小渕:先週は後半の3レースが荒れそうもない組み合わせだったため、波乱があるとすれば前半の阪神10Rと中山10Rだと思っていました。阪神10Rはパワー比べの馬場でのハンデ戦。実力も割りと拮抗していたので、展開ひとつで何が来てもおかしくないと踏んでいましたが、10番人気のマイネオーラムと5番人気のモビールが粘り込みを図るなか、最内の狭いところをこじ開けて1番人気のレコンダイトが結局勝利。ここで先週は高配当の夢が潰えてしまいましたね。外れてしまった中山10Rは、先週の先行有利のダートなら前に行けるシゲルガガは押さえておかなければいけない馬でしたが、行きたい馬が多く、前に行く組なら有利な外枠が来ると思って決め打ちしたのが裏目となってしまいましたね。
秘書(や):中山11RのスプリングSは伏兵キタサンブラックが勝ちましたが、これはどう見ますか?
小渕:3連勝したキタサンブラックの力は素直に評価しなければならないでしょうが、このレースに限っては、リアルスティールとダノンプラチナが皐月賞やダービーを視野に入れた競馬だったことが大きなアドバンテージとなった気がしますね。リアルスティールは折り合い重視でポジションにはこだわらない競馬。これまでより追い出した直後の反応が少し鈍かったことで僅かに届きませんでしたが、上がりは33秒6。中山でこれだけの脚を使える馬はそういませんし、やはり能力は相当です。ダノンプラチナも、唸るくらいの手応えで進出してきてさすがGⅠ馬と思わせるところはありました。正攻法の競馬を試して伸び切れなかったあたり、本質はマイラーかも知れませんが、元の差し脚を生かす形に戻せばまだまだ変わり身はあるでしょう。いずれにしても、この上位3頭は他のトライアル組よりもワンランク上の印象です。
秘書(や)::今週までは中山、阪神、中京ともに引き続きAコースを使用。どんなところに注意が必要でしょうか?オススメの1頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが…。
小渕:中山は先週からまた馬場が硬めになり、先行勢と内枠が有利な芝に変わっています。今週は日曜に雨が降りそうなので何とも言えませんが、ダートは雨が降れば前残りが多発しているので、ハンデ戦のマーチSは気をつけてください。阪神は極端に時計が掛かるパワーとスタミナ重視の馬場。外回りの阪神11Rはともかく、内回りの阪神10Rはハンデ戦で大混戦となるでしょう。中京は高松宮記念ですが、雨のスプリント戦は本当に難しいですね。例年の傾向からは阪急杯の結果がリンクしやすく、注目は強いマイル路線から回ってきたダイワマッジョーレ。逃げ馬が揃ってハイペース必至ですし、道悪をこなす差し馬が狙い目です。
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小渕高慶(おぶち たかよし)プロフィール
業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。