第75回 菊花賞(G1)
10月26日(日) 京都競馬場 芝3000m


 牡馬クラシックの最終戦・菊花賞。これまで7頭の三冠馬が誕生し、過去10年でも05年のディープインパクト、11年のオルフェーヴルと2頭が三冠の栄誉を勝ち得ている。今年は皐月賞馬・イスラボニータが天皇賞(秋)に目標を定めてここは回避。ダービー馬のワンアンドオンリーが、G1初制覇を目指すライバルを迎え撃つ形となる。秋も神戸新聞杯で好発進したワンアンドオンリーが2つ目のタイトルを手にするのか、それとも他馬にチャンスがあるのか。過去の傾向を見てみよう。



Check1
1番人気は上々だが……
  過去10年、1番人気は【5.1.1.3】と上々の成績で、ここ3年は単勝1倍台の馬が期待に応え3連勝。05年のディープインパクトも合わせ、単勝オッズが2倍を切れば4戦全勝の成績を残している。
 ただ、2番人気は【0.2.0.8】とひと息、3番人気は連対なしに終わるなど、1番人気以外の上位人気馬の信頼性は決して高くない。08年や10年は1番人気が連対しても3連単52万、33万馬券が出ており、波乱の可能性は十分にある。一方で、10番人気以下は【0.1.1.86】。フルゲート18頭の下位半分から、2頭以上が絡むような超大穴までは期待薄だ。



【人気別成績(過去10年)】               
人気    成績    勝率    連対率    複勝率
1    5-1-1-3    50.0%    60.0%    70.0%
2    0-2-0-8    0.0%    20.0%    20.0%
3    0-0-4-6    0.0%    0.0%    40.0%
4    1-1-0-8    10.0%    20.0%    20.0%
5    0-2-0-8    0.0%    20.0%    20.0%
6    0-2-2-6    0.0%    20.0%    40.0%
7    1-1-1-7    10.0%    20.0%    30.0%
8    3-0-0-7    30.0%    30.0%    30.0%
9    0-0-1-9    0.0%    0.0%    10.0%
10    0-0-0-10    0.0%    0.0%    0.0%
11~    0-1-1-76    0.0%    1.3%    2.6%




      
Check2
4キロ以上の馬体減は減点材料に
 マラソンランナーにたとえ、長距離戦はスリムな馬が強いとも言われるが、馬体重別では480キロ台、490キロ台あたりに好走馬が多く、複勝率が高いのもこのあたりから上。体型や血統などを見ずに、単に中~小型馬を選択していては的中から遠ざかる傾向にある。
 また、馬体重の増減別では、ひと桁のプラス体重や、±2キロ程度の馬は複勝率20%前後を記録。対して4キロ以上減っていた馬は【1.1.2.39】に終わっている。5番人気以内でも4キロ以上減は【1.0.1.6】連対率12.5%止まりで、大きなマイナス体重は減点材料と考えたい。




Check3
神戸新聞杯組は3着以内を中心に
 神戸新聞杯が芝2400m戦になった過去7年では、この組が【6.4.3.38】と連対馬14頭中10頭。まずはトライアル・神戸新聞杯組の取捨がカギになる。この組の勝ち馬が1番人気になれば【3.1.0.0】、2番人気以下は【0.0.0.2】。また2~3着馬も【3.2.1.6】とチャンスがある。ただ、4着以下は【0.1.2.30】で、好走した3頭も神戸新聞杯上位馬に再び先着を許す形になっている。





Check4
皐月賞馬不出走なら上がり馬に注目!
 冒頭にも触れたように、今年は皐月賞馬のイスラボニータが不在だが、過去20年、皐月賞馬不在の菊花賞で、ダービー最先着馬は【1.1.1.5】。連対したローズキングダム、エピファネイアはいずれもダービー2着馬で、ダービー馬はフサイチコンコルドの3着が最高と、最大のライバルが不在だからといって、ダービー馬の過信は禁物という傾向だ。また、昨年のエピファネイア、96年のダンスインザダークを除いた優勝馬8頭中6頭が、春の重賞で好走実績のない上がり馬だった。
 また、春の二冠馬を除くダービー馬は、菊花賞の勝利から長く遠ざかっている。表に挙げた過去20年以前にさかのぼっても、ダービー・菊花賞の二冠馬は1943年のクリフジ(オークスも制して変則三冠)、73年のタケホープの2頭だけで、ともに皐月賞は不出走。もし皐月賞4着のワンアンドオンリーが優勝すれば、史上初めて三冠すべてに出走した「ダービー・菊花賞」の二冠馬になる。




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