『シン・ゴジラ』
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『シン・ゴジラ』

2016-08-05 22:25

    特撮映画に偽装して『愛と幻想のファシズム』ごっこがやりたかっただけではないのか。
    ジャンル映画のファンが何故そこに腹を立てないのか不思議で仕方ない。まあ、私はジャンル映画ファンではなく映画にしか興味がないのでかかわり合うこともないのだが。

    空が白飛びでほとんど青くないのは許すとして、室内シーンが現場ありものの蛍光灯頼みで補正もしないのはいただけない(特に逆光ぎみの大杉漣とその他との切り返し)。
    照明がまともな仕事をしたのは國村隼の「仕事ですから」のキメ台詞ショットくらいではないか。

    群像劇の会話の流れを整理する為に、前の発話者の衣服(赤タオルとか)の一部をナメて今の発話者を捉えるショットの数珠つなぎが目につくが、それが効果的であるかは疑問が残るしその法則が厳格に守られてもいない。
    ありきたりな会話シーンである三浦貴大→川瀬陽太→三浦の台詞一つずつにピントを送り返す律儀さといい、画作りの関しては制度的官僚的で行き当たりばったり。勿論そんな中から偶発的に素晴らしいショットを撮る才能などないのは一目瞭然だ。

    速いカッティングの編集に緩急がない為逆に間延びしてみえる。ダメなアメリカ映画にもよくある現象である。速ければリズミカルに見えるだろう、という安易な発想からくる単なるゴマカシ。編集がリズム音痴なだけ。
    特に「どの省に言ってるのか」などのジョークのオチ的な〆にリズム感がないので笑えない。岡本喜八の名を語って良いレベルではない。原田眞人(嫌いだが)でももう少しまともに作れるんじゃないか。

    特撮と『新幹線大爆破』に憧れて去年まで8ミリ自主製作を作っていた連中にいきなりビッグバジェットの製作を丸投げしたかのような悲惨な出来。
    ゴジラの冒頭での見せ方とか再上陸のファーストタッチとか最期とか、こんなもんをスピルバーグに見せたら失笑も苦笑もなく気まずい沈黙しかないので、是非これを褒めた批評家のリストを添えてアメリカに送って欲しい。日本の恥として。





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