何もしないという革命
――平野メモという〝禁書〟②
▼改憲するはずのない〝しくみ〟
憲法の戦力放棄条項の言いだしっぺが、マッカーサーだろうと幣原喜重郎だろうと、どちらもフリーメイソンなので同じことだという見方がある。つまり、押し付け憲法と言うのであれば、フリーメイソンに押し付けられた憲法ということになるのかもしれないが、冗談はともかくとして、前回vol.64では、幣原喜重郎が世界政府の理想を語ったところまでを述べた。
幣原は単なる理想主義者ではなく、米ソ冷戦下での軍拡競争が果てしなく続くことを予言していた。そして外交官時代の経験に照らして、国家概念があるかぎり軍縮は不可能と見ていた。それゆえにNWO(新世界秩序)による武力管理を主張し、NPT(核拡散防止)条約の予言のようなことも言っている。しかし、戦争を単純に国家間の争いと見ているようなので、実は何も知らないのか、とぼけているのかはわからない。いずれにしても、日本が世界に先駆けて国家主権を放棄することで、NWOの枠組みの先頭に立つべきという考えである。