• このエントリーをはてなブックマークに追加

チャンネルと同時入会でプレミアムが初月無料!(0円)

「Histoire of June~麻枝 准作品の軌跡~」第2回 『ONE~輝く季節へ~』のまばゆい“日常”
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「Histoire of June~麻枝 准作品の軌跡~」第2回 『ONE~輝く季節へ~』のまばゆい“日常”

2020-06-12 20:10
  • 14
著者:坂上秋成

 みなさんこんにちは、坂上秋成です。
 麻枝ラボが立ち上げられてから一月ほど経ちました。対談・コラムなど楽しんでいただけているでしょうか。自分としても、ラボやコンテンツがみなさんの“日常”を豊かにできるものになるよう、精いっぱい動いていきたいと思っています。

 そんな感じで第2回は、前回取り上げた『MOON.』と同じく麻枝 准さんがTactics時代に企画・ライターを務めた作品『ONE~輝く季節へ~』(以下、『ONE』)を取り上げます。

00224af6b466880272ef51843344d7765d259070
(c)NEXTON

 この作品は実に多様な側面を持っていますが、大きな主題として“日常の尊さ”を挙げることができます。
 本作の主人公・折原浩平は幼馴染の長森瑞佳や友人の住井護といった人々と一緒にまぶしすぎる日常を送っています。しかし物語が進むに連れ、彼の日常に不穏な気配が漂うことになります。自分がいつか「永遠の世界」に連れていかれてしまうのではないかという恐怖が、浩平の生活に忍び込んでくるのです。
 今ここにある日常から切り離され、どこか遠くにある世界に向かわなければいけなくなるだろうという、漠然とした不安。こうした、日常の豊かさと「永遠の世界」がもたらす影との対比が『ONE』という作品の根幹に置かれています。

 『ONE』に関して、麻枝さんは久弥直樹さんの担当キャラの方が人気だったことから(とあるキャラクター人気投票では、上位三名が久弥さん担当の里村茜・川名みさき・上月澪であり、麻枝さんが手がけた長森瑞佳・七瀬留美・椎名繭の三名は全員四位以下となっています)ご自身を“ハズレライター”と感じてしまっていました(『ONE』については今も思っているのかも)。
 ですが、久弥さんのシナリオ・キャラが魅力的だったことを差し引いても、僕は『ONE』という作品の中核には、麻枝さんだからこそ描けるにぎやかな日常とその儚さがあると感じています。
 自分の趣味も混じった話になってしまいますが、僕はこの作品の中で、長森と七瀬のシナリオがダントツで好きです。シナリオで泣けるということもありますが、それ以上に、長森や七瀬とただ一緒に登校し、会話し、はしゃいでいるというそれだけのことが、とてつもなく尊いものに感じられるというのが大きな理由です。
 実際、これは凄いことで、大きな事件が起こらない平凡な日常をプレイしているだけで、「このゲーム面白い!」とユーザーに感じてもらうことはとんでもなく高度な技術が必要になるものだと思います。ただキャラクターとやり取りをしているだけのシーンで飽きさせず、「この日常にマジ感謝……」と思えるようなシナリオを書けるライターとなると、麻枝さん以外に、『それは舞い散る桜のように』『俺たちに翼はない』の王雀孫さん、『家族計画』『CROSS†CHANNEL』の田中ロミオさん(前者は山田一名義)といった人が思い浮かびますが、決して多くはないように感じます。

 本来ならメインヒロインである長森ルートの話をしていきたいところですが、そちらは『Keyの軌跡』でこれでもかというくらいに書いたので、今回は七瀬留美ルートを中心に少し『ONE』の世界を語ってみます。

 
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
入会して購読

チャンネルに入会して、購読者になればこのチャンネルの全記事が読めます。

入会者特典:当月に発行された記事はチャンネル月額会員限定です。

ブログイメージ
神様になった日特設サイト〜麻枝准研究所〜
更新頻度: 不定期
最終更新日:2020-07-10 22:06
チャンネル月額: ¥550 (税込)

