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『太郎取扱説明書』あとがき
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『太郎取扱説明書』あとがき

2014-02-25 15:00


     この小説は“インディーズ文庫”というレーベルから発売されたものです。

     従って、インディーズだからこそ発表できる小説を出さなければ意味がない、という観点から、形式も内容もまとめようと努めました。

     例えば、この小説の形式は「枠物語」となっております。

     「枠物語」とは別名「額縁小説」とも言われ、さまざまな短編を織り込んで一つの長編とする形式のことです。デカメロンあたりに端を発しているそうですが、現代文学だと絶えて用いられていないようです。

     しかし、私はこの形式を使うことにしました。

     なぜといって、この形式ならば、過去に公募で落選した作品を無駄にすることなく当てはめることができるからです。

     まさにインディーズだからこそできることの一つといえるでしょう。

     かつまた、小説家志望の方々をターゲットにしたこともインディーズならではの試みだと思っております。

     以前ニコ生の配信では言いましたが、これまで読者に対する小説はあっても、作者に対する小説は少なかった。

     しかし現状、読者数は減っているのに、作者数は増えております。

     ならば逆転の発想で、作者をターゲットにすることで何らかのムーブメントを起せるのではないか、と画策致しました。

     インディーズならでは、といえば、やはり現在の文壇への風刺の多さも見逃せないポイントでしょう。ことにも“恋愛小説”の章などは、かなりねっちりと文壇への風刺をこめて書いた記憶があります。

     発表して一ヶ月近くが経とうとしている今、私には達成感とはまったく別の奇妙な感慨がわいてきています。

     それはこの『太郎取扱説明書』内で用いた主題や物語たちが2014年の現実とシンクロしているということです。

     れいの大河内守氏の「ゴーストライター事件」は“恋愛小説”の章に、名古屋での殺人未遂事件は“ミステリー小説”の章に、そして、ともなりたかひろとしての現実は“SF小説”の章に、重なる部分が多く見受けられます。

     何より、この『太郎取扱説明書』全体が、2014年現在日本に何万といる小説家志望の方々全員にあてはまるのですから、そういった意味でもぜひ一読していただきたいものです。

                              2014年2月25日 ともなり たかひろ


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