素数大富豪における“六つ子素数”の非存在性
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素数大富豪における“六つ子素数”の非存在性

2017-12-09 00:06
    この記事は、素数大富豪 Advent Calendar 2017 の9日目の記事です。
    昨日はamane712さんの「○〇素数大富豪リメイク版」でした。
    821, 823, 827, 829は四つとも素数ですが、
    これらは一桁目が違うだけで、二桁目以上は「82」で共通しています。
    このように二桁目以上が共通している四つ組の素数を、「四つ子素数」と呼びます。
    (微妙に本来の定義と違いますが、素数大富豪の記事なのでこの定義で話を進めます)

    四つ子素数にはこのほかに、
    101, 103, 107, 109
    81041, 81043, 81047, 81049
    などがあります。

    素数大富豪で強くなるためには、素数を大量に覚える必要があります。
    そのとき、四つ子素数を積極的に覚えれば、
    単純に考えて四分の一の労力で素数を覚えられます。

    ヤバい! めっちゃ便利!
    と思うわけですが、ここで一つ疑問です。

    四つ子素数は、一枚目(一の位)をJやKに変えても、素数になるのでしょうか?

    例えば 191, 193, 197, 199は四つ子素数であり、一枚目をKに変えた1913も素数です。
    しかし、一枚目をJに変えた1911は素数ではありません。

    もし、一枚目にA,3,7,9,J,Kのいずれも使える「六つ子素数」が存在したら、
    とても便利だと思いませんか?
    そのような素数は、果たして存在するのでしょうか?


    実は、存在しないことが比較的簡単に示せます。
    これから証明しましょう。


    トランプで作った六つの数を、XA,X3,X7,X9,XJ,XKで表しましょう。
    Xはすべて同じカードの並びです。

    これらを、3で割った余りで分類してみましょう。
    ある数を3で割った余りは、0,1,2の三つのいずれかになります。
    なので、XA~XKを3で割った余りで分類すると、三つのグループに分かれるはずです。

    また、3で割った余りは、必ず周期的に変化します。
    仮に、XAを3で割った余りが0だとすると、X2を3で割った余りは1、X3を3で割った余りは2、X4は0、X5は1、X6は2、X7は0、……となります。
    つまり、余りが0,1,2,0,1,2,……と周期的に繰り返すのです。

    このことから、六つの数を3で割った余りで分類すると、以下のように分かれます。

    第一グループ XA,X7,XK
    第二グループ X3,X9
    第三グループ XJ

    同じグループの数同士は3で割った余りが常に等しく、
    違うグループの数同士は3で割った余りが常に異なります。
    3で割った余りは0,1,2の三つしかないので、この三つのグループのうちどれか一つは、
    3で割った余りが0、つまり3の倍数になります。

    XA~X9は、第一グループと第二グループに分かれて存在するため、
    XA~X9が四つ子素数のとき、この二つのグループは3で割った余りが0ではありません。
    従って、残りの第三グループが、3で割った余りが0のグループとなります。

    ゆえに、XA~X9が四つ子素数のとき、XJは必ず3の倍数となり、素数ではありません。
    よって、六つ子素数は存在しえないのです。
    Q.E.D.


    文章で長々と書きましたが、数学に詳しい人向けには、
     1≡7≡13≡1(mod3)
     3≡9≡0(mod3)
     11≡2(mod3)
    と三行書けば済む証明だったりします。数式って便利ですね。

    あるいは、
    「X1とX3は別グループなので、間のX2は第三グループ。よってX2は3の倍数。
     XJとX2は各桁の和が等しいので、XJも3の倍数。Q.E.D.」
    と考えても構いませんね。

    ところで、第一グループにはXA,X3のほかに、XKも含まれていました。
    しかし、XA~X9が四つ子素数のとき、必ずしもXKが素数とは限りません。
    例えば81041, 81043, 81047, 81049は四つ子素数ですが、810413は素数ではありません。
    3の倍数ではないからと言って、3以外の倍数でもないとは限らないからです。


    明日はakatananaさんの「個人研究の成果として合成数出し・指数出しを語りmath」です。お楽しみに。

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