中山芝は差しが届き、阪神芝は外が伸びない？

秘書（や）先週のＷＩＮ５は１-３-12-６-５番人気で決着して2684万180円の払戻金。小渕さんは阪神10Ｒのホーカーテンペスト、中山11Ｒのダノンレジェンド、阪神11Ｒのショウナンアデラが外れてＷＩＮ２でした。振り返っていただけますか？

小渕：まずは阪神11Ｒの阪神ＪＦですが、ここは非凡な素質を感じたロカと堅実味のある末脚で地力上位間違いないレッツゴードンキの２頭で勝負。タフなコースで力のある馬しか勝てないこと、関東馬が直前輸送の心配があることを考慮すれば、この２頭で大丈夫かと思いましたが、今思えばデビュー２戦目で精神的な影響が気掛かりなロカを過度に期待するのは、人気を考えれば酷だったかも知れません。結局は関東からの輸送も克服してショウナンアデラが強い勝ちっぷり。ちょっとモノが違いましたね。


秘書（や）中山11ＲのカペラＳが皆さん難しかったように思いますが、そのあたりはどうですか？

小渕：中山のダート1200ｍというのは、高額条件になるとテンに速い馬が揃って逃げ切るのが非常に難しいコースなんです。今回もどれがハナに行くかハッキリしないくらい行きたい馬が揃っていましたし、普通はある程度控えても競馬できて終いにいい脚を使える馬を選ぶのがセオリー。それが、揉まれる競馬を嫌ってダノンレジェンドが玉砕覚悟のハイペースで逃げたことで、他が直線を向くまで前を追いかけず、意外や意外、前が残りやすい展開になってしまいました。ダノンレジェンド陣営からは揉まれなければ走るというハナシは出ていましたが、重賞の中山ダート1200ｍで揉まれずハナを切るのは至難の業。これはちょっとお手上げのレベルです。


秘書（や）：今週は引き続き中山と阪神、ローカル開催は中京です。どんなところに注意が必要でしょうか？オススメの１頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが…。


小渕：今週も仮柵の移動は無く、使用コースは先週と同様。中山芝は上がりの掛かるレースが多いため、わりと差し届くレースが目につきます。阪神芝はどうも外を回った馬が伸びを欠いています。内枠の馬が有利でしょう。中京はだいぶ内目の馬場が荒れてきたようで、外差しが利いていますね。今週のメインレースは阪神に移った朝日杯ＦＳ。コースが替わったことで短距離向きのスピード馬はかなりキツい戦いになりました。また、500万特別を勝った馬が近年は活躍が目立ちます。これは、２歳戦の番組が充実してきて、ローテーションが多種多様になっているため、格の高いレースだからといって強いメンバーが揃っているとは一概に言えなくなっていることを示しています。今年も500万特別を勝ち上がってきたダノンプラチナに魅力を感じますね。最終追い切りでは札幌２歳Ｓを勝ってきたブライトエンブレムを楽に煽る動き。思ったより人気になっていますが、期待できそうです


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小渕高慶（おぶち　たかよし）プロフィール

業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。