(遺稿)中編小説『ナンバー1』あとがき ――文体練習ver.――
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(遺稿)中編小説『ナンバー1』あとがき ――文体練習ver.――

2018-03-28 00:23

    (以下、故人・小説家ともなりたかひろの『遺稿』より全文掲載)

    〔文体練習〕ぶんたい-れんしゅう

    とは、一つの小話を、色々な手法で、言い換えて、楽しむ遊びである。

    ちなみに、ラーメンズの「条例」や、「日替わりラーメンズ」も、この「文体練習」から着想を得ている。

    1、メモ(基本)

    ある真昼のこと、ナンバー4の殺し屋である又吉郎が、砂浜にある砦に籠城している。

    ナンバー3の殺し屋の春日は、自身のジャケットを罠として前方へ投げつけた。

    それに反応したナンバー4の殺し屋は、砦の窓から顔を出し、射撃し返したが、その間、春日は距離を詰め、片手に持った灯油を砦の中に放り込み、それを銃で撃ち、引火させた。結果、ナンバー4の殺し屋、又吉郎は、火だるまになって外に出てきて、奇声を上げながら、狂ったように走り抜けていった。

    その様を見ていた春日は、一言、呟いた。

    「――汚ねぇ、火花だな」

    2、「遡行」(時系列を結論から遡っていく)ver.

    「――汚ねぇ、火花だな」

    その様を見ていた春日は、一言、そう呟いた。

    それは何故か、というと、ナンバー4の殺し屋、又吉郎が、火だるまになって外に出てきて、奇声を上げながら、狂ったように走り抜けていったからであった。

    その原因は、ナンバー3の殺し屋の春日が、その寸前に、自身のジャケットを罠として、ナンバー4が籠城している砦の前方へ投げつけ、それに反応したナンバー4の殺し屋が、砦の窓から顔を出し、射撃し返したが、その間、春日は距離を詰め、片手に持った灯油を砦の中に放り込み、それを銃で撃ち、引火させたからであった。

    それはちょうど、ある真昼の、ある砂浜での出来事であった。

    3、重複表現 (「借りたの借金」的な)ver.

    あるPM午後1時頃、殺す殺し屋のランキング格付け、ナンバー4という上から四番目の地位を得て獲得している又吉郎が、砂のある砂浜にある、自分のアジトである砦に、こもって籠城していた。

    対して、殺す殺し屋のランキング格付け、ナンバー3という上から三番目の地位を得てゲットしている春日は、自身が着ている衣服であるジャケットというアウターを、策略的な罠として、投げつけて遠投した。

    それに反応してリアクションをしたナンバー4の殺し専門の殺し屋は、最後の砦である砦の窓の外窓から、顔面という顔を出し、撃つ射撃を反撃してし返したが、その間、春日はすかさず移動して距離を詰め、片方の手である片に、持参して持った油ぎった灯油を砦の中に投げ入れて放り込み、それをピストルという銃で撃って射撃し、火をつけて引火させた結果、又吉郎は、頭部である頭から上が、大やけどをするくらいの炎が発火し、その苦痛なほどの苦しさに、狂った狂人のように叫んで叫喚しながら、走って逃亡しながら逃げている有様であった。

    その様を、冷たい目と視線で凝視して見ていた春日は、まるで呟くように呟いた。

    「――汚れて、汚ねぇ、火の火花だな」

    4、同一語の使用 ver.

    ある真昼のこと、霊長類オス科に属する男と、霊長類オス科に属する男とが、砂浜にある砦にて、どちらが、霊長類オス科に属する男として、強いのか、を決しようとしていた。

    霊長類オス科に属する男は、霊長類オス科に属する男を殺すための罠として、自身のジャケットを前方へと投げやった。

    それに反応した霊長類オス科に属する男は、砦の窓から顔を出し、霊長類オス科に属する男への返礼として、射撃をし返したが、その間、霊長類オス科に属する男は距離を詰め、霊長類オス科に属する男が片手に持った灯油を、霊長類オス科に属する男の砦の中に放り込み、それを霊長類オス科に属する男は銃で撃ち、引火した結果、霊長類オス科に属する男は、火だるまになって外に出てきて、その様を見ていた霊長類オス科に属する男は、一言、呟いた。

    「――汚ねぇ、火花だな」

    5、ニュース速報的な表現 ver.

