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<ふと、思いだした雑文>山のじいさま
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<ふと、思いだした雑文>山のじいさま

2014-11-03 02:28

    山のじいさま

    坊主のじいさま

    読書家のじいさま

    幼いころ

    一緒に居たのが山のじいさまだ

    親からず~と預けられてた

    梅の木に囲まれた 小さな山の家

    立夏は梅の匂いが空気いっぱいに拡がった

    七夕は虫たちの大群が押し寄せ

    深緑の蚊帳の中で眠りにおちた

    仲秋は落ち葉に埋もれ

    家がなくなったようだった

    冬霞は雪が積もって

    真っ白な風景しかなかった

    電気もなく らんぷの灯り 

    橙色に染まった囲炉裏

    濃黒の闇がすぐ隣りにいた

    河で釣り 山で茸を探し 罠をかける

    山と森と河が遊び場だった

    冬の日 なにかに誘われて森にいった

    まっ白な道もないところを歩いていった

    どのぐらい歩いただろうか

    幼い私には永遠の時がながれた

    暗く也始め じいさまのおおきな手に

    掴まれ ひきもどされた

    じいさまは何も言わずに抱きかかえ

    山の家にもどった

    ばあさまは声も出さずに泣いていた

    それが さいしょの家出である


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