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記事 21件
  • 【第159-164号】岩上安身のIWJ特報!ウクライナにおける反ユダヤ主義の長い歴史をたどる 大阪大学助教・赤尾光春氏インタビュー

    2014-09-04 14:40  
    244pt
    第159~164号
    ----------------------------------------------------------------------
    岩上安身のIWJ特報!
    ウクライナにおける反ユダヤ主義の長い歴史をたどる
    大阪大学助教・赤尾光春氏インタビュー
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     7月17日、乗員・乗客298人を乗せたマレーシア航空機が、内戦が続くウクライナ東部で墜落するという大惨事が発生した。事故ではなく、何者かによって撃墜されたと見られている。
     この一報を受けてウクライナ政府は、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が、ロシアの支援を受けて地対空ミサイルによって撃墜したとする声明を発表した。
     これに対し、ロシアのプーチン大統領は、真っ向から反論。「明ら
  • 【第140-142号】岩上安身のIWJ特報!歴史修正主義者の詭弁を徹底論破! 能川元一氏インタビュー 第1部〜南京大虐殺編

    2014-05-01 13:30  
    244pt
    第140・141・142号
    ----------------------------------------------------------------------
    岩上安身のIWJ特報
    歴史修正主義者の詭弁を徹底論破!
    能川元一氏インタビュー 第1部〜南京大虐殺編
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     過去の罪を素直に認める者に対し、「自虐史観」とトンチンカンな非難を繰り出す愚か者がいる。開き直りのあとに抗議を受けては謝罪を繰り返すという「自爆」を性懲りもなく繰り返す者こそ「自爆史観」の持ち主と呼ばれるべきである。
     どんな人間であれ、どんな国であれ、自らが振るった暴力の忌まわしい過去を喜々として思い出し、自ら吹聴して回りたいものなどいるわけがない。それは人の情である。
     しかし、忘れてしまいたい恥ずかしい過去を本当に忘れてしまうのは、「痴呆」である。
     書きかえ、修正して、矮小化しようとするのは、「姑息」な「卑劣漢」である。
     恥を恥とも思わなくなったら、ただの「恥知らず」である。
     いっそ「史実」を「なかったことにしてしまえ」と否定するのは、真実に対する新たな「罪」の「上塗り」である。
     幼稚な「自爆史観」の持ち主は、「他にもひどい侵略をしていた国はいたじゃないか」と口を尖らせて言い張る。。しかし、他者の罪は他者の罪だ。我々の罪の免責には役立たない。
     もちろん、我々に罪があるからといって、我々が他者の侵略を受け入れる理由にはならない。我々には、どんな「帝国」であれ、不当利益を得る厚かましい「帝国主義」に対してこれからも遠慮なく非難する権利がある。
     また、これから先、我々が過去の罪ゆえに侵略されたり、蹂躙されたり、植民地にされても仕方がない、などという理屈には、一切与する必要がない。
     我々はいつまでも米国の「属国」に甘んじるつもりはないし、まして中国に併合されるのを黙って受け入れるなどといういわれは微塵もない。
     我々には他者の侵略をはねのける権利がある。また、そうであるからこそ、これの過去の侵略の史実を潔く認め、謝罪し、過去は過去として罪を精算した上で現在から未来にかけての「発言権」を確保すべきなのだ。
    ■にもかかわらず、「自爆史観」論者は後を絶たない
     日本では今、唾棄すべき歴史修正主義の病理が流行風邪のように猛威をふるっている。安倍総理の「お友達」や「取り巻き」らが、歴史認識についての問題発言を連発させているのは周知のとおりだ。それらの妄言は、いずれも公人によるものである。
     1月25日、新しくNHKの会長に就任した籾井(もみい)勝人氏(日本ユニシス前社長)は、就任会見で、旧日本軍の従軍慰安婦について、「戦争をしているどこの国にもあった」と発言した。重ねて、「なぜオランダにまだ飾り窓(売春街)があるんですか」などとも述べ、売春婦はどこにでも存在する例としてオランダを持ち出しながら、あたかも旧日本軍による従軍慰安婦の制度に何の問題もなかったかのように発言した。
    ※NHK籾井新会長「従軍慰安婦、どこの国にもあった」
    (朝日新聞、1月26日【URL】 http://bit.ly/M8Ezug )
     この発言が問題視された籾井氏は、国会に参考人として招致され、野党から追及を受けたものの、辞任要求はかわし続けている。3月19日の参議院予算委員会では、民主党の徳永エリ議員から出された辞任要求に対し、「NHK会長の重みをしっかり受け止め、放送法に基づいて公共放送の使命を果たしていくことで、会長の責任をまっとうする」などとこれを拒否。安倍総理は籾井氏を、「会長は経営委員会によって適切に選任されている」と擁護した。
    ※NHK会長「会長の責任を全うする」辞任改めて否定
    (テレビ朝日、3月19日【URL】 http://bit.ly/OXeqiL )
     同じくNHKの経営委員である作家の百田尚樹氏は、東京都知事選の応援演説で、「1938年に蔣介石が日本が南京大虐殺をしたとやたら宣伝したが、世界の国は無視した。なぜか。そんなことはなかったからだ」と、あろうことか、南京虐殺の「史実」そのものを全否定した。「極東軍事裁判で亡霊のごとく南京大虐殺が出て来たのは、アメリカ軍が自分たちの罪を相殺するためだ」などと、白昼、銀座のど真ん中で「自爆」演説を繰り返した。
