• (遺稿)小説『主電源・ロシアン・ルーレット』

    2018-07-26 17:57

    (以下、故人・小説家ともなりたかひろの『遺稿』より抜粋。

    この作品には、現在の時局にそぐわない表現が含まれていますが、故人の意向を汲み、『遺稿』通りに掲載致しました。)

    ハハノシキュウ君へ捧ぐ

    「―――――」

    ∽ replay (繰り返し)

    リモコンがなくなる夢

    テレビからは、昨日、録画しておいたドラマではなく、から騒ぎしているバラエティー番組が永遠と流れている。しかし、それを消すリモコンがない。ので、その映像の「うるささ」を止めることが出来ない。かといって、その番組内容の破廉恥さから、窓を開けて、人の助けを借りる気も起きない。

    と同時に、CDコンポからは、なぜか、高校野球の実況が流れている。しかも、永遠に9回2死満塁の実況が。それを消すリモコンがない

    この2つの「夏のようなうるささ」だけで、もう、気が狂いそうだ。そこにさらに、室内の熱さが加わる。クーラーをつけようとする。だが、やはり、そのリモコンもない

    どうしよう、どうしよう、と思い、「音の熱さ」で気が触れそうになっている私の眼は、たこつぼ配線にいく。たこつぼ配線に挿入された、4つのコンセント。4つとも、スイッチがオンになっており、オレンジ色に光っている。

    これを押せば、主電源が切れて、この「音の熱さ」は静まるはずだ。

    しかし、その配線自体が複雑に絡み合っており、どのコンセントが、どの電気機器と繋がっているのか、分からない。そんな状態。

    そして、そのうちの1つは、パソコンと繋がっている。引き抜こう、と思うが、ふと、迷いが出る。もし、そのコンセントのうちの1つがこのパソコンと繋がっていたならば、このパソコンのデータは消えてしまう。そう思うと、怖い。

    ――ああ、この主電源の全てのコンセントを抜いてしまったら――

    ■Stop (停止)

    議長さん「――抜いてしまったら、……」

    副議長さん「抜いてしまったら、なんですか? ――秘密事は、だめですよ?」

    司令塔さん「そうですよ。『夢』で見たことを、つまり、潜在意識に隠している、【邪心】を、打ち明け合い、【浄化】することによって、【最終解脱】する、ことに、この【孤島プログラム】の意義があるのです」

    議長さん「……そうですね。……抜いてしまったら、パソコンにかき集めていた、エロ画像が全て消えてしまう、と思い、起きたら、……勃起しておりました」

    副議長さん&司令塔さん「――そうですか、【邪夢】ですね」

    議長さん「……情けないです……、まだ、【俗世】の欲望が消えていないとは……」

    副議長さん&司令塔さん「――まぁまぁ、まだ、【時が満ちていない】ということですね」

    議長さん司令塔さんは、どんな夢を?」

    司令塔さん「……実は、夢を見なかったんです。……なにせ、どうも、この熱さですから、寝むれませんでして…」

    副議長さん「……実は、わたしもなんです…眠りが深かったようで…」

    議長さん「……そうですか。やはり、我々三人とも、【修行】不足、ということですね。この熱さも、【導師様】の【啓示】なのかもしれません」

    ▶forward (巻き戻し)

    〈登場人物〉

    議長さん ……宗教団体〈トイレの底からこんにちは教〉の一員。過去に、娘を■■■されて殺されたことからというもの、自身の【性的なるもの】への【邪念】を【浄化】するため、【信者】として【入信】する。しかし、……本当は……。前述の通り

    司令塔さん ……宗教団体〈トイレの底からこんにちは教〉の一員。ずっと小説家としてデビューすることを夢見ていたが、ある編集者の人に、持ち込みの際、「君の小説がどの賞にも引っかからない、っていうことはさ、君に価値がないのではなく、出版して、世間にバレてはまずい、重要な世界の真実が描かれているからだ、とこう、考えられませんか?」と過去に言われ、その言葉に納得し、その後、「出世」から小説を書くことを辞め、宗教団体〈トイレの底からこんにちは教〉に【入信】し、【導師様】の【教え】の通り、ただ自分が「真実だ」と思われる小説(?)を、シュルレアリスム的に書き起こしている。……しかし、本当は……。

    副議長さん ……宗教団体〈トイレの底からこんにちは教〉の一員。過去に、ある理由から、ずっと「引きこもり」生活を送っていたが、宗教団体〈トイレの底からこんにちは教〉に【入信】してからというもの、自分では、外の世界へ出れた、と思っている。……しかし、本当は……。

    ◀ play(再生)

