翌日は、以前から話していた大鵬が少年期を過ごした弟子屈に向かい、大鵬を懐かしがる彼を微笑ましく眺め、川湯温泉に入り、納沙布岬を目指した。
岬の先端に立つ道内最高の灯台から貝殻島や北方領土四島が見渡せることに、彼は感動している。
私は、あの島が国後、こっちが択捉、あれが歯舞、色丹と指を差して説明した。
私達は海に浮かぶ北方領土の島々を眺めながら、早朝から私が奮闘して作ったお弁当を開けた。
「なまり節の味付けが上手い」
と、彼が面倒なことを言うので、
「なまりを煮たのはおばあちゃんだけれど、焼豆腐と茄子を炊き合わせたのは私で、味付けだって水が3で酒と砂糖が1、醤油は2の割合で作ることは知っているから、今日はたまたまおばあちゃんが煮たものを使ったけれど、私だって一から作ることはできるのよ」
と、言い訳のような説明をしなくてはいけなかった。
彼は、私が丸く握ったおむすびを「大きいな」と笑いながら、「旨いよ」と言ってくれた。
スコッチエッグは、懐かしいと言ってソースをかけ、イカリングと帆立には醤油をかけていた。私は、塩・胡椒を振り忘れていたのだが、それに関しては何も言われなかったので、ほっとした。素材の良さと醤油という調味料に救われたらしい。
「本当に旨かった。花菜ちゃんは料理上手な上に、床上手だから最高だよ」と、彼はにやりと笑った。
「とこじょうずって何?」
「花菜ちゃんは、美味しいものを作って与えるのがうまいってことだよ」と、はぐらかされた。
車を林の中にとめ、彼は助手席のシートを少し倒し、私を抱き締めキスをした。
窮屈な空間の狭いシートで、彼は私のショーツだけを脱がせ、彼もズボンだけ下ろし、私の手をペニスに導いた。ワンピースをたくし上げ、ホックを外さずブラジャーを乳首が出るまでずり上げた。乳房がブラジャーのアンダーで潰され、ぴんと立った乳首に擦れているのを感じ、私は欲情した。
彼が膣から掬った愛液をクリトリスに塗り、小刻みに指を動かすと、私はあんあん言いながら、握ったペニスを上下にしごいていた。熱い息遣いが伝わって、彼も興奮しているのがわかり、私はいつもより早く達し、徹さんのを入れてとねだった。
シートが硬いせいか、彼の腰の動きがダイレクトに伝わり、びりびりきた。身動きがとれない狭いシートで、腰が逃げずに固定されている私の体は、彼のペニスをいつもより強く受け止めていた。
彼は、私に助手席の背もたれを抱えさせ、後ろから突いてきた。荒い息の私を振り向かせ唇を重ね、気持ちいいよと言った。
彼は、後部座席に私を寝かせ、上に乗った。
私は窓から木漏れ日を浴びながら、緑色に輝く樹木の葉を、高々と上げた脚の横から見たのだった。