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記事 2件
  • 【第360-363号】岩上安身のIWJ特報!自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学・長谷部恭男教授インタビュー(その5)

    2018-02-25 19:00  
    244pt
    (その4の続き)
     
    ▲ 長谷部恭男・早稲田大教授
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    ◆期限・条件付きの「委任独裁」とクーデター的な「主権独裁」――どれほど立憲的な憲法制度が整っていたとしても、主権独裁は出現する可能性があるが、危険な制度は作らない方が良い!自民党改憲草案の緊急事態条項は民主的体制そのものを根底から崩すきっかけを作りかねない!◆
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    岩上「そして、独裁には『委任独裁』と『主権独裁』という概念があるということですが」
     
  • 【第356-359号】岩上安身のIWJ特報! 自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学・長谷部恭男教授インタビュー

    2018-02-01 15:30  
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     2017年の衆院選で改憲勢力に3分の2議席を与えてしまった「ツケ」が、ついに回ってくる――2018年は大きな時代の曲がり角となりそうだ。
     安倍総理は4日の年頭記者会見で「戌年の今年こそ憲法のあるべき姿をしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的な議論をいっそう深めていく。自民党総裁として、そのような1年にしたい」と意気込んだ。年内の改憲発議を示唆した発言であることは間違いなく、この「号令」を受け、自民党内も動きを慌ただしくしている。
     自民党の憲法改正推進本部は1月31日に全体会合を開催し、いまだに意見集約ができていない「緊急事態条項」について議論する予定だ。「緊急事態条項」は戦争や震災などといった有事に総理大臣や内閣に権力を集中させるもので、大手メディアはほとんどその危険性を指摘しないが、自民党が改憲草案を発表した2012年以降、IWJはこの条項が憲法を一時停止して国民の人権すら制限する「独裁条項」であり、これこそが自民党改憲草案の「本丸」であると強く警鐘を鳴らし、一貫して徹底的に批判し続けてきた。
    ※【特集】これこそ「ナチスの手口」! 9条を含めすべての現行憲法秩序を眠らせ、日本改造を行う「緊急事態条項」 この上ない危険性!!http://bit.ly/2nipJp3
     その結果かはわからないが、今回、憲法改正推進本部は国民の批判を避けるため、「人権の制限」規定は見送り、緊急時における国会議員の「任期の延長」規定を柱とする方針に傾いているという。当初の強度の独裁条項構想からややマイルド路線に切り替えたように思えるが、油断はできない。見方を変えれば、緊急事態条項は絶対に諦めないという意志表示だとも言えるからだ。
     そもそも、自民党改憲草案の98条、99条に記されている緊急事態条項は、そのほとんどが内閣の権限強化と人権制限に関わる規定であり、議員の任期延長規定は99条のラスト4項目に、とってつけたように置かれているに過ぎない。自民党の考える緊急事態条項の主眼はあくまで憲法秩序の停止にある。これは明白な客観的事実だ。
    ※【特別掲載!】安倍総理による「改憲隠し」にダマされるな! 参院選の真の争点は改憲と「緊急事態条項」の創設である〜岩上安身による『前夜・増補改訂版』の「まえがき」を緊急アップ! 2016.6.15https://iwj.co.jp/wj/open/archives/309102
    ※自民党改憲草案全文https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf
     また、本当に任期延長規定だけに絞るのであれば、緊急事態条項という呼称も改めればいいはずだ。いまだに「緊急事態条項」という文脈にこだわるのは、二度、三度の憲法改正を経て、フルスペックの緊急事態条項を創設しようとしているからではないか。
     「自民党の緊急事態条項は、手っ取り早く言えば『戦前の国家総動員法を起動させるスイッチを、憲法の中に入れよう』という話だ」――。
     こう指摘するのは、憲法学の第一人者である長谷部恭男・早稲田大教授だ。昨年8月に『ナチスの「手口」と緊急事態条項』を上梓した長谷部氏に、岩上安身が9月25日、単独インタビューを実施。自民党の悲願である緊急事態条項が、戦前の「国家総動員法」に酷似しているだけでなく、ドイツのアドルフ・ヒトラー総統が「大統領緊急権」と「全権委任法」を用いて権力を掌握した「ナチスの手口」そのものであることが浮き彫りとなった。
    ▲長谷部恭男・早稲田大教授(画像URL:http://bit.ly/2EcTwYd)
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    ◆安倍総理は北朝鮮のミサイルを「緊急事態」と煽りながら本日国会解散!自民党選挙公約には「緊急事態条項」も!?◆
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    岩上「皆さん、こんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。本日は9月25日。夕刻、安倍総理が緊急記者会見を開いて、衆議院の解散について正式に発表するということになっています。臨時国会を開き、そして、冒頭に解散宣言するという見込みだそうです。
     森友・加計学園、あるいはミサイル危機の問題。国会で論じなければならないことはたくさんあるはずですけれども、そういう中、政治的空白を作ってまで解散を強行する。そして総選挙の公約の中に、『9条の加憲及び緊急事態条項を入れる』(※1)と言っています。メディアも大きく扱っていないですけれども、この大変危険な条項が、選挙にかけられるということになっています。『まさかこんなタイミングで』という感じです。
     本日は、『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(長谷部恭男、石田勇治著、集英社新書、2017年)という、IWJでもお馴染みのナチ・ヒトラー研究の第一人者、石田勇治東大教授(※2)とともに対談本を上梓されました、憲法学の第一人者、早稲田大学教授・長谷部恭男先生にお越しいただいてお話をうかがいます。長谷部先生、よろしくお願いいたします」
    長谷部「よろしくお願いいたします」