     荷物を運んでいる途中、足場の不安定さから、【副議長さん】が、よろめき、すべり落ちそうになった、が、【司令塔さん】が、とっさに、手を差し伸べた。

     助けられた【副議長さん】は、少し頬を赤らめて、こう言った。「――あ、ありがとうございます」

     しかし、【司令塔さん】は、安らかな顔をして、「――【反省は敵】ですよ。今日も【われらのために修行しましょう】」と言った。

    それを見ていた【議長さん】は、複雑な顔つきになり、二人にこう提案した。

    「――今、【副議長さん】が倒れたのって、もしかして、最近、あまりモノを食べていないからではありませんか?」

    「……それもあるとは思いますね、確かに」と【副議長さん】は真顔で答える。「それに、――あまり言いたくないことですけど、この、……なんていうんですか、天災レベルの酷暑が続いたせいもあるかと思われます」

    「おそらく……」と【議長さん】は深刻な顔で、「……おそらく、導師様】がついに【】になられたからですよ。まったく、【向こう側】の世界は、酷いものです」

    =pause (一時停止)

    ――そうだよ、次は、【司令塔さん】のターンだよ、君の想像力の通りさ、ああ。

    ≧rewind (早送り)

    (食料倉庫にて、の一幕)

    副議長さん「――なぜ、無人島なのに、こんなにも、ゴミだらけ、なんでしょう?」

    議長さん「…おそらく、潮の流れで、【向こう側】から、流れついているんでしょうね」

    副議長さん「――しかし、【われら】の【本部】が、【向こう側】にも残っているんですよ?まったく、【東端列島】は、どうなってしまうのでしょうね」

    (そう二人が話している間、【司令塔さん】の目に、流れ着いたごみの中から、『スパゲティーの紙袋』があることを発見する)

    議長さん「お湯、もう、ダメですね。臭いです。腐ってます。捨てるしか、ないですね」

    副議長さん「ここのところの、【ポア】レベルの、殺人的な暑さのせいで、雨が全く降りませんでしたものね」

    司令塔さん「今日から、風呂なし、ですね」

    ≧rewind (さらに早送り)

    (カセットデッキを中心に、三人、足を重ねて、【瞑想】という【修行】をしている。カセットデッキから、【導師様】の【御声】が流れてくる。そして、それを三人は、復唱する)

    ――太陽が近づいてきている

    二重の闇に気づくべし。二重の闇、ということは、闇を闇だと知らない状態のことだ。極端な話、闇を、バラ色だ、と勘違いしたまま、ということだ。

    夢は最後の個人情報である。》

    ――ガリガリな亡者たちが集まる《バビロン》から《最終逸脱》し、《われら》は《バビロン》から《箱舟》に乗り、《約束の地》を目指し、出発する、そんな《太陽の季節》が、近づいている。

    =pause (一時停止)

    ◀ play(再生)

    (【導師様】の【御声】を聞いて、泣いている【司令塔さん】)

    副議長さん「――はは、やっぱり、【司令塔さん】は、感受性が豊かですね」

    司令塔さん「いや、あはは。ぐすっ。やはり、【導師様】の【御声】は、端的に、心に響いてくる言葉ですよね。……全てを書き留めよう、と思っていた自分が、恥ずかしい限りです」

    議長さん「――それが出来ていれば、今頃、売れっ子の【小説家】、になっていたかもしれませんね」

    司令塔さん「……いや、それでいいのかもしれない。そんな売れっ子の【小説家】になんかなっていたら、【俗世】にまみれていたでしょうから」

    (きゅるるるる、という音がする)

    議長さん「ん?」

    司令塔さん「あ、テープが絡まっているんですね、テープが。伸びてしまっているんですよ」

    議長「――これって、どうすれば治るんですかね?」

    司令塔さん「……。分かりません。いや、――正確には、思い出せません。昔、教わったような気がするのですが…」

    副議長さん「では、【第一本部】に【要望】を出していただくしか、ないですね」

    ≧rewind (早送り)

    (トラックにて、食料倉庫に向かう、一行)

    司令塔さん「……やっぱり、食料は、来ていませんね…」

    副議長さん「……やっぱり、食料は、来ていませんか…」

    司令塔さん「明日から、水だけ、ですか」

    副議長さん「その飲料水だって、あと、3、4日ですよ。【第一本部】は、いったい、何を考えているのでしょう? このままだと、餓死ですよ?」

    議長さん「これも、【導師様】の【意図】があってのことなのでしょう――」

    副議長さん「なんの【意図】ですか? それも、【孤島プログラム】の【一環】ということなのですか?」

    議長さん「……そうに違いないですよ。この猛烈な熱さだって、おそらく、【導師様】の【お怒り】、いや、有り難き【啓示】なのですよ、きっと。罪深き【われら】のための……」

    司令塔さん「――とにかく、運びましょう。こんなことを話していても、無駄な時間を浪費するばかりです。――【われら】のためにがんばれなくなります」

    「【われら】のために【修行】しましょう」

    「【われら】のために【修行】しましょう」

    「「「はぁ…。」」」

    =pause (一時停止)

    「指令がきました」

    「本日も【われら】のために【修行】しましょう」

    「本日も【われら】のために【修行】しましょう」

    (食料倉庫に、行く。〈処理済み〉と書かれたシールが貼ってある、水の入ったタンクと、なにやら砂状のものが詰め込まれてある、3kgほどの袋が2つ)

