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礼讃・第33回「高二の夏」⑦
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礼讃・第33回「高二の夏」⑦

2014-09-29 13:00

    「朝飯にしよう」

    ペニスを抜いた彼が、

    「もしできたら産んでいいよ」と言った。

    「え? 何ができたら?」

    私はぽかんと首を傾げて聞いた。

    「赤ちゃんができたら。妊娠したらってこと」

    「えっ、妊娠?」

    私はびっくり仰天して言った。

    「今だって、昨日の二回目だって、避妊していないんだぜ」

    「避妊していないときは徹さん、射精していないじゃない。よく洗ったし」

    と、私は真面目に言った。

    「射精する前から精子は少しずつ出ているんだよ。膣外射精や射精後の洗浄なんて避妊にならない。そんな知識でセックスして、もし俺が悪い男だったらどうするんだよ」

    叱られた子供のようにしょんぼりする私に、

    「俺は花菜ちゃんのこと大切にするから、ずっと付き合おう」と、彼が言った。

    「付き合う?」

    驚いて顔を上げた私に、彼はあっさり言った。

    「遠距離恋愛になるけどさ、仕事が休みの日には花菜ちゃんの住んでる町に会いにいくよ」

     これは告白なのだろうか。私は今、交際を申し込まれたのだろうか。私は今、世界一幸せな女の子だろうと思った。

     

     
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