    ▲『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(長谷部恭男、石田勇治著、集英社新書、2017年)【購入URL】http://amzn.to/2nbXLfp
    岩上「こうして、単独のインタビューをさせていただくのは2度目(※3)ですけれども、本当に、なんというタイミングでしょう」
    長谷部「たまたま、こういう日に当たってしまいました」
    岩上「よくあるんですよ、こういうことが。このご著書も大変いいタイミングで出たと思いますけれども、まさか、緊急事態条項をかけての解散総選挙を正式に発表する機に、このインタビューになるとは、ちょっと驚きました。
     マスコミは9条の話は取り上げますが、緊急事態条項については本当に語らないんですね。まあ、もちろん『全然取り上げていない』とは言いませんけれども、これだけ重大な問題なのに、あまりにも関心が薄い、伝え方が少ないと感じるんです。まあ、この本を全国民が読んでくれれば、それを補って余りあるのですが。『なかなか読めない。難しい。わからない』という人もいると思うので、今日はここに書かれている内容のダイジェストといいますか、『難しい』と言う人にもわかるようにお話しいただけたらありがたいと思っています」
    長谷部「はい、わかりました」
    岩上「長谷部先生は、東大をご卒業されて、東大の大学院法学政治学研究科でずっと教授を務めてこられて、現在は、早稲田大学法学学術院教授、東大名誉教授。そして立憲デモクラシーの会(※4)の呼びかけ人でもあります。
     先生のお話に入る前に、今日の状況を説明します。冒頭で申し上げましたように、本日、安倍総理が衆議院解散総選挙の会見を開きます。投開票日は10月22日になるのではないかといわれています。北朝鮮がミサイルを発射して、『緊急事態だ。緊急事態に備えよ』と安倍総理自身が危機を煽っている中、こういう政治的空白を生むというのは、どうも釈然としません。ひと言いただけませんか?」
    ▲立憲デモクラシーの会で記者会見する長谷部恭男氏(左)と山口二郎・法政大教授(画像URL:http://bit.ly/2ncfSlg )
    長谷部「まあ、安倍総理のいろいろな発言は『よくあること』という見方をする人もいるかもしれませんが、表向きにおっしゃっていることと、実際にやっていることに、どうもちぐはぐなところがあるんじゃないかと思います。その1つの例なのかもしれないですね」
    岩上「この状態を見ていると、本当の危機ではないから、呑気に政治的空白を作れるのではないかと思います。『北朝鮮のミサイルが上空を通過した時に、日本の半分、東日本全域にJアラート(※5)を鳴らすなんて騒ぎすぎだ』との見方もできますし、逆に、『ミサイル危機は本当の危機で、もしかするとアメリカが軍事行動を取るかもしれない』(※6)という中、日本もそれに追随する準備を猛烈なスピードで整えている(※7)けれども、平然とこういうことができる。そういう意味では、ものすごく『国民の安全保障という点に関して、無頓着で無神経な人だ』と、両方の解釈ができると思うんですけれどもね」
    長谷部「表向きに言っていることと、本心で考えていることとがどこまで一致しているのか、どうもよくわからないですね。しかし、北朝鮮に対する原油の全面禁輸(※8)は、非常に重大な問題を投げかけていると思っています。日本の過去の歴史を考えてみればわかるのですが、1941年8月1日、アメリカが日本に対する石油の輸出を全面禁止しました(※9)。それがいったい何をもたらしたかということですよね。
     実は、それまではアメリカとの戦争に対して消極的であった海軍も、『このままでは石油がなくなってしまう。戦争する力自体がなくなってしまう。戦えるうちに戦争をしたらどうか』と、戦争の方向に日本を追い込むことになったわけです。まあ、『制裁をすればいいんだ。それが厳しければ厳しいほどいいんだ』ということになっています」