チャンネルに入会して購読

ニコニコポイントで購入

この記事は月額会員限定の記事です。都度購入はできません。

他4件のコメントを表示
×
ONEを先週あたりにプレイしました。
わかりやすく感動できたのは里村茜と川名みさきでした。理由としましては、主人公が消えるという切なさをキャラ設定で消化できているからです。ただ、この記事のように麻枝さんの狙いとしては日常の儚さをテーマにして組み立てているので、久弥さんと目指しているゴールが違うように感じられました。
(プレイして楽しかったのは間違いなく七瀬ルートでした)
それは置いておいて、主人公のドS感、素っ気ない態度だけど、憎めず、カッコよく見えてしまうのは麻枝さんの1番の強みだと改めて思いました。
1ヶ月前
×
ONEを遊んでいた当時好きだったキャラは、瑞佳、七瀬、茜だったんですが、後々よく思い出すのは瑞佳なんですよね。個人的には最強の幼なじみキャラだと思っています。距離が近すぎて友達以上恋人未満な日常のやり取りも好きでですが、恋人モードになってからの瑞佳もめっちゃ可愛くて。まぁ、それは七瀬にも言えることで浩平の悪戯を通じたやり取りで笑わされていたのに、浩平を意識し始めてからの七瀬はめっちゃ可愛い。
その一方で、麻枝さんシナリオの浩平は、浩平=プレイヤーじゃないってところも面白いところで、プレイヤーはヒロインとの仲を進めたい一心でプレイするのとは裏腹に、浩平はかならずしもそれを望んでいなくて、それを選択肢とそれを選んだ結果という形で、うまく表現されているんですよね。
あと、ONEで気に入っているのは麻枝さんシナリオの詩的表現で、
「たくさんの幸せのかけら
ビー玉のように輝く小さな幸せのかけら
浩平と集めるんだ
一緒に集めた幸せはふたりの共有する幸せ
それはどっちの角度から見ても幸せなんだ
ね 浩平」
とかいまだに何も見ずに思い出せるぐらい好きです。
1ヶ月前
×
自分が初めてプレイしたのも七瀬シナリオでしたね。
「何がなんだか理解できないけれど、とにかくとんでもないものをプレイしてしまった」という衝撃と興奮を今でも憶えています。
わけがわからずとも、有無を言わさず圧倒するほどの熱量・切なさが七瀬シナリオにはありました。
で、丁寧に作品の全体像を解説してくれる茜シナリオでようやくシナリオ構造が理解でき、素直に涙を流せたわけですが・・・。
桜の木で例えれば、ONEでの麻枝さんは巨大な幹のようなものだと思います。
久弥さんは確かにONEで立派な花を咲かせて花見客に大絶賛されましたが、それは麻枝さんという幹が無ければ咲かなかっただろうと当時も今も思っています。
幹の異様な重厚さに圧倒され、花の見事さに感動できる。
今思い返しても、実に贅沢な体験でした。
4週間前
userPhoto
麻枝准研究所
×
>>1
坂上です。七瀬の漢字テストについては、誰がどう読んだか分かるようになってるんですよ。
たとえば「儚い」を住井の答にすると「ねむい」と出てくるのでこいつは間違いだなとか。
それで正解してる人を見つけ出していけば満点とれる仕様になってるかと。
4週間前
userPhoto
麻枝准研究所
×
>>3
こんにちは、坂上です。記事をきっかけにプレイしてもらえるのは凄く嬉しいです!
ついでに僕もポニーテール七瀬が好きです。
4週間前
userPhoto
麻枝准研究所
×
>>6
坂上です。プレイヤー=浩平じゃないというのはONEの面白い部分ですよね。
長森ルートで長森に冷たくし続ける箇所とかはプレイしてて心がエグられる感じがありました……。
4週間前
×
瑞佳「ねえ、浩平ってさぁ・・・」
浩平「な、なんだよ」
瑞佳「・・・一口(ひとくち)が大きいよねっ」
浩平(そんな事はどうでもいい)
いつもここで吹きます(私的ツボ)
、、、
ONEは初めてプレイした麻枝作品で、麻枝さんに嵌まるきっかけになった記念碑的存在です。めちゃくちゃ影響受けましたねぇ。今でも夕陽を見ると(共通ルートで浩平がふいにおセンチになるシーンが好きなのです)無性に切なくなって「海鳴り」や「永遠」が頭の中で鳴り始めたり(w 実にイタイです。
作品論的なものを語る力量もありませんが、ひとつだけ、現在の浩平の心のどこかに永遠の世界への憧れがあったんじゃないかと思うんです。だから一度永遠に行く必要があって、「追思」が始まるのかな、と。ONEはトリッキーな選択肢が多用されてますが、それはまだ永遠に居たい浩平の意識がプレイヤーを邪魔しているんじゃないか、とか、考え出したら切り無しです。つくづくとんでもない器量をもった作品だと思う次第です。それを為せたのは麻枝さんの強烈なイメージ喚起力・世界観の構築力と久弥さんの繊細な舞いだった訳ですよね。図らずとも。
でも、そこを意識せずともキャラの魅力テキストのパワーCGの味わいすばらしいBGMで純粋に笑い、泣き...お互いを補強しあっているのがすばらしい。麻枝シナリオでいえば七瀬の「・・・あれ?」の意味に気付いた瞬間、繭の仔犬を拾うシーン、瑞佳の「・・・つかまえたっ」etc.etc...などは涙腺決壊不可避でした。
、、、
長くなりましたがONEは自分にとって「一瞬で青春に戻れる至極の一本」です。
別離を乗り越えた二人を待っているのは新緑輝く季節ーーー
真に"EverGreen"なのです。
4週間前
userPhoto
麻枝准研究所
×
>>2
いまさらキャラメルのおまけなんていらなかったんだよ!(坂)
4週間前
×
>>10
浩平は、瑞佳を母親と妹の身代わりにしている、つまりマザコン&シスコンで、瑞佳を拒絶し続けたのは反抗期みたいなもので、瑞佳と浩平が仲を深めるには必要なことだったんじゃないかなと思っています。
4週間前
×
key作品は日常会話が面白いよね。
4週間前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。