    「食料、ですよね?」

    「……小麦粉、でしょうか?」

    「……小麦粉と、水、だけでしょうか?」

    ≧rewind (早送り)

    「やっぱり、うどん、でしょう、小麦粉と行ったら)

    「でも、しょうゆ、も、だしも、ないのに、うどん、つくっても…」

    「じゃあ、パスタは、どうです? パスタなら、塩だけでも、いけますよ」

    「うどんとパスタって、作り方、違うんですか?」

    「水の分量とか、塩を入れる、とか」

    「塩? 潮を入れたら、うどんでしょう?」

    「パスタも、塩を入れますよね?」

    「卵も、練り込みますよね。昔、テレビで見た記憶があります。」

    「入れないでしょう、…入れないはずだ、入れないに違いない! 第一、卵なんて、どこにあるんですか? 否! それより、【導師様】の御言葉をお忘れですか? テレビなんて見ていると馬鹿になるんですよ!」

    (かけだす)

    「あ、どこへ行くんですか?」

    「ど、どうしたって言うんですか?」

    「…確か、この辺に…。…あった‼」

    (品名:スパゲティー 原材料名:小麦粉 と裏に書いてある)

    「は、ははははっ! やっぱり、僕の想像力は、間違ってなかったんだ‼ 小麦粉ですよ‼ 小麦粉だけで、良かったんですよ‼ そうだ、塩も、卵も、要らないんだった…、やっぱり、そうだった」

    「――でも、味付けとか、茹でる時は、塩は必要でしょう?」

    「(ふふ、と笑って)塩ならば、ほら、いくらでもあるじゃないですか」

    (【司令塔さん】、泣き出す)

    「「ど、どうなされたんですか、【司令塔さん】…?」

    「……すみません、今こそ、わたくしめは、お二人に、【懺悔】しなければ、なりません……。……実は、……実は、わたくしは、夢を見たのです…。しかし、あまりに、情けなくて、今の今まで、言えなかった……。今こそ、お話致します…」

    ▶forward (巻き戻し)

    リモコンがなくなる夢

    テレビからは、昨日、録画しておいたドラマではなく、から騒ぎしているバラエティー番組が永遠と流れている。しかし、それを消すリモコンがない。ので、その映像の「うるささ」を止めることが出来ない。かといって、その番組内容の破廉恥さから、窓を開けて、人の助けを借りる気も起きない。

    と同時に、CDコンポからは、なぜか、高校野球の実況が流れている。しかも、永遠に9回2死満塁の実況が。それを消すリモコンがない

    この2つの「夏のようなうるささ」だけで、もう、気が狂いそうだ。そこにさらに、室内の熱さが加わる。クーラーをつけようとする。だが、やはり、そのリモコンもない

    どうしよう、どうしよう、と思い、「音の熱さ」で気が触れそうになっている私の眼は、たこつぼ配線にいく。たこつぼ配線に挿入された、4つのコンセント。4つとも、スイッチがオンになっており、オレンジ色に光っている。

    これを押せば、主電源が切れて、この「音の熱さ」は静まるはずだ。

    しかし、その配線自体が複雑に絡み合っており、どのコンセントが、どの電気機器と繋がっているのか、分からない。そんな状態。

    そして、そのうちの1つは、パソコンと繋がっている。引き抜こう、と思うが、ふと、迷いが出る。もし、そのコンセントのうちの1つがこのパソコンと繋がっていたならば、このパソコンのデータは消えてしまう。そう思うと、怖い。

    ――ああ、この主電源の全てのコンセントを抜いてしまったら――。

     抜いてしまったら、これまでの文章が全て消えてしまう……。

     そして、もう、自分の想像力では、何も書けなくなってしまうかもしれない。文字一つ、漢字を書き起こせなくなってしまうかもしれない。

    ■Stop (停止)

    「――という夢を見ていたのです。……ですから、先ほど、【うどん】と【パスタ】の区別に関してや、あるいは、【パスタ】は、どうやって作るものなのか、あるいは、【パスタ】の【原材料】はなんだったのか、等について、そもそも自分の想像力で構築できなくなってきた気がして、あれほど、取り乱してしまったのです……。……いいえ、それだけでは御座いません……。引いては、カセットテープの治し方に関しても、覚えていたはずなのに、自分の想像力で構築できなくなりつつある自分に気づいた時から、わたしの困惑は始まっていたのです……。ぐす、ぐすっ」

    「――そんなに泣いて食べては、もっとしょっぱくなってしまいますよ、あはは」

    「…す、すみません。――それにしても、うまい、ですね」

    「まさに、海のあじ、ですね。海そのもののあじ、といいましょうか。――まぁ、貝の味が、ちょっと、じゃり、っときますし、見た目は、どちらか、と言えば、焼うどん、ですけど」