    ▲街頭演説する百田尚樹氏(写真URL: http://bit.ly/1lASjLJ )※2014/02/03 東京都知事選 田母神俊雄候補 街頭演説 応援:百田尚樹氏
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123407
     百田氏のこの「南京大虐殺・否定論」には、同盟国であるはずの米国が激しく反発。2月8日、在日米国大使館は、米政府公式の統一見解として、百田氏の発言を「非常識だ」と強く批判した。さらに、NHKがキャロライン・ケネディ駐日大使の取材を米国大使館に申し込んだところ、百田氏の発言を理由に、大使館側から難色を示されていたことが判明した。
    ※百田氏発言「非常識」=米大使館
    (時事通信、2月8日【URL】 http://bit.ly/1c8I9ht )
    ※百田氏発言、報道に波及 NHKの取材 米大使館難色
    (共同通信、2月15日【URL】 http://bit.ly/1dSfucO )
     米国大使館が、米国政府の統一見解として声明を発表している以上、これは紛れもなく外交問題である。米国がこのように外交問題化したのは、籾井氏も百田氏も、NHKの会長あるいは経営委員という、まぎれもない公人の立場にある人間だからだ。
     「自分には言論の自由がある」と百田氏は開き直ったが、公人には公人としての節度や責任がある。言論一本で飯を食っているという矜持がカケラほどでも残っているなら、NHKの経営委員というポストに未練がましくしがみついていないで、すっぱりと辞職して、一人の物書きとして「言論の自由」を謳歌したらどうなのか。
     また、百田氏と同じく安倍総理の「お友だち」として、NHKの経営委員の座に座った長谷川三千子・埼玉大学名誉教授が、新右翼の活動家で、朝日新聞東京本社で拳銃自殺した野村秋介氏について、「神にその死をささげた」などと称賛する追悼文を寄稿していたことが、2月5日に報じられた。
    ※長谷川三千子氏、政治団体代表の拳銃自殺を称賛
    (朝日新聞、2月5日【URL】 http://bit.ly/1eAIQwg )
     菅義偉官房長官が、「日本を代表する哲学者」などと称賛する長谷川氏の近著『神やぶれたまはず 昭和二十年八月十五日正午』(中央公論新社、2013年7月)の結語には、次のような一文が記されている。
     「歴史上の事実として、本土決戦は行はれず、天皇は処刑されなかつた。しかし、昭和二十年八月のあの一瞬ーほんの一瞬ー日本国民全員の命と天皇陛下の命とは、あひ並んでホロコーストのたきぎの上に横たはつていたのである」
     これは長谷川氏が、1945年8月15日、昭和天皇による玉音放送が流れたその瞬間を描写したものである。ホロコーストとはナチスによるユダヤ人の大虐殺を指す言葉だ。「日本国民全員の命と天皇陛下の命とは、あひ並んでホロコーストのたきぎの上に横たはつていた」というのは、天皇と日本国民とが、連合軍によって大虐殺される瀬戸際にあった、としか読みとりようがない。
     だがこれは、事実とはかけ離れた「言いがかり」である。日本はポツダム宣言を8月14日に受諾し、15日に天皇によるラジオ放送(玉音放送)によって国民にその事実を伝えた。では、日本が受諾したそのポツダム宣言には実際には何が書かれていたか。「日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではない」「日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める」といった文言である。どこをどう読めば、「日本国民全員の命と天皇陛下の命」が、「ホロコーストのたきぎの上に」くべられようとしていたことになるのか。歪曲もはなはだしい。英語が堪能である長谷川氏は、自ら英文にして出版すればどうか。中央公論社は伝統ある出版社だったが、読売に買収されて、とうとうここまで堕したのだから、英文の出版まで面倒みたらよかろう。
     この本の内容が英文に翻訳され、海外で読まれれば、激烈な反発が寄せられることであろう。長谷川氏も、NHKの経営委員という、紛れもない公人である。その言動の責任は問われなければならない。
     このような、事実を平然と歪曲する、きわめて質の低い極右的な言論が横行するのは、世代が交代し、戦争の現実を体験者から語り伝えられることがなく、近現代史についての知識が欠落した人の数が、かつてなく増えているからであろう。
     2月9日に投開票が行われた東京都知事選では、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が約61万票を獲得。田母神氏を支持したのは、主に20代を中心とした若者であると言われ、朝日新聞が都内180ヶ所の投票所で実施した出口調査によると、20代では、36%の舛添氏に次いで、田母神氏が24%で2位。30代でも、17%で3位と、若年層を中心に、広範な支持を得ていたことがはっきりと分かる。
     田母神氏は、2008年10月に発表された『日本は侵略国家であったのか』
    (【URL】 http://bit.ly/1kUggeN )という論文で、「蒋介石はコミンテルンの手先だった」「大東亜戦争の後、多くのアジア、アフリカ諸国が白人国家の支配から解放されることになった。人種平等の世界が到来し国家間の問題も話し合いによって解決される ようになった。それは日露戦争、そして大東亜戦争を戦った日本の力 によるものである」「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」など、唯我独尊、夜郎自大の歴史観を披露し、航空幕僚長を更迭されている。公人として歴史修正主義的な見解を披露した、代表的な人物である。

