にへどんさん のコメント
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今日はちょっと難しめかもしれない話です。(難しさ度:B) 音楽を作った方には「音楽著作権」という権利がありますが、JASRACでのこの「音楽著作権」を11の権利にさらに分けて管理しています。この「さらに分けた権利」を「支分権」と呼びますが、この「支分権」の1つに「演奏権」という権利があります。 「演奏権」というのは「その楽曲を演奏することに対して、楽曲を作った方が持っている権利」で、簡単に言うと「その楽曲を唄ったり、演奏したりする場合には、権利者に許諾を取る必要がる」ということです。(もちろん、個人的な趣味で演奏する場合、つまり、お風呂で鼻歌を唄ったりする場合には、許諾なんて必要ないですよ) この「演奏権」がJASRACにて管理されている楽曲の場合(ちょっと専門的には「演奏権がJASRACに信託されている」と言います)、JASRACに申請し、演奏方法に応じたお金を払えば、その楽曲を公の場で演奏してもよいことになります。 で、ここからが問題。 この「演奏権使用」には、「その曲をライブで演奏する」という場合も、「カラオケでその歌を唄う」という場合も含まれます。 ※カラオけでその歌を唄う場合のJASRACへの申請やお金の支払いは、カラオケ店舗が行っていますので、当然ですが、カラオケ店舗で唄う皆さんが、JASRACにお金を支払う必要はありません。 ここでボカロPさんとしては 、「カラオケで使われたことに対するお金はもらいたい」けど「ライブで演奏された場合は、特にお金をもらわなくてよいよ」 という人が多いようです。 もしくは「超大物アーティストが東京ドームで自分の曲を唄う場合はお金をもらいたいけど、仲間内で行うようなライブでお金をもらうのは忍びない」という考えの方もいるようです。 実際に、仲間内で行うライブで自分の楽曲を使われたとしても、そのバンド→JASRAC→音楽出版社→ボカロPという流れで入ってくる使用料は微々たるものですし、バントがやらなければならない申請の「手間」は結構めんどくさいですし・・・・。 ここで 浜町音楽ギルドからJASRACさまへの提案 ですが、 「演奏権」とひとくくりにしないで、「カラオケにおける演奏権」と「その他一般的な演奏権」とで分けて信託することを検討いただけないでしょうか? そうすれば、「カラオケにおける演奏権」だけをJASRACに信託し、「その他一般的な演奏権」は自己管理する、という形にすれば、「カラオケ演奏の印税はもらえ、かつ、ライブでの楽曲使用は自由にできる」ということが実現できるのです。 ※厳密に言えば、演奏権以外にも「通信カラオケ」の権利をJASRACに信託する必要があります。 どうでしょう? 文責:浜町音楽ギルド にへどん Twitterもよろしく。 https://twitter.com/nihedon_21
少し詳しく書きますと、今回書いたような「演奏権を通信カラオケに伴う演奏権と、ライブにおける演奏権に分けて欲しい」という意見は、すでにJASRACさんには伝えてあります。(私たちだけでなく、このような希望はかなりいろいろなところから出ています)
確かに「無償での演奏使用」に関しては現行の著作権法でも使用料は発生しませんが、たとえばライブハウスで入場料無料のライブを開いた場合でも、「会場内での他の収益(物販や飲食販売)を上げるために、音楽を無償で聞けるようにしたイベント」となる場合は「無償での使用」とはなりません。(通常の商業施設の中で音楽が無料で聞ける、という場合も同様に「無料使用」にはあたりません)
現在のJASRACの11の支分権のうちの1つである「演奏権」を、「通常の演奏権」と「通信カラオケにおける演奏権」に分けて、それぞれの権利を個別に信託できるようにできれば、「通信カラオケの演奏使用料はもらいたい」けど、「ライブでの演奏は自由にやれる」ようにしたい、というニーズが完全に実現できるのです。
当該部門では、ニコニコ動画やdwango.jpにおける著作権使用料についての諸々の調整なども、JASRACやイーライセンス、JRCなどの管理団体の方々と行っております関係上、当該管理団体との情報交換などは密に行ってきております。今回の提案だけでなく、今後もボカロPさんをはじめとしたクリエイターさんからのご意見をお待ちしています。
浜町音楽ギルド・株式会社ドワンゴ・ユーザーエンタテインメント 音楽出版事業部
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