    「……あはは、すみません。包丁で切ったもので

    「そうだ、今度は、シーフードパスタを、作りましょうよ。周りには、タコとか、ウニとか、いっぱいいますし」

    「野菜を採って、練り込めば、ヘルシーかも。裏の斜面には、ヨモギとかがありますし」

    「しかし、【導師様】の身体を通して【浄化】されていないものを食べては、【ドグマ】に触れることになりはしませんか?」

    「そんなことはないですよ。忘れたんですか? 【われら】という【種】は、彼ら生き物という【種】を食べてあげることによって、つまり、【種】と【種】が交わることによって、彼らと【われら】は【同化】し、新たな【類】へと進化するのではありませんか。これがイニシエーションであり、【われら】の【ディープエコロジー】なのです」

    ∽ replay (繰り返し)

    ――遠く、浜辺から、熱い、熱い、と言って、【侵入者】たちが、【上陸】してくる。そりゃ、そうさ。……起承転結で言えば、そうなるだろう、――そうだよ、次は、【副議長さん】のターンだよ、君の想像力の通りさ、ああ。

    ▶forward (巻き戻し)

    リモコンがなくなる夢。

    テレビからは、昨日、録画しておいたドラマではなく、から騒ぎしているバラエティー番組が永遠と流れている。しかし、それを消すリモコンがない。ので、その映像の「うるささ」を止めることが出来ない。かといって、その番組内容の破廉恥さから、窓を開けて、人の助けを借りる気も起きない。

    と同時に、CDコンポからは、なぜか、高校野球の実況が流れている。しかも、永遠に9回2死満塁の実況が。それを消すリモコンがない

    この2つの「夏のようなうるささ」だけで、もう、気が狂いそうだ。そこにさらに、室内の熱さが加わる。クーラーをつけようとする。だが、やはり、そのリモコンもない

    どうしよう、どうしよう、と思い、「音の熱さ」で気が触れそうになっている私の眼は、たこつぼ配線にいく。たこつぼ配線に挿入された、4つのコンセント。4つとも、スイッチがオンになっており、オレンジ色に光っている。

    これを押せば、主電源が切れて、この「音の熱さ」は静まるはずだ。

    しかし、その配線自体が複雑に絡み合っており、どのコンセントが、どの電気機器と繋がっているのか、分からない。そんな状態。

    そして、そのうちの1つは、パソコンと繋がっている。引き抜こう、と思うが、ふと、迷いが出る。もし、そのコンセントのうちの1つがこのパソコンと繋がっていたならば、このパソコンのデータは消えてしまう。そう思うと、怖い。

    ――ああ、この主電源の全てのコンセントを抜いてしまったら――。

     自分の想像力は去勢されてしまう。忘れた記憶を思い出してしまう。

    「……誰?」

    「あ、申し遅れました、ワタシ、アケル窓、という者です、あ、本名なんですよ、今、流行りのハーフタレント的な、アレで、ああ、引きこもりの方には、分からないかもしれませんよね、失礼致しました、ええっと、ですね、漢字で書くと、『アケル間戸』、です、この、名刺通り」

    「――知っているわよ、テレビはつけっぱなしにしてるから

    「それはそれは、失礼致しました、ごめんなさい、――窓、開けましょうか? ちょっと部屋の空気がかなりこもっているみたいですし。あ、ダジャレじゃないですよ」

    「……」

    「外はすごくいい天気ですよ?」

    「……何しに来たの?」

    「『支援』ですよ、ええ」

    「……もしかして、国の人? あんた」

    「――そうですね、ええ」

    「…あれでしょ、国が、引きこもりを更生させる、ってやつでしょ? そういえば、この前、テレビでやってたわ。……帰って。余計なお世話だから」

    「説明だけ、させて下さい、ね?」男は、窓を勝手に開ける。「私どもは、サッコンノシャカイモンダイデアル、引きこもりの方々が、少しでも社会適応できるよう、お手伝いさせて頂きたい、という、支援団体でしてね――」

    「……別に、『支援』なんて、要らないって。……つーか、『外』に漏れるように、わざと大声で言うんじゃねぇよ

    「――いや、別に、そんなつもりは、……でも、そうですよね、急に、『外に出ろ』なんて、さすがに、私も思っていません。……かくいう私も、元・引きこもりですから。あはは」

    「……」

    「――では、こういうのは、どうでしょう? 次、私が『訪問』する約束として、じゃんけんでも、しませんか?」

    「…じゃあ、私が勝ったら、二度と入ってこないでね」

     ――ジー、ジー、ジー、ピンポーン。

    「? 御両親ですか?」

    「……あんた、早くこの場から去った方がいいよ。――殺されるから」

    「え?」

    「……そういう男が帰ってきた、ってこと」

    「――そりゃ、まずい。じゃんけんしてる場合じゃないですね、鬼ごっこだ、ちょっと隠れさせてもらいますよ、すみません」

     ガチャ。

    「ふぅ、熱い、熱い。もう、『真夏日』を超えて、『危険日』的な熱さだ。……今、男の声、しなかったか?