    ▲田母神俊雄氏(写真URL: http://bit.ly/1mfB85l ) 籾井氏、百田氏、長谷川氏、田母神氏といった公人から、歴史修正主義的な発言が連発し、それに対して多くの若者が共感を寄せているという現状。そうした「右傾化」の波に乗った安倍政権は、「公的」なお墨付きを与えるような動きすら見せてきた。
     2月28日、菅義偉官房長官は、「河野談話」について、検証を行う作業チームを作ると発言した。「河野談話」は、第二次世界大戦中の慰安所が、「当時の軍当局の要請により設営された」ものであり、慰安婦の移送について「旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」のものであることを認め、「お詫びと反省」を表明したものであり、代々の政権によって継承されてきた。その「河野談話」の検証を行うということは、これまでの日本政府の姿勢の見直しや修正を画策しているということではないかと、国内外からの疑念と批判を呼び起こした。
    ※河野談話をめぐる安倍首相・菅官房長官の発言詳細
    (朝日新聞、3月14日【URL】 http://bit.ly/1qstjHQ )
     安倍総理と菅官房長官はともに、河野談話の見直しについては、「政府の基本的立場は官房長官談話を継承するということだ」などと否定してみせた。しかし、見直しを行わず、歴代内閣の立場を継承するというならば、慰安婦問題そのものについての大がかりな実態調査を行わず、なぜわざわざ「河野談話」についてのみ検証を行うのか、その理由がわからない。ここには、検証チームの作業によって、慰安婦問題の実態の解明は回避しつつ、「河野談話」の信用性のみを貶めたいとの安倍政権の姑息な意志が透けて見える。
     現在の日本社会において、南京大虐殺や従軍慰安婦など、過去の醜悪な歴史的事実を否認し、それを塗り替えようとする欲望が巻き起こっているのはなぜなのか。そのような歴史修正主義の考えは、どこから生まれ、どのような論法を用いているのか。何よりも、果たして事実はいかなるものであったのか。
     証拠となる史料を膨大に積みあげて、南京大虐殺や従軍慰安婦の否定論の論破を試みている知識人がいる。哲学者・能川元一氏である。
     能川氏は、膨大な一次資料をもとに、歴史修正主義者の発言をひとつひとつ論破し続けている。そのうえで、歴史修正主義者に特有の論法も巧みに分析している。中国、韓国との関係が「戦後最悪」とまで言われ、日本人の歴史認識が改めて問われている今、必読のインタビューである。
     以下、能川氏へのインタビューの全文を掲載する。(文・岩上安身)
     
  • 【第139号】岩上安身のIWJ特報!オバマ大統領の来日に向けて、ネオコン・シンクタンクが狙う日米の軍事同盟強化路線 ~ヘリテージ財団、CSISでの講演の翻訳を公開

