• ネズミと協力!PSVRのパズルアドベンチャー『Moss』レビュー

    2018-05-13 18:29
    本作はQuillというネズミの少女を操作しつつ、また、プレイヤーは物言わぬ巨人として岩などを動かしQuillと協力して難所を突破していくPSVRのパズルアクションゲームだ。

    操作系は非常にシンプルで、Quillを移動(左スティック)、ジャンプ(×)、攻撃(■)というオーソドックスなスタイルで操作する。また、『物言わぬ巨人』として岩などの大きいオブジェクトを掴んで動かせる。PS4コントローラ自体がモーションセンサになっていて、L2/R2を押すと掴む/離すの操作ができる。



    まず特質すべきは美麗なグラフィックだ。ゲームは一冊の本を読む人物の視点から始まる。荘厳な教会の雰囲気、立ち並ぶロウソクたちの火の揺らぎ。その中にプレイヤーはただ一人立ち、本を読む。
    対して、本の物語は森の中から始まる。川を流れる水のせせらぎ、緑豊かな木々たちがプレイヤーを迎え入れてくれる。ゲーム中は前半を森、中盤を洞穴、後半を廃墟や神殿のような場所を探索する。どの箇所も非常に美しく、芸術的といって差し支えない。

    プレイヤーの視点は前方にジオラマを置いたような形になっている。左右や後ろを見回すようなことはほとんどない。ただし、時折フィールド自体が入り組んでいることがあり、上下左右から覗き込むような動作を強いられるシーンもある。それが本作のVRらしさであり、パズルに通常のゲーム以上の奥行きを作り出している。

    前述した通り、物語の主人公はネズミのQuillであり、たまに入るナレーションもQuillの状況を説明するように話す。素晴らしい物語も基本的にはQuillの気持ちになってプレイすることになる。
    ただ、このゲームの場合、プレイヤーは物言わぬ巨人としてQuillと協力する関係でもある。それ意識させられるシーンも多く、プレイヤーが謎解きに手間取っていると、Quillが『あっちのオブジェクトを動かすんだよ!』言わんばかりに身振り手振りで何かを伝えてくるシーンもある。また、難所をクリアするとQuillからハイタッチを求めてくるシーンもある。
    通常時はQuillの気持ちでプレイしながら、要所要所では彼女と協力する巨人の気持ちになれる。このバランスは秀逸の一言だ。

    総じて難易度は高くなく、誰にでもおすすめできる内容になっている。もしあなたがPSVRを持っていて、未だプレイしてないのであれば是非プレイしてみて欲しい。
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  • VRとボイチャとインターネットパリピ

    2017-01-18 13:55
    私は別にゲーム開発者でもVRのヘビーユーザでもなく、HTC viveを持ってすらいません。
    ただ友人とVRについて話した内容が面白い結論になったのでつらつらと書きます。

    結論から言うと、VRは一家に一台というレベルでは流行らないと思います。逆に言えば、ゲーミングヘッドセットくらいには流行るかなと思ってます。
    ここで言うヘッドセットはヘッドホンとマイクが一体になったやつです。別にゲーム専用である必要はありませんが、ゲームもしくはボイスチャットのために買ったものに限ります。

    まず、私は巷で話題の没入感というものに全く価値を見出してません。ゲーマーなんてコントローラーとディスプレイがあれば異世界に旅立てる連中だと思ってるからです。そうでないライトゲーマーがあんなに高いVRキットを買うとも思えません。Kinect、うっ、あたまが。なので、シングルプレイはいま時点の感じを見ると正直NotForMeだなと思ってます。

    じゃあ、VRに価値がないのかっていうとそうではありません。マルチプレイのときに相手に伝わる情報が増えるというのは面白いです。

    HTC Viveに限って言えば以下のことは伝わります。
    * 顔の位置、向き(どっちを見てるか)
    * 手の位置、動き
    * 微妙な移動、揺れ(ルームスケール内)

    具体的な例を言えば、バスケのゲームならノールックパスのような駆け引きがおそらく実現できます。シュートが決まれば、自然にガッツポーズや拍手をして喜ぶこともできるでしょう。(バスケ自体ができるかは知らない)

    さて、そこまで濃密なマルチプレイができるようになったとしてコミュニケーションにおいて最も重要である音声はどうしましょう?ほしいですよね?というか、無いとシュールですよね。でも、よく考えてみてください。私たちはもう随分と前からボイスチャットというテクノロジーを得ています。でも、使ってる人ってあんまり多くないです。それは何故でしょう。

    1つ目は、声や話し方は非常にセンシティブな情報を伝えてしまうということです。例えば、性別や大まかな年齢です。わかってしまうと微妙にまずい感じになるのは想像できます。
    2つ目は、一定以上のコミュ力を必要とすることです。全く知らない人は当然として、少し接点があるだけの人と娯楽目的で話すというのは結構コミュ力いります。

    ただ、ゲーム中に普通にボイスチャットをしてる人たちもいます。共通の話題さえあればよく知らない人たちとも臆せずコミュニケーションをとるインターネットパリピたちです。今だと多分TeamSpeakとかDiscordを使ってる人たちです。Steamのコミュニティでワイワイやってる人もそうです。そういった人たちであればきっとVRゲームを心の底から楽しめるでしょう。ただ、そういう人たちってゲーマー全体から見るとどれくらいいるのかなぁというのが私の疑問なわけです。

    まとめると、VRゲームでマルチプレイをやり始めると、当然ボイスチャットも欲しいはずです。でも、ボイスチャットには独特なハードルがあって誰もがやるとは考えづらい。それでは結局VRゲームのマルチプレイはシュールなものになるだけなのでは?VRを本当に楽しめるのはインターネットパリピだけなのでは?という話でした。パリピ強い。

  • 災害という"機能"

    2016-10-04 08:47

    cities skyline に新要素である災害が追加されるアップデートがくるらしい。

    とはいえ、災害というのは基本的に不幸なことでしかない。台風、地震、火災、感染病、etc…。しかも、道路の混雑などと違って自分のプレイの結果を反映するものでもない。災害はいつも突然に来て、甚大な被害を出し、程なくして去っていく。場合によっては、解決不可能な問題を起こし、プレイヤーをリセットに追い込む。にもかからず、cities skylineには災害という”機能”が追加される。

    シムシティでは災害はもっぱら自分が作った街を破壊するために使われていた。災害を使って街を壊し、街づくりの鬱憤を晴らしていた。バックアップを取るのを忘れずに。もしくは、地割れで壊滅した街を救うというロールプレイのために使われていた。この荒れ果てた街を敏腕市長が救うのだ!

    さて、街づくりのゲームにおいて災害の役割はもう1つある。それは災害に備えることを要求することである。台風が来るのであれば、台風に強い家屋を作る。ただし、それは少し費用がかさむかもしれない。火災がおきるのであれば、建築物どうしには延焼しないように適度な隙間を作る方が良い。消防署もあればなお良い。感染病への対策には予防接種が効果的だ。その為には税金が必要な場合もある。市民がその意義を理解するためには教育も必要だ。

    少なくともゲームにおいては、災害は防ぐことはできなくとも、被害を軽減する備えをすることは可能である。また、その途中で様々な興味深い選択を要求される。災害は起こってしまえば不幸でしかないが、それに備えることは趣深いことである。それが多くのシミュレーションゲームに災害という”機能”が実装される理由なのだ。