    「……テレビの中の音でしょう……」

    「そうか。――ん? 珍しく、窓を開けてるな。おい、俺の命令なしに、開けるな、と言ったよな。こりゃ、キョウイクテキシドウが必要だな」

     ぐちゃ。

    「――やっぱり、濡れてるじゃないか。スケベな娘さんだよ、君は」

    「……ち、違う、汗よ、汗…。あっ、久しぶりに、窓、開けちゃったから…」

    「君のことを思っている、ぼくがいる、だから、きみは、なにもきにしなくていいんだよ、ひきこもりだなんだって、いろいろいってくるやからなんて、なにもわかっちゃいないんだ、しゃかいにでて、はたらいているか、はたらいていないか、なんかより、必要とされているひとがいるか、いないか、のほうが、むしろ、じんせいにとっては、だいじなんだからね、ああ、――ほら、きょうもいっちゃいなよ、じゆうな、まっしろな、ひらかれたせかいへ、さ、きみは、とじこもってなんてないじゃないか、ああ、」

    「……いいよ、中に出しても

    (隠れる場所は、至るところにあるさ、そりゃ、引きこもりで、オベヤだからね、ああ)

    「――ありがとう、凄く良かったよ、おこづかい、ここに置いておくよ」

    「……」

    「――もう、いいですか」

    「……もういいよ」

    「――それじゃ、私は、もう帰りますね」

    「……」

    「……」

    「……本当はさ、今日、バイトの面接に行くつもりだったんだ…」

    「なんだ、そうだったんですか、じゃあ、今から、行きましょうよ、私も、外出するお手伝いをいたしますから」

    「……もう、遅いよ」

    「何時なんですか? そのバイトの面接の時間は?」

    「――14時。」

    「あら、それなら、十分、間に合いますよ、私の車で行けば」

    「……だめ」

    「なんで?」

    「……電車に乗んなきゃ、いけない場所だから」

    「そこまでは、お運びしますよ、それじゃ、――その前に、このコンセントの主電源を、全部、抜いていかなきゃ、ですね

    「…あっ」

    ■Stop (停止)+ ◀ play(再生)

     白線の内側におさがりくださいがー、がー、がー、

    「――電車に乗れなかった、ことぐらいで、落ち込むことないですよ。
    しょうがないでしょう、だって、五年ぶりでしたっけ? 
    ――僕も、今も電車は、苦手でしてね、できれば乗り込みたくないんですよ。とりあえず、外に出れただけでも、凄い進歩ですよ。――まぁ、良い天気過ぎて、人がバタバタ倒れてますが」

    「……あんたの仕事、少しだけ、興味があるわ…、なにせ、引きこもり経験者だし…」

    「――ははは。そうですね、こういう仕事は、女性の方が向いているかもしれない。なにせ、他人とのコミュニケーションを扱う仕事ですからね、…」

    「……でも、あんたも、他の男とおんなじね」

    「え?」

    「……わたしが、あの男とヤッているときに、服の山に隠れてたでしょ? すぐ、このスーツを手渡してくれたじゃん。……色目で、物色してたんでしょ、わたしの服」

    「……」

    「……」

    「――じゃんけんでも、しますか?」

    「……じゃあ、勝った方が、ここから、飛び降りる、ってのは、どう?」

    「――面白そうですね」

    「……勝った方が、だよ?」

    「――分かりました。勝った方が、飛び降りるんですね?」

    ●off(電源終了)

    ……このあとのオチ、どうなるんだっけ?

    ん? 

    どうなって、めでたし、めでたし、になるんだっけ?

    「―――――」


    (作成日不明)

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  • (遺稿)中編小説『ナンバー1』あとがき ――文体練習ver.――

    2018-03-28 00:23

    (以下、故人・小説家ともなりたかひろの『遺稿』より全文掲載)

    〔文体練習〕ぶんたい-れんしゅう

    とは、一つの小話を、色々な手法で、言い換えて、楽しむ遊びである。

    ちなみに、ラーメンズの「条例」や、「日替わりラーメンズ」も、この「文体練習」から着想を得ている。

    1、メモ(基本)

    ある真昼のこと、ナンバー4の殺し屋である又吉郎が、砂浜にある砦に籠城している。

    ナンバー3の殺し屋の春日は、自身のジャケットを罠として前方へ投げつけた。

    それに反応したナンバー4の殺し屋は、砦の窓から顔を出し、射撃し返したが、その間、春日は距離を詰め、片手に持った灯油を砦の中に放り込み、それを銃で撃ち、引火させた。結果、ナンバー4の殺し屋、又吉郎は、火だるまになって外に出てきて、奇声を上げながら、狂ったように走り抜けていった。

    その様を見ていた春日は、一言、呟いた。

    「――汚ねぇ、火花だな」

    2、「遡行」(時系列を結論から遡っていく)ver.

