったからなのですか?」

    植村「はい。昨日は残念ながら敗訴したわけですけれども、報告集会にもたくさんの人が集まってくださいまして、熱気はすごいものでした。この不当判決に対し、私は『高等裁判所で逆転判決をとる』と宣言したわけですけれども、皆さんの目つきが違っていた。一生懸命見てくださっていた。

     判決は一瞬ですけれども、裁判は3年半以上にもなるわけで、そういう中で、私が『捏造記者』ではないということを皆さんがわかってくださったと思います。

     それだけではなく、櫻井さんの論拠がぼろぼろと崩れていくのを目の当たりにしているわけですよね。市民の人たち、支える人たちの中に『植村は捏造記者ではない』という強い確信があって、その輪がどんどん広がっているという感じがあります。

     岩上さんに最初のインタビューを受けた時、もちろん支持してくれる人はいたのですが、その数がどんどん広がっていって、それがまた私の心の支えになり、そしてそれと同時に被告側のずさんなやり方がどんどん明らかになってきた。その二つの理由で、『裁判では負けたけれども、言論戦では勝っている』わけです。そういう意味で私はへこんではいないんですね」

    岩上「なるほど。植村さんのプロフィールを今さらではありますけれどもご紹介します。

     1958年高知県生まれ。ほとんど私と同世代。植村さんが一歳先輩ですね。82年に朝日新聞社に入社。2014年に『91年に書いた記事が捏造であるとして激しいバッシングを受ける』。ああいったことは突然起こります。誰かがタクトを振って、マスメディアが横並びで乗っかって盛り上がる。わざとらしい、いやらしいバッシングです。なぜか植村さんがその中でも特異なターゲットにされてしまって攻撃を受けた。

     そして2015年、バッシングの中心にいた現代朝鮮研究者の西岡力氏らへの名誉毀損訴訟を東京地裁に提訴。2月には櫻井よしこさんへの名誉毀損訴訟を札幌地裁に提訴。そして、2018年、これは新しいニュースではありますけれども、9月26日『週刊金曜日』発行人に就任。

     この東京地裁、札幌地裁二つの裁判に提訴した理由は何ですか」

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    ▲植村隆氏プロフィール https://bit.ly/2yiwihn
     
  • 【第427-435号】岩上安身のIWJ特報!スクープ! 日銀が発表した英語論文の謎 アベノミクス・黒田バズーカによる副作用の責任を逃れようと裏で金融緩和の出口模索!? 岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー 2018.7.1(後編)

    2019-08-06 19:36
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    イスラエルと手を携えイラン潰しにひた走るトランプ大統領! 有事に発展したら日本への原油輸入はストップ、あらゆる物価は高騰し、1973年の「狂乱物価」の悪夢が再び!?


    田代「アメリカがイラン産原油を買う買わないの話で終わればいいのだけど、『他の国も見習え』と言い出したとなれば…」

    岩上「さもなくば『制裁するぞ』、ですからね」

    田代「これは大変なことになりますよ。日本が輸入している原油のうち、イラン産は5.5%(※1)。これを代替するのはえらいことです。足元を見られることになりますから。つまり、その部分は相手の言い値で買わなくてはならなくなる」

    岩上「長期の契約とスポット契約とでは、全然違うわけですよね? スポットで買うと、かなり高くなるという…」

    田代「そうです。何十年という長期で買うから、かなりディスカウントして売ってくれるのであって、それは普通の商売も同じでしょう。だから、株価も当然急落するわけです。このたびレートが1月以来の安値だったわけですが、日本株の足を引っ張っているのは、実はトランプ大統領だったという(※2)」

    岩上「僕がこの問題にこだわるのは、もっと先のことにも関わってくるからです。というのは、アメリカは、世界のヘゲモン(覇権国)としての座からもう降りる、他の国の面倒は見ない、という方向へシフトしているんじゃないかと思えるんですね。東アジアからも、ヨーロッパからも。

     ロシアに対しても、今度首脳会談をやると(※3)。クリミアの件であれだけプーチンを悪魔化し、欧米で制裁を加えておいて、ですよ? ウクライナをわざわざ分断して政権をぶっ潰し、挙げ句の果てには内乱まで起こさせて、ロシアがロシア人の多い東部とクリミアを編入するよう仕向けたのはアメリカのヌーランドです(※4)。

     そこまでの工作をしておいて、『ウクライナの領土だったクリミア半島をロシアが取った、許せない。これは戦後初の侵略だ』とか大袈裟に言いたてて、ロシア軍港のある同地から『ロシアは出ていけ』と。これはそもそも、ソ連という国家の中の、一部の線引きの話だったのに。

     でも、そこに住んでいる人々のほとんどはロシア語話者。実態としてはロシア人です。そりゃロシアは『うん』とは言いませんよ。なのに、アメリカ主導で制裁を加えてG8から外した。それを、トランプ大統領は今さら、『おい、プーチン呼べ』とか『もう一回ロシアを招いてG8にしようぜ』とか、『プーチンとは気が合うんだ』なんて。eaf141c52caa06a62d04c43c1088077894fffd0e

    ▲プーチン大統領(Wikimedia Commonsより) https://bit.ly/2IiB8jp

     オバマ政権から着々とやってきた陰険な工作。ウクライナ、もうぐちゃぐちゃですよ? 内戦してたんですよ? それを、トランプがあっという間にぶっ壊しちゃった。たったひとつのツイートで、『あそこはロシアだから、ロシア人がロシア語喋ってんだろう。だからロシア領でいいじゃんか』って」

    田代「もう、プーチンのお使いになっちゃったわけですね、アメリカ大統領が」