二つ目の門は閉じた
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

二つ目の門は閉じた

2016-03-31 23:11
  • 1

アニメ版『GATE』が終わりましたね。
はい、終わりました…どうせ次期はありませんよね。

いやー酷かったですね。
テンポは総じて良かったんじゃないかと思いますが、
説明不足というか言葉足らずでしたね。
その上で原作の台詞を踏襲するので気持ちの悪さが勝ります。

最終話のピニャ救出劇のやり取りがそれを象徴してますよね。

原作では自衛隊への対抗策として重装備ジャイアントオーガーを見せている最中に、
外患誘致の嫌疑でピニャを呼び出し、
重オーガーを否定されたからこその「敗北主義者」扱いであるし、
そこに重オーガーがいる理由にもなってますよね。
帝国兵は全て眠っているらしい廊下にスタンバっていたオーガーを想像すると…
苦笑がこぼれます。

ピニャに逃げる選択肢があればこそ「逃げなかった自分は潔白ですよね?」と言えるのに、
改変で完全に拘束してしまっているから上の台詞も言えないし、
「逃げる者は裏切り者。逃げない者は策を抱いた裏切り者」の台詞もおかしくなってますね。

台詞の踏襲と言えば姉妹喧嘩の結末の所も酷いですね。
ロゥリィからして殺人の意の「血が流れた」のは理解できても経緯がわからないからこその
「このロゥリィが仕切る決闘の場を…」であるのに、
レレイがボウガンで狙われてるのが見え、それを阻止した相手に言う言葉じゃないでしょ。
そもそもボウガンを接射する理由もわかりません…演出ぅ…

他にも気持ちの悪い踏襲は『海書亭』でもありますね。
これはアニメだけの罪ではないのですが「ご入門ですか?」がマズイですね。
リンドン(ロンデル発祥の意)派の正魔導士がロンデルの宿に来て「入門」はないでしょ…

アニメだけの罪では無いと言うのは…
原作ではレレイが書海亭に入る時には杖を持たずに出かける時には導服を着て杖を持つ。
杖がいきなり現れます…
持たずにいたと明記はされていませんので、
アニメスタッフが常識的に杖を持っているとしてしまったのは仕方がないとも言えますが、
その後の展開を考えたら持っていてはいけないと理解できそうなものですよね…

おかげでロンデルでも歴史のある宿の主人が、
リンドン派正魔導士の杖を認識できないという喜劇が発生しました。

原作で「ご入門ですか?」をした理由を推測すると…
宿の主人に伊丹組の印象を推測させ語らせる事で、
この世界での一般的な認識を読者に伝える事、
そして着替えた一行を見て考えを改める主人の有能さを印象付ける事では無いでしょうか?

この印象が読者にあればこそこの後の使用人の助命も納得しやすいのだと思います。
アニメでは言葉足らずで自分を守っているようにすら取れてしまいましたが…

アニメだけの罪では無いって話をしたのでついでに原作への突っ込みを…

なんでヘルムが戻ってきてるんでしょうね?
政治的に考えて第一次返還者に入る理由が無いんですよね。
力の無い子爵家の人間を選ぶのはピニャの姿勢からはズレてる感がありますよね。

薔薇がつく前の騎士団の最初の卒業生なので心情的には当然なんですが、
返還をネタに講和派の拡大を狙っていたのですから、
選から漏れた貴族からの反発を招きかねませんし、
真っ先に戦場に出る士官の立場なので日本との講和が成る前なら捕虜の方が安全です。

過去の仲間とのすれ違いであったり、
ヘルムの歪んだ恋慕なんかを書きたかったのはわかるのですが、
首を傾げたくなる部分でもありますね。

そんなヘルムさんですからアニメでの扱いは酷いものです。
戦場描写が無いので完全に小物の悪役ポジションでしかなく、
ゲスキャラとしか描かれていません。

ゲスさを加速させる為なのか皇女の入浴時に入室させるとか脚本が問題レベルですよね。
いや…私も天皇を「陛下」と呼ぶ程度の日本人ですが無理ですよ…
皇族の入浴時に入室とかはね…

でもこの国はアニメ限定でその辺緩いらしいですね。
園遊会に第一皇子が来ても「ゾルザル様~」と座りながら挨拶しても怒られないですから…


さて、台詞うんぬんから離れまして…
ワンシーズンアニメ量産の時代の欠点と言いますか…
何をどこまでどう描くかってのを決め切れてない感が満載でしたね。

最初は炎龍&新生龍討伐と後日談で終わるのが2クールとしてはベストと感じてましたが、
尺を稼ぎやすい『接触編』が1クール未満だった時点でアニオリラストを予想していました。

2クール頭の駆け足脚本がその想像を加速させていたのですが、
終わってみれば『動乱編』をなんとかまとめましたと言うオチでしたね。

アニメではピニャは未だ帝国に身を捧げる覚悟があり、政治から逃げる事もないでしょう。
それはシェリーの見せ場の一つを奪う事にもなります。

『総撃編』で動きがあるのは拉致被害者の救出劇くらい、
『冥門編』も政闘が主で主人公はほぼ入院…となれば映像化する必要が感じられません。
文庫も出し切ったので今後OAD付きで出す物も無いでしょう…

つまりはゲートのアニメは2クールで終わりなのです。
終わりなら違う結末で良かったのではないでしょうか?