    「――汚ねぇ、火花だな」

    その様を見ていた春日は、一言、そう呟いた。

    それは何故か、というと、ナンバー4の殺し屋、又吉郎が、火だるまになって外に出てきて、奇声を上げながら、狂ったように走り抜けていったからであった。

    その原因は、ナンバー3の殺し屋の春日が、その寸前に、自身のジャケットを罠として、ナンバー4が籠城している砦の前方へ投げつけ、それに反応したナンバー4の殺し屋が、砦の窓から顔を出し、射撃し返したが、その間、春日は距離を詰め、片手に持った灯油を砦の中に放り込み、それを銃で撃ち、引火させたからであった。

    それはちょうど、ある真昼の、ある砂浜での出来事であった。

    3、重複表現 (「借りたの借金」的な)ver.

    あるPM午後1時頃、殺す殺し屋のランキング格付け、ナンバー4という上から四番目の地位を得て獲得している又吉郎が、砂のある砂浜にある、自分のアジトである砦に、こもって籠城していた。

    対して、殺す殺し屋のランキング格付け、ナンバー3という上から三番目の地位を得てゲットしている春日は、自身が着ている衣服であるジャケットというアウターを、策略的な罠として、投げつけて遠投した。

    それに反応してリアクションをしたナンバー4の殺し専門の殺し屋は、最後の砦である砦の窓の外窓から、顔面という顔を出し、撃つ射撃を反撃してし返したが、その間、春日はすかさず移動して距離を詰め、片方の手である片に、持参して持った油ぎった灯油を砦の中に投げ入れて放り込み、それをピストルという銃で撃って射撃し、火をつけて引火させた結果、又吉郎は、頭部である頭から上が、大やけどをするくらいの炎が発火し、その苦痛なほどの苦しさに、狂った狂人のように叫んで叫喚しながら、走って逃亡しながら逃げている有様であった。

    その様を、冷たい目と視線で凝視して見ていた春日は、まるで呟くように呟いた。

    「――汚れて、汚ねぇ、火の火花だな」

    4、同一語の使用 ver.

    ある真昼のこと、霊長類オス科に属する男と、霊長類オス科に属する男とが、砂浜にある砦にて、どちらが、霊長類オス科に属する男として、強いのか、を決しようとしていた。

    霊長類オス科に属する男は、霊長類オス科に属する男を殺すための罠として、自身のジャケットを前方へと投げやった。

    それに反応した霊長類オス科に属する男は、砦の窓から顔を出し、霊長類オス科に属する男への返礼として、射撃をし返したが、その間、霊長類オス科に属する男は距離を詰め、霊長類オス科に属する男が片手に持った灯油を、霊長類オス科に属する男の砦の中に放り込み、それを霊長類オス科に属する男は銃で撃ち、引火した結果、霊長類オス科に属する男は、火だるまになって外に出てきて、その様を見ていた霊長類オス科に属する男は、一言、呟いた。

    「――汚ねぇ、火花だな」

    5、ニュース速報的な表現 ver.

    本日未明、身元不明の男性の、焼死体が、ある砂浜で発見されました。

    被害者の男性は、頭部と思われる部分に、重軽傷の火傷を負った状態で、遺体として発見されました。

    第一発見者によりますと、

    「――最初は、何かの、汚い火花かと思った」

    とのことです。

    現場には、銃器らしきもので、灯油タンクらしきものが、撃ち抜かれたと思われる形跡があり、

    関係筋は、これを「暗殺者同士の抗争」として、捜査を続ける、との方針を掲げています。

    続きましては……。

    6、区別(「ではなく…」)

    ある真昼(あひる、ではない)のこと(琴ではない。また、古都でもない)、ナンバー4(車のナンバーのことではない)の殺し屋である又吉郎(芸人の又吉、のことではない)が、砂浜にある砦に籠城(その砦が蝋状で出来ているわけではない)していた。

    ナンバー3の殺し屋の春日(オードリーの春日ではない)は、自身(地震が起こったわけではない)のジャケット(CDのことではない)を罠として投げつけた(投げやりだったわけではない)。

    それに反応したナンバー4の殺し屋は、砦の窓から顔を出し(顔に出した、のではない)、射撃(射精、ではない)し返したが、その間、春日は距離を詰め、片手(彼が片手だけしか持っていなかった、という意味ではない)に持った灯油(別に冬だったわけではない)を砦の中に放り込み、それを銃で(10カウント後に撃った、わけではない)撃ち、引火(因果があった、と言いたいわけではない)させた結果、ナンバー4の殺し屋、又吉郎(繰り返す言うが、又吉のことではない)は、火だるま(といっても、両手足を失ったわけではない)になって外に出てきた。

    その様を見ていた春日は、一言(他人事、ではない)、呟いた。

    「――汚ねぇ、火花(又吉の『火花』のことではない)だな」

    7、動詞のみの表現 ver.

    彼ら二人は、

    じっとした、待った、投げた、撃った、走った、投げ込んだ、引火させた、逃げた、走った、奇声をあげた、――そして、呟いた。

    死んだ。

    8、擬音表現 ver.

    ……じーっ。

    ばさっ! ポイッ!

    パン、パンッ! ……ひょい。……じーっ。

    タタタタタ! ヒョイ、ポイッ! パン、パン、パンッ!