    本日未明、身元不明の男性の、焼死体が、ある砂浜で発見されました。

    被害者の男性は、頭部と思われる部分に、重軽傷の火傷を負った状態で、遺体として発見されました。

    第一発見者によりますと、

    「――最初は、何かの、汚い火花かと思った」

    とのことです。

    現場には、銃器らしきもので、灯油タンクらしきものが、撃ち抜かれたと思われる形跡があり、

    関係筋は、これを「暗殺者同士の抗争」として、捜査を続ける、との方針を掲げています。

    続きましては……。

    6、区別(「ではなく…」)

    ある真昼(あひる、ではない)のこと(琴ではない。また、古都でもない)、ナンバー4(車のナンバーのことではない)の殺し屋である又吉郎(芸人の又吉、のことではない)が、砂浜にある砦に籠城(その砦が蝋状で出来ているわけではない)していた。

    ナンバー3の殺し屋の春日(オードリーの春日ではない)は、自身(地震が起こったわけではない)のジャケット(CDのことではない)を罠として投げつけた(投げやりだったわけではない)。

    それに反応したナンバー4の殺し屋は、砦の窓から顔を出し(顔に出した、のではない)、射撃(射精、ではない)し返したが、その間、春日は距離を詰め、片手(彼が片手だけしか持っていなかった、という意味ではない)に持った灯油(別に冬だったわけではない)を砦の中に放り込み、それを銃で(10カウント後に撃った、わけではない)撃ち、引火(因果があった、と言いたいわけではない)させた結果、ナンバー4の殺し屋、又吉郎(繰り返す言うが、又吉のことではない)は、火だるま(といっても、両手足を失ったわけではない)になって外に出てきた。

    その様を見ていた春日は、一言(他人事、ではない)、呟いた。

    「――汚ねぇ、火花(又吉の『火花』のことではない)だな」

    7、動詞のみの表現 ver.

    彼ら二人は、

    じっとした、待った、投げた、撃った、走った、投げ込んだ、引火させた、逃げた、走った、奇声をあげた、――そして、呟いた。

    死んだ。

    8、擬音表現 ver.

    ……じーっ。

    ばさっ! ポイッ!

    パン、パンッ! ……ひょい。……じーっ。

    タタタタタ! ヒョイ、ポイッ! パン、パン、パンッ!

    タタタタタ! × ぼおおおおおお――!

    ……じーっ。

    9、英語かぶれ口調 ver.

    ミーは、ビックなニュースをゲットしてんだよ~。

    二人のスナイパーが、トゥギャザーしてたのよ、そんで、藪からスティックに、ファイヤー。

    いやぁ、ナンバー4クン、ユーは、まさに、焼石にウォーターだったね、



    10、ラップバトル ver.

    ナンバー3

    「yoyo,パイセンと対戦 これは 下剋上だよ

    とりあえず言っとくぜ、このヘボクソ野郎!

    又吉郎さん 籠城作戦

    ナンバー4のくせに 根性なくねぇ?

    びびってねぇで 出てこいや この老害

    眼の上のたんこぶ さっさと殺した方がいい」

    ナンバー4

    「fuck da shit! 黙れよ、春日

    おめえの話なんかに 誰が 耳貸すか?

    籠城作戦 いや、これ、高みの見物

    俺に殺されるまえに せいぜい唱えてろ念仏

    殺し屋ランキング 俺がワンキング

    塗り替えてやるよ 一気に勢力地図」

    ナンバー3

    「はいはい さっきからつまらねぇ韻の単純作業

    アンタはナンバー4 だけど 三流だろ?

    一発もあたってねぇよ そっちがへぼいマシンガン

    なら、こっちは 一発で眉間と危険な灯油を撃ち抜くぜ~(客にアピールし、客もパンチラインだと思って盛り上がる)

    そう 結局 アンタは 三下以下

    残るは 火だるまになった アンタの惨死体さ」

    11、色の描写重視 ver.

    眩しい空の下、ナンバー4の殺し屋である又吉郎は、黄色い砂浜にある、コンクリート色の砦に、籠城していた。

    ヒョウのような鋭い目つきをした、ナンバー3の殺し屋の春日が、自分を殺しに来る、という、黒い噂があったからだった。

    隣の芝生は青く見える、という緑色の苔が生えるような古い諺の通り、彼らは、お互いがお互い、煙たい存在であったがために、白黒を決めに、決闘を挑んだ。

    春日は、自身の黄土色のジャケットを、罠として、前方へ投げ、その罠に引っかかった又吉郎は、一瞬、顔面蒼白になった。

    その間、春日は距離を詰め、片手に持った赤色の灯油を砦の中に放り込み、それを光りした銃で撃ち、引火させた結果、又吉郎は、赤々とした砦から火だるまになって外に出てきて、狂ったように黄色い叫び声をあげていた。

    その様を、淡々と、水のような透明な気分で見ていた春日は、一言、白い息と共に呟いた。

    「――汚ねぇ、火花だな。まだまだ、ケツがいぜ」

    12、2ちゃんねる的な表現 ver.

