• このエントリーをはてなブックマークに追加

今なら、継続入会で月額会員費が1ヶ月分無料!

記事 2件
  • 【第139号】岩上安身のIWJ特報!オバマ大統領の来日に向けて、ネオコン・シンクタンクが狙う日米の軍事同盟強化路線 ~ヘリテージ財団、CSISでの講演の翻訳を公開

    2014-04-23 16:39  
    244pt
    第139号
    ――――――――――――――――――
    岩上安身のIWJ特報!
    オバマ大統領の来日に向けて、ネオコン・シンクタンクが狙う日米の軍事同盟強化路線 〜ヘリテージ財団、CSISでの講演の翻訳を公開
    ――――――――――――――――――
     米国のオバマ大統領の来日が、4月23日夜から25日の2泊3日という日程で確定となった。「国賓」として迎えられる大統領は、安倍総理との首脳会談や、天皇皇后両陛下との会見などに出席する予定である。
     IWJでは、オバマ来日の目的を探るべく、米民主党に近いシンクタンクとして知られるブルッキングス研究所で3月6日に行われた、トーマス・ドニロン前大統領補佐官の講演内容をご紹介した。
    ※【IWJブログ】元オバマ政権中枢人物が語る、日米同盟の今後とオバマ訪日の目的 ~トーマス・ドニロン前米大統領補佐官による、米シンクタンクでの講演の翻訳を公開
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/130122
     一方、米国保守派のシンクタンクは、今回のオバマ来日をどのように考えているのだろうか。ドニロン氏の講演の2週間後、ほぼ時期を同じくして、二大ネオコン・シンクタンクである、ヘリテージ財団とCSIS(戦略国際問題研究所)で、それぞれ講演が開催された。
     3月19日のヘリテージ財団の講演には、「安倍総理への指令書」とも言われている『第3次アーミテージレポート』の作成に関わったランドール・シュライバー氏、そして「日本のナショナリズムの高揚が、米国の政策目標を達成する絶好の機会」と論じた『クリングナー論文』の著者であるブルース・クリングナー氏が登壇した。
     そして、3月21日のCSISの講演では、上記アーミテージレポートの共著者である、リチャード・アーミテージ氏とジョセフ・ナイ氏が登場。北朝鮮や中国の軍事的脅威に備え、日米同盟をさらに強化すべきという、従来からの主張を繰り返した。
    ※【IWJブログ】「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載 
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226
    ※ヘリテージ財団「クリングナー論文」全文翻訳掲載
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118349
     ヘリテージ財団とCSISという二大保守派シンクタンクが、現在の日本の対米政策にいかに大きな影響を与えているかは、あらためて言うまでもないだろう。
     ヘリテージ財団では、石原慎太郎氏が東京都知事だった2012年4月16日、「東京都が尖閣諸島を買います」と発言し、現在の尖閣問題の「火付け役」となった講演を行った。クリングナー氏の言う、「米国のために日本のナショナリズムを煽る」道化役を、石原氏が見事に演じた場所だ。
     そして、CSISは、昨年2月22日、オバマ大統領との会談を終えた安倍総理が講演を行い、「Japan is back(日本は戻ってきました)」「I am back(私は戻ってきました)」と宣言したシンクタンクである。総理は、会場最前列にいたアーミテージ氏に対して、「アーミテージさん、ありがとうございます」と謝辞を述べ、「日本は一流国になりたいのか、二流国でかまわないのか」というアーミテージ派の無遠慮な問いに対し、「日本は二流国にはなりません」と子供のような約束をし、対米従属の姿勢をさらけ出した。
    ※【IWJブログ】高揚する日本の「不健全なナショナリズム」 背後でうごめくワシントンの影
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118337
    ※2013/02/27 【IWJブログ:「アーミテージさん、ありがとうございます」属国日本の姿を堂々とさらけ出した安倍総理 米講演で】 
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/61863
     オバマ大統領に先んじて、4月5日・6日にはヘーゲル米国防長官が来日。日中間の尖閣問題を巡り「日米安保条約に基づく防衛義務を果たす」ことを確約し、北朝鮮の脅威に対してイージス艦2隻を横須賀に配備することで合意した。ネオコン・シンクタンクが主張する「日米間の軍事同盟強化」への地ならしは、着々と進んでいる。
    ※ロイター 2014年4月6日 「米国防長官、尖閣めぐり中国けん制 日本にイージス艦2隻追加配備」
    http://bit.ly/1eWtYzW
     以下、両講演における各氏の発言の要約を翻訳し、ご紹介する。講演の模様は、各シンクタンクのホームページに公開されている。
    ・ヘリテージ財団: http://herit.ag/1hxDKVa
    ・CSIS: http://bit.ly/1eTQ0D0
     ネオコン・シンクタンクの政策に対しては、これらに反対する識者の意見も海外メディアに出てきている。今後、これらの反論も紹介しながら、引き続きオバマ政権の対日政策についての情報を提供する予定である。
    -----------------------------------------------------
    Preview of the President’s Asia Trip
    Wednesday, Mar 19, 2014
    http://herit.ag/1hxDKVa
    ヘリテージ財団 「大統領のアジア訪問のプレビュー」
    2014年3月19日(水)
    講演者
    ランドール・シュライバー(元ブッシュ政権国務次官補)
    ブルース・クリングナー(ヘリテージ財団上級研究員)
    司会
    ウォルターローマン(ヘリテージ財団・アジア研究センター長)
    ===================================
    ◆ウクライナ政変と日米同盟のありようのリンケージ ~ランドール・シュライバー氏:3月19日ヘリテージ財団講演より◆
    ===================================
    シュライバー氏「オバマ大統領の日本訪問は、絶好のチャンス(Window of Opportunity)です。日本は政権が安定しており、安倍政権2.0は非常にうまくやっていて、支持率も高い。アジアリバランス戦略においては、日本がその戦略基盤となります。ウクライナやシリア問題があるなかでも、アジアに注意を向けていることを示す機会になります。中国や北朝鮮の脅威によって、日米同盟の役割がますます重要になっており、これらの機会を実行に移すことにエネルギーを注ぐべきです。
     TPPや日米協議の進展は難航しており、にらみ合いが続いていますが、まずは米国が動かなければいけません。TPA(貿易促進権限)がなければ、日本にタフな要求をすることは難しくなります。米国の信用問題にかかわることで、大統領のリーダーシップが問われる問題です。日米の二国がうまく行かなければ、交渉全体はがれきのように崩れてしまうでしょう。
     軍と軍の関係も課題です。日米共同の自衛ガイドラインをどう作るか。オバマは歳出自動削減条項(セクエストレーション)の問題を含めて、どのように日米で防衛協力していくか、強い確信を示す必要があります。オバマが日本の集団的自衛権に関して、憲法解釈の変更を支持するとのお墨を与えれば、官僚たちがしっかり仕事できます。憲法9条も議論されている今が、タイムリーです。
     日米同盟は軍事だけでなく、エネルギー問題でもパートナーシップとなり得ます。日本は原発事故後、エネルギー問題に悩まされていますが、米国が問題解決の大きな一助となることができます。TPPが進めば、LNGの輸出などもしやすくなるでしょう。ウクライナ問題で、ロシアから(日本へ)の供給が不安定になれば、なおさら重要です」
     ウクライナの内政問題に、米国は自分の庭であるかのように首を突っ込んでいる。米国は、ウクライナで2014年2月に樹立した新政権を支持し、3月にはさっそくヤツェニュク首相とオバマ大統領の会談を行っている。そして、クリミア自治共和国とセヴァストーポリ特別市がロシアへの編入を訴える声を上げ始めると、米国はロシアに対する経済制裁を行った。さらに、ウクライナ東部で親ロシア派勢力が市庁舎などの占拠を行うと、米国はその背後にロシアがいると決めつけ、ロシアへの制裁をさらに強めることを検討し始めた。ウクライナ問題が、米国対ロシアの対決として浮かび上がってきたのである。 
  • 【第131-133号】岩上安身のIWJ特報!安全保障のプロが語る、安倍「タカ派」外交の危険性 元内閣官房副長官補・柳澤協二氏インタビュー

    2014-04-02 16:38  
    244pt
     憲法の解釈見直しによって集団的自衛権の行使を容認しようとする動きが着々と進められている。3月25日には、自民党の総務会で、この問題を議論するための「安保法制整備推進本部」という新機関が設置されることが決まった。
     また、集団的自衛権行使容認に向けて、安倍首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は、4月に報告書をまとめる予定となっている。この後に、従来の解釈を変更する閣議決定がなされると言われている。
     集団的自衛権とは、ある国が攻撃を受けた場合、その国と密接な関係にある他国が共同して防衛することのできる権利である。従来、日本国憲法上、「容認できない」という見解が採られてきた。
     1947年の施行から67年に渡って歴代の政権によって積み重ねられてきた憲法の解釈が、今、一内閣によって変えられようとしている。日本国憲法の三大要素のひとつである平和主義が大きく歪められようとしているのだ。
     2014年2月5日、この集団的自衛権行使容認にかんする話題を中心に、防衛省のキャリア官僚の経歴を持ち、内閣官房副長官補を務めた柳澤協二氏に話をうかがった。柳澤氏は集団的自衛権行使は「日本の身の丈にあった軍事戦略」とかけ離れていると語る。
    【インタビューのポイント】
    ・安倍政権の政策の特徴は、抽象的であること。安保政策も経済政策も、抽象的であり、そのために本質的な議論がなされないままに進められている。集団的自衛権の行使にしても、それによって何をしたいのか、何のために必要なのかが議論されていない。
    ・特定秘密保護法、国家安全保障会議(日本版NSC)、集団的自衛権は、『安保版アベノミクス三本の矢』と考えられる。これらによって日本は「戦争できる国」になる。
    ・安倍政権は、アメリカ追従なのか否か、はっきりしない。集団的自衛権の行使容認によって、日米同盟にもっと深くのめり込んで行くのかというと、そうではなく、アメリカとも対立する要因を孕んでいる。
    ・日本の強みは、戦争せずに何ができるかを示してきたということである。たとえば、武器輸出をしていないから軍縮や武器管理を国際的に主導することができた。今後日本が本当に世界をリードする大国でありたいのか考える必要がある。
    ・核技術抑止という幻想にとらわれているよりは、はっきりと核を持つという方針は捨てたほうがいい。【インタビューの動画記事はこちら】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123724