    タタタタタ! × ぼおおおおおお――!

    ……じーっ。

    9、英語かぶれ口調 ver.

    ミーは、ビックなニュースをゲットしてんだよ~。

    二人のスナイパーが、トゥギャザーしてたのよ、そんで、藪からスティックに、ファイヤー。

    いやぁ、ナンバー4クン、ユーは、まさに、焼石にウォーターだったね、



    10、ラップバトル ver.

    ナンバー3

    「yoyo,パイセンと対戦 これは 下剋上だよ

    とりあえず言っとくぜ、このヘボクソ野郎!

    又吉郎さん 籠城作戦

    ナンバー4のくせに 根性なくねぇ?

    びびってねぇで 出てこいや この老害

    眼の上のたんこぶ さっさと殺した方がいい」

    ナンバー4

    「fuck da shit! 黙れよ、春日

    おめえの話なんかに 誰が 耳貸すか?

    籠城作戦 いや、これ、高みの見物

    俺に殺されるまえに せいぜい唱えてろ念仏

    殺し屋ランキング 俺がワンキング

    塗り替えてやるよ 一気に勢力地図」

    ナンバー3

    「はいはい さっきからつまらねぇ韻の単純作業

    アンタはナンバー4 だけど 三流だろ?

    一発もあたってねぇよ そっちがへぼいマシンガン

    なら、こっちは 一発で眉間と危険な灯油を撃ち抜くぜ~(客にアピールし、客もパンチラインだと思って盛り上がる)

    そう 結局 アンタは 三下以下

    残るは 火だるまになった アンタの惨死体さ」

    11、色の描写重視 ver.

    眩しい空の下、ナンバー4の殺し屋である又吉郎は、黄色い砂浜にある、コンクリート色の砦に、籠城していた。

    ヒョウのような鋭い目つきをした、ナンバー3の殺し屋の春日が、自分を殺しに来る、という、黒い噂があったからだった。

    隣の芝生は青く見える、という緑色の苔が生えるような古い諺の通り、彼らは、お互いがお互い、煙たい存在であったがために、白黒を決めに、決闘を挑んだ。

    春日は、自身の黄土色のジャケットを、罠として、前方へ投げ、その罠に引っかかった又吉郎は、一瞬、顔面蒼白になった。

    その間、春日は距離を詰め、片手に持った赤色の灯油を砦の中に放り込み、それを光りした銃で撃ち、引火させた結果、又吉郎は、赤々とした砦から火だるまになって外に出てきて、狂ったように黄色い叫び声をあげていた。

    その様を、淡々と、水のような透明な気分で見ていた春日は、一言、白い息と共に呟いた。

    「――汚ねぇ、火花だな。まだまだ、ケツがいぜ」

    12、2ちゃんねる的な表現 ver.

    1、名うてのナンバー3より : 2017/06/19

    このスレ、荒らしてる、名うてのナンバー4とか言う奴、――通報しますた」

    2、名うてのナンバー4よりお届けします :2017/6/19

    ≫1 自演乙。

    このスレ、荒らしているの、お前だろ? その真っ赤になっている顔で、どうせ、書き込んでいるんだろう?

    通報すんなら、通報してみろよ。

    3、名うてのナンバー3より : 2017/06/19

    荒らしの奴のIDが、バレバレでワロタw 草不可避。

    NG設定で、快適。

    13、曖昧な表現ver.

    (以下、文中の黒文字は、言葉狩りに値する差別用語である)

    ――えっと、なんだったけか、えーっと、要するに、つまり、ですね、裏日本、に住む人たち、とでも言いましょうか、あ、違います、違います、断じて、違います。

    ……それは、ねぇ? 例の言葉狩りの、ねぇ、やつに引っかかるものですもんねぇ?

    確か、砂浜、だったと思いますね。

    その砂浜は、――なんて言うんでしょうね、河原乞食、あるいは、ルンペンなんて一人もいなさそうな、穏やかな海岸の砂浜でしてね、…って、ちょっと!違いますよ、今のも、別に、差別しようと思って言ったわけじゃないですし! 違いますからね⁉ それに、聞き違い、なんじゃないですかねぇ、貴方の。ええ、ええ、そう思いますよ。

    ふぅ。……それで、まぁ、その裏社会(これは、OK、ですよね?)に属する二人が、互いに、めくら撃ち、をしていたんですよ、そして、お互いの命を狙う、という気違い沙汰をしていたんですよ。

    あ! これも言葉狩りに入りますよね?

    まぁ、僕なんて、上手く喋らないみたいなもんですから、その辺は、お許しください。あっ! その言葉狩りにあたる、、の使用についても、重ねて謝ります、そして、重ねて、お許しください。

    それで、……なんだったけなぁ、――そう、それから、あれですよ、韓国人の火病みたいなヒステリックな両者がですね、……あ、また、やってしまった…。

    物を覚えない、僕はまるで、白痴だ!

