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  • 窪寺博士のダイオウイカ研究記-その18

    2018-12-17 15:01
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    [本号の目次]
    1.科学研究助成金基盤研究(B)に採択される
    2.小型HDビデオカメラ撮影システムの開発
    3.2006年10月、小笠原深海ビデオカメラ調査
    4.2006年12月、二度目の調査

    科学研究助成金基盤研究(B)に採択される

     2005年にNHKの依頼で後藤アクアティックスの五島さんが心血を注いで開発した深海HDビデオカメラ撮影システムは、素晴らしい映像を撮ることが出来るものの、総重量200㎏を超えて特殊なウインチ等を装備する調査船が不可欠となった。そのため浦環教授の研究航海であるJAMSTECの調査船「なつしま」を利用させてもらったが、これでは調査時期や海域など制約があり、独自の機動性が大きく削がれることになった。
     2005年に科学研究助成金の基盤研究(B)に「中深層性大型頭足類の分類ならびに生態、潜在生物量に関する基礎的研究」のタイトルで申請していた3年計画のプロジェクトが採択され、申請額全額とはいかないが2006年から研究助成金を受け取ることが決まった。この研究費を基に、2005年にソニーから市販された「いっきに手のひらサイズ」の小型HDビデオカメラ(HDR-HC3)を組み込んだ深海撮影システムを製作することを考えた。撮影システムを小型化すれば、磯部さんの第八興勇丸で自分なりの調査が出来る。

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    ソニーから市販されたHD小型ビデオカメラ(カタログより抜粋)
     
  • 窪寺博士のダイオウイカ研究記-その17

    2018-11-02 16:04
    50pt
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    [本号の目次]
    1.NHK撮影班の奮闘
    2.深海HDビデオカメラ撮影システムが捉えたもの
    3.ヒロビレイカ論文の推敲
    4.我々の映像が語ること
    5.ヒロビレイカの論文発表

    NHK撮影班の奮闘

     結局「なつしま」の8時間に及ぶ深海の映像記録から、ダイオウイカは発見することができなかった。しかし、今までに見たことも撮影されたこともないような大型のイカが、大きな鰭を悠然と波打たせてカメラの前を自由自在に泳ぎまわる映像が何度かにわたり捉えられていた。
     「なんのイカだ?」 最初に見たときは鰭が三角形で大きいことからソデイカかと思われた。が、さらに映像をよく見ると、腕の先が一瞬光っていることに気が付いた。そうだ、マッコウクジラの胃内容物の調査でしばしば見つかったヒロビレイカに間違いない。あの光は第2腕の先端にある大きな発光器が光っているのだ。これこそ世界で初めて深海でヒロビレイカの生時の姿を捉えた貴重な生態映像になる。しかし、論文として纏めるためにはより多くの行動様式を撮影した映像が必要であった。
     調査期間を終えた「なつしま」が我々を乗せて帰路に就いた9月15日以降、NHK撮影班の小山ディレクターと河野カメラマンは父島に残った。小笠原水産センターの調査船「興洋」の五ノ井船長と大型漁船「勇大丸」の平山船頭を拝み倒して、引き続き10月1日から7日にかけて小笠原父島南東海域で、ダイオウイカを撮影するため「なつしま」から引き揚げた深海HDビデオ撮影システムを両船で各々16回と2回、深海へ降ろしたのである。生きているダイオウイカの映像を、この機会にどうしても手に入れたかったのだ。
     
  • 窪寺博士のダイオウイカ研究記-その16

    2018-10-19 17:47
    50pt
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    [本号の目次]
    1.深海HDビデオカメラ撮影システムの開発
    2.特注の耐圧ハウジング
    3.完成した深海HDビデオカメラ撮影システム
    4.JAMSTEC調査船「なつしま」で小笠原へ

    深海HDビデオカメラ撮影システムの開発

     三年がかりでダイオウイカの連続静止画をゲットすることが出来たが、それと並行して私もNHKの小山ディレクターもなんとかして動画でダイオウイカの動き回る映像を撮影できないかと画策していた。まずは、動画を撮影するカメラである。二年前の簡易ビデオカメラは全く役に立たなかった。映像のプロであるNHKとしては、最高の画質で撮影することが義務付けられている。時代はハイビジョンの映像が求められていた。それに合わせるように、2004年にソニーから民生用の小型HDビデオカメラ(Sony HDR-FX1)が初めて発売された。このカメラを使わない手はない。小山ディレクターの人脈でNHKの水中撮影機器の開発・製作を手掛ける後藤アクアティックスの五島さんに相談に乗ってもらうことになった。カメラには広角レンズを装着して広い画角を確保し、また照明は強い光を発することのできる大型のハロゲンライトを使うことを前提条件とした。

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    2004年発売のHDビデオカメラ(Sony HDR-FX1:パンフレットより抜粋)