    2014-04-23 16:39  
    244pt
    第139号
    ――――――――――――――――――
    岩上安身のIWJ特報!
    オバマ大統領の来日に向けて、ネオコン・シンクタンクが狙う日米の軍事同盟強化路線 〜ヘリテージ財団、CSISでの講演の翻訳を公開
    ――――――――――――――――――
     米国のオバマ大統領の来日が、4月23日夜から25日の2泊3日という日程で確定となった。「国賓」として迎えられる大統領は、安倍総理との首脳会談や、天皇皇后両陛下との会見などに出席する予定である。
     IWJでは、オバマ来日の目的を探るべく、米民主党に近いシンクタンクとして知られるブルッキングス研究所で3月6日に行われた、トーマス・ドニロン前大統領補佐官の講演内容をご紹介した。
    ※【IWJブログ】元オバマ政権中枢人物が語る、日米同盟の今後とオバマ訪日の目的 ~トーマス・ドニロン前米大統領補佐官による、米シンクタンクでの講演の翻訳を公開
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/130122
     一方、米国保守派のシンクタンクは、今回のオバマ来日をどのように考えているのだろうか。ドニロン氏の講演の2週間後、ほぼ時期を同じくして、二大ネオコン・シンクタンクである、ヘリテージ財団とCSIS(戦略国際問題研究所)で、それぞれ講演が開催された。
     3月19日のヘリテージ財団の講演には、「安倍総理への指令書」とも言われている『第3次アーミテージレポート』の作成に関わったランドール・シュライバー氏、そして「日本のナショナリズムの高揚が、米国の政策目標を達成する絶好の機会」と論じた『クリングナー論文』の著者であるブルース・クリングナー氏が登壇した。
     そして、3月21日のCSISの講演では、上記アーミテージレポートの共著者である、リチャード・アーミテージ氏とジョセフ・ナイ氏が登場。北朝鮮や中国の軍事的脅威に備え、日米同盟をさらに強化すべきという、従来からの主張を繰り返した。
    ※【IWJブログ】「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載 
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226
    ※ヘリテージ財団「クリングナー論文」全文翻訳掲載
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118349
     ヘリテージ財団とCSISという二大保守派シンクタンクが、現在の日本の対米政策にいかに大きな影響を与えているかは、あらためて言うまでもないだろう。
     ヘリテージ財団では、石原慎太郎氏が東京都知事だった2012年4月16日、「東京都が尖閣諸島を買います」と発言し、現在の尖閣問題の「火付け役」となった講演を行った。クリングナー氏の言う、「米国のために日本のナショナリズムを煽る」道化役を、石原氏が見事に演じた場所だ。
     そして、CSISは、昨年2月22日、オバマ大統領との会談を終えた安倍総理が講演を行い、「Japan is back(日本は戻ってきました)」「I am back(私は戻ってきました)」と宣言したシンクタンクである。総理は、会場最前列にいたアーミテージ氏に対して、「アーミテージさん、ありがとうございます」と謝辞を述べ、「日本は一流国になりたいのか、二流国でかまわないのか」というアーミテージ派の無遠慮な問いに対し、「日本は二流国にはなりません」と子供のような約束をし、対米従属の姿勢をさらけ出した。
    ※【IWJブログ】高揚する日本の「不健全なナショナリズム」 背後でうごめくワシントンの影
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118337
    ※2013/02/27 【IWJブログ:「アーミテージさん、ありがとうございます」属国日本の姿を堂々とさらけ出した安倍総理 米講演で】 
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/61863
     オバマ大統領に先んじて、4月5日・6日にはヘーゲル米国防長官が来日。日中間の尖閣問題を巡り「日米安保条約に基づく防衛義務を果たす」ことを確約し、北朝鮮の脅威に対してイージス艦2隻を横須賀に配備することで合意した。ネオコン・シンクタンクが主張する「日米間の軍事同盟強化」への地ならしは、着々と進んでいる。
    ※ロイター 2014年4月6日 「米国防長官、尖閣めぐり中国けん制 日本にイージス艦2隻追加配備」
    http://bit.ly/1eWtYzW
     以下、両講演における各氏の発言の要約を翻訳し、ご紹介する。講演の模様は、各シンクタンクのホームページに公開されている。
    ・ヘリテージ財団: http://herit.ag/1hxDKVa
    ・CSIS: http://bit.ly/1eTQ0D0
     ネオコン・シンクタンクの政策に対しては、これらに反対する識者の意見も海外メディアに出てきている。今後、これらの反論も紹介しながら、引き続きオバマ政権の対日政策についての情報を提供する予定である。
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    Preview of the President’s Asia Trip
    Wednesday, Mar 19, 2014
    http://herit.ag/1hxDKVa
    ヘリテージ財団 「大統領のアジア訪問のプレビュー」
    2014年3月19日(水)
    講演者
    ランドール・シュライバー(元ブッシュ政権国務次官補)
    ブルース・クリングナー(ヘリテージ財団上級研究員)
    司会
    ウォルターローマン(ヘリテージ財団・アジア研究センター長)
    ===================================
    ◆ウクライナ政変と日米同盟のありようのリンケージ ~ランドール・シュライバー氏:3月19日ヘリテージ財団講演より◆
    ===================================
    シュライバー氏「オバマ大統領の日本訪問は、絶好のチャンス(Window of Opportunity)です。日本は政権が安定しており、安倍政権2.0は非常にうまくやっていて、支持率も高い。アジアリバランス戦略においては、日本がその戦略基盤となります。ウクライナやシリア問題があるなかでも、アジアに注意を向けていることを示す機会になります。中国や北朝鮮の脅威によって、日米同盟の役割がますます重要になっており、これらの機会を実行に移すことにエネルギーを注ぐべきです。
     TPPや日米協議の進展は難航しており、にらみ合いが続いていますが、まずは米国が動かなければいけません。TPA(貿易促進権限)がなければ、日本にタフな要求をすることは難しくなります。米国の信用問題にかかわることで、大統領のリーダーシップが問われる問題です。日米の二国がうまく行かなければ、交渉全体はがれきのように崩れてしまうでしょう。
     軍と軍の関係も課題です。日米共同の自衛ガイドラインをどう作るか。オバマは歳出自動削減条項(セクエストレーション)の問題を含めて、どのように日米で防衛協力していくか、強い確信を示す必要があります。オバマが日本の集団的自衛権に関して、憲法解釈の変更を支持するとのお墨を与えれば、官僚たちがしっかり仕事できます。憲法9条も議論されている今が、タイムリーです。
     日米同盟は軍事だけでなく、エネルギー問題でもパートナーシップとなり得ます。日本は原発事故後、エネルギー問題に悩まされていますが、米国が問題解決の大きな一助となることができます。TPPが進めば、LNGの輸出などもしやすくなるでしょう。ウクライナ問題で、ロシアから(日本へ)の供給が不安定になれば、なおさら重要です」
     ウクライナの内政問題に、米国は自分の庭であるかのように首を突っ込んでいる。米国は、ウクライナで2014年2月に樹立した新政権を支持し、3月にはさっそくヤツェニュク首相とオバマ大統領の会談を行っている。そして、クリミア自治共和国とセヴァストーポリ特別市がロシアへの編入を訴える声を上げ始めると、米国はロシアに対する経済制裁を行った。さらに、ウクライナ東部で親ロシア派勢力が市庁舎などの占拠を行うと、米国はその背後にロシアがいると決めつけ、ロシアへの制裁をさらに強めることを検討し始めた。ウクライナ問題が、米国対ロシアの対決として浮かび上がってきたのである。 
  • 【緊急企画】クロストークカフェ 郭洋春 × 醍醐聰 × 岩上安身 ~亡国の罠・TPPを語りつくす~[6月14日]

    2013-06-12 19:18  
    6月14日(金)、「亡国の罠・TPPを語りつくす」と題したクロストークカフェを開催!TPPに警鐘と鳴らし続けている、郭洋春氏(立教大学教授)と醍醐聰氏(東大名誉教授)をゲストに迎え、岩上安身とともにTPPの問題点、最新情報について語りつくします!詳細→ http://bit.ly/17Z5z7qそこで6月12日・13日夜8時より、クロストークカフェで登壇する、郭洋春氏と醍醐聰氏への岩上安身インタビューを、それぞれ再配信します!【6月12日 夜8時より】2月21日「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビューhttp://live.nicovideo.jp/watch/lv141268690【6月13日 夜8時より】4月30日「TPPは国益ではなく、多国籍企業益である」 TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会・醍
  • 【第86-87号】岩上安身のIWJ特報!TPP・安倍政権に対米交渉能力は皆無である!~「経済植民地」条約・米韓FTAよりさらに不平等なTPP・日米事前協議の衝撃の中身

