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学問昔話:亜留間次郎の「統計学」講座
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学問昔話:亜留間次郎の「統計学」講座

2023-04-10 05:00
  • 10
今日は毎度おなじみの「合法昔話」ではなく「学問昔話」だよ。

薬理凶室のケダモノこと亜留間次郎です。今回は統計学についてのお話をしましょう。
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統計学で重要なのは、結果が偶然の産物なのか必然の産物なのか見分けることです。

科学において偶然出来たことは再現性が無いので無価値。これは金儲けにおいても商品にして売ることが出来ないので商品価値がありません。

偶然じゃない、必然な場合は「有意差がある」と言います。

科学研究において統計上の有意差が無ければ成功したとは認められません。
当然、学位論文においても、有意差のあるデータを出さなければ学位は貰えないのです。

◆◇◆学問昔話:雨男の統計学◆◇◆



むかーし、昔、ある土建屋に日本一の日雇い人夫がいました。

この男は幼い息子をプロ野球選手にするために頑張っていたのですが、周囲の仲間からコイツが仕事に来ると雨が降って困ると言われていました。

雨の多い梅雨の時期が近くなると社長は雨男を解雇すべきかコンサルタントに相談しました。
コンサルタントは統計学的にコイツが雨男なのか検証すると言って会社の三ヶ月分の日誌を調べました。

雨男が出勤した32日のうち雨の日が15日ありました
雨男が出勤してない60日のうち21日が雨でした。

雨男がいると46.9%雨が降っているのに、いないと35.0%しか降っていません。

居ない時は雨の多い季節の平均に近い割合なのに、雨男が出勤していると平均値をぶっちぎっています。

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数字をみた社長はやっぱり雨男だったと思いました。

ところが、コンサルタントは、

「まだ結論は出ていない。雨男が偶然なのか、偶然ではないのか、検定する必要がある」

と言いました。その辺のインチキとは違ってこのコンサルタントは有能で、統計学が出来たのです。

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さすが亜留間先生、大変読み応えのある含蓄のある内容ですね。
これで一人でも多く、変なのに騙されない人が増えたらいいですね。

No.1 17ヶ月前

大変参考になりました!科学的に物事を見るということが具体的に理解出来ました。

No.2 17ヶ月前

統計で「雨男は偶然」と証明する話、とても面白かったです。
これで納得してくれる人ばかりなら良いのにな…と思いました。現実には、「思い込みを否定する情報」を用意しても、聞き入れられない事もある悲しさ…。
そして野口英世が、まさか統計的な不正で成果を出していたとは初めて知りました。

No.3 17ヶ月前

コロナ関連でもいろいろありましたね。
不適切な検定をつかえば間違った結論が出る。都合の良い解釈が山のように出てきてた。

No.4 17ヶ月前

ファクトの示し方にパワーが有り過ぎる
この記事が読みたいがために入会したが、大変満足させていただきました。

No.5 17ヶ月前

結局のところ紅茶の女性の検証結果はどうだったのでしょうか…?言わずもがなという事でしょうか…?

No.6 17ヶ月前

かこつです。
恥ずかしながら知らないことばかりで、とても勉強になりました。薬理凶室や亜留間先生と出会ってから、世の中に溢れるそれっぽい広告や謳い文句にそのまま流されないようにまず自分で調べて考える癖がつきました。
いつもありがとうございます、これからもいろいろなお話し楽しみにしております。

No.7 17ヶ月前

最近 他の方からも統計と研究に関する話を聞いていたので
また新たな視点をいただいて大変勉強になりました。
ありがとうございます

私が聞いたのは2019年3月20日と古い記事での話だったのですが
Scientists rise up against statistical significance の話で
統計的な有意差がないこと”理由に”その比較している2つのグループにおいて安易に‘差がない`ことや'関連性がない'ことを主張するな(今回の雨男とは桁の異なる有意差なのでしょうが)
という話でした…
単純に 値に飛びつくのでもなくしっかりと見極めていきたいと
アルマ先生の話を含め思いました…
これからもライブや記事を楽しみにしています!

No.8 17ヶ月前

統計学は大学でも勉強しましたが統計学がなぜ必要かという本質的なことを知ることができました。
こう言う話もっと聞きたいです!

No.9 16ヶ月前

私は心理学徒で大学から統計を始めました。統計は触れたことがなく大学で初めて学び始めましたが、数字と結果だけ出てきて分からないことが多かったですが、この記事を読んでより理解を深められたと思います。まだまだ勉強途中ですが、研究の質をあげるためにも精進していこうと思いました。

No.10 16ヶ月前
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