私は、緑とワタナベ君が見たポルノ映画の話を聞き及んで、フェラチオやクンニリングスやシックスナイン、ペニスがヴァギナに入って往復する様を急に見たくなったのだと雅也君に伝えた。

雅也君は暫しの間思案して、最近レディースコミックが過激な性描写をしていると雑誌で見たことがある。レディースコミックを読んでみたらどうだろうという。

レディースコミックは幾つか毎月読んでいた。しかし、私が買っていたのは少女漫画を卒業した女性向けの漫画誌といったものだった。

雅也君によると、表紙がイラストのものはソフトで、写真のものは過激な性描写があり、ポルノ色が強く、レディコミと呼ばれているらしい。

翌日、私は本屋でレディコミを探した。それはすぐに見付かった。今まで素通りしていた棚にあった。

私はレディコミを三冊購入し、帰宅して、ベッドの上でそれを読んだ。二段ベッドの下の段には、カーテンを閉めると一人きりの空間が作れた。

カーテンを付けたのは中学生になってからだ。夜の八時にはベッドに入る習慣がついていた。八時にはまだ私以外の家族は起きている。そこで父にカーテンレールを付けてもらい、手芸店で遮光生地を買い、西の祖母の足踏みミシンでカーテンを作った。カーテンを引くと、狭さと暗さが瞑想するのにぴったりで、読書灯もつけてあったから、私は一人になりたいときにはベッドに潜り、カーテンを引いた。

レディコミはポルノ漫画だった。仄めかすことなく性器が直接描写され、性交に至る過程が仔細に描かれている。Aはキスで、Bはペッティングで挿入しない愛撫、Cがセックスというぼんやりした性交のイメージが、綺麗で繊細な絵によってくっきりした輪郭を持って私の中に入ってきた。

私は自分の膣からぬるぬるした液体が出てくるのを初めて感じた。私はそのことも、レディコミの内容も雅也君に伝えた。

三時にチャットを終えて、私はビデオテープをデッキに入れる。アダルトビデオではない。キッチンポットいっぱいに紅茶を淹れる。クッキーやチョコレートと一緒にトレイに載せて書斎に戻る。真夜中の一人映画鑑賞は、中学生になってからの習慣だった。

昨年の四月から百五十本以上の映画をビデオで観ていた。週末と中間、期末テストの直前は観ないが、平日はほぼ毎日一本観た。大体二時間で映画が終わると、それから朝食まで勉強した。