プロの世界に入りたくて、思い切って美容師になる決断をしました
大川 面白いと言ったら失礼かもしれませんが、美容師から会社役員になり、その後、日本ふんどし協会の会長になるってかなり珍しい経歴ですよね。
中川さんに関する記事をいくつか読んだのですが、ふんどし業界のイノベーターという側面はフィーチャーされていても、美容師時代の話はあまり書かれていないので、そこも詳しく聞いてみたいです。
中川 聞かれたら話しますけど、美容師の話はカットされることが多いんですよね。
大川 美容師だけにカットされる。中川さんうまいこと言いますね!
中川 いやいや、狙ってないですよ(笑)。
大川 余計なことを言ってすみません(笑)。早速ですが、美容師になったきっかけを教えてください。
中川 大学生のとき、就職活動に全部失敗したんです。そのとき自分がなにをしたいか、全然わかってなくて。全部落ちて初めてどういうことがしたくて、どういうことはしたくないかを考えるようになりました。
美容師って組織には属してるけど、一人ひとりがプロなんですよね。先輩後輩はあっても、実力をつけてお客さんを呼べば年齢に関係なく稼げる。
そういうプロの世界に入りたくて、思い切って美容師になる決断をしました。
大川 大学を卒業してから専門学校に通ったんですか?
中川 通信教育で資格が取れるんですよ。
大川 そうなんですか? 知りませんでした。
中川 お店に入って、丁稚奉公で働きながら通信教育で資格を取れば、多少のハンディはあっても追いつくだろうと思って。
大学入学のために東京に出てきたんですけど、地元の神戸に戻って、3年間で神戸ナンバーワンの美容師になるっていう目標を立てたんです。
大川 神戸でナンバーワン! お洒落な街なので、競争が激しそうですね……。
中川 テレビに出るようなカリスマ美容師って、ほんのひと握りの天才なんですよ。ライバルがたくさんいる中で、同じやり方をしても勝てない。
自分になにができるか考えて、ブログを使って積極的に情報発信していました。
大川 今でこそ当たり前かもしれませんが、当時ブログを使うって新しいですよね?
中川 そうそう、まだ誰もやってなかった。技術はないけど自分から情報発信をして、セルフブランディングをしていました。