    とにかく、えーっと、どこまで話しましたっけ? あ、そうそう、二人ともひどく怒っていましてね、

    ええ、なんでも、その殺し専門の職業にも、ランクがあるそうで、それはまるで障がい者の階級やら、看護婦のランクにも似てて、って、これも、まずい表現ですよね? 引っ掛かり、ますよね? 分かってます、分かってます、言葉狩りの、あれですよね? 分かってます、で、どこまで話しましたっけ?

    そうそう、えー、裏社会に生きる二人が、その階級を巡って、物騒な喧嘩をしていたんですよ、その二人の男が。

    ナンバー4と呼ばれる方は、めくら滅法、銃を撃つんですが、これが、当たらない。

    当たらないどころか、その裏社会で生きている男の策略にはまって、最後は、癩病患者のように、眼も当てられない、だるま状態になっていましたからねぇ。

    銃で撃たれた、わけではないんで、五体満足ではあったんですけど、なんていうかもう、まぁ、知恵遅れ、とでも言うんでしょうな、

    屠殺場よりも、酷い、殺し方をしていましたね、もう一人の男は。

    なにせ、

    奴婢を見るような眼をして、なにやら、一言、呟いてましたからね。確か、……。

    「――汚ねぇ、火花だな。……結局は、あんな奴、徘徊している老人と同じレベルってこった」




    <「遺稿」シリーズ、season3。

    中編小説『ナンバー1』http://urx.space/IzYJ

    ころし‐や【殺し屋

    とは、依頼人から金をもらって殺人を請け負うことを職業とする者。

    しょうせつ‐か〔セウセツ‐〕【小説家

    とは、業界人からツテをもらって下の世代の小説家志望たちの夢を殺すことを請け負うことを職業とする者。>

    #又吉批判 #芥川賞批判

    <「遺稿」シリーズ、season3。

    来るべく、中編小説『ナンバー1』(『遺作』の一つ)の、テーマソング。

    ポエトリーリーディング『父親殺し』


    この世界の、全ての #親死ね と思い、#父親死ね と思い、苦しんでいる若い人に捧ぐ。>(『遺稿』より抜粋)

    #毒親ソング #日本語ラップ
  • 故人・ともなりたかひろ氏の急逝についての注釈と故人・ともなりたかひろ氏のなりすましが増えている件について

    2017-06-02 13:02

    (株)ルラックの「インディーズ文庫」担当の宮根進と申します。

    多くの方が、小説家ともなりたかひろ氏の急逝について、根本から勘違いされておられるようなので、大前提を以下に申し上げておきたいと思います。

    【注】以下に掲載するのは、私が故人のTwitterアカウントにて、5月17日に呟かせて頂いたものを引用しております。

    断言しておきます。

    悲惨で厳粛なものです、現実における一個人の自殺による死は。

    少なくとも、こういうネット上では想像できない程、悲惨で厳粛なものです。

    逆なのです。

    故・ともなりたかひろ氏の「現実の死」が悲惨で厳粛であったからこそ、我々としては彼の「現実の死」を出来るだけ「軽く」しようと、これまでのような「フィクショナルな仕掛け」を非常に苦しい思いで施してきたのです。

    勿論、それも本人の「遺言」の意志通りでありますが。

    その地点から考えれば、「エイプリールフールの嘘」として自分の死を「嘘」とする、ということ自体を「嘘」として構想しなければならなかった、故人ともなりたかひろ氏の晩節の衰弱と、それを引き継がらなければならなかった我々の心情も、ご理解頂けると思います。

    再三申し上げます。

    現実における一個人の死は、想像以上に、悲惨で、厳粛なものです。

    ネット上では言えないことも、当然ですが、沢山御座います。

    それを、「彼は、最後まで、お茶目な嘘つきだったな」(『遺言』より)というような、まだ少しは笑えるライトな印象で留まるような「線引き」でバランスを取ってきたのに、それがご理解されていないことは、本当の意味で悲しいことです。

    ネット上の死と現実上の一個人の死は、全く違います。

    悲惨で、厳粛なものです。

    現実にいる、遺族の方々に、あるいは、彼の現実の知人友人の方々に、貴方は面と向かって同じ言葉を言えるでしょうか?

    今後、責任も取れない発言はしないで頂きたい、と思います。

    以上です。

    最後に。

    余談ですが、

    私の下に『ともなりたかひろがあちらこちらに出没している』という内容のメールが数件届きましたので、その点に関して、弁明させて頂きたいと思います。

    現在、故人ともなりたかひろ氏の名前を乗っ取り(なりすまし)、全くの赤の他人が発言している現状があるそうです。

    私自身、そのスレッドなどを確認致しましたが、勿論、私自身、全く身に覚えのないものばかりでした。

    はっきり言及しておきますが、それらの情報はフェイク・ニュースです。

    これ以上になりすましの書き込みがあった場合、我が社としては、法的手段も考えておりますので、即刻辞めて頂きたい、と思っております。

    故人ともなりたかひろ氏の遺作『落丁城』

    https://tb.antiscroll.com/novels/jiga619/19865