ようつべやUSTREAMがニコ動みたいになれなかった理由~「栄光」と「利益」に人は集まる
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ようつべやUSTREAMがニコ動みたいになれなかった理由~「栄光」と「利益」に人は集まる

2014-07-09 04:23
    ― 特に明確な理由がないのに、気がついたらニコ動で動画探しをしている ―

    なんて事はないだろうか。明確な理由がないならようつべ(YOU TUBE)やユースト(USTREAM)などでもいい筈なのに。

    そうなってしまう原因は色々考えられる。単純に一番利用頻度が高いので無意識にサイトを開いてしまうというパターン、あとはシステムの違い、つまりニコ動ならばコメント方式が画面にかぶるシステムなので、その方が楽しくていいやという人もいるだろう。後は何より、自分が面白いと思う動画・生放送が沢山あるから、というのもある筈だ。

    何故ニコ動・ニコ生は現在のような「生態系」を築く事が出来たのか?冷静に考えれば生放送をしたいだけなら、ユーストはタダで無制限でずっと生放送が出来るのに、ニコ生はタダでやるには30分単位しか出来ない。長時間ぶっ続けでやるには金がいる。動画にしたってコメント方式の違いはあれど、ようつべの方が世界的なユーザー数は多い。

    特に音楽関連なら英語でなくてもBABYMETALみたいにヒットすれば一千万再生なんて事は結構ある。それこそ嫌韓系の方には嫌われているが、PSYの「江南スタイル」なんぞ歌詞の大半は韓国語のままであるにも関わらず欧米諸国で受けてしまった。進出する現地の母国語バージョンまで作って必死に売り込んでる韓国アーティストからすれば「どういうことなの…」と言いたくなる事が起きたりするのが全世界対応しているようつべの恐ろしさである。

    ニコ動きっかけでメジャーデビューする人はいるが、あくまで国内からの出発で全世界規模に発展する人は今のところいない。といってもボカロ曲は結構海外でも売れてるらしいので(4年前の情報だが、初音ミクなどを販売しているクリプトンの発表で、iTunesで販売しているボカロ曲の売上の3割が米国からだったそうだ)、未知数な部分もあるのだが。

    とまあ、ニコ動以外でやった方が旨みのある部分が多いにも関わらず、多くの人は不便なニコ動の方を選んでいるという現状がある。理由は何なのだろう?

    以降は憶測でしかないが、私は運営側がリアルイベントに力を入れだした、「ニコニコ大会議」以降が大きな分岐点になったと考える。それに加えニコニコ生放送が軌道に乗り、多くの公式・チャンネル生放送が連日あたりまえに放送されるようになった状況も大きく関与している。

    確か落語家の故・立川談志師匠の言葉だったと思うが「栄光のある所に若いやつは集まる」という言葉がある。かつては「芸人」といえば「舞台」こそが栄光のひのき舞台だったのが、後からやってきた「テレビ」というメディアに栄光の舞台が移り、かつ利益もより多く手に入るという状況に、笑いの世界の中心は瞬く間にテレビに移ってしまったという状況を目の当たりにしての言葉だったと思う。

    大会議以降、リアルイベントに力を入れた事により、まず歌い手を中心としたパフォーマーにとっての栄光の舞台が設定された。そしてイベントの内容が拡大し、超会議に発展してゲーム実況とかその他諸々の各ジャンルの人にとっても活躍する舞台が設定された。

    冷めた見方をすれば、「こんなイベントなんてニコ厨たちの内輪受けイベントだろうが」、とも言えるだろうが、正直内輪受けだろうと関係ないのだ。自分が属しているコミュニティの中で認知される事、評価される事、それこそが自分にとって意味があることであり、別に「一般的に」なんて概念はどうでもいい話なのだという人はニコ厨には多い筈だ。

    そしてニコ生の公式コンテンツが充実し、このコミュニティ内で有名になった人がある程度継続的に活動できる場が増えていった。特にゲーム実況者は活動の場が増え、ごく少数とは思われるがゲーム実況で生活している人も出てきている。こうして「栄光」が感じられ、うまく行けば「利益」も得られるかもしれない。そういう場としてニコ動界隈は「生態系」を作ることに成功したのである。このような生態系はようつべやユーストには無い。ようつべやユーストで有名になっても公式イベントやコンテンツが乏しい(というかたぶん無い)ので活躍する場が無い。それ故に人が集まりにくい。

    ただそれも若干状況は変わっている。ようつべは「HIKAKIN(ヒカキン)」という謎の素人が何故か人気になり結構な稼ぎを得て生活している事が知れ渡り、「俺も第二のヒカキンに!」という人が出まくっては叩かれる状態が続いている。ニコ動界隈では馬鹿にする人も多いが、言うてもニコ動だって今でもこの程度でよく歌おうと思ったなという人が歌っていたり、何にも面白い事出来てないのにゲーム実況しちゃう人がいる世界なのだから人のことは言えない。幾多のゴミの中から一握りのスターが生まれるのはあらゆる所で同じだ。

    それでもニコ動の優位性は運営が余程の失態をかまさない限り変わらない気がする。それは前述した通り、独自の「生態系」が既に出来上がっていて、ある意味運営の意図と関係なく機能しているからだ。その勝手に動き出した生態系を運営が潰さない限り、この優位性は続くと思われる。

    今のところ超会議という全方位型のリアルイベントをやり続けている姿勢を見る限り、そしてようつべもユーストもこういったリアルイベントによる生態系の形成に乗り出す気配がないので、「今のところは」だが大丈夫だと思う。ただし前述した通りニコ動の有名人がようつべもやるといった、移籍ではなく活動範囲の拡大を行うケースは増える気がする。誰だって稼ぎは多いほうがいいと思うのは自然な事だ。
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