第152回 天皇賞・秋(G1)
11月1日(日) 東京競馬場 芝2000m

 秋の古馬頂上決戦の第1戦・天皇賞(秋)。ここからジャパンC、そして有馬記念へと続く、俗に言う「秋の古馬三冠」第一関門となる。これまで00年のテイエムオペラオー、04年のゼンノロブロイの2頭が、この3連戦3連勝を達成。ほかにも、08年のウオッカや10年のブエナビスタ、そして一昨年のジャスタウェイなど、近年だけを見ても数多くの名馬が優勝馬に名を連ねている。一方で昨年のスピルバーグなど、過去10年の優勝馬10頭中5頭は、このレースがG1初制覇。09年にはカンパニーが、G1挑戦13戦目にして初勝利を飾った。今年も宝塚記念を制したラブリーデイを筆頭に、クラシックホースや牝馬G1馬、そしてG1初挑戦馬など、さまざまなタイプが登録してきた。どの馬が栄光の盾を手にするのか、過去の傾向を見てみよう。

Check1
安定の1番人気、5番人気が3連勝中
  過去10年、1番人気は【3.3.2.2】で複勝率80.0%。2番人気も同60.0%と安定した成績を残している。その1、2番人気馬が揃って連対を外したのは2回のみ。その06年と09年も3着は確保しているため、3連複や3連単なら1、2番人気から最低1頭を含む組み合わせを狙いたい。
 その他では、4勝を挙げた5番人気が、12年のエイシンフラッシュ、13年のジャスタウェイ、そして昨年のスピルバーグと3連勝中だ。ほかに7番人気も複勝率40.0%を記録する。8番人気以下の好走は、10年前の05年に1、3着に入った牝馬2頭のみ。その牝馬は、1~2番人気か2桁人気かという両極端な成績だ。

【人気別成績(過去10年)】                   
人気    成績    勝率    連対率    複勝率    牝馬
1    3-3-2-2    30.0%    60.0%    80.0%    2-1-1-2
2    0-3-3-4    0.0%    30.0%    60.0%    0-2-0-0
3    0-0-2-8    0.0%    0.0%    20.0%    0-0-0-0
4    1-1-0-8    10.0%    20.0%    20.0%    0-0-0-1
5    4-0-0-6    40.0%    40.0%    40.0%    0-0-0-1
6    0-0-2-8    0.0%    0.0%    20.0%    0-0-0-1
7    1-3-0-6    10.0%    40.0%    40.0%    0-0-0-0
8~    1-0-1-102    1.0%    1.0%    1.9%    1-0-1-3

   
Check2
4~5歳の牝馬には要注目
 性齢別では、4歳牝馬が【2.2.1.2】で連対率57.1%、複勝率は71.4%の好成績。さらに5歳牝馬も複勝率42.9%と安定しており、4~5歳の牝馬が出走すれば注目を欠かせない。
 一方、牡・セン馬は5歳、そして4歳が好走馬の中心だが、好走確率の比較では牝馬には見劣る。また、6歳以上は苦戦傾向にあるほか、3歳馬は好走馬5頭すべて4番人気以内の人気馬だった。


Check3
毎日王冠組は前走1~2番人気か連対馬
 過去10年で最多の好走馬11頭を輩出するのが毎日王冠組【6.3.2.49】。同じ秋の古馬G2では、京都大賞典【0.0.0.16】、オールカマー【0.1.0.27】とは対照的な成績になっている。
 その毎日王冠組の好走馬11頭中、8頭を占めるのが毎日王冠連対馬。残る3頭のうち、10年のペルーサ(毎日王冠5着)と、12年のエイシンフラッシュ(同9着)は、同レース1~2番人気馬である。唯一の例外は昨年の優勝馬・スピルバーグ(同5番人気3着)だが、昨年の毎日王冠組は、連対馬も1~2番人気馬も天皇賞不出走だった。




Check4
休養明けなら前走連対馬か東京G1実績馬

Check3で触れたように、毎日王冠以外の秋の古馬G2組は不振。そのため、他の好走馬は休養明けが多く、宝塚記念【2.3.1.16】や、札幌記念【2.0.2.8】あたりが中心だ。
 これら休養明けの好走馬14頭を見ると、そのうち10頭は前走連対馬。まずは、前走で結果を出して休養に入った馬が狙いになる。
 残る前走3着以下だった4頭を見ると、いずれも前年秋に東京のG1で連対していた。スクリーンヒーローは前年のジャパンC優勝馬で、ペルーサは前年秋の天皇賞2着。そしてジェンティルドンナは2回とも、前年のジャパンCを制している。





Check5
単走の4番人気以下は苦戦、併せ先着・同入が4連勝

 パソコン用調教分析ソフト「競馬道 調教マスター」で分析すると、好走馬21頭中9頭は「単走」で追い切られた馬だった。ただ、単複の回収率は極めて低く、特に複勝回収率は10%台にとどまる。これは、好走馬9頭中7頭が2番人気以内、8頭が3番人気以内だったため。「単走」の4番人気以下で好走したのは、09年に5番人気で優勝したカンパニーのみである。
 対して、同じ4番人気以下でも、併せ馬で先着、または同入した馬は計7頭が好走。特にここ4年の優勝馬は、トーセンジョーダン(栗CW・併せ先着)、エイシンフラッシュ(栗CW・併せ先着)、ジャスタウェイ(栗坂・併せ先着)、そしてスピルバーグ(美南坂・併せ同入)と、併せ馬で追い切られた5番人気以下の馬が4連勝中だ。



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