    2013-06-06 19:33  
    220pt
    第86+87号
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    岩上安身のIWJ特報!
                                    安倍政権に対米交渉能力は皆無である!
                                     ~衆院選での公約は早くも反故に!
    「経済植民地」条約・米韓FTAよりさらに不平等なTPP・日米事前協議の衝撃の中身!~スクープ!日本政府担当官が告白「日米合意文書のどこをつまんで自国政府に都合よく書こうと自由」
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「交渉力を駆使し、我が国として守るべきものは守り、攻めるものは攻めていきます」――。3月15日、安倍総理はTPP交渉参加声明にあたって、記者会見で強調した。
     それから約一ヶ月後の4月12日、「日本のTPP交渉参加を米国に承認してもらうため」に行なっていた、日米二国間の事前協議が決着した。
     「強い交渉力」で臨んだはずの安倍政権は、蓋を開けてみると、米国に「牛肉」「保険」「自動車」分野で譲歩に譲歩を重ね、驚くほど不平等な条件をのまされたことが明らかになった。その詳細を見ると、屈辱の不平等条約とされる米韓FTAで韓国がのまされた条件よりも、さらに一段と不利な条件をのまされている。
     安倍氏も自民党も、「守るべき国益は守る」と、昨年の衆院選前から繰り返し豪語してきた。それがどうしたことか、「守るべきもの」を何ひとつ守ることができていない。TPPという「ぼったくりバー」に入るために、莫大な「入場料」を払わせられている現状は、安倍政権には対米交渉能力が皆無であることをはっきり示している。
    ■「牛肉」については早々に米国に譲歩
     TPP交渉参加の「入場料」の一つである「牛肉」については、日本政府は早々に譲歩している。
     2001年に国内で狂牛病の発生が確認されて以来、日本政府は、「食の安全を守れ」という声の高まりに押されて、規制を強化してきた。米国はそうした規制の緩和を強く求めてきたのだが、今回、米国の規制緩和要求をほぼ丸呑みするかたちで、日本政府は今年4月、BSE検査の対象月齢を、21カ月以上から30カ月超に引き上げた。
    【URL】http://bit.ly/Y4V0dZ
     さらに、7月にも検査対象を48カ月超に緩和し、全国の自治体が自主的に行っている全頭検査も廃止するよう求める方針である。今後は、この規制緩和を、米国の要求通り、米国産など輸入牛肉へ適用していく予定だ。我々日本国民の「食の安全」や「食糧自給」に大きく影響する決定事項を、安倍政権は米国におもねるかたちで性急に進めている。
    ■「自動車」分野では、米韓FTA以上に不利な条件で合意
     4月12日に発表された、日米事前協議の合意文書によると、自動車分野では、米国側が輸入する日本車にかける関税撤廃までの期間は、最大限に「後ろ倒し」され、その期間は「米韓FTA(最長10年)を上回る」とされることがほぼ決まった。
     つまり、TPP発効後、10年以上にわたり米国は輸入される日本車に対して関税をかけ続けるわけである。同文書では、米韓FTAにおける、米国内の輸入韓国車に対する関税撤廃までの猶予期間(乗用車は5年・トラックは10年)を「実質的に上回る」ことを確認したとしている。
     では、日本側はどうかと言えば、日本はすでに1978年に、「関税定率法」により、輸入車に対する関税を撤廃している。米国からの輸入車に対して、そもそも日本側は関税をかけていないのである。他方、米国側は日本車に対して関税をかけ続けるわけである。不平等きわまりない話ではないか。
     米韓FTAは、韓国が事実上、米国の「経済植民地」となってしまった途方もない「不平等条約」とも評されているが、それよりも不平等な条件を安倍政権はのんでしまったのである。
     だが、話はそれだけではとどまらない。
     

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  • 【第84-85号】岩上安身のIWJ特報!「第3次アーミテージレポート」全文翻訳・完全注解(2)(3)

