先日行われた、藤井聡太プロと羽生善治竜王の公式戦初対局を視聴していました。
現役中学生の天才棋士が、国民栄誉賞を受賞するほどの
レジェンド棋士を制圧するなんて、見ていて感慨深いものがありましたね。
最も印象に残ったのは中盤戦でした。
羽生竜王の一見無理目に見える攻め手にも
藤井プロは全く動じることなく冷静に対応し、むしろそこから対局を優勢に進めていったのです。
初対局のプレッシャー、意表を突くような攻め、しかも相手はあのレジェンドです。
この一手には想像もつかない何かがあるのではないだろうか?
と深く考えすぎて、墓穴を掘ってしまうことも十分考えられると思います。
藤井プロは「メンタルが強い」と思う人もいるかもしれません。
しかし本当に「メンタルの強さ」が勝負に大きく影響するものでしょうか?
心の中は誰にでも見えるものではありません。平静を装っている人も
気丈に振舞ってる人も、人知れず心の中は大きく揺れていたりするものです。
目に見えることのないものを
計測することのできないものを、一体どのようにして他の人と比較できるものでしょうか?
人間には心があります。
心があるが故に精神面は誰しもが脆く、崩れやすいものだと思います。
どんなに鍛えたとしても精神面を強化することは難しい。
だからこそ鍛えるべくは、精神面ではなく技術面のほうなのです。
技術が向上すれば自然と勝率は上がります。
勝率が上がれば自然と自信もつくでしょう。自信がつけば精神面も自然と安定してくるはずです。
戦略の試行錯誤、対戦相手の研究、結果に対する理解 etc・・・
僕が藤井プロの勝利に見たものは
技術向上のために、対戦相手の研究のために費やした膨大な時間でした。
「メンタルが強い」というのは一見誉め言葉のように聞こえますが
技術を会得するためにしてきた努力を想像できない人の戯言のようにも聞こえます。
実力が足りないから、技術が足りていないから
知識が足りていないから、経験が足りていないから、結果に対する理解が足りていないから
試合中に起きた不慮の出来事に心が簡単に揺らされてしまうのだと思います。
麻雀も「メンタルの強さ」が大事なゲームだと言われています。本当にそうでしょうか?
ミスを引きずってメンタルがやられてしまうとしたら
単純にミスをしてしまった技術不足のほうが原因だと考えられますし
痛恨の放銃を引きずってメンタルがやられてしまうとしたら
それは結果に対する理解、または経験が足りていないからでしょう。
相手に委縮してしまってメンタルがやられてしまうとしたら
自分に自信が持てない、つまり実力不足の影響ともいえますし
他人の所作などが気になってメンタルがやられてしまうとしたら
いま成すべき優先順位を見失ってしまっている可能性があると思います。
いかがでしょうか? あなたの敗因は本当に精神的なものでしたか?
メンタルの弱さが真の敗因になることはありません。
そんなのは実力不足の言い訳でしかないのですから。
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