    1、名うてのナンバー3より : 2017/06/19

    このスレ、荒らしてる、名うてのナンバー4とか言う奴、――通報しますた」

    2、名うてのナンバー4よりお届けします :2017/6/19

    ≫1 自演乙。

    このスレ、荒らしているの、お前だろ? その真っ赤になっている顔で、どうせ、書き込んでいるんだろう?

    通報すんなら、通報してみろよ。

    3、名うてのナンバー3より : 2017/06/19

    荒らしの奴のIDが、バレバレでワロタw 草不可避。

    NG設定で、快適。

    13、曖昧な表現ver.

    (以下、文中の黒文字は、言葉狩りに値する差別用語である)

    ――えっと、なんだったけか、えーっと、要するに、つまり、ですね、裏日本、に住む人たち、とでも言いましょうか、あ、違います、違います、断じて、違います。

    ……それは、ねぇ? 例の言葉狩りの、ねぇ、やつに引っかかるものですもんねぇ?

    確か、砂浜、だったと思いますね。

    その砂浜は、――なんて言うんでしょうね、河原乞食、あるいは、ルンペンなんて一人もいなさそうな、穏やかな海岸の砂浜でしてね、…って、ちょっと!違いますよ、今のも、別に、差別しようと思って言ったわけじゃないですし! 違いますからね⁉ それに、聞き違い、なんじゃないですかねぇ、貴方の。ええ、ええ、そう思いますよ。

    ふぅ。……それで、まぁ、その裏社会(これは、OK、ですよね?)に属する二人が、互いに、めくら撃ち、をしていたんですよ、そして、お互いの命を狙う、という気違い沙汰をしていたんですよ。

    あ! これも言葉狩りに入りますよね?

    まぁ、僕なんて、上手く喋らないみたいなもんですから、その辺は、お許しください。あっ! その言葉狩りにあたる、、の使用についても、重ねて謝ります、そして、重ねて、お許しください。

    それで、……なんだったけなぁ、――そう、それから、あれですよ、韓国人の火病みたいなヒステリックな両者がですね、……あ、また、やってしまった…。

    物を覚えない、僕はまるで、白痴だ!

    とにかく、えーっと、どこまで話しましたっけ? あ、そうそう、二人ともひどく怒っていましてね、

    ええ、なんでも、その殺し専門の職業にも、ランクがあるそうで、それはまるで障がい者の階級やら、看護婦のランクにも似てて、って、これも、まずい表現ですよね? 引っ掛かり、ますよね? 分かってます、分かってます、言葉狩りの、あれですよね? 分かってます、で、どこまで話しましたっけ?

    そうそう、えー、裏社会に生きる二人が、その階級を巡って、物騒な喧嘩をしていたんですよ、その二人の男が。

    ナンバー4と呼ばれる方は、めくら滅法、銃を撃つんですが、これが、当たらない。

    当たらないどころか、その裏社会で生きている男の策略にはまって、最後は、癩病患者のように、眼も当てられない、だるま状態になっていましたからねぇ。

    銃で撃たれた、わけではないんで、五体満足ではあったんですけど、なんていうかもう、まぁ、知恵遅れ、とでも言うんでしょうな、

    屠殺場よりも、酷い、殺し方をしていましたね、もう一人の男は。

    なにせ、

    奴婢を見るような眼をして、なにやら、一言、呟いてましたからね。確か、……。

    「――汚ねぇ、火花だな。……結局は、あんな奴、徘徊している老人と同じレベルってこった」




    <「遺稿」シリーズ、season3。

    中編小説『ナンバー1』http://urx.space/IzYJ

    ころし‐や【殺し屋

    とは、依頼人から金をもらって殺人を請け負うことを職業とする者。

    しょうせつ‐か〔セウセツ‐〕【小説家

    とは、業界人からツテをもらって下の世代の小説家志望たちの夢を殺すことを請け負うことを職業とする者。>

    #又吉批判 #芥川賞批判

    <「遺稿」シリーズ、season3。

    来るべく、中編小説『ナンバー1』(『遺作』の一つ)の、テーマソング。

    ポエトリーリーディング『父親殺し』


    この世界の、全ての #親死ね と思い、#父親死ね と思い、苦しんでいる若い人に捧ぐ。>(『遺稿』より抜粋)

    #毒親ソング #日本語ラップ
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