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『人に迷惑をかけるな』あとがき
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『人に迷惑をかけるな』あとがき

2014-01-27 10:54

     『人に迷惑をかけるな』あとがき


    この中編小説は、僕の中にある問題意識の中でも、旬なものを2つチョイスしてみたものです。

     一つ目は、孤独死の問題です。

     これは主人公をお笑いの世界の住人に設定することによって、そのコントラストを際立たせようと画策しました。

     二つ目は、優しさ(母性)と厳しさ(父性)のバランスの問題です。

     言い換えると、「人はどれだけ人に迷惑をかけていいのか?」という問いかけになるかと思います。

     人に迷惑をかけず、結果、孤独になる人生と、人に迷惑をかけて、結果、多くの人と交わる人生と、どちらが良いのか、当時の僕にとっては旬な主題だったのでしょう。

    また、この中編小説は、実際に起こった事例をモデルにしています。

     一つ目は、中島知子さんにまつわる一連の報道です。

     現実における“女占い師”の立ち位置は、小説では“ウィリアム”という正体不明の少年に置き換えられています。
    誰の眼にも明らかですが、終盤、主人公の父がマンションに突入するシーンなどは実際の事件そのままとも言えます。

     二つ目は、柳原可奈子さんの身の上です。

     表紙の絵を見て、「これは柳原可奈子じゃないか」と少しヒヤヒヤした方といると思います。
    ジャポニカ学習帳でスケジュール管理をしていたり、父親と仲良しだったりする設定など、柳原可奈子さんの身辺情報のあれこれを、お笑い芸人みさこの仕事に関わるディティールに活用させていただきました。

     余談ですが、前田優子という名前はインデペンデントな形だからこそ使用できた名前だと思っています。
     ちなみに、みさこという主人公の名前と、神聖かまってちゃんのみさこさんとは、全然関係ありません。

     下敷きにしている小説として、トルーマン・カポーティーの短編小説『ミリアム』を挙げておきます。
     この愛すべき短編は新潮文庫から出版されているので、ぜひこれを機会に読み比べていただきたいと思います。

     僕個人としては、努めてスキャンダラスであろうとした小説として、記憶に残る一作と言えるでしょう。


                                         2014127日 ともなり たかひろ


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