    2013-05-05 13:54  
    220pt
      第84号
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                 岩上安身のIWJ特報
          「第3次アーミテージレポート」全文翻訳・完全注解
        〜属国・日本への米国からの命令書を徹底的に読み解く(2)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ==================================
    ◆異常に高い日本の◯◯◯
    ==================================
     唐突だが、クイズである。次の数字は何を表しているか、お分かりだろうか?
    < インド60%、ナイジェリア63%、中国64%、フィリピン70% >
     御覧の通り、発展途上国では、軒並み高い数値である。次に、先進国を見てみよう。
    < 英国14%、米国26%、ロシア29%、イタリア34%、ドイツ36% >
     今度は発展途上国に比べ、先進諸国ではずっと低くなっていることが分かる。
     さて、これが何を示す数値かお分かりになったであろうか?
     実はこれは、「マスコミの鵜呑み度」を示した数字で、日本はなんと70%なのである。
     これらの数値は、東京都市大学名誉教授の青山貞一氏が調査を行ったもので、青山氏が運営するHP上に掲載されている(※1)。
     その中で青山氏が「日本国民は新聞、テレビなどマスメディアの情報を先進国の中で最も無批判に信頼している」と述べているように、日本国民のマスコミへの信頼度は、他の先進国と比べても明らかに高い数値であり、発展途上国と同じレベルなのである。
     さらにもうひとつ、興味深いデータとして、新聞の発行部数がある。
     国際ABC協会(※2)によると、2011年の新聞発行部数世界第1位は読売新聞(約1000万部)で、2位が朝日新聞(約775万部)、3位がインドの「The Times of India」(約410万部)、4位が毎日新聞(約340万部)、5位が日本経済新聞(約300万部)となっており、上位5位内に、日本の新聞会社が4つも入っている。
     つまり、日本は、世界一の新聞大国であり、国民は世界で最も新聞を読み、そしてそれを疑いもせずに鵜呑みにしている発展途上国と同じレベルの民度の国なのである。言い方を変えれば、世界で最も新聞・テレビに「洗脳」され、「操作」されている国民なのだ。
    (※1)「E-wave Toyko」に掲載されている論評「日本人のマスメディア<鵜呑み度>は世界一」
    http://eritokyo.jp/independent/aoyama-column1.htm
    (※2)国際ABC協会とは、IFABC(International Federation of Audit Bureaux of Circulations)のこと。公式ホームページは(http://www.ifabc.org/)
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    ◆冷遇された安倍総理とその逆を報じるメディア
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     日本のメディアによる情報操作(マニピュレーション)の、ほんの一例を挙げよう。
     2月22日(現地時間)にオバマ米大統領と会談を行った安倍晋三総理は、普天間飛行場移設を早期に進めることや、原発ゼロの見直し、北朝鮮への制裁強化などを約束した。特にTPPについては、共同声明を発表し、交渉参加を表明。正式な交渉会合への参加に向けて一段と加速した動きを見せている。
     しかし、日米首脳会談で話し合われた議題に対する安倍総理の答えは、どれも米国側から言い渡されたものだ。本メルマガで取り上げている第3次アーミテージレポート(昨年8月発表)には、会談で取り上げられた課題について、米国から日本への要求が書かれている。
     さらに、2月19日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙には、安倍総理への公開書簡として、防衛予算の増額や中国を煽らないことなどを命令口調で指示されている(※3)。2月以降の安倍総理の動きは、まさにこのシナリオ通りだった。
     首脳会談の直後、日本の一部マスコミは、「攻めた首相『期待以上の成果』(※4)」「TPP交渉参加、米から『満額回答』(※5)」「抹茶アイス用意しました…好意表すオバマ大統領(※6)」などと題した記事を報道し、その「成功」を煽った。
     しかし、実際はどうだったか。
     昼食会では、オバマ大統領はミネラルウォーターしか飲まず、夕食会はなし。会談後の共同記者会見も、ファースト・レディー外交もない。会見終了後、報道陣の前に姿を現した2人は、記者から言われるまで握手すらしなかった。「成功」どころか、完全に邪険な扱いをされているのである。
     こうした真実を多くの国民は知らされず、一部の操作された事実のみを受け取り、それを信じてしまう。それが日本の現状なのである。
    (※3)2013年2月19日 ウォール・ストリート・ジャーナル(日本語記事)
    http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324903404578313200398034088.html
    (※4)2013年2月24日 産経新聞
    http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130224/plc13022401340001-n1.htm
    (※5)2013年2月23日 Sankei Biz
    http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130223/mca1302231745016-n1.htm
    (※6)2013年2月24日 読売新聞
    http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130223-OYT1T00859.htm?from=ylist
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    ◆第3次アーミテージレポートは何を言っているか
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     さて、ここからが本題である。
     本メルマガは、今年2月3日に発行した「岩上安身のIWJ特報!第75号 『第3次アーミテージレポート』全文翻訳・完全注解(1)」の続編である。
     この第75号のメルマガ発行に合わせて、「第3次アーミテージレポート」の全文翻訳記事をホームページで公開したところ、これまでにないほどのアクセス数を記録し、また大変多くの反響があった(※7)。
     全文翻訳を読み進めていけば、アーミテージレポートのシナリオに沿って日本政府が動いていることに、否応なく気づくことだろう。しかし、こうした不都合な真実を、日本のマスメディアは決して報じない。
     「第3次アーミテージレポート」は、「はじめに」「エネルギー安全保障」「経済と貿易」「近隣諸国との関係」「新しい安全保障戦略に向けて」「結論」「提言」の7つの章に分かれているが、前回のメルマガでは、「はじめに」と「エネルギー安全保障」の前半部分を紹介した。本メルマガでは、「エネルギー安全保障」の後半部分についての分析を紹介したい。
     「エネルギー安全保障」の後半は、「天然ガス」「メタンハイドレート」「地球規模の石油、ならびにガス共有地/公有地の確保」「経済と貿易」「日米経済関係の活性化と確保」といった5つのカテゴリから成っている。
     先の3つのカテゴリでは、それぞれのエネルギー資源についての貿易状況を伝えるとともに、「安全保障体制の一環として、米国と日本は、軍事上の同盟だけでなく、天然資源に関しても同盟すべき」などと述べている。そして「(ペルシャ湾と日本を結ぶ)シーレーンの確保などにおいては、東京(日本政府)は多国籍軍との協力を強化する必要がある」とペルシャ湾への自衛隊派遣という具体的な要求まで行っている。
     あとの2つのカテゴリでは、日本にTPPへの交渉参加を促し、さらに、米国・日本・カナダ・メキシコの4カ国でつくるエネルギー・安全保障協定(CEESA)に参加するよう求めてきている。このCEESAについては後述するが、その内容からは日本に対する米国の傲慢な姿勢を窺い知ることができる。
    (※7)「第3次アーミテージレポート全文翻訳掲載」
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226
     