まぁあの無理矢理大団円の押し付けラストは違う結末とも言えますが…
ここで終わるなら、なぜ出したかがわからないキャラクターが多数居ます。

筆頭はディアボさんでしょうか?
ゾルザルに嫌味を言って自分が至高の座に着くための構想だけして逃げた人です。
国連視察団の地図騒動の頃にはアルヌスで暗躍を始めていたのですが…カットです。

そのおかげでパナシュさんも影が薄いですね。
後にディアボとセットになる事でなんとか存在を主張していた彼女ですが、
ここで終わりならば最初からヴィフィータが代わりになっていても問題ありません。

古村崎さんも…
待機中の空挺団に嫌味を言って紀子さんと口論しただけの人になってますけど…
というより国連視察団は受け入れてもマスコミを入れる必要がありましたかね?

ミューティさんも必要でしたか?
デリラに代役させても問題無いレベルでしか出てないのですが…

これらを出さずに整合性の有る物語も作れたのでは無いでしょうか?
単純な話では無いでしょうが説明が足りてない部分を「尺が無いから」と許せと言うなら、
この様な不必要キャラクターが奪っていった尺はどう説明するんですかね?

さてラストですが…あんぐりです。
大筋はもう仕方ないとしましょうか?
いや、ダメです、無理です、突っ込みます。

23話の辺りからもう個人的にダメでした。
自衛隊としての大規模作戦中に伊丹個人が部下の心配してもなんともならないでしょ…
指揮系統から外れた小規模集団が加わっても無意味だと思うのですよ。
防御的には常人レベルと大差無いレレイ、テュカ、ヤオを危険に巻き込むのは、
「レレイの安全確保の為」になら理解できるのですが、
演出的に三偵メンバーを心配してに見えてしまうのがなんとも…
炎龍討伐で精神的な変化があったとするなら単純にピニャを救う為と描けば良いのですし…

でもって24話ですが…
いきなりコダ村の村長と子供保護してますよ…アニメ勢ポカーンですよ…
でなぜか三偵主要メンバーが悪所に残ってますよ…
「最終話だからみんな出しちまおう」ですか?

で…「私個人が受けた」ってなんでしょ?
敵対国の要人を拉致する事になりますが個人で受ける話ですか?
炎龍討伐よりマズイと思うのですが…私がおかしいのかな?

尋問の流れは既に語っているので省略しますが、
魔導師一人で一つの通路を制圧される国家の最重要拠点とかあって良いんですか?
亜神相手とは言え近衛兵全員が引くとか名誉を重んじる世界であって良いんですかねぇ…
そして突入時に割った部分だけでゾルザルの狙撃が可能なんでしょうかね?
玉座から降りなければ不可能ですし、あの位置でも可能だと思えないんですが…

そして遷都(笑)の場面ですがテューレの涙が意味が通じにくいですよね。
原作に引っ張られる私には一切わかりませんでしたし、
アニメからの人はどう取ったんでしょ?
金杯のシーンが無いので「私だけ救われない」にはなりにくいですし、
目的を達成したようにも見えませんし「なのに何故?」と言われても…

そしてテューレがこの有様だと古田さんも要らない子だったんじゃと…

でまぁ皇太女の式典がもうね…
一応正当政府が主役にならなければならない筈なのに一番良い場所は自衛隊が居座ってます。
それもね…野戦服で…自衛隊って礼服はないんすか?
そもそも講和されていないのに式典に参加して良いの?
今の所テロリスト集団の首魁の権利の半譲渡の儀式みたいなものですよね?

悪所の娼婦達が居るのは許しましょうか?イタリカですし…
カトー老師も許すべきなんですかね?

カップルラッシュも良いですけどね…
健軍さんがチョロい事になってますが大丈夫ですか?
言葉も通じない一回り違う娘に一月足らずで落とされてますけど…
そういった行為は禁止されてるんですが特地派遣部隊の幹部がそれで良いんですか?

そして個人的にこの作品で気になる衣装設定は最終回もやってくれます。
ハミルトンは皇城でもこの格好だったので許しましょう。
しかしシャンディーは甲冑であるべきじゃないんですか?鳩を出す相方は甲冑なんですから…
どうせ設定無いんでしょうけどね。

デリラさんは給仕服着てますけどアルヌスの自室から取ってきたんですか?
戦衣で入院しましたよね?
日本人相手の犯罪者ですから日本で裁判受けてますよね?

アニメだから衣装なんて同じで良いじゃないかっていう昭和の感覚はどうにもダメですね。
それで良いとされていた時代はそれで良いと思いますが、
スタッフの努力でそうじゃない作品も増えてきてるのにこの有様です。
TPOで着替えなければならないであろう人達であるというのもその思いを加速させますね。

この作品はこういった小さな綻びが全てを台無しにしているという印象で終わりました。

私が気になったのは主に設定やら美術の部分ではありますが、
最終的には「わかってない人間が作ったものだから」と先入観込みで見てしまいましたね。

だってロゥリィに白い服着せるスタッフを信頼できますか?
私はあの時点から不信感しかありませんでしたし、
回を追うごとにそれは強くなっていきました。

「原作者の次に原作を理解する」という言葉はとあるファンタジーな監督の言葉ですが、
それを行おうともしない人間は結局独りよがりの実写監督達と大差ありません。
アニメからの人間には伝わらない原作の理解度というモノは、
あって無駄になる事は無いと考えます。
少なくとも敵を作ることは無いのですからね。

客観的に言えばこの作品は、
多少の抜けはあれどテンポ良く詰められ、ミリタリー描写も及第点以上の良作
となるのでしょう。

私のように曇った目で荒を探すように視聴してるのが正しいとも思えませんからね。
それでも私はアニメ版の『GATE』は酷い出来であったと言い切ります。

そして閉じていないもう一つの『門』が閉じるまで『GATE』と付き合っていきます。
25巻くらいでまとまると個人的には嬉しいなぁ。

過度


広告
×
デリラの裁判の話諸々正統政府の軍事的後ろ盾として自衛隊を強調するって話は原作にあったはず
55ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。