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  • 【第305-314号】岩上安身のIWJ特報!NSAによる巨大監視システムの実態に迫る スノーデン氏が日本人に伝えたいこととは ジャーナリスト・小笠原みどり氏インタビュー

    2017-05-22 18:48  
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     3月21日、政府は「共謀罪(テロ等準備罪)」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を閣議決定し、国会に上程した。277もの犯罪について計画段階で処罰できるようにするもので、安倍政権は今国会での成立を目指している。
     恣意的な捜査を可能にし、個人の内面にまで踏み込む共謀罪は、特定秘密保護法や安保法制などとともに、安倍政権が進める「戦争遂行法制」の一環であると言える。共謀罪はその内容から「平成の治安維持法」などと呼ばれるが、改正治安維持法が施行されたのは1941年3月。日本軍による真珠湾攻撃のわずか9ヶ月前である。現在の日本は、まさに「戦争前夜」と言える状況にあるのだ。
     ただ、先のアジア・太平洋戦争と決定的に異なるのは、日本は今回は米国の従属国として、最前線で使い捨てにされる可能性がある、という点である。
     2013年6月、元CIA職員のエドワード・スノーデン氏によって行われた暴露が世界を驚かせた。これまで秘密のベールに包まれていたNSA(米国家安全保障局)が、「PRISM(プリズム)」と呼ばれるプログラムなどを通じ、全世界で大規模な盗聴を行っているというのである。
     NSAによる盗聴は、「同盟国」である日本もまた例外ではなかった。しかし日本政府は米国に抗議することもなく、スノーデン氏による暴露以降も対米従属をますます深めているありさまである。
     特定秘密保護法、安保法制、そして共謀罪によって米国とともに戦争をする国になるのか。それとも、米国に対してはっきりと「No!」を突きつけるのか。スノーデン氏による暴露は、私たちが日本という国の自主独立について改めて考える、格好の機会となった。
     そんなスノーデン氏に日本人として初めて単独インタビューを行い、その成果を著書『スノーデン、監視社会の恐怖を語る』として刊行したのが、ジャーナリストの小笠原みどり氏である。2016年12月、私は小笠原氏に単独インタビューを行い、スノーデン氏の発言内容を聞くとともに、NSAが今もなお全世界で行っているとされる諜報活動の実態を聞いた。
     今月の「IWJ特報!」では、その小笠原氏へのインタビューのフルテキストをお届けする。世紀の暴露を行ったスノーデン氏は、はたして日本に対しどのような認識を持っているのか。ぜひ、最後までお読みいただきたい。(岩上安身)
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    ◆エドワード・スノーデン氏への単独インタビューに成功!カナダ在住のジャーナリスト・小笠原みどり氏のライフワークは「監視社会研究」◆
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    ▲小笠原みどり氏岩上「皆さん、こんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。年末の忙しい時ではありますけれども、怒涛のインタビュー週間という感じで、5日間で4連続インタビューをしています。そして本日は、貴重なゲストをお迎えしております。
     『エドワード・スノーデン氏が暴く、米国による巨大監視システムの実態』と題しまして、エドワード・スノーデン氏に日本人としては初めて、ダイレクトにインタビューをされました、ジャーナリストの小笠原みどりさんをお招きしました。小笠原さん、初めまして。よろしくお願いいたします」
    小笠原「初めまして。よろしくお願いします」
    岩上「小笠原さんとは、何度かコンタクトを取ろうと試みていたんですけれども、なかなか連絡がつかなくて。たぶん私たちの送ったメールは見ていないですよね」
    小笠原「はい。全然知らなかったです」
    岩上「『小笠原さんってつかまらないんだなあ』と思っていたんですよ。『日本にいないらしい』という話もあって。最近になって帰国されて、弁護士の海渡雄一(※1)さんが一生懸命取り組まれている共謀罪関連の集会(※2)に出られたんですね。
     私は、もちろん海渡さんはよく知っているし、IWJにも何度も出ていただいたこともあります。海渡さんが行う集会の中継も撮っていますから。『小笠原さん? じゃあ撮ろう』『撮るだけじゃなくて、現場でつかまえて』とスタッフに言ったんです(笑)」
    小笠原「(笑)」
    ▲シンポジウムで話す小笠原みどり氏――2016年12月16日、日比谷図書館文化大ホール
    ▲海渡雄一弁護士
    岩上「小笠原さんは、日頃はアメリカにいらっしゃるんですか?」
    小笠原「カナダで暮らしています」
    岩上「カナダ・クイーンズ大学で勉強中なんですよね。修士号を取られて、今は博士課程にいらっしゃる。何を研究されているんですか」
    小笠原「はい。私の専門は社会学という分野ですけれども、カナダ・クイーンズ大学の社会学部の中に監視スタディーズセンターという所がありまして、そこでいわゆる監視社会、監視研究をしています」
    岩上「なるほど。これは、ライフワークになりつつあるわけですね」
    小笠原「そうですね。いつの間にか」
    岩上「しかも子育てもして、博士号も取ろうとして、ジャーナリストとしての活動もしている。すごいじゃないですか(笑)」
    小笠原「全部、中途半端です(笑)。全部、落第です(笑)」
    岩上「いやいや。男の子を育てるのは、適当くらいがいいと思いますよ。過保護にならないように、落第くらいがいいと思います」
    小笠原「そうですか(笑)」
    岩上「スノーデン氏への単独インタビューを取っただけでも、『ジャーナリストとして落第』なんてことはあり得ない。いやあ、取りたいと思っていても、なかなかできなかったから、本当にうらやましいと思いつつ、今日はお話をうかがいたいと思います」
    小笠原「こちらこそ」
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    (※1)海渡雄一:32年間、労働事件、原発訴訟などの環境事件、監獄訴訟などの人権事件に携わる。「憲法に保障された基本的人権を実現することが弁護士の役割」が持論。/原発事故の被害を明らかにし再稼働を止める訴訟、盗聴法、依頼者密告制度、共謀罪、秘密保全法問題などにも取り組む。2010年から2年間、日弁連・宇都宮健児会長の下で事務総長(参考:東京共同法律事務所【URL】http://bit.ly/2mEOOrT)。
     岩上安身はこれまで、特定秘密保護法や共謀罪、改憲、原発訴訟といった幅広いテーマで、複数回にわたって海渡氏に単独インタビューを行っている。
    ・2013/12/09 「バーナムの森は動いた」秘密保護法強行採決は安倍政権の終わりの始まり ~岩上安身による海渡雄一弁護士緊急インタビュー
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/115742 
    ・2016/03/11 「想定外の巨大津波」は実は想定の範囲内だった!震災から5年、東電が「巨大津波」を予測できていた「新証拠」を福島原発告訴団・代理人の海渡雄一弁護士が岩上安身のインタビューで証言
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/291231 
    ・2017/03/06 閣議決定・国会提出間近!? 「共謀罪」新法案を読み解く~岩上安身による平岡秀夫弁護士 ・海渡雄一弁護士インタビュー
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/366642 
    (※2)共謀罪関連の集会:2016年12月16日に日比谷図書文化館大ホールで行われたシンポジウム「戦争できる法と社会のつくり方」のこと。海渡雄一氏と小笠原みどり氏の他、金平茂紀氏、梓澤和幸氏が登壇。IWJではその模様を現地から中継した。
    ・2016/12/16 治安維持法の再来にメディアの自主規制!? 「戦争できる国」へ突き進む危機感を、海渡雄一氏、金平茂紀氏、小笠原みどり氏、梓澤和幸氏が生々しい実感とともに語る!
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352735