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  • 【第83号】岩上安身のIWJ特報! 国民を”愚民”化する日本のメディア 〜尖閣問題をめぐる米国首脳の発言を読み解く

    2013-04-30 16:53  
    220pt
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    第83号
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                 岩上安身のIWJ特報!
             国民を”愚民”化する日本のメディア
            〜尖閣問題をめぐる米国首脳の発言を読み解く
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       「上陸するとなれば、強制排除するのは当然のことだ」――安倍総理は4月23日の参議院予算委員会でこのように発言し、中国の漁船が尖閣諸島への上陸を試みた場合、海上保安庁などに指示し、物理的に上陸を阻止する考えを示した。
       「棚上げすべき問題は存在しない」、「断固たる措置を取る」、そして今回の「強制排除」発言。こうした一連の発言に見られる、尖閣諸島に関する安倍総理の対中強硬姿勢の背景には、「尖閣に関しては、アメリカが日本の立場を支持している」との意識が働いていると見て、まず間違いないだろう。
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    ◆決して報じられない” As I’ve said many times before”(これまで何度も言ってきたことだが)
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       日本の記者クラブメディアが、足並みそろえて明々白々の嘘をつくことはそうはない。だが、事実を巧妙に隠すことはしばしばである。
       尖閣問題に関しては、繰り返し、米国首脳の言葉の一部を翻訳せず、世論の誘導を行なってきた。
       1月18日に行われた岸田文雄外務大臣とクリントン国務長官(当時)の共同会見を、日本経済新聞は1月19日付けで「クリントン長官は沖縄県の尖閣諸島をめぐって『日本の施政権を一方的に害するいかなる行為にも反対する』と述べ、従来より踏み込んだ表現で中国の動きをけん制した」と報じた(【URL】http://s.nikkei.com/11Nymc2)。
       他にも大手メディアは、「米側、尖閣での中国の挑発けん制…日米外相会談」(読売 1月19日)「中国の尖閣接近『反対』米国務長官、岸田外相に明言」(朝日 1月19日)「日米外相会談:米が日本指示踏み込む 来月の首脳会談合意」(毎日 1月19日)「日米首脳会談 米、尖閣で中国けん制 来月後半に首脳会談(東京新聞1月19日)と、一律に、尖閣に関して米国側が明確に日本の立場を後押しし、中国をけん制していると伝えた。
      しかし、アメリカ国務省に掲載されている議事録を参照すると、クリントン長官の発言が、日本の大手メディアの報道と大きくニュアンスが異なるものであることが分かるのである。
     

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  • 【第82号】岩上安身のIWJ特報!「ワクチンを接種してもガンにかかる可能性がある」~子宮頸がんワクチン接種当事者の手記

    2013-04-29 23:10  
    220pt
    第82号
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                    岩上安身のIWJ特報!
            「ワクチンを接種してもガンにかかる可能性がある」
              ~子宮頸がんワクチン接種当事者の手記
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     「子宮頸がんワクチンっていうのができたんだって。打ちに行こう」―。
     これは、2年前の2011年、私がワクチン被害の当事者に直接取材を行い、ワクチン接種当事者ご本人からいただいた手記の冒頭の一節だ。ワクチンを接種する本人とその家族は、ワクチンでガンを防ぐことができる、と素朴に信じ、気軽にワクチンを接種してきたのだ。
     しかし、そのワクチンに潜む副反応(※注1)の危険性についての注意喚起はほとんどされることがなく、被害に苦しむ人々に目が向けられることもなかった。

    (※注1)副反応:ワクチン接種に伴う、免疫の付与以外の反応のことを指す。その他、疾病の治療薬の場合、投与目的以外の作用は副作用と呼ばれ区別されている。

     日本国内において子宮頸(けい)がんで亡くなる方は、2009年のデータで年間2,519人、がんを患ったのは2005年で年間8,474人と報告されている( http://urx.nu/3TYp )。これを減少させることを目的として導入されたのが、現在問題視されている子宮頸がんワクチン(以下、HPV(※注2)ワクチン)だ。

    (※注2)HPV:ヒトパピローマウイルスの略で、約100種類の「型」に分類されている。このうち、子宮頸がんの発生と密接に関係しているとされている「型」があり、日本で承認されているHPVワクチン2種(サーバリックス・ガーダシル)は16型・18型のHPVを予防できると言われているワクチンである。

     このHPVワクチンは、接種後の副反応やワクチンの有効性について疑問を呼ぶ声も存在しており、現状の掌握が十分でない状況である。しかし、予防接種法の改正に伴い、今月からワクチンの接種がこれまでの任意接種から定期接種となり、小学校6年生から高校1年生の女子が対象と定められた。
     3月11日に厚生労働省へ報告されたHPVワクチンによる国内での副反応の報告件数は、サーバリックスが接種回数約684万回(推定273万人)のうち1681件、ガーダシルが接種回数約145万回(推定69万人)のうち245件である。サーバリックスにおいては1名の死亡例も報告されている( http://urx.nu/3TYB , http://urx.nu/3TYC )。
     被害の症状は、失神・激しい頭痛・発熱・全身の痛み・けいれん・呼吸困難・吐き気・記憶障害・計算障害・歩行障害から難病に至るまで、あらゆる症状が報告されているという。HPVワクチンの十分な抗体ができるには3回の接種が必要であると言われているが、被害者の証言では、接種をする度に症状が悪化していると見られる。
     子宮頸がんワクチンの副反応の問題は、定期接種化になる前から指摘され続けてきた。しかし、被害の当事者が自らの症状を表立って語ることは非常に難しく、センシティブな問題なのである。それは、被害者本人が10代から20代といった若い女性であるケースがほとんどであることを見ても想像に難くない。
     他方、ワクチンによって子宮頸がんを予防できると強く主張するグループも存在する。どちらが科学的に正しいのか、開かれた議論が必要であろう。現状では、ワクチンの副反応の危険性を大きく取り上げるメディアはまだまだ少ない。情報のバランスがとれているとは言いがたい。推進派・反対派双方の主張が議論の俎上にあげられる必要があるのではないだろうか。
     冒頭で触れたように、私は2011年の時点でワクチン接種の当事者に取材を行い、ご本人から手記を寄稿していただいた。接種当事者が実体験にもとづいてワクチンに関する思いや問題点を語る、非常に貴重な内容となっている。この場を借りて、手記を書いてくださったAさんに深く感謝申し上げたい。 

