小渕:先週はクラス編成直後で堅い決着が濃厚でしたが、東京9R→阪神10R→東京10Rと、堅いながらも人気のない方が勝ってくれてかなりいいリズム。あとは阪神11Rでマテンロウボスかラングレーが勝ち、東京11Rがひと波乱あれば美味しい配当をゲットできそうな流れでしたが、そううまくは行きませんでしたね。それにしても阪神11Rが外れたことは意外でした。重賞でも戦えるほどの実力馬ラングレーとマテンロウボスが降級して、力勝負の外回り1800m戦。どう見てもこの2頭の一騎討ちかと思われましたが、ラングレーは内にモタレるのを意識してか、大外に持ち出して伸びを欠き3着、マテンロウボスはインを狙って多少窮屈なシーンもあり2着。先に抜け出したノボリディアーナの粘り込みを許してしまいましたね。
秘書(や)先週は東京11Rの安田記念が最も波乱含みとおっしゃっていましたが、終わってみれば1番人気のモーリスが勝利。これについてはいかがですか??
小渕:例年の傾向からすると、近走の好走で人気を集めた上がり馬は案外結果が出ていないレースだったため、派手な勝ちっぷりで1番人気にまで支持されたモーリスとて、ちょっと人気になりすぎかなと思っていました。そもそもこのマイル路線はなかなか抜けた存在が出現しにくい路線で、勝ったり負けたりが多いですから、あまり近走の結果にこだわるより、タフなレースになりがちなGIのペースに適性のある馬が強いという見解だったのです。なのでGI実績のない馬より、過去の実績ではあってもGIで好走した経験のある馬の巻き返しを警戒していました。ただ、今年の場合は、結果的に過去のGI実績馬も力が劣化していて、新興勢力の台頭を許すくらいメンバーが手薄だった印象。もちろんこの慣れない厳しいペースを好位から押し切ったモーリスの力は評価しますが、それとてゲートの心配が依然残りますし、今後も絶対視していい存在とは言えないと考えています。
秘書(や):今週は引き続きローカルなし。そして東京が前開催から数えて8週目、関西は阪神が2週目となります。どんなところに注意が必要でしょうか?オススメの1頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが…。
小渕:まだまだクラス編成直後と言える状況ですし、ローカル戦もないので、今週もあまり波乱の余地はないでしょう。馬場傾向に関しても、阪神芝が多少イン有利なくらいで、東京は内外公平な状況。無理に手広く買っても取りガミ濃厚なので、ある程度絞って適度な配当を狙うのが今週のセオリーだと思います。今週最も波乱の余地がありそうなのが、阪神11RのマーメイドS。格上挑戦が多いハンデ戦で、タフな阪神の2000m戦では、あまり他のレースの実績はアテにならないでしょう。狙いは阪神得意のイリュミナンス。最内枠も有利です。
週末のWIN5予想は『競馬道OnLine 小渕高慶の「本日の3番勝負+WIN5』で!
小渕高慶(おぶち たかよし)プロフィール
業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。