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  • 防衛省がPAC3配備 北朝鮮がミサイル発射か!?元内閣官房副長官補・柳澤協二氏に緊急インタビュー

    2013-04-10 15:58  
    17時より、元内閣官房副長官補・柳澤協二氏への緊急インタビューを再配信!
    http://live.nicovideo.jp/watch/lv133598131 日本政府が、東京・市ヶ谷の防衛省敷地内に、地対空誘導パトリオット「PAC3」を配備した。北朝鮮によるミサイル発射に備えたものだと見られる。菅義偉官房長官が9日の会見で正式に認めた。
     現在、メディアは、北朝鮮の動きについてほとんど何も伝えていない。唯一、韓国国防総省が、ミサイル発射の時期は「10日の可能性が高い」と公表したことが漏れ伝わってくるだけだ。
     北朝鮮はこれまで、1993年、1998年、2006年、2009年、2012年4月と12月の、計6回にわたり、ミサイルを発射した。その都度、例えば金日成の生誕100周年にあわせて発射予告を行なうなど、北朝鮮側はミサイル発射の兆候を示してきた。
     しかし、今回はそうしたことが報じられて
  • 【第81号】岩上安身のIWJ特報!「『射殺せよ!』と叫ぶデモが吹き荒れたあとの街で」(後編)

    2013-04-07 17:42  
    220pt
     前編の発行から約一ヶ月。
     この間、新大久保や大阪・鶴橋で行われている差別・排外デモへの関心はますます高まっている。永田町では、民主党・有田芳生議員の呼びかけによって、この問題を扱った院内集会が開かれた。有田議員は、差別デモについて、「新大久保、鶴橋で行われたシュプレヒコールやプラカ―ドなどは、表現の自由から一線を超えている」と、問題視。「法務委員会に所属する参議院議員として、国会でも発信していく」と、この問題に取り組んでいく意気込みを示した。
     また、法曹界では、12人の弁護士有志が、「外国人の安全を守る責任があるのに、適切な防止策をとっていない」として、警視庁に対し、周辺住民の安全確保するよう申し入れを行った。
     梓澤和幸弁護士は「在日韓国人の恐怖感は高まっており、身体に危険がおよぶ可能性もある」と、この問題の深刻さを訴えた。
     排外デモに対する市民の反応にも変化の兆しがみられる。2月には、30人ほどで掲げていた「仲良くしようぜ」と書かれたプラカードも、今では、大久保通りを埋め尽くすほどに膨れ上がった。「レイシスト帰れ!」、「日本の恥!」と、抗議の声を上げにくる市民の数は、着実に増え続けている。今では、こうした反差別を訴える市民の数が、差別デモ参加者数を凌ぐ勢いである。
     その影響もあってだろう、デモ主催者は、出発前の集会で、「殺せ」などのヘイトスピーチを自粛するよう呼びかけるようになった。もっとも、自粛しつつあるとはいえ、今でも過激なシュプレヒコールや暴言は飛び交うが、そうした声も、カウンターを仕掛ける市民らの怒号がかき消している。
     しかし、批判の声は高まっても、在特会のような排外主義者は変わらずにデモを続けようとしており、変化が見られるといえど、状況が改善したとは言いがたい。新大久保では、今も「朝鮮恥獣密集地帯」、「韓国人女性=腐れ売春婦」といった差別的なプラカードが上がっている。新大久保で生活する在日韓国人は、きっと、こうした侮蔑的なプラカードを目にしているだろう。
     また、大阪では、同様のデモ参加者の男性が、「大阪市民の皆さん、街中で韓国・朝鮮人を見かけたら、石を投げつけ、朝鮮人の女をレイプしてもいいんですよ!」などと、加害行為の扇動まで行なっている。これほど明白な脅迫、暴力の煽動、予告が公然と行われていても、警察はまったく動こうとしない。「異常事態」であるという他ない。
     差別と侮辱と脅迫の対象となった在日韓国人は、こうしたデモやスピーチ、プラカードに対し、どのような思いを抱いているのだろうか。前編に続き、後編では、追加取材分も含めて報告する。【関連記事】・2013/04/06 岩上安身「在特会はオウムにも似ている」 “水晶の夜”再びか。新大久保の今-緊急特番 新大久保で今、何が起きているか~『殺せ』と叫ぶ排外デモと、『仲良くしようぜ』というカウンター抗議の交錯
    ・2013/04/03 【ブログ記事:反差別訴える市民、排